2019年10月11日:平成30年度決算特別委員会(第3号) 本文
◯蛯沢委員長 質疑を継続いたします。
高橋修一委員の発言を許可いたします。──高橋委員。
◯高橋委員 おはようございます。自民党の高橋でございます。決算特別委員会、発言の機会を頂戴いたしました。先輩議員、また、同僚議員の御配慮に心から感謝を申し上げたいと思います。
事前に七項目につきまして通告させていただきました。それぞれについて、平成三十年度の事業内容あるいは成果、また、見えてきた課題、課題解決のための今後の方向性等について、順次質問してまいりたいと思います。
きょうは副知事、また、教育長、警察本部長、それから各部局長にも御出席いただいております。見当違いの発言もあろうかと思いますが、何とぞ御容赦いただきまして、御答弁賜りたくお願い申し上げます。
歳出十款七項二目「体育振興費」、第八十回国民スポーツ大会開催に向けた取り組みについてであります。
平成三十年十二月、昨年度でありましたが、第八十回国民スポーツ大会開催に向けた基本構想が策定されております。その数年前より既に基本的な方針というのは定められておりましたが、昨年の基本構想の策定によって、より個別具体的な取り組みに着手されつつあるといった状況にあろうかと思います。
また、先般、本年九月一日でありましたが、青森市の宮田地区に新しい陸上競技場がオープンいたしました。国スポの際の総合開会式の会場ということで、それまでは何か国スポの開催も少し遠い将来のことであるといった認識を持っておりましたが、新しい競技場の供用開始によりまして、一気に現実味を帯びてきたと申しますか、広く県民がそういった思いにあるのかなとも感じているところであります。
先日、九月後半から十月八日まで、本年の茨城国体が開催されましたが、青森県の成績は天皇杯、男女総合の成績は四十五位でありまして、昨年が四十二位ということで、残念ながら、二年連続で順位を落としております。しかしながら、皇后杯、女子の総合得点は三十七位で、昨年の四十三位から大きく順位を上げたと。この順位については、二〇二五年、青森県、地元で開催するということで、天皇杯を目指すことになろうかと思いますが、今回の結果も踏まえまして、改めて競技力向上のための体制の充実化を図っていただいて、選手の育成、強化、引き続いての努力をする必要があろうかと思います。
一方で、最近特に感じることは、これまで競技場の施設の整備であったり、また、競技力の向上の部分に私も含めて県議会の議論が重きを置いてきたのかなと。当然、大型の施設の整備も競技力の向上も、それ相当に時間のかかることでありますので、県としても先行的に実施されてきたと、取り組んできたと、そういったことから、議会の議論もこのことに偏ってきたと申しますか、重点的に議論が尽くされてきた、そのようにも最近特に捉えております。
改めて国スポ開催に当たっては、これまでもそうでありますが、今後ともハード面、ソフト面、多額の事業費が計上されてきたわけでありますし、これからもそうであります。このことに対する県民への責任という観点からも考えますと、決して競技面の部分だけ重点的に見るのではなくて、決して一過性のイベントであったり、単なるスポーツ大会、競技大会の開催ではあってはならないと捉えるところであります。申し上げたいのは、いま一度、何のために国スポを招致し、青森県は何を目指しているのか、つまりは大会開催の成果をどう将来へつなげていくのかという観点が重要であり、この意識を広く県民の皆様と共有していかなければならないと考えるところであります。
そこで質問でございますが、国スポを一過性のイベントとはせず、その成果を将来へとつなげていくことが重要と考えます。県では、どのような目標を持って大会を開催するのかお伺いしたいと思います。
◯蛯沢委員長 青山副知事。
◯青山副知事 スポーツの推進は、県民一人一人が健やかな生命と心を育み、豊かな暮らしを送ることができる活力ある長寿県を目指す青森県にとって、大変重要な要素であり、青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦においても、二〇三〇年の目指す姿の一つとして、スポーツが盛んな青森県を掲げているところです。
このような中、本県において第八十回国民スポーツ大会、青の煌きあおもり国スポを開催することは、競技力の向上につながるほか、県民のスポーツに対する興味、関心の高まり、スポーツによる地域の活性化、スポーツを通じた健康づくりや生きがいづくりの推進、次代を担う子供たちに夢や希望を与えるなど、本県にとって新たな活力の創出につながるとともに、全国から訪れる多くの参加者へ本県の魅力を発信できる絶好の機会と捉えています。
このため、国スポの開催にあっては、オールあおもりで感動を創出し、県民のレガシー(遺産)とすることを基本目標に、県民がさまざまな形で大会にかかわることで、開催準備段階から感動を創出し、開催後の活力へとつなげていくことを目指し、現在、開催に向けた準備を進めているところです。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 ただいま副知事から御答弁いただきましたオールあおもりで感動を創出し、県民のレガシー(遺産)とすると。これが基本目標であります。単なる一過性のイベント、スポーツ大会にはしないという強い決意、また、必ずやその成果を青森県の将来へつなげていくといった覚悟のほどを感じ取りました。
そこで、国スポ開催の目標を達成するため、どのような取り組みを行うのかお伺いしたいと思います。
◯蛯沢委員長 企画政策部長。
◯橋本企画政策部長 県では、国スポ開催の基本目標を実現するため、開催基本構想に定める三つの目指す方向に沿って取り組みを進めることとしております。
まず一つ目の県民の誰もがスポーツに親しむ国スポでは、スポーツを通した健康づくりや生きがいづくりの推進、将来にわたり持続可能な競技力の向上、スポーツへの関心の広がりを目指した取り組みを進めます。
二つ目の県民が自発的、積極的に参加する国スポでは、オールあおもりとなる県民運動の推進、ボランティア等の人材育成、県内各地での競技会の開催を目指した取り組みを進めます。
三つ目の来県者を熱い心でおもてなしする国スポでは、あおもりのあらゆる魅力の発信、来県者との交流の促進、来県者等へのおもてなしの推進を目指した取り組みを進めます。
今後、これら三つの方向を目指し、具体的な取り組みを進めてまいりますので、その中で多くの県民がさまざまな形で参加し、大会が一過性のイベントになることなく将来へとつながっていくよう、あわせて検討してまいります。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 平成二十七年九月、青森県議会第二百八十三回定例会、四年前でありますが、知事が二〇二五年に開催されるこの国民体育大会の本県招致について、正式に議会の場で表明されました。同じ定例会において、県議会としても国民体育大会の招致に関する決議を全会一致で可決したところであります。したがいまして、私ども県議会としても、大きな目標であるオールあおもりで感動を創出し、県民のレガシー(遺産)とする、この目標の達成のために、会派を問わず、その責務を議会としてもしっかり果たしていかなければならないと改めて思うところであります。
次の質問に移ります。
歳出十款一項四目「教職員人事費」、公立学校教員採用候補者選考試験におけるスポーツ特別選考について。
まず、スポーツ特別選考の実施の目的、受験資格及び採用状況についてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 県教育委員会では、教員としての資質、能力、適性を有し、得意分野を持つ個性豊かで人間性あふれる多様な人材を求めるとともに、全国大会などで活躍できる選手及びその育成を担う指導者を確保することより、本県の総合的な競技力向上の実現を目指す観点から、教員採用候補者選考試験において、平成十三年度からスポーツ特別選考を実施しております。
このスポーツ特別選考の受験資格は、スポーツの分野において、過去五年間に国際的または全国的規模の競技会などで優秀な実績を有する者や、そのような選手を育成した指導者としております。
平成三十年度に実施したスポーツ特別選考では、採用者はいませんでしたが、これまでの採用者は八名で、競技種目の内訳は、バドミンントン、陸上競技、ボート、アイスホッケーが各一名、自転車競技及びレスリングが各二名となっております。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 平成十三年度から制度を創設されて、この間、八名採用されたと。平成三十年度は採用者はゼロとのことでありますが、この間、八名の方がスポーツ選考で採用されていると。それぞれ小学校、中学校、高等学校、特別支援学校も含めて、恐らく分け隔てなく採用されているものと思いますが、その区分からいくと、今現在、どういった学校に配属されて、また、その学校で実際に先生の経験を生かした部活動で顧問をされているとか、指導者の立場にある、そういった今の状況をお知らせいただけばと思います。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 今、答弁申し上げましたように、八名のうち、現在、学校で子供たちを指導できる立場にいる者が五名でございます。残りはさまざまな事情で、今、子供の指導から少し離れたところにいるところでございますが、その五名の中では一名が中学校の教員、残りの四名が高等学校の教員でございます。五名につきましては、それぞれの者が専門としてやってきた競技の顧問ということで、今、直接、専門的な指導ができる立場におります。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 状況を理解いたしました。
スポーツ特別選考により採用された教諭を競技力向上にも活用すべきと考えます。県教育委員会の考えをお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 スポーツ特別選考で採用された教諭は、一般選考で採用された教諭と同様、各勤務校において教科の指導を初め、学級担任や進路指導、生徒指導などの職務のほか、学校教育の一環として部活動の指導も行っております。
特に部活動では、これまでの競技者や指導者としての豊富な経験を生かした指導により、自転車競技で全国高等学校総合体育大会優勝、レスリングで全日本女子オープン選手権高校生の部三位など、県内はもとより、全国レベルの大会においても活躍する選手を数多く育成しております。
また、各競技団体が行う合宿などにおいては、選手の指導に当たるとともに、県内各地で開催される子供や県民を対象としたスポーツ教室や講演会の講師を務めるなど、本県スポーツの競技力向上や推進のための活動も行っております。
県教育委員会では、本県の競技力向上を図る上で指導者の果たす役割は重要であると考えていることから、スポーツ特別選考により採用された教諭を含めた県内指導者の活用により、本県の競技力向上に向けた効果的な取り組みがなされるよう、今後とも関係団体等と連携を図ってまいります。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 スポーツ特別選考によって採用された教諭の皆さんの経験を最大限発揮できる環境を県教委としても整えていく、当然、やっているんでありましょうが、さらに整えていく必要があろうかと考えます。特に国スポ開催を六年後に控えております。向こう六年間のスポーツ特別選考によって採用された先生方の役割は極めて大きなものがあろうかと思います。したがいまして、繰り返しにはなりますが、その先生方、恐らく過去にトップアスリートの皆さん、あるいはトップレベルの指導者の皆さんだと思いますので、真の意味で競技力向上、また、その先にある国スポの成功に向けて、八名の方、また、これから採用される方が生き生きとその能力を発揮できる環境を教育委員会としても整備し、また、そのことに配慮していく必要があろうかと思いますので、その点については何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。お願いであります。
続いての質問でございます。歳出十款一項五目「教育指導費」、県立高等学校教育改革についてであります。
県立高等学校におけるスポーツ科学科の設置目的及び特色ある教育活動の成果についてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 平成十一年二月、有識者等を委員とする青森県高等学校教育改革推進検討会議からの報告において、新たに設置する必要がある学科、コースの一つとして、スポーツ、健康に関する学科、コースが示されたところです。
県教育委員会では、この報告等を踏まえ、体育・スポーツに関する教科、科目の学習に重点を置き、運動についての理解と運動の合理的な実践を通して、体育、スポーツの振興発展に寄与できる能力と態度を養うため、平成十二年度には青森北高等学校に、平成十三年度には弘前実業高等学校及び八戸西高等学校にそれぞれスポーツ科学科を設置しております。
三校のスポーツ科学科においては、高等学校学習指導要領に基づき、スポーツ概論を初めとする体育に関する学科の専門科目を開設しているほか、例えばカーリングや障害者スポーツに関する実習を行うなど、さまざまな特色ある教育活動にも取り組んでいるところです。
このような取り組みにより、スポーツ科学科卒業生のうち、毎年、各校おおむね十名以上が大学等の体育及び医療に関する学科に進学するなど、体育、スポーツ指導者やスポーツを支える人財の育成が図られていると認識しております。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 平成十二年に青森北高校、翌十三年に弘実と八西にそれぞれこの学科が開設されて、この間、大きな成果を上げてきていると私も感ずるところであります。
これまた六年後に国スポ開催を控えまして、先ほど副知事から御答弁がありました目標達成のためには、こういったスポーツ科学科の生徒の皆さん、また、卒業生の皆さんのお力もかりていかなければならない、あるいは主体的、中心的な役割を担うことを期待したいわけでありますが、教育長、その辺はどのようにお考えなのか、御答弁いただければと思います。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 現在、スポーツ科学科で学ぶ子供たち、また、卒業生の方々には、高校時代にスポーツの指導者としての勉強もして、一方で自分自身もそれぞれ競技者としての勉強もしてきました。そういう意味では、これらの学びがこれから向かうべき第八十回国民スポーツ大会の競技力の向上に生きていくと思っておりますし、今、委員お話しのように、これらの方々のさまざまな経験、また、学習した内容を今後の本県の競技力向上に生かしていければと思っております。現在、スポーツ科学科のある三校においては、先日行われました特別支援学校のスポーツ大会のお手伝いもさせていただきながら、一方でそういう部分での県内全体への波及、また、そういう経験を生かした活動ということで、これからも進めていければと思っております。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 少子化が急激に進む中で、二〇二五年において、これは別の問題でありますが、スポーツ科学科がそもそも存在しているのかといった問題もありますけれども、今いる生徒の皆さん、あるいは卒業生の皆さんがこの学校で学んだ経験をぜひとも国スポの開催にあっても生かしていただきたいと思いますし、仮に二〇二五年、これら三校において、この科が存続しているとすれば、在校生の皆さんにもぜひとも参画していただきたいなと切なる願いでありますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
引き続きまして、歳出三款一項八目「障害者福祉費」、障害者スポーツの振興についてでございます。
まず、本県の障害者スポーツの振興に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
◯有賀健康福祉部長 県では、県内の障害者が各種競技を通じてスポーツに親しみ、競技力の向上を図り、相互の交流を深めるとともに、県民の障害者に対する理解と認識の向上を図り、障害者の自立と社会参加の推進に寄与することを目的として、毎年度、青森県障害者スポーツ大会を開催しており、今年度は延べ約一千二百人の選手が各種競技に参加しました。
また、全国障害者スポーツ大会北海道・東北ブロック予選会への選手、役員等の派遣や全国障害者スポーツ大会への青森県選手団の派遣を行っております。
なお、今年度は茨城県で開催される第十九回全国障害者スポーツ大会に選手二十四名、役員等二十二名の計四十六名の選手団を昨日派遣したところですが、残念ながら、台風の影響のために大会自体が中止となってしまいました。
さらに、青森県身体障害者福祉センター、ねむのき会館において、陸上、卓球、アーチェリーなどの各種スポーツ教室を開催しているほか、初級障がい者スポーツ指導員養成研修会の開催や公益財団法人日本障がい者スポーツ協会主催の中級、上級障がい者スポーツ指導員養成研修会への派遣により指導員を養成しており、本年九月末現在の指導者登録者数は、初級百八十一名、中級三十九名、上級十名の計二百三十名となっています。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 きのうのテレビのニュースを見ましたら、新青森駅で茨城の全国障害者スポーツ大会に向けた選手団の結団式ですかね、出発式ですか、健康福祉部次長が出席された映像を見ましたが、残念ながら、台風の影響で中止となりまして、これまで準備されてきた選手の皆さんも無念だろうなと思います。
青森県においても、二〇二五年、国スポ開催後に全国障害者スポーツ大会青森大会が開催されることとなります。この開催に向けて、県としてどのように取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
◯有賀健康福祉部長 全国障害者スポーツ大会の二〇二五年の本県開催に向けて、県では先催県の状況を踏まえ、大会開催に向けた準備を円滑に進めるため、本年九月に障害者団体や競技団体等の関係者で構成される第二十五回全国障害者スポーツ大会青森県準備連絡委員会を設置しました。
また、競技者の裾野拡大を図るとともに、選手や指導者等の育成、強化を推進するため、同月に障害者団体等で構成される青森県障害者スポーツ選手等育成・強化検討会を設置したところです。
県としては、これらの会議を通じて、関係者と連携しながら、大会に向けて必要な大会開催基本方針案等を検討するとともに、個人競技や団体競技の選手の育成、強化、競技指導者や審判員等の養成に向けた次年度以降の取り組み内容について検討し、取りまとめることとしています。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 これから全国障害者スポーツ大会青森大会の開催に向けた基本方針案等を検討されていくということであります。国スポ開催以上に、私自身、この開催による成果に期待したいと思います。
関連して質問したいんでありますが、先ほど御答弁にありました青森県身体障害者福祉センター、ねむのき会館老朽化に向けた対応、昨年度から一定の対応をされているようであります。これについてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
◯有賀健康福祉部長 ねむのき会館は、身体障害者に関する各種の相談に応じ、身体障害者に対し機能訓練、教養の向上、社会との交流の促進及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的として、昭和四十八年十一月に設置されました。
現在、築四十五年が経過し、屋上、外壁を初めとして建物全体の老朽化が著しいことから、昨年度において躯体の構造強度の調査等の建物の劣化状況等調査を実施したところであり、現在、長寿命化の可能性を整理し、計画的な修繕により施設の機能を維持するための改修等基本計画書の作成作業を行っているところです。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 健康福祉部長、ねむのき会館、行かれたことありますか。もしなければ、ぜひとも劣化の状況を見ていただきたいと思いますし、行ったようでありますが、いま一度、足を運んでいただきまして、老朽化の状況をよく確認していただきたいと。
また、このねむのき会館でありますが、障害者スポーツ振興、また、県の障害者スポーツ大会の大きな拠点と申しますか、そういった役割も担っているものと思います。二〇二五年、全国障害者スポーツ大会青森大会の開催を控えることを考えますと、ねむのき会館の老朽化への早期の対応を、つまりは二〇二五年までの対応を願うところでもあります。ぜひともよろしくお願いいたします。
隣の県立技専校、きょう、通告していないのでこれ以上触れませんが、県庁の長島の庁舎もようやく長寿命化の工事が終わり、この後、質問しますが、県警本部の庁舎もこれから長寿命化をやると。おおむね昭和四十年代に建設した県の建物がちょうど今、限界と申しますか、長寿命化に着手する時期に来つつありますので、県の技専校も含めて、このことについては、改めて機会がありましたら質問させていただきたいと思います。
続きまして、歳出十款二項一目「小学校費」及び歳出十款三項一目「中学校費」、学校における働き方改革についてでございます。
教職員の多忙化につきましては、古くからその問題点が指摘され続けてきました。県教育委員会としても、この多忙化解消のための方策に取り組まれ、また、各学校現場においても学校運営の中で改善等に努めてきたものと思います。
しかしながら、なかなか改善されないといった状況が続いたことから、直近では平成二十七年十二月、県教委の多忙化解消検討委員会において、教職員の多忙化解消に係る報告書、副題として教師が子どもに向き合える学校づくりのために、これが取りまとめられまして以降、この報告をもとに青森県の教職員の皆様の多忙化解消の取り組みが進められてきたと認識しております。
また、国が推し進めます、いわゆる働き方改革、こういった観点からも、国として緊急対策を取りまとめ、総合的な方策に取り組まれていると。こういったことから、近年、特にこのことについては青森県議会においても多くの議論がされてまいりました。
その中で、教職員の多忙化解消のためには、さまざまな観点から対策を講ずる必要がありますが、一つの方策、観点として、外部人材の有効活用が重要との考え方が示されております。
そこでお伺いしたいのですが、教職員の多忙化解消に向けた外部人材の活用について、県教育委員会における取り組み状況と今後の方向性についてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 教育長。
◯和嶋教育長 県教育委員会では、教員の業務支援を図り、教員がより児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備することを目的に、外部人材を活用したスクールサポートスタッフ配置事業を平成三十年度から実施しており、小中学校六校にスクールサポートスタッフを配置して、教員の負担軽減に係る調査を実施しております。
また、今年度から日常の部活動の指導や大会等の引率などを行う運動部活動指導員を配置することとし、九月一日現在、七市町村の市町村立中学校に二十六名、県立中学校に一名、スポーツ科学科のある県立高等学校三校に各一名を配置して、教職員の多忙化の解消や経験のない競技を指導する心理的負担の軽減を図っております。
このほか、県立高等学校では、学校図書館の運営の改善及び機能向上により、授業等での積極的な活用を促進するための学校図書館サポーターの配置や、特別な支援を要する生徒に対応するためのスクールライフサポーターの配置等において外部人材を活用しております。
県教育委員会としましては、これらの取り組みによる効果を検証しながら、引き続き外部人材の活用を図り、教職員の多忙化解消に取り組んでまいります。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 昨年度からスクールサポートスタッフの活用に着手したということであります。スポーツのことを多く聞いておりますが、ここに着目しますと、今年度から運動部活動指導員を三十名ほど登用していると。昨年度から取り組んだばかりでありますので、効果を見極めていくといったお話でありましたが、運動部活動指導員に着目すれば、これは国で制度化したんですが、この制度化によって、教職員の多忙化の解消だけではなくて、スポーツそのものの競技力向上に大きな効果を発揮できるのではないかと期待するところであります。今現在、三十名ということでありますが、これまた六年後を控えますと、今後の効果も見極めながらでありますが、さらなる積極的な登用、具体的には人員の拡充を要望させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
歳出九款一項四目「警察施設費」、警察本部庁舎の耐震・長寿命化改修について。
耐震・長寿命化改修事業の概要と進捗状況についてお伺いいたします。
あわせまして、警察本部庁舎を単独利用するようでありますが、単独利用した場合の効果についてもお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 警察本部長。
◯村井警察本部長 警察本部庁舎耐震・長寿命化改修事業は、警察本部庁舎の耐震補強と今後四十年程度の使用を目標とする長寿命化改修を一体的に行うものでございます。
その内容といたしましては、耐震壁の設置による耐震の補強、外壁や窓の断熱化、冷房設備の導入や更新時期を迎えている電気、機械設備の更新等を予定しております。
改修期間につきましては、平成三十年度から令和元年度までの二カ年を設計、令和二年度から令和五年度までの四カ年を建築工事、合わせて六カ年を予定しているところでございます。
進捗状況でありますけれども、昨年九月に設計業務委託を発注いたしまして、現在、詳細設計をしているところでありまして、今年度中に設計を終える予定となってございます。
それから、警察本部庁舎の単独利用についての御質問にもお答えいたします。
警察本部庁舎につきましては、これまで県警察のほかに教育委員会の大部分と知事部局の一部の三部局で共用しておりましたけれども、単独利用することになりますと、警察本部庁舎のセキュリティーの強化、これは大変大きな問題でありますけれども、それに加えまして、現在、分庁舎に存在しております交通管制センターを本部庁舎に移設することによりまして、大規模災害等におけます司令塔機能の強化といった警察機能の高度化を期待しているところでございます。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 ただいま御答弁いただきました耐震・長寿命化改修事業と単独利用による警察機能の高度化という言葉がありましたが、その効果に期待したいと思います。
最後の質問であります。歳出二款七項二目「消防指導費」、女性消防団員の入団促進についてでございます。
先月十九日でありましたが、青森市宮田のマエダアリーナで、私も参加させていただきましたが、全国女性消防団員活性化青森大会が開催されました。参加者数は全国から約二千六百人でありまして、当日は三村知事、また、森内議長も来賓としておいでいただきました。極めて意義のある大会が開催されたと受けとめております。
近年、消防団員数は減少傾向にありますが、女性消防団員の数だけに着目すれば増加しているというお話でありました。女性ならではの活動によって、県内の各地域の防火、防災の取り組みに欠くことのできない、青森市の消防団もそうでありますが、大きな存在になっていると認識しております。
そこで質問でありますが、青森県の女性消防団員の状況についてお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 危機管理局長。
◯貝守危機管理局長 本県の女性消防団員数は、平成三十一年四月一日現在、五百人となっておりまして、十年前の平成二十一年と比べ百二十四人、約三割の増となっております。これに伴い、消防団員全体に占める割合も〇・八ポイントの増となる二・七%へと上昇するなど、全体の消防団員数が減少する中にあって、女性消防団員は着実に増加している傾向にございます。
また、女性消防団員の活動内容につきましては、平時には女性の持つソフトな面を生かし、幼稚園等での防火教室や、ひとり暮らしの高齢者宅への防火訪問、そしてショッピングセンター等での応急手当の指導といった火災予防の普及啓発や住民に対する防災教育などを行っているところでございます。さらに、災害発生時におきましては、女性ならではの視点を生かした避難所運営の支援活動など、多岐にわたる活動が期待されているところでございます。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 女性消防団員の入団促進に向けた県の取り組みについてもお伺いいたします。
◯蛯沢委員長 危機管理局長。
◯貝守危機管理局長 消防団員の維持、確保については、消防団の設置主体である市町村においてさまざまな取り組みが進められていますが、県といたしましても、市町村の取り組みを後押しするため、青森県消防協会等と連携し、積極的に広報活動等に取り組んでいるところでございます。
具体的に申し上げますと、将来を担う若い世代を対象に、消防団に対する認知度向上と入団促進を図るため、消防団の活動内容や入団のきっかけなどを紹介する動画を作成し、若い世代を中心に利用が見込まれるインターネットを利用して、継続的にPRを実施しているところであり、この動画において女性消防団員の活躍等についても紹介しているところでございます。
また、本年九月には、先ほど高橋委員からも御紹介があったとおりでございますが、全国から二千五百人を超える参加を得て、第二十五回全国女性消防団員活性化大会が本県で開催されたところであり、これを契機とした女性消防団に対する関心の高まりも期待されることから、今年度は女性消防団員に焦点を絞ったPR動画を作成することとしております。
県としては、引き続き市町村の取り組みを後押ししつつ、消防団活動に対する理解を促進するための広報活動に積極的に取り組み、若い世代や女性の消防団入団促進を図ってまいりたいと考えております。
◯蛯沢委員長 高橋委員。
◯高橋委員 御答弁のように、消防団員の入団の促進、一義的というか、その担いは市町村にあるわけでありますが、県とすれば、それぞれ青森県内の市町村の特色ある取り組みを支えると申しますか、促進させる、そういった役割、補完的な役割ではありますが、依然としてあろうかと思います。
私自身、平成五年に地元の消防団に入団いたしまして、もう二十数年、消防団員としての活動をしております。貝守局長ほど詳しくはありませんけれども、しかし、実際に現場で入団促進、非常に難しいものがありまして、青森市としてもさまざま、事業所にインセンティブを与えるとか、事業所に働きかけるとか、大体、消防団員というのは、今、高齢化が進んでおりまして、私が入ったころは二十代、三十代が中心でありましたが、今はもう四十代、五十代、六十代がその中心になりつつあって、若い人への対応というのも、これまた青森市も相当努力はしておりますが、苦労しているといった状況にあろうかと思います。
インターネットのPR動画、周知して、県民全体の消防団に対する理解を深める、そのことによって入団を促進させる、この取り組み自体は一定の効果はあろうかと思いますが、しかし、それを見て入団しようと思う人が果たして何人いるのか。一人でも二人でもいればいいんですけれども、現場でふだん、いろいろな方に声をかける経験から言えば、なかなか動画を見るだけでは入団の促進につながらないのではないか、そういった思いにも至っているところであります。
一方で、非常に明るい話題として、やはり女性消防団員の数そのものがふえていると。全体の団員数は減っていますが、減っているスピードも女性消防団員の入団によって鈍化と申しますか、緩やかになっているのではないか。また、ありとあらゆる手だてを各市町村が入団促進のためにやっておりますが、なかなか効果があらわれない中で、この女性に対する入団促進、団員数を確保する上で、相当伸び代がある、重点的に取り組めば取り組んだだけ、数として、実数として上がってくる、相当期待しているところでもあります。
それで事前にいただいた県内の市町村別の女性消防団員の実員数でありますが、相当頑張っている市町村、青森市、大間町、田子町、女性団員率が一番高いのは、実は大間町でありまして、続いて田子町。また、青森市やむつ市、大鰐町等も相当、女性の入団促進に取り組んでいる状況にございます。一方でゼロの市町村も、あえて申し上げませんが、ありますので、これは分団を設置しているのかどうか、女性だけの消防分団、そういった違いもあろうかと思いますし、ゼロの市町村に対する県としての働きかけと申しますかお願い、こういったことも青森県全体の消防団員の確保のために効果的な方策であろうかと思いますので、PR動画の配信と同時に、こういった各消防団に足を運んでいただいて、特に女性の加入促進について、県としての担いを期待いたしたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
以上で私の質問を終わります。