2008年03月06日:平成20年第253回定例会(第6号) 本文
◯副議長(大見光男) 二番高橋修一議員の登壇を許可いたします。―高橋議員。
◯二番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一であります。
質問の冒頭ではありますが、所見を申し上げることをお許し願いたいと思います。
昨年夏、私は一冊の本に出会いました。私の尊敬する政治家の一人、あえて名前は伏せますが、その先生の著書に、このように書き記しておりました。
そもそも、政治家とは何か。そして、政治家が命をかけても、守らなければならないものは何か。世には「政治家」と「政治屋」がいる。私は、「政治屋」ではなく、「政治家」を目指したい。政治家の使命とは、国家、国民、民族の安寧と平和を保つということ。そのためには、日本という国の歴史、伝統、文化をしっかりと認識し、感じ取り、これに立脚してビジョンを示し、政策を創り出していかなければならない。そういう政治家の使命を果たすうえでは、たとえいかなる困難が生じようとも、「千万人といえども吾ゆかん」という気概がなければならない。哲学を持って、己の信念を貫かなければならない。それが政治家の条件として、第一番目でしょう。日本を振り返ってみると、今、政治家はあまりに少ない。政治屋が限りなく多い。そのことが、日本国民が政治に不信感を持っている一因であることは間違いありません。
以上でありますが、昨年四月に政治に飛び込んできた私も、あっという間に一年がたとうとしております。果たして政治家と呼べる行動ができたのか、政治屋でしかなかったのか、日々自問自答を繰り返しながらの一年でございました。
そのようなことから、本日、この歴史と伝統ある青森県議会において一般質問の機会を与えられたことを誇りに、自分自身に政治家たれと言い聞かせながら質問を行わせていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。
初めに、消防団員確保対策についてであります。
災害列島と言われる我が日本。昨年十一月には本県でも東青・上北地域を中心に百年に一度とも言われる大雨に見舞われ、被害総額二十億円という甚大な災害が発生いたしました。
この際、消防団は不眠不休の水防活動に出動し、消防人に課せられた本分を尽くされ、被害軽減に大きな貢献をいたしました。
とりわけ大規模自然災害に対しては、常備の消防力だけでは十分ではなく、要員動員力、即時対応力にすぐれた消防団は大きな役割を果たしております。
江戸時代に義勇消防の元祖として発足して以来、明治、大正、昭和、平成と時代の変遷を経て、先人たちがたゆまぬ努力で築き上げてきたこの消防団を、私どもの次の世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。
しかし、かつて国内に二百万人いた団員が今や九十万人。本県においても、昭和三十年代に三万人いた団員が昨年二万人を下回り、地域の消防・防災力を確保する上で憂慮される状況が続いているところであります。
国では、各都道府県知事に対し、消防団確保を基本的には市町村長の責務としながらも、災害への広域な応援体制の必要性にかんがみ、知事の積極的な勧告指導または助言が必要とし、積極的な関与によって地域防災のさらなる向上に努めることを求めております。
また、その方策として、消防団員の処遇等の改善や表彰・顕彰制度の活用等を示すとともに、入団促進対象を地方公務員等としているところでもあります。
一方、国が示す団員確保対策等を推し進めたとしても、団員の減少傾向に歯どめがかからない現状を見れば、本県の特性、地域の実情を踏まえた本県独自の団員確保対策を検討すべきではないかと考えるところでもあります。
そこで、一点目として、県がこれまで実施してきた団員確保対策について。
二点目として、地方公務員等の入団促進等の団員確保対策を積極的に進めるべきと考えるがどうか。
三点目として、国は消防団員確保のため団員の処遇改善を求めているが、本県の消防団員の年報酬及び出動手当の平均額について。
四点目として、今後、県としてどのような団員確保対策を進めていこうとしているのかをお伺いいたします。
次に、地域県民局についてであります。
県では、平成十八年四月、試行的に弘前市、八戸市、むつ市の三市に地域県民局を設置し、今年度当初には、青森市、五所川原市及び十和田市の三市への設置により県内全域をカバーしたところであります。
産業・雇用、観光などの業務も担当し、地域における県の総合的な出先機関としての機能をさらに充実強化されていることは、地方の時代と言われながら依然として疲弊し切った本県の各地域の実情を見るに、果たす役割は極めて大きいものがございます。
そこで、一点目として、地域県民局が六局体制になって一年経過したが、その評価について。
二点目として、平成二十年度当初予算における東青地域県民局連携事業の概要についてお伺いいたします。
次に、並行在来線対策についてであります。
新幹線整備の前提としてJRから経営分離される並行在来線青い森鉄道線は、経営環境の厳しさから新幹線開業に対する代償という側面でとらえがちでありますが、より利用しやすい、そして利用したくなる鉄道として再出発する契機ととらえ、真に県民、市民の愛着と誇りの持てる鉄道を目指すのでなければ、次の世代に大きな禍根を残すことになります。
同鉄道線の運行は、これまでJRの担ってきた長距離輸送から中・短距離輸送を目的とする交通機関への大きな転換であります。
より速く遠くに人を運ばせることを目的とする交通機関から、より地域に密着したサービス提供を行う交通機関へと変わることができなければ、同鉄道線が将来に向けて安定した運行を続けていくことは望めず、沿線十一市町、県人口の約五〇%、七十五万人をも占める地域住民から、愛着も誇りも持てない鉄道になってしまうのではないかと危惧するところであります。
鉄道を利用する県民、市民あるいは観光客の視点に立った利便性の高い交通機関として再出発することができるよう、万全の対策が講じられることを強く望むところであります。
昨年十二月の決算特別委員会においてもこのことを取り上げた次第でございますが、県ではその後、青い森鉄道経営計画素案を決定し、利活用促進に関する事項についてその基本的方策を整理されました。
そこで、一点目として、昨年十二月に取りまとめられた経営計画素案の内容について。
二点目として、経営計画素案の決定を受け、今後どのように取り組んでいかれるのか。
三点目として、青森市から新駅設置について具体的要望が出されておりますが、県として今後どのように取り組んでいかれるのか。
四点目として、利便性向上については、ダイヤ設定や青い森鉄道線と新青森駅とのアクセス確保も大切でありますが、県ではどのように考えているのかをお伺いいたします。
次に、青森空港有料道路の無料開放についてであります。
平成十七年四月一日、旧青森市と旧浪岡町とが合併し、新生青森市が誕生いたしました。
法的手続を経て成立した合併ではありましたが、この間、両地区は行政、議会、そして住民間で大きく揺れ動き、対立構造が激化、合併後の新市長選においてもこの問題が大きな争点となったところであります。
混乱のしこりを一日も早く解消すべく、また、一人でも多くの市民に合併してよかったと言っていただけるよう、おのおのがおのおのの立場でこれまで懸命に努力し、今日に至っているものと考えます。
合併後の地域間の一体化を図る観点から見れば、両地域間の交通アクセスの向上が重要となることは明白であり、平成十七年十一月のスカイブリッジの開通によって、県道青森浪岡線の重要度は一層高まり、単なる青森空港へのアクセス道路から、今や青森・浪岡両地域を結ぶ生活道路としての役割を果たしております。
さらには、県都青森市を結節点とし、津軽地域と下北・県南地域を結ぶ物流幹線道路としての役割を果たすなど、開通当時には想定し得ない状況でもあります。
私は、青森市が合併した平成十七年当時、県議会の場において、中央大橋の無料開放とあわせて、同路線の無料開放をも議論していただきたいと願うばかりでありました。
そのようなことから、私自身、空港道路の無料化促進をみずからの選挙公約に掲げ、有権者の皆様に訴えたところでもあります。
当然にして、料金徴収期間内での債務解消に向け、利用促進に係る諸方策を検討し、実行していくことが大切であります。
また、これまで長年にわたって県議会の場において議論されてきた一連の県公社の債務問題の経緯を踏まえた上で、建設時の背景、路線の位置づけが償還期間終了時までにどのように変化しているのか。あるいは中期経営プランの進捗と今後の県財政に与える影響、さらには、いまだ償還期間の残るみちのく有料道路の取り扱い、これらの諸課題を丁寧に整理していくこともまた必要となります。
そこで、一点目として、青森空港有料道路の平成十八年度末の債務残高と料金徴収期間満了時点での債務残高の見込みについて。
二点目として、青森空港有料道路の早期無料開放についての県の見解について。
三点目として、無料開放による経済波及効果の検討を行うべきと考えるが、県の見解について。
四点目として、料金徴収期間内での債務の解消及び軽減に向けた利用促進方策として料金引き下げも一案として考えられるが、その導入に向けた実験実施の見通しについて。
五点目として、平成二十二年に料金徴収期間が終了するみちのく有料道路と時期を合わせ、青森空港有料道路の無料開放に向けた検討も行うべきと考えるが、県の見解についてお伺いするものでございます。
次に、主要地方道夏泊公園線の道路整備についてであります。
夏泊半島は、首都圏の三浦半島に連なる三浦岬、葉山、久里浜、茅ヶ崎、江ノ島などに匹敵するような美しい海岸線の景観を有しております。
三浦半島は、古くから首都圏の観光・リゾート地として目覚ましい発展を遂げてまいりました。そこまで大きなふろしきを広げるつもりはありませんけれども、かといって、土屋、茂浦、稲生、大島、椿山、立石、朝所、小湊。夏泊半島は三浦半島に負けない美しい海岸線を有しております。せっかくの美しい海岸線を有しながら、地域に眠る観光資源が十分に生かし切れていないままとなっていることは、まことに残念であります。
さらには、夏泊半島だけではなく、陸奥湾全域にわたる美しい海岸線を生かした観光の創造に県としてもっと力を入れるべきと考えるところであります。
さて、この夏泊半島の振興を生かすも殺すも、夏泊公園線、通称夏泊ホタテライン浦田―茂浦バイパスの早期開通にかかっております。観光面のみならず、全国随一のホタテの漁場を有し、水産物流の効率アップにも大きな期待が寄せられております。
そこで、主要地方道夏泊公園線浦田―茂浦工区の整備状況と今後の取り組みについて、道路特定財源の行く末を案じつつお伺いするものでございます。
次に、橋梁補修事業についてであります。
昨年八月の米国ミネソタ州の橋梁崩落事故以来、国内においては、高度成長期に大量に形成した社会インフラが高経年化しつつある中にあって、万一事故が起こると重大な被害が生じる橋梁の安全性への関心が急速に高まることとなりました。
特に市町村管理橋梁の定期点検が不十分である実態が指摘されるなど、これまで整備への投資が優先され、維持管理への投資が先送りされてきた実態が浮き彫りとなり、他方、依然として本県を初めとする地方の道路等、社会インフラの整備がおくれている実情もございます。
道路や港湾、公共施設等の維持管理への警鐘とも言えますが、橋梁については安全性そのものが疑問視されるに至っており、効率的かつ適切な維持管理とあわせて、その対策が急務となっております。
そこでお伺いいたします。
一点目として、県管理橋梁における震災対策の実績と今後の取り組みについて。
二点目として、県の橋梁アセットマネジメントに対する取り組み状況について。
三点目として、市町村橋梁緊急点検サポート事業の目的とその内容についてお伺いするものでございます。
次に、自殺防止対策についてであります。
本県の自殺者数は、過去最高となった平成十五年の五百七十六人以降減少傾向が続き、平成十八年は四百四十一人、自殺死亡率も四年連続の全国ワースト二位からワースト六位に改善されました。
しかし、あくまでワースト六位であり、安堵する現状にはございません。
県警による統計では、減少傾向にあった自殺者数が、平成十九年において再び増加に転じており、加えて、県の健康増進計画「健康あおもり21」において、平成二十二年度までに本県の自殺者数を二百九十四人以下まで下げるという数値目標を設定していることからも、さらなる自殺予防対策が必要となります。
健康あおもり21では、全市町村でのうつ状態やひきこもり状態にある者への保健福祉活動や相談体制の整備等が必要であると、市町村レベルでの取り組み強化とうつ病への対策など医療面からのアプローチの必要性をうたっているところであります。
国の自殺総合対策大綱においても、うつ状態にある人の早期発見、早期治療を図るための取り組みが重要としており、二次予防の取り組みについて、その対策強化を促しているところであります。
本県の自殺予防対策の各機関の役割は、県が対策の方向性を決め、事業を予算化し、精神保健福祉センターはその事業推進のための企画立案や技術支援、保健所は地区診断を行い、市町村に対して事業提案し、そして、地域の第一線の現場で、各市町村がそれらに従って住民への普及活動や心の健康づくり事業を担うとされております。
しかし、自殺予防対策を行っていない市町村が多数見受けられるほか、既に自殺予防対策を講じている市町村にあっても一次予防までにとどまる傾向があり、二次予防、三次予防については未実施の市町村も多数見受けられます。
このことから、市町村のこの問題に対する姿勢や活動内容の差が、本県全体の自殺者減少の妨げになっていないかと危惧するところであります。
一次・二次・三次予防、これらすべてを包括的に行っていくことが何よりも重要でありましょうが、一方で、自殺対策そのものは直ちに効果を発揮するものではなく、諸外国の例を見ても、自殺予防に即効性のある施策はないとも言われており、中長期的な視点に立って継続的に実施する必要があるものと思われます。
本県において自殺を考えている人を一人でも多く救っていただきたい、その思いからの質問であります。
一点目として、県がこれまで取り組んできた自殺予防対策と今後の対策について。
二点目として、県内市町村における自殺予防対策の取り組みはどうなっているか。
三点目として、自殺防止対策の取り組み状況によって市町村の自殺者数に影響があるのかでございます。
次に、県立保健大学の公立大学法人化についてであります。
県立保健大学は、本県唯一の県立大学として平成十一年四月に開学し、九年の歳月を経て、本年四月から公立大学法人へ移行しようとしております。
保健、医療、福祉にかかわる専門職の養成を目的とし、平成十五年四月には大学院を設置して高度専門職業人の育成にも力を注ぐなど、県民の健康と命を守る教育拠点としての地位は揺るぎないものとなりました。卒業生も間もなく千人を超え、栄養学科の設置や定員増など、さらなる発展が期待されております。
このような中、本県で初めての取り組みとなる公立大学法人の設立まで残り一カ月を切ったところでございますが、今後、法人設立に向けて必要な諸手続が順調に進み、法人設立後の大学運営が円滑に行われるのかどうか。
数ある大学の中から県立保健大を選択して入学された学生の皆さん、その親御さん、関係者の方々、何よりも多くの県民の期待を背負っているのが県立保健大学でありますので、どうかその期待にこたえられるよう、法人設立準備と法人設立後の運営体制の整備に万全を期していただきたいと思います。
そこで、一点目として、設立に係る今後のスケジュールについて。
二点目として、執行体制はどのようになるのかをお伺いするものでございます。
最後に、教育についてであります。
我が自由民主党は、「正しい民主主義と祖国愛を高揚する国民道義を確立するため、現行教育制度を改革する」、このことを昭和三十年結党時に政綱として位置づけ、この五十年余りを歩み続けてまいりました。
そして、平成十八年九月、教育再生を憲法改正と並ぶ最重点課題として掲げた安倍政権の誕生によって、我が国の戦後教育は新しい時代の幕あけを迎えることとなりました。
総理就任後、真っ先に教育再生会議を設置し、同年十二月、いよいよ昭和二十二年の制定以来初めてとなる教育基本法の改正を行い、教育の目標として、豊かな情操と道徳心、公共の精神、伝統と文化の尊重、我が国と郷土を愛する態度を明示、翌年六月には教育三法を改正と、安倍政権誕生後わずか一年弱で、これまで長きにわたってなし得なかった教育の制度的改革を行いました。
たとえ現在の評価は厳しくとも、歴史の審判が公正に下されれば、戦後保守政治の歴史上、極めて真っ当な政権であったと私は信じるところでございます。
教育再生を最重点課題として掲げた安倍政権が福田政権にかわって、教育改革の情熱が急激に薄れているのではないかとの指摘もございますが、そのような中、先般、文科省より学習指導要領の改訂案が発表されました。
注目すべきは、教育基本法が改正されて初めての改訂案であり、我が国と郷土を愛する態度や道徳心の育成を求める改正教育基本法の理念が遂行されるか否かと考えるところであります。
そこでお伺いいたします。
一点目として、我が国と郷土を愛する態度について、これらを育成するため、公教育におけるこれまでの取り組みと今後の方向について。
二点目として、道徳教育について、規範意識を醸成するため、小中学校の道徳の時間におけるこれまでの取り組みと今後の方向についてお伺いするものでございます。
以上、壇上からの一般質問といたします。
ありがとうございました。
◯副議長(大見光男) 知事。
◯知事(三村申吾) 高橋議員の御質問にお答えいたしたいと思います。
まず、私からは、県民局六局体制になって一年の評価であります。
私は知事就任以来、「地域が変われば、日本が変わる」、「青森の元気こそが日本を元気にする」、その強い信念のもと、私たちが生まれ育ったこの青森県をより一層元気にし、暮らしやすさではどこにも負けない地域として発展させていくための取り組みを進めてきました。
特に、県内各地域に住んでおられる県民の方々が、ここに生まれてよかった、ここに暮らしてよかったと感じられるような元気な地域づくりを進めるためには、各地域の特色を生かし、地域の資源や人財、技術などの地域力を結集した取り組みが重要であり、県としても、より現場で行う地域づくりの推進という観点から、今年度、地域県民局を六局体制としたところであります。
各地域県民局では、地域力を結集した地域づくりを進めるため、局長がみずから先頭に立ち、管内の市町村長や各種団体の方々など、多くの皆様から直接御意見を伺い、対話を重ねるとともに、各分野で先駆的な取り組みをしている地域のリーダーや各種団体等で組織する地域活性化協議会を立ち上げ、みずからの地域が抱える課題を把握し、みずからが解決するための施策等を地域の皆様とともに検討、提案をしてきました。これらの地域力を結集した取り組みの具体化、事業化に努めた結果として、当初予算案に合わせて三十一事業、一億六千万円余りを計上しているところであります。
私は、青森県には大きな可能性があり、県民一丸となってそれぞれの地域において努力し、頑張ることによって、必ず成果が出ると信じております。今後とも、地域づくりは現場からという考えのもと、それぞれの地域の得意分野を徹底的に伸ばし、産業を元気にし、持続可能な青森型社会をつくるため、地域と協調連携し、地域づくり支援に積極的に取り組んでいきます。
市町村橋梁緊急点検サポート事業であります。
昨年発生いたしましたアメリカでの落橋事故や国内の橋梁鉄骨破断による通行どめなど、橋梁の老朽化が大きな問題になっておりますが、このようなことは、日常安全に通行できることが当たり前の道路にとって、あってはならないことであるわけであります。
このため、県では、県民の安全・安心を確保するとともに、快適な社会を実現するため、若手職員の提案によりまして、全国に先駆けて橋梁アセットマネジメントに取り組み、適正な維持管理に努めてきたところであります。
この橋梁アセットマネジメントは、平成十八年にポルトガルで開催されました国際橋梁維持・安全性検討会議で発表され、国内はもとより、海外でも大変に高い評価を得たところでございました。
一方、県内のほとんどの市町村では、管理する橋梁について、高度な専門技術を要することや技術職員が不在であることなどの理由から、定期点検が実施されていない状況にございます。
こういった状況を解消するため、県では、市町村橋梁緊急点検サポート事業を創設することとし、所要の経費を平成二十年度当初予算案に計上し、御審議いただいているところであります。具体的には、橋梁点検に関する研修会の開催、点検サポートセンターによる技術的支援を行うとともに、県管理道路の代替路となります重要な市町村道の橋梁について県と市町村が共同で点検を実施するものであり、市町村管理橋梁も含め、適正な維持管理を推進することにより県民生活の安全・安心の確保に努めていくわけであります。
しかしながら、こういった場面においても、御案内のとおり、私どもといたしましては、市町村ともども道路特定財源、この維持の中においてさまざまな対応を適切に行っていきたい、そのように考えている次第でございます。
自殺防止対策についてであります。
世界保健機関が、自殺はその多くが防ぐことのできる社会的問題であると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるというのが世界の共通認識となりつつあります。
私もまた、自殺はその多くが防ぐことができるとの思いから、健康といのちの育み推進プロジェクトの中で、自殺防止対策について力を入れて推進してきました。
本県の健康づくりの基本計画であります健康あおもり21においても、自殺予防を心の健康づくりの重要課題として位置づけ、これまで市町村や保健所、精神保健福祉センター等の関係機関が連携を図りながら、心の健康に対する県民の正しい知識や理解の普及啓発及び相談支援体制の充実強化に努めてきたところであります。
県民の命を守る社会を形成することは、県として最も重要な取り組みの一つであると考えておりまして、今後も引き続き、市町村や関係機関等とも十分な連携を図りながら、自殺者のさらなる減少のため、自殺防止対策に積極的に取り組んでいきたい、そのように考えております。
私から以上であります。
◯副議長(大見光男) 行政改革・危機管理監。
◯行政改革・危機管理監(若宮兼一郎) 消防団員確保対策について四点御質問がございました。
まず、県がこれまで実施してきた団員確保対策についてであります。
地域の消防防災体制の中核的存在である消防団は、平素は他に職業を持ちながら、献身的、奉仕的な活動をいとわない方々の自発的な参加によって成り立っておりますが、議員御指摘の団員数の減少は、今後の地域防災力低下の懸念を招いているところであります。
このため、県では、これまで財団法人青森県消防協会への財政支援等を通じて、消防団活動の一層の活性化を促すとともに、県の防災ホームページや広報媒体を活用して、消防団活動を紹介し、消防団への加入促進を県民に広く呼びかけるなど、団員確保対策を進めてきたところです。
また、消防団員数の減少は、本県のみならず、全国的な傾向となっていることから、国においても、地域住民が消防団に参加しやすい環境整備の一環として、平成十六年度に大規模災害発生時の避難誘導など、特定の活動のみに参加することができる機能別消防団員制度というものを、また、平成十八年度に消防団と民間事業所の連携協力体制の強化を図るため、消防団協力事業所表示制度というものを創設したところであり、県としても、これらの新しい制度が積極的に導入され、消防団員確保に結びつくよう、各市町村に対し、消防担当課長会議などの場において働きかけてきたところであります。
次に、地方公務員等の入団促進等についてであります。
地方公務員等の消防団への入団については、これまで県みずからが、また市町村、公立学校教職員、農業協同組合、漁業協同組合等の公共的団体、特殊法人等地方公務員に準じた職員を擁する機関等に対し、服務上の取り扱いや報酬の受給制限などの留意事項についての助言も行いながら、その促進、推奨を行ってきたところであります。
その結果、ここ数年、入団実数、全団員数に占める割合とも年々増大傾向を示し、平成十九年四月一日現在で千百三十三人、割合にして全体の五・七%となっておりますが、引き続き入団数の拡大を図るため、昨年一月でありますが、改めて各市町村及び関係機関に趣旨を周知するとともに、入団の促進について要請を行ったところです。
地域防災強化への貢献、地域コミュニティーへの積極的な参加という視点から、地域に密着した事務事業を行っている地方公務員等の消防団参加は極めて意義のあることであり、今後とも会議開催、研修会、意見交換の場など、さまざまな機会をとらえて働きかけてまいりたいと考えております。
三点目は、本県の消防団員の年報酬及び出動手当の平均額についてでございます。
消防団員の年報酬及び出動手当については、各市町村の間にばらつきが見られますが、各消防団における団員構成の大半を占める団員クラスの状況を見ますと、平成十九年四月一日現在における年報酬は、最高で二万四千円から最低の八千円まで、四十市町村の平均額はおおむね一万三千円程度となっており、ここ数年は横ばいの状況となっているところであります。また、出動手当については、火災、風水害とも平均で一万五千円(後刻「千五百円」に訂正)程度となっており、大多数の市町村がここ数年、据え置いている状況となっております。
これら報酬は、市町村の条例によって定められることになっておりますが、各市町村においては、それぞれの条例の趣旨に沿って報酬等が適切に定められるべきであると考えております。
四つ目でございます。今後の県としての団員確保対策についてでございます。
県としては、今後も引き続き、各種広報活動や財団法人青森県消防協会への助成などの取り組みにより団員確保に努めていくこととしておりますが、中でも、団員の確保のためには各市町村において地域の実情に即した適切な対策が行われることが重要であることから、県が実施している消防団長研修会において、県内外の優良な消防団員確保対策の実例などを紹介し、各地区の取り組みの参考にしていただくこととしております。
また、団員に占めるいわゆるサラリーマンの割合が増加しており、団員確保に当たっては事業所の理解と協力が不可欠であることから、財団法人青森県消防協会との連携により、消防団に対するさらなる理解と協力を求めるため、事業所等関係機関との意見交換を実施することなどにより、各地域におけるより効果的な団員確保対策を支援してまいりたいと考えております。
大変失礼いたしました。先ほど出動手当のところ、一万五千円程度というふうにお答え申し上げましたが、これは千五百円程度というのが正しい金額でございまして、訂正しておわび申し上げます。
◯副議長(大見光男) 企画政策部長。
◯企画政策部長(関 格) 御質問五点についてお答え申し上げます。
初めに、東青地域県民局の連携事業の概要についてであります。
東青地域県民局では、観光や農業分野の代表者等をメンバーとした活力と魅力あふれる東青地域づくり検討会議から、地域産業を支え、産業クラスター形成の核となる農林水産業の振興と新幹線開業効果を最大限に獲得するための観光施策の推進に関する提言をいただきました。
提言を踏まえ、当初予算案として計上している連携事業は四事業あり、このうち農林水産業の振興関係では、青年層の農村起業への参画を推進し、食品加工業や販売業等との連携を図る東青の農村起業活性化対策事業や東青地域内の生産者と青森市中心商店街のネットワークづくりを支援し、地産地消の推進と商店街の活性化を図る中心商店街との協働による地産地消推進事業に取り組むこととしております。
また、観光施策の推進関係では、既存施設活用による滞在型、体験型観光メニューの発掘、観光力強化を図る東青津軽「体験と食の観光」発掘強化事業や、太宰治の生誕百年を契機とし、小説「津軽」をモチーフに津軽半島を強力に売り出すとともに、地域の集客力、ホスピタリティーの向上を図る現代の「津軽」の旅推進事業に取り組むこととしております。
次に、並行在来線の経営計画素案についてであります。
昨年十二月二十六日に、県及び沿線十一市町等で構成する青い森鉄道線開業準備協議会において決定された青い森鉄道線経営計画素案は、青い森鉄道線を運営する県及び青い森鉄道株式会社が、青森開業に向けて経営計画を策定する際に踏まえるべき基本的事項を示しており、運転本数やダイヤ編成、運行区間などの列車運行計画、運賃水準や乗車券等の発売方法、駅体制などの営業計画、設備投資計画、資金・収支計画、利活用促進に関する事項及び青い森鉄道線の本格開業に向けての取り組み事項等で構成されています。
主な内容として、まず運転本数等については、旅客需要に合わせた本数設定と通勤・通学者の利便性に十分配慮したダイヤ設定を基本とし、八戸―青森間においては、一日五十数本程度、目時―八戸間においては一日三十数本程度の運行を予定しております。
次に、青い森鉄道株式会社の経営の根幹となる運賃水準については、現行の青い森鉄道線の運賃水準を基本としながらも、特に通学定期利用者の負担増加に配慮し、通学定期運賃は現行のJRの運賃水準のままに据え置く案とすることとしております。
また、青い森鉄道株式会社において青森開業に際して必要となる資金二十三億円については、借入金による金利負担を生じないよう、出資金をもって充てることとし、県、沿線市町及び民間が八戸開業時の負担割合も踏まえて分担することとしています。
さらに、利活用促進については、青い森鉄道利活用ビジョンの実現に向けた取り組みを初めとして、沿線地域と会社、県が連携しながら取り組んでいくこととしております。
次に、経営計画素案について、今後どのように取り組んでいくのかについてであります。
経営計画素案が決定されたことから、県及び青い森鉄道株式会社は、この素案を踏まえて鉄道事業者としての経営計画を作成し、平成二十一年度中に国に対して鉄道事業許可申請を行う予定としており、来年度においては、この申請に向けての最新の輸送状況を把握するために旅客流動調査を実施することとしております。
さらに、青い森鉄道株式会社では、本年秋ごろを目途に増資に向けた手続を進めるとともに、準備体制の整備、要員の採用、養成や車両の調達などに取り組んでいくほか、具体の運行ダイヤの編成、各駅における切符の発売や営業体制等の業務内容、運賃設定や利用促進のための営業戦略等を検討していくこととしております。
また、県は、開業に向けて新たに必要となる指令システム等の施設設備の整備等を着実に進め、東北新幹線新青森駅開業に合わせて、青い森鉄道線の青森開業が円滑に行われるよう取り組んでいるところであります。
このような開業準備とともに、県は、青い森鉄道線が地域住民の重要な足として、また、地域交通ネットワークの一つとして将来にわたって維持存続が図られるよう、沿線地域との連携による地域主体の利活用の推進に取り組んでいくとともに、国やJR各社に対し、青い森鉄道線の維持存続に係る県負担を最大限軽減するスキームの実現に向けて今後ともしっかりと取り組んでまいります。
次に、新駅設置についてであります。
青森市からは、青森操車場跡地地区、筒井地区及び野内地区の市内三カ所への新駅設置についての要望が出されています。
新駅の設置ついては、直接的に利用者の増加につながることから、青森開業後も厳しいものとなる青い森鉄道線の経営を考えた場合、運賃収入増加策という観点からの検討が必要であります。
一方で、こうした収益性や採算性に加えて、立地条件等の技術的側面からの検討も必要であります。このため、来年度、青森市からの要望も踏まえて、青森工業高校移転先付近である野内地区及び青森高校のある筒井地区を対象に、専門的見地からの新駅の設置可能性に係る調査を、青森市とも協力しながら行うこととし、本定例会に所要の予算を提案し、御審議いただいているところであります。
県としては、この調査結果を踏まえた上で、より詳細な設置可能性の検討や設置するとした場合の役割分担等について、青森市を含む関係者と協議してまいりたいと考えています。
なお、青森操車場跡地地区については、来年度から同地区に係る利活用計画の策定事業を実施することとしており、利活用計画策定後、新駅設置の可能性等について、青森市を含む関係者と協議してまいりたいと考えております。
最後に、利便性向上に向けてのダイヤ設定と新青森駅とのアクセスについてであります。
青い森鉄道線を多くの方に利用していただくためには、議員御指摘のように、利用しやすいダイヤを提供していくことが大切です。
このため、青森開業時のダイヤ設定の基本的な考え方としては、先ほど答弁しました運転本数のほか、運行区間については、目時駅から青森駅までの鉄道利用の状況等を踏まえ、八戸以北と以南それぞれでの運転を基本としつつ、大湊線など他線との乗り入れが確保されるよう努めることとしております。また、長距離通勤者等を考慮し、三戸駅または八戸駅と青森駅間に快速列車を運転することも予定しております。今後は、この基本的な考え方を踏まえ、運行主体である青い森鉄道株式会社とともに、関係鉄道会社との協議を行うなどしながら、具体的なダイヤ設定をとり進めてまいります。
次に、青い森鉄道線と新青森駅方面とのアクセス確保については、青い森鉄道線利用者の利便性向上の面からスムーズに東北新幹線に接続できるよう、県としても十分に検討していく必要があると認識しております。
一方で、奥羽本線新青森駅―青森駅間は、単線であること等による物理的な面での大きな課題があることから、今後、JR東日本が検討する東北新幹線及びアクセス列車等の情報も得ながら、奥羽本線側のJR東日本列車と青い森鉄道列車との相互乗り入れによるアクセス確保についてJR東日本と協議することとしております。
◯副議長(大見光男) 健康福祉部長。
◯健康福祉部長(難波吉雄) 御質問五点についてお答えいたします。
まず、自殺防止対策について、より具体について私からお答えいたします。
自殺者の多くがうつ病を初めとする心の病、不安を抱えていることから、自殺予防を心の健康づくりの重要課題として位置づけ、うつ予防に対する知識の普及啓発や研修、相談支援体制の充実強化などに取り組んできたところです。
その主な内容は、本県の自殺予防の総合的な対策を推進するための青森県自殺対策連絡協議会の設置、うつ予防の普及啓発による市町村の自殺予防活動に対する技術的支援、小規模事業所の事業主や従業員を対象にしたうつ病に関する知識の普及啓発、いのちの電話の電話相談員の養成と普及活動に対する助成、身近なところで気軽に相談できる傾聴ボランティア等の育成及び自死遺族ケアの充実などとなっています。
今後は、市町村の自殺予防活動をさらに推進する市町村自殺予防活動推進事業、九月十日の世界自殺予防デーを含む九月を自殺予防月間として集中的に普及啓発を行う自殺防止!あおもり推進事業を行うほか、壮年期を主とした県民各層に対するうつ予防の普及啓発も図ることとしています。
次に、県内市町村における自殺防止対策の取り組みでございます。
市町村における自殺防止対策は、一次予防として、うつ予防等の知識の普及、二次予防として、相談窓口の設置やハイリスク者への対応、三次予防として、残された遺族への心のケア等があります。
本県における市町村の取り組みは、平成十四年度に旧名川町がうつ予防の講話等に取り組んだのが最初ですが、その後、県が自殺予防地域支援強化事業により市町村を支援した結果、平成十八年度には二十二市町村へと広がりを見せています。
精神保健福祉センターが平成十九年に実施した調査では、三十九市町村が対策を実施しており、住民に対する講演会、研修会の開催、相談窓口の設置、ハイリスク者のスクリーニング調査の実施、遺族等への訪問等となっています。
また、一次予防から三次予防までを実施しているのは九市町村となっています。
次に、自殺防止対策の取り組み状況による市町村自殺者数への影響でございます。
平成十四年から十七年までの四年間のうち、二年以上自殺防止対策を行ってきた十三市町村と対策を全く行ってこなかった二十三市町村の自殺者数をもとに比較してみたところ、対策を行ってこなかった市町村のうち、五二・二%の市町村で自殺者数が減少したのに対し、対策を行ってきた市町村では九二・三%の市町村で自殺者数の減少が見られました。
このことから、市町村の自殺防止対策に取り組んだ市町村のほうが自殺者数が大きく減少している傾向にあるものと考えております。
このため、県としては、自殺者数の多い市町村や自殺予防対策の進んでいない市町村に対し、現状分析、事業計画の策定、実施、評価等について助言を行うなど、市町村の自殺予防対策に対する積極的な支援をしていくこととしております。
次に、公立大学法人設立に係る今後のスケジュールでございます。
平成二十年四月一日の公立大学法人の設立に向け、平成十九年九月議会では定款の制定についての議決をいただき、また、十二月議会では承継させる権利について議決をいただき、そして平成二十年一月に総務大臣及び文部科学大臣に対し認可申請書を提出したところです。また、本議会においては、職員の引き継ぎに係る内部組織を定める条例案及び公立大学法人設立に伴う関係条例の一部を改正する等の条例案についてお諮りしているものです。
これら必要な審議を経た上で、本年四月一日付で公立大学法人青森県立保健大学の登記をし、設立することになります。
公立大学法人が徴することとなる授業料や入学料などの料金の上限額は、法人の申請に基づいて県が議会議決を経て認可することとされますが、法人設立後、直ちに料金を徴する必要があることから、その認可については四月一日付で知事専決とし、その後議会に報告させていただく予定としております。
あわせて、法人が六年間で達成すべき業務運営に関する目標を定めた中期目標についても、今後の議会において御審議をいただき、議決を経て法人に指示する予定としております。
次に、公立大学法人の執行体制でございます。
執行体制については、平成十九年九月議会において議決をいただいた定款の規定により、役員には学長を兼ねる理事長、副理事長、四人以内の理事及び二人の監事を置くこととしております。
このうち理事長については、現学長を任命する予定としています。また、副理事長、理事については、人格が高潔で学識がすぐれ、かつ大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者の中から理事長が任命することとされており、今後人選を進めることとなります。
監事については、財務管理、経営管理、その他当該公立大学法人が行う事務または事業の運営に関しすぐれた見識を有する者であって、弁護士、公認会計士等監査に関する実務に精通している者の中から知事が任命することとなり、現在関係団体の意見を伺っているところです。
なお、大学運営に係る重要事項については、理事長、副理事長及び理事で構成する役員会の議決を経ることとし、公正性や適格性に配慮することとしています。また、事務局職員については、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づき、県職員を派遣する予定としております。
以上でございます。
◯副議長(大見光男) 県土整備部長。
◯県土整備部長(塩路勝久) お答えいたします。
まず、青森空港有料道路の無料開放について、平成十八年度末の債務残高及び料金徴収期間満了時点での債務残高見込みでございますが、青森空港有料道路の平成十八年度末の債務残高は約三十億円となっており、料金徴収期間が満了する平成二十九年時点でも約八億円の債務が残るものと見込まれております。
次に、早期無料開放について県の見解でございます。
青森空港有料道路は、青森県道路公社が道路特別措置法に基づく有料道路として借入金等により建設し、昭和六十二年七月十九日に供用した道路でございまして、平成二十九年七月十八日までの三十年間で利用者から徴収させていただく料金により、借入金等を償還することとなっております。
先ほど御説明しましたとおり、料金徴収期間満了の平成二十九年時点におきましてもなお債務が残るものと見込まれており、現時点では早期の無料開放は困難であると考えておりますが、債務の償還が早まれば早期の無料開放が可能となることから、債務の早期解消に向け、道路公社に対し、より一層の経営改善を指導しているところでございます。
次に、無料開放による経済波及効果の検討を行うべきではないかということでございます。
有料道路は、利用者から徴収する料金により借入金等を償還することが基本であるため、現在は料金徴収期間中に料金収入により債務の解消を図ることに全力を挙げておるところでございます。
仮に料金徴収期間満了時点においてもなお債務が残る場合には、その時点でその後の取り扱いを総合的に検討する必要が出てくるわけでございますけれども、お尋ねの経済波及効果につきましては、その際の判断材料の一つとなるものであるというふうに考えてございます。
次に、この有料道路の利便性向上には料金引き下げも有効ではないかという件でございます。
有料道路料金の引き下げにつきましては、引き下げに見合う交通量の増加が見込まれ、少なくとも料金引き下げ前の収入が確保できることが必要となってまいります。
料金引き下げの実験は、その効果を検証する方法として有効であるというふうには思いますけれども、仮にその実験によって減収となった場合の負担など道路公社の経営に直接影響する問題でございますので、その実施につきましては慎重に検討する必要があるものと考えておりますが、いずれにせよ、こういう御提案の方策も含め、有料道路の利便性向上、道路公社の経営改善につきましてはしっかりと考えてまいりたいと考えております。
次に、平成二十二年に料金徴収期間が満了するみちのく有料道路と時期を合わせ、青森空港有料道路の無料開放に向けた検討を行うべきではないかという件でございます。
有料道路は、この受益と負担の原則に基づきまして、それぞれの路線ごとに建設費用等の償還計画を立て、利用者からいただく料金によりその借入金等を償還しているものでございます。
青森空港有料道路につきましては、みちのく有料道路とは別路線であり、債務の状況や料金徴収期間満了時期が異なることから、あわせて検討を行うものではないというふうに考えております。
次に、主要地方道夏泊公園線平内町浦田―茂浦工区の整備状況でございます。
地方主要道夏泊公園線の浦田―茂浦工区全体延長約二・六キロメートルにつきましては、平成十二年度に事業着手し、これまで調査、設計及び用地取得等を進めてきたところでございます。
今年度は工事に着手し、これまでに、仮称でございますが、茂浦トンネル延長七百五十三メートルの施工に必要な仮設ヤードの整備を完了したほか、橋梁工事等を進めているところでございます。
また、共有地を含む用地未買収箇所につきましては、任意の買収を進めるとともに、土地収用法に基づく事業認定の申請に向けた所要の調査を進めているところでございます。
引き続き、まずはこのトンネル本体の工事着工に向け努力をしてまいりますが、議員御指摘のとおり、道路特定財源の行方によりましては、本事業の計画的な推進に支障を来すことも懸念されるところでございます。
次に、橋梁補修事業について、県管理橋梁における震災対策の実績と平成二十年度の主な取り組み内容でございます。
県が管理いたします十五メートル以上の橋梁七百四十七橋のうち震災対策が必要な橋は三百二十四橋となっております。
このうち平成十九年度までに三百橋の震災対策事業に取り組んだところであり、進捗率にいたしまして九二%になっております。
平成二十年度は、国道二百八十号、青森市の新井田橋を初めとする十一橋について事業を実施する予定でございます。
次に、県の橋梁アセットマネジメントに対する取り組み状況でございます。
本県では、平成十六年度から十七年度の二カ年でライフサイクルコストの低減を図るため、橋梁の劣化の程度、重要度等に応じた最適な補修時期及び工法を設定する橋梁アセットマネジメントシステムを構築したところでございます。
平成十八年度から重点的、集中的に震災対策及び長寿命化補修に取り組んでいるところであり、平成十九年度までに対象橋梁七百四十七橋のうち二百二十四橋について事業を実施したところでございます。
平成二十年度は九十八橋について事業を実施することとしており、引き続き事業促進に努めてまいります。
◯副議長(大見光男) 教育長。
◯教育長(田村充治) 御質問二点にお答えいたします。
初めに、我が国と郷土を愛する態度を育成するための小中学校における取り組み等についてであります。
我が国と郷土を愛する態度につきましては、現行学習指導要領において、社会科や道徳などで我が国の国土や歴史に対する理解や愛情、国家の発展に寄与しようとする態度をはぐくむこととされており、県教育委員会でも教育施策の方針に、郷土に対する誇りを持つ人間の育成を盛り込んでおります。
このようなことから、本県の小中学校においては、子供たちの発達段階に応じながら、例えば社会科や道徳、総合的な学習の時間などにおいて、身近な施設や博物館などを活用して地域の産業や歴史を調べる、地域の発展に尽くした先人についてその生き方や努力を学ぶ、地域の伝統芸能の継承に努めるなど、本県の自然や歴史、文化等を素材とした学習を通して、郷土に対する愛情や誇りを持たせるような教育活動が行われております。
我が国と郷土を愛する態度の育成につきましては、現在、公表されている学習指導要領改訂案においても引き継がれております。県教育委員会といたしましては、このような国の動向を見守りながら、引き続き郷土に対する愛情と誇りを育てる指導の充実が図られるよう支援してまいります。
次に、規範意識を醸成するための小中学校の道徳の時間における取り組み等についてであります。
道徳教育は、子供たちに道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うために、学校教育活動全体を通じて行われるものであり、特にそのかなめとなる道徳の時間は、子供たちに規範意識を醸成する上で大変重要な時間であると考えております。
小中学校の道徳の時間では、単に知識として教え込むのではなく、ボランティア活動や自然体験活動などの体験活動を生かしながら、例えば小学校低学年においては、よいことと悪いことを区別すること、中学年においては、みんなで協力し助け合う態度を育てること、高学年においては、法や決まりを守ること、中学校においては、法や決まり、社会とのかかわりを踏まえた人間としての生き方についての自覚を深めることなどについて、授業の進め方や効果的な指導の仕方等に工夫して取り組んでおります。
現在公表されている学習指導要領改訂案においても、社会生活を送る上で人間として持つべき最低限の規範意識を身につけさせる観点から、道徳教育の改善、充実が示されております。
県教育委員会といたしましては、このような国の動向を見守るとともに、引き続き学校と家庭や地域社会がより一層連携を深め、一体となった道徳教育が推進されるよう支援してまいります。
以上でございます。
◯副議長(大見光男) 二番高橋議員。
◯二番(高橋修一) 御答弁いただきましてありがとうございました。
壇上で申し上げたことは、与えられた時間で、私なりに一言一句選びに選んでの発言でございます。どうか重く受けとめていただいて、実行でき得るものは実行に移していただきたい、そのように思います。この場で細かいことを再度お聞きもしません。要望もいたしません。しかし、今の私の思いを知事に受けとめていただければと思います。
以上です。