2014年03月12日:平成26年第277回定例会(第8号)   本文

◯議長(阿部広悦) 議案第一号から議案第八十四号まで及び議案第百五号を一括議題とし、質疑を行います。

 質疑は議題外にわたらないようにお願いいたします。

 十四番高橋修一議員の発言を許可します。──高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) おはようございます。質疑を行います。

 初めに、議案第二十一号「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案」、改正内容等についてでございます。

 冒頭、職員の特殊勤務手当に関する条例の改正内容について御答弁をお願いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 総務部長。

 

◯総務部長(中村 賢) お答えを申し上げます。

 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案は、平成二十六年四月一日施行の組織改正等に伴い、夜間看護手当及び公害等調査手当の支給範囲を改めるものでございます。

 具体的に申し上げますと、夜間看護手当につきましては、あすなろ医療療育センター及びさわらび医療療育センターが、病院を兼ねた医療型障害児入所施設等から診療所を併設した福祉型障害児入所施設等に転換されることに伴い、支給範囲を、病院の病棟に勤務する看護師または准看護師から、あすなろ療育福祉センター及びさわらび療育福祉センターに勤務する看護師及び准看護師に改めるものでございます。

 公害等調査手当につきましては、県境再生対策室の所管業務の全てと、環境政策課が所管する業務のうち、環境保全業務及び廃棄物・不法投棄対策業務を新たに設置する環境保全課に移管することに伴い、支給範囲から、本庁県境再生対策室に勤務する職員を削除し、本庁環境保全課に勤務する職員を加えるものでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) あすなろとさわらびの医療センターの福祉型への施設転換、これによる夜間看護勤務の部分と、それから、新しくできる環境保全課への所管業務の移管による公害等調査勤務、この二つの勤務手当の改正であるということを理解いたしました。このうち、公害等調査勤務に関連して、以下お伺いをしたいと思います。

 県境再生対策室が廃止されるということでありますが、これにつきましては、昨年十二月十九日の県境不法投棄の廃棄物の撤去が完了になったと。これを大きな節目として、また、大きな要因として廃止するものと思いますけれども、この室を廃止する理由、改めてお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 総務部長。

 

◯総務部長(中村 賢) お答えいたします。

 県境不法投棄事案につきましては、廃棄物及び汚染土壌を全量撤去するとの方針のもと、これに確実かつ強力に取り組むため、平成十五年九月に県境再生対策室を設置して対策に取り組み、昨年十二月に撤去が完了したところでございます。

 県としましては、本件のような事案を二度と起こしてはならないと考えておるところでございまして、全量撤去の完了を契機として、今後、県下全域における不法投棄対策等に的確に対応するとともに、県境再生に係る業務等と一体的に進めていくため、新たに環境保全課を設置し、同課に県境再生対策室を統合することとしたものでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) この県境再生対策室が廃止となるものの、今後とも現場に残る汚染の地下水、この浄化や、あるいは環境の再生、それから、この地区の利活用等々が引き続き求められるものと思います。

 そこで、現在行っている県境再生対策室の所管業務について、今後どのようにして取り組んでいくのかをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 環境生活部長。

 

◯環境生活部長(林 哲夫) 県境の不法投棄事案につきましては、議員からも御指摘ございましたように、昨年十二月十九日に約百十四万七千トンの廃棄物と汚染土壌の全量撤去を完了したところでございますが、引き続き、現場内に残ります汚染地下水の浄化を行い、平成三十四年度までに事業を完了することとしております。

 そしてまた、現場跡地の自然再生や跡地の活用による地域振興等の方針を定めました環境再生計画に基づきまして、自然再生につきましては、平成二十六年度に県民植樹祭を開催するほか、企業が実施主体となった森づくり活動による森林整備に着手することとしております。

 跡地の活用による地域振興につきましては、地下水汚染の浄化に起因する現場跡地への施設設置の制約が平成三十四年度には解消されることも念頭に置きつつ、有識者や関係者の意見を伺いながら、現場跡地の立地条件や地域ニーズを踏まえた活用について、検討していくこととしているところでございます。

 こうした県境不法投棄事案に係りますこれらの業務につきましては、専任の窓口、グループによりまして、今後とも気を引き締めてしっかりと対応してまいります。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 御答弁ありがとうございました。

 気を引き締めてしっかりとということでありますが、ともあれ、これまで百十四万七千トンに上るこの廃棄物の処理、平成十六年から始まったということであります。今日に至るまで、さまざまな御苦労の連続であったと思います。本当にお疲れさまでございました。

 今後の取り組みに関しましては、御答弁にあったとおり、これまでの原状回復のさまざまな対策、これを一つの大きな経験として捉えて、また、こういった事案があったということを埋没させることなく、一つの大きな今の世代に生きる我々の、こう言ってはなんですが、財産として、次の世代にしっかりと引き継いで、また、こういった事案が二度と起こらないように、今後とも諸対策について万全を期すことを期待し、またお願いをしたいと思います。

 続きまして、議案第二十五号「青森県鉄道施設条例の一部を改正する条例案」、改正の概要と影響等についてでございます。

 初めに、今回提案の条例案の概要はどのようになっているのか。

 あわせまして、今回の改正により、線路使用料への影響額がどのようになるのかをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(小山内豊彦) お答えいたします。

 まず、条例案の概要についてでございます。

 今回提案している青森県鉄道施設条例の改正は、平成二十六年四月一日からの消費税率の引き上げに伴い、青い森鉄道の鉄道施設を使用する場合の使用料の額を改めるものであります。

 具体的には、二つの使用料がございまして、まず、条例の別表第一第一号に定める第二種鉄道事業の用に供するために青い森鉄道の鉄道施設を使用する場合の線路使用料につきましては、現行では、鉄道施設の保守等に要する経費に百分の百五を乗じて得た額と規定されていますので、この百分の百五を百分の百八に改正するものであります。

 また、条例の別表第二に定める行政財産の目的外使用に係る使用料の額については、現行では、土地及び建物の価格等に百分の百五を乗じて得た額と規定されており、この百分の百五を百分の百八に改正するものであります。

 次に、今回の改正による線路使用料への影響額についてでございます。

 線路使用料は、県が所有する青い森鉄道の鉄道施設をJR貨物及び青い森鉄道株式会社が使用した際、県へ支払われる使用料です。その額については、県が毎年度青い森鉄道の保守等に要した経費を両者の走行実績に応じて配分し、決定の上、使用料を支払っていただいており、青い森鉄道株式会社については、同社の決算状況に応じて線路使用料を減免しています。

 御質問の条例改正による影響額についてですが、御審議いただいている平成二十六年度当初予算案では、国の認可を受けた平成二十五年度の旅客と貨物の案分比率等をもとに線路使用料を見込んでおりますが、それによると、消費税五%では約三十七億五千百万円と見込まれる線路使用料総額は、消費税率八%に置きかえると総額約三十八億五千四百万円と見込まれ、この増加額約一億三百万円が影響額と見込まれているところです。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 条例の改正の内容と影響額については、よく理解をいたしました。

 それから、四月からのこの消費税の税率引き上げによりまして乗車運賃も値上げされると伺っております。

 そこで、青い森鉄道の運賃改正の概要について御答弁をお願いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(小山内豊彦)お答えいたします。

 本年四月からの消費税率の引き上げに伴い、国土交通省では、公共交通事業における消費税の運賃・料金への転嫁の方法に関する基本的な考え方を定めており、この中で、消費税率引き上げ分については、運賃・料金への転嫁を基本として対処すること、端数処理については、合理的かつ明確な方法により行い、事業全体として百五分の百八以内の増収となるよう調整することなどが示され、青い森鉄道株式会社では、この考え方に基づき、運賃に消費税率引き上げ分を転嫁するため、去る二月六日、東北運輸局に運賃の変更認可申請を行い、三月七日付で認可を受けたところです。

 認可の内容ですが、普通旅客運賃、定期旅客運賃ともに現行の運賃から消費税相当額を除いた金額に百分の百八を乗じ、十円未満を四捨五入して十円単位とした額を改定額としておりますが、営業キロが十キロ以下の短距離区間においては、普通旅客運賃を据え置いております。

 具体的な運賃を、青森駅を起点に紹介いたしますと、青森─八戸間は、現行の普通運賃二千二百二十円から二千二百八十円と六十円の値上げとなりますが、青森駅からの距離が十キロ以下の矢田前までについては据え置きとなっております。

 このような改定内容により、旅客運輸収入全体の改定率は二・八〇〇%となっており、これは、国の考え方による改定率の上限の百五分の百八、すなわち二・八五七%を下回る数値となっており、四月一日より改正となります。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 次に、運賃が消費税分値上げされる一方で、青い森鉄道につきましては、三月十五日に待望の筒井駅が開業されると伺っております。また、これに伴いまして、ダイヤの改正あるいは新しい車両の導入も行われるということでありまして、利便性の向上による利用促進、この期待が高まっております。

 そこで、青い森鉄道の利用促進に向けて、県及び会社はどのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(小山内豊彦) お答えいたします。

 県では、青い森鉄道を沿線地域住民の足としてだけではなく、観光面など地域の重要な資源としても捉え、沿線各駅を地域の拠点として利活用していくことが、青い森鉄道の利用促進に加え、沿線地域の活性化にもつながるものと考えております。

 このため、県、沿線市町、青い森鉄道株式会社等で構成する青い森鉄道線利活用推進協議会では、地域団体等が自主的に行う駅の花壇整備等の美化活動や、沿線の買い物スタンプラリー、沿線食材を使った高校生カレー選手権、あるいは、向山駅ミュージアム運営などへの助成のほか、鉄道まつりやフォトコンテストの開催を通じて鉄道の魅力や沿線資源をPRしております。

 また、県が地元青森市と連携して建設を進めてきた筒井駅が三月十五日に開業しますが、地域住民を初め、周辺地域の通勤・通学の利便性が大幅に向上されるものと考えています。

 青い森鉄道株式会社においても、筒井駅開業に合わせバリアフリー対応の新型車両を二編成四両導入したほか、開業からのダイヤ改正で青森市内の朝の通勤・通学時間帯の列車増発や、弘前方面、下北方面へのアクセス向上、さらには、青森─八戸、八戸─三戸の両区間でほぼ一時間に一本の運行となるダイヤの実現など、利便性向上に積極的に取り組んでいます。

 県としては、今後とも、沿線市町や地域の方々と連携しながら、青い森鉄道株式会社とともに利活用の推進に努めていきたいと考えております。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) ただいまの御答弁で、バリアフリー型対応の新型車両を導入するということでありますけれども、これまでの車両との変更点というものがどういったものなのか、御答弁をお願いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(小山内豊彦) お答えします。

 議員御指摘のとおり、バリアフリー対応ということで、乗降に支障がないようにいたしますとともに、その車体の幅がたしか十四、五センチ広くなり、非常にゆったりとしたスペースとなる。それにより、乗員もより多くの方が乗れると。さらにはまた、障害者の方も活用できるトイレなども設置していると。そういった車両でございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) お聞きしてなんですが、座席がまず広くなるというのと、車椅子用トイレも設置されて、それから床が低くなるということで、それによって、御答弁にもありましたけれども、定員がふえて輸送量がふえるということで伺っております。

 それから、私、前に一般質問で、青い森鉄道のマスコットキャラクターがモーリーで、モーリーがいまいちぱっとしないという話をしたんですけれども、新しい車両には、モーリーはブルーなんですけれども、ピンクのモーリーが描かれるということで、一部の県民からすごいピンクのモーリーへの期待が高まっている。大変大きな注目を浴びているというふうにも伺っております。したがいまして、この筒井駅の開業はもちろんでありますけれども、新しいこの新型の車両の導入というのが、今後の青い森鉄道の利便性の促進、あるいは利用促進に向けて大きな原動力になろうかと思いますので、今後とも頑張っていただきたいと思います。

 続きまして、議案第三十三号「青森県獣医師修学資金貸与条例の一部を改正する条例案」、改正内容等についてでございます。

 初めに、青森県獣医師修学資金貸与条例の改正内容と改正に至った背景につきましてお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) 青森県獣医師修学資金貸与条例では、現在、修学資金の貸与額を月額十万円以内と定めているところでありますが、国の獣医師養成確保修学資金貸与事業との整合性を図り、私立大学におきまして獣医学を専攻する学生に対する貸与額を月額十二万円以内とすることを加えるというものでございます。

 改正に至った背景でございますが、本条例は獣医師職員確保対策の一環として平成四年に制定しましたが、その後、一定程度獣医師職員の確保が図られるようになったことから、平成十三年四月から新規の貸与を休止したところであります。

 しかしながら、近年、青森県におけます屠畜検査頭数が増加傾向にあることによりまして、必要な獣医師職員数が増加する一方で、獣医学を専攻する学生の小動物志向の高まり等から、再募集を実施してもなお獣医師職員の採用者数が募集人員を下回るなど、必要な獣医師職員の確保が困難な状況にあることから、現在休止しております修学資金の新規貸与を平成二十六年度から再開することといたしまして、条例の一部改正につきまして、本定例会において御審議をいただいているところでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 続きまして、本県における過去三カ年の獣医師の採用状況について御答弁をお願いします。

 

◯議長(阿部広悦) 総務部長。

 

◯総務部長(中村 賢) お答え申し上げます。

 過去三カ年の獣医師の採用状況は、平成二十二年度は十名の募集に対して採用が八名、平成二十三年度は七名の募集に対して採用は四名、平成二十四年度は八名の募集に対して採用は六名となっておるところでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 過去三カ年の採用の状況をお伺いいたしました。

 今後の獣医師職員の退職予定数あるいは獣医師確保の目標数、こういったものが今後問われてくると思いますけれども、募集人員に対して採用者が低いという現象が依然として続いているようであります。

 そこで、今後の獣医師職員の確保に向けた取り組みをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 青山副知事。

 

◯副知事(青山祐治) お答えします。

 県の獣医師職員は、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の予防・蔓延防止、衛生指導や診療業務、屠畜検査の実施、食鳥肉の安全性確保及び狂犬病予防対策などの業務を担っているほか、食品の安全性確保、動物愛護管理、感染症対策等、さまざまな分野で大きな役割を果たしています。

 県としては、県民生活の安定を図る上で、県獣医師職員を安定的に確保することが喫緊かつ重大な課題と認識しており、平成二十四年一月に、このための基本的な方針として、青森県獣医師確保プランを策定し、中高生への出前講座や獣医科大学訪問、獣医学生のインターンシップ受け入れなど、関係部局が連携した取り組みを進めているところです。

 今後、これらの取り組みに加えて、青森県獣医師修学資金貸与条例による修学資金の貸与を再開するほか、県内出身の獣医師職員を育成するため、獣医科大学での地域枠入試の活用にも新たに取り組むとともに、獣医科大学への積極的な働きかけを行って、獣医学生を対象とした交流会や県の業務に関する情報提供、獣医科大学での特別講座を実施することにより獣医師職員の確保に努めてまいります。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 御答弁ありがとうございました。副知事からの答弁のとおり、口蹄疫とか、それから鳥インフルエンザ、これが数年前本当に社会的に大きな問題となって、獣医師の確保と申しますか、食そのものの安全についての重要性、ここに県民の大きな関心が注がれたものと記憶しております。

 そういった意味で、県の獣医師職員の役割は重要度を増していると考えます。と同時に、県獣医師職員数の減少と業務量の増加、これも一つの大きな課題、問題となっているようであります。このままこれが続いた場合、獣医師の公務員離れに拍車がかかり、さらなる職員数の減少を招くおそれがあります。したがいまして、ただいま御答弁にありました青森県獣医師職員確保プラン、これは私も見させていただきましたけれども、この着実な実行をお願いし、将来に向けて安定的な職員の確保に努めていただくようお願いいたします。

 続きまして、議案第三十四号「青森県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例案」、改正内容等についてでございます。

 初めに、青森県後期高齢者医療財政安定化基金の概要についてお伺いをいたします。

 加えまして、青森県後期高齢者医療財政安定化基金条例の改正内容についてもお伺いをいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) まず、青森県後期高齢者医療財政安定化基金の概要でございますが、この後期高齢者医療財政安定化基金は、後期高齢者医療制度を運営いたします青森県後期高齢者医療広域連合におきまして、費用額が収入額を上回る財政不足となった場合に、広域連合に資金の交付または貸し付けを行う事業や保険料率の増加抑制を目的に交付する事業を実施するため、平成二十年度から県に設置をされております。

 この基金は、国、県、広域連合が三分の一ずつ負担して積み立てる仕組みとなっておりまして、県は、広域連合から基金拠出金を徴収しております。

 本条例におきましては、基金拠出金を算定するための医療給付の総額に対する拠出率を定めているところでございます。

 この条例の改正内容でございますけれども、県は、平成二十年度の後期高齢者医療制度発足の際に、基金の拠出率を国が定める標準的な拠出率と同率の一万分の九と条例で定めて基金の積み立てを行ってきたところであります。

 しかしながら、これまで広域連合においては財政不足などの事態が生じたことがなく、基金の取り崩しがなかったことから、平成二十五年度末時点で約二十二億五千万円の基金残高が見込まれているところであります。

 広域連合では、二年を単位として保険料率を定め、財政運営を行っているところでありますが、今後二年間の財政不足等のリスクを考慮しても、現在の基金残高の範囲内で十分リスク対応が可能であると考えております。

 また、基金への拠出を行わないことによって広域連合の拠出金負担がなくなり、保険料の引き上げが回避できることから、広域連合からは拠出率をゼロとするように県に要望が出されているところであります。

 この広域連合からの要望内容につきまして、県としても内容が妥当なものであると判断し、今回、基金の拠出率をゼロにするための条例案を本定例会に提案し、御審議をいただいているところでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 基金の拠出率がゼロになるということは、逆に言えば、この後期高齢者医療の財政というのは安定しているのかなとも捉えることができると思います。それから、この平成二十年度に後期高齢者医療制度が始まりましたけれども、あのころを思い出してみますと、この制度のいわゆる表面的な部分だけを切り取って、さまざまな混乱と言えるものが生じたことが思い出されますし、また、数年前には、この制度の一時廃止という議論も国において行われたと記憶しております。しかしながら、制度導入から五年が経過しまして、なぜこの制度が導入されたかといった制度本来の趣旨が県民にも広く浸透してきたのかなとも感じております。

 財政も、これまでは安定的に運営されているようでありますので、今後とも、国あるいは広域連合と連携しながら、本制度を適切に運営していただきたいと考えます。

 そこで、今後の後期高齢者医療制度の財政安定化に向けた取り組みと、それから、この方針についてをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) 県では、基金積立金の三分の一を負担しているほか、法律に基づきまして、給付費の一定割合の負担、高額医療費の一部負担及び低所得者等に対して行いました保険料軽減分の一部負担というものを、広域連合に対しまして行ってきているところであります。

 平成二十四年度におきますこれらの負担金の額は、後期高齢者医療財政安定化基金積立金の県負担分が約一億三千五百万円、それ以外の法律に基づく負担金が合計で百四十五億五千百万円となっております。

 県といたしましては、今後も法律に基づく財政負担の責任を適切に果たしていくとともに、後期高齢者医療の安定的な財政運営のため、国と連携しながら、広域連合や市町村に適切に助言をしていきたいと考えております。

 また、県が平成二十五年三月に策定いたしました青森県医療費適正化計画(第二期)におきまして、医療費適正化に向けました喫煙防止対策など県民の健康保持の推進に関する目標を設定しているところですが、これらの目標達成に向けました具体的な取り組みを実施することにより医療費の適正化を図り、後期高齢者医療の財政安定化を図っていきたいと考えております。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 続きまして、議案第四十号「青森県医療療育センター条例の一部を改正する条例案」、福祉施設への転換についてでございます。

 初めに、本条例案の改正に至った経緯及び改正の内容についてをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) 県では、県立中央病院のNICUの満床状態や県立医療療育センターの医師不足とベッド不足、老朽化といった課題を踏まえ、重い障害がある方々が周産期医療から療育の場まで安定的に医療・療育、福祉サービスを受けられる体制づくりを目的として、平成二十二年一月に青森圏域の地域医療再生計画を策定いたしました。

 また、同計画の趣旨にのっとり、あすなろ及びさわらび医療療育センターの両施設について、施設利用者の皆様等からの意見を集約し、施設機能及びサービス内容を明確にするため、平成二十三年三月に青森県立医療療育センター整備基本構想を策定いたしました。

 同計画及び構想に基づきまして、両センターについては、平成二十六年四月から診療所を併設した福祉施設に転換することとしておりまして、これに伴い業務の内容を改める等の所要の整備を行うため、青森県医療療育センター条例の一部を改正するものであります。

 条例案の主な内容につきましては、施設転換に伴うものとして、業務及び使用料の規定について提供サービスの変更に対応した改正を行い、施設の名称について療育福祉センターに改めるものとなっております。

 また、そのほかに、消費税率改定に伴うものとして診断書料の額の改正を行うものとなっております。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) ただいま御答弁いただきました福祉型への転換後のあすなろとさわらび両センターの入所者数の状況及び現入所者への処遇はどのように変わっていくのか、御答弁をお願いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) 両センターに現在入所されている利用者のうち、あすなろ医療療育センターから十二名、さわらび医療療育センターから三名の合計十五名の利用者の方は、青森圏域におきまして医療ニーズの高い重症心身障害児者に対する医療を担うこととなる国立病院機構青森病院へ転院されることとなっておりまして、転換後の福祉施設に継続入所される方は、あすなろ医療療育センターが十六名、さわらび医療療育センターが十七名となってございます。

 転換後の福祉施設におきましては、併設の診療所において必要な医療を提供しつつ、入所者に対する介護や余暇活動などの日中活動を充実させ、入所者の生活の質の向上を図っていくこととしております。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 福祉施設転換後も、肢体不自由児及び重症心身障害児にとってこの施設は重要であり、利用者の家族の意向も踏まえた施設運営が必要と考えます。

 そこで、利用者が安心して施設を利用できるようにするために、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(江浪武志) 施設の運営に当たりまして、利用者の方々の意見を反映させていくことは非常に重要であることから、県では、両センターの整備基本構想を策定するに当たりまして、利用者からの御意見をお聞きしながら進めてまいりました。

 また、同構想を踏まえました施設運営の検討に当たりましても、保護者会への職員の参加や福祉施設転換に係る保護者への説明会を通しまして、保護者からの御意見を聞きながら検討を進めてまいりました。

 転換後の福祉施設におきましては、利用者からの御要望の多かった看護師の常時配置を行うとともに、新たなサービスとして、あすなろ医療療育センターにおきまして総合相談支援センターを設置し、各種相談への対応や情報提供を行うほか、歯科診療科を開設し、サービスの拡充を図ることとしております。

 今後とも、保護者会との意見交換の機会を継続的に設け、保護者の皆さんからの御意見をお聞きしながら、利用者が安心して生活できるような施設の運営に努めてまいります。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) この福祉施設への転換というのは、これまで保護者などとさまざまな形で話し合いを積み重ねながら今日に至った経緯があろうかと思います。そういった意味において、福祉施設転換後も、引き続き、何よりも利用者目線に立ったサービスの提供あるいは施設の運営が求められますので、この点につきましては、特段の御配慮、御努力を何とぞよろしくお願いしたいと思います。

 最後になります。議案第五十四号「青森県屋外広告物条例の一部を改正する条例案」、条例の概要等についてであります。

 初めに、今回の改正内容についてお伺いをいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(横森源治) 青森県屋外広告物条例は、屋外広告物について必要な規制を行うことにより良好な景観の形成や公衆に対しての危害の防止を目的として昭和五十年に制定されたものであり、現在は、市町村が広告物の設置許可等に関する事務を行っております。

 これまでは、広告物の設置等の許可期間の満了後引き続き広告物を設置等する場合は、安全性等を確認するため、新設時と同様に材料や構造、設置方法等に関する仕様書や図面の添付を義務づけておりました。

 しかしながら、材料や施工技術等の進歩により広告物の耐用年数が延びていることから、今回の改正により許可の期間の更新に関する規定を新設し、更新に当たりましては、仕様書や図面を省略するなど申請書類の簡素化を行い、申請者の負担軽減を図るものでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) この屋外公告に関してですが、県では、この条例によって設置できる場所や大きさ等のルールを定め、一定の規制を行っております。しかしながら、調和のある良好な景観形成を図るためには、屋外広告物を単に規制する、排除するといった考え方ではなく、より質の高いものへと誘導することが不可欠と考えます。

 そのためには、規制する側の行政、規制される側の事業者が連携し、望ましい広告のあり方について意識を共有させるなどの官民が連携した取り組みが必要と考えます。

 そこで、最後になりますが、屋外広告物に関する官民連携の取り組みについてお伺いいたします。

 

◯議長(阿部広悦) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(横森源治) 屋外広告物は景観を形成する重要な要素であります。単に目立とうと周囲の景観を無視した広告物は景観を壊す障害物となりますが、適切にデザインされた広告物は、地域の景観を向上させるとともに、町のにぎわいや活力づくりに寄与する資源となります。

 このような望ましい広告景観を創出するためには、広告物に対する規制だけではなく、目指すべき景観のイメージを行政と事業者が共有し、連携して景観づくりを推進していくことが不可欠となります。

 そのため、県では、官民連携の取り組みとして、平成二十六年度に国土交通省の協力を得て、県や市町村の担当者と事業者によるタウンミーティングを開催することとしております。

 このタウンミーティングでは、実際に町を歩き、広告物の現状やあるべき姿を議論することにより、行政と事業者の意識の共有を図り、より良好な景観づくりを推進することとしております。