◯議長(三橋一三) 一般質問を行います。

 二十七番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯二十七番(高橋修一) おはようございます。自由民主党の高橋修一です。通告順に質問を行います。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、感染拡大防止と経済社会活動の両立についてでございます。

 我が国の新たなリーダーとなりました岸田文雄総理は、この秋、多くの国民から確かな信頼と共感を得て、新しい時代に向かって国民の皆様とともに歩み始めました。

 岸田内閣において新型コロナウイルス感染症対策については、国民の命と暮らしを守るために、常に最悪の事態を想定した危機管理を原則に、様々な感染症への対策を強化することとしております。さらに、国民に協力を求めるときには、対策の必要性、決定のプロセスについて、科学的知見に基づいた納得感ある説明に努め、我が国の健康危機管理を抜本的に強化するとしております。国民の声をしっかりと受け止め、寄り添い、全力で挑む岸田総理の政治姿勢がコロナ対策においても実現されることで、必ずやコロナとの闘いに打ち勝ち、コロナ禍で傷んだ我が国の経済、社会を立て直すことができる、そう信じる一人であります。

 さて、県では、本年九月の一か月間、感染抑制に集中的に取り組むため、新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージを実施いたしました。そして、今月二十五日からは、政府の基本的対処方針の改定を踏まえ、イベントの人数制限緩和や会食の制限要請を撤廃しております。現時点においては徐々に元の日常に戻りつつあると感じるところでございますが、こういったコロナが落ち着いている状況だからこそ、今後の再流行に備え、常に最悪の事態を想定した危機管理を原則とし、県民の命を守る感染拡大防止と暮らしを守る経済社会活動の両立のため、先んじて対策を講じていく必要があると考えるところでございます。

 そこで、第六波の感染再拡大も懸念される中、県として緊急対策パッケージの成果も踏まえ、今後の再流行に備えてどのように取り組むのかお伺いいたします。

 次に、新型コロナワクチン接種についてであります。

 ワクチンは切り札、全てをかける、これは、菅義偉前総理の言葉でございました。製薬メーカーに直談判し、全国民分のワクチンを確保、一日百五十万回というスピードで接種が進み、今や我が国のワクチン接種率は、世界的に見て高い水準となっております。現在のコロナ感染の落ち着きぶりは、菅前総理の言葉のとおり、まさしくワクチンが切り札となったと考えられ、総理退任時までコロナ収束のため全てをかけられた菅前総理に対しまして、ただただ頭の下がる思いであります。この新型コロナワクチン接種はもとより、東京オリンピック・パラリンピックの開催をはじめとする数々の功績は、将来にわたり高く評価されるものと信じております。

 その新型コロナワクチン接種については、明日から三回目の接種が始まることとなります。

 そこで、三回目の新型コロナワクチン接種に向け、県と市町村の取組状況についてお伺いするものでございます。

 次に、地域経済回復に向けた取組についてであります。

 現在、新型コロナウイルス感染症の第五波が収束傾向にあり、社会経済活動が徐々に再開されている中、コロナ禍で傷んだ地域経済の活力を今取り戻さなければ、県内飲食業、観光関連産業など、あらゆる分野の事業者が受けたダメージの回復が将来にわたって見込めないものになってしまうのではないかと危惧しております。新型コロナウイルス感染拡大防止対策を維持しながら地域経済回復に向けた取組を実施するためには、いわゆるウィズコロナ、さらにはポストコロナといった県内中小企業者に対する先を見据えた支援を行うことが求められ、このための大胆な政策導入が必要と考えるところであります。

 そこで、新型コロナウイルス感染症の第五波が収束し、社会経済活動が徐々に再開されている中、県は中小企業者への支援にどのように取り組んでいくのかお伺いするものでございます。

 次に、観光需要の回復や地域公共交通維持の取組についてでございます。

 長引くコロナ禍にあって、本県観光需要は大幅に減少しておりますが、首都圏をはじめとする全国的な緊急事態宣言等の解除後、本県にも徐々に観光に訪れる方が増加しているものと思われます。

 そのような中、国ではGoToトラベル事業の再開に向けて動き出しております。観光需要回復のためには新型コロナウイルス感染拡大防止対策に万全を期し、安全・安心な旅の提供に努めながら、「GoToトラベル」再開を見据えた段階的な誘客対策の展開が期待されるところでございます。

 また、コロナ禍により、都市より地方、テーマパークより自然、団体旅行より個人旅行など、観光ニーズや観光スタイルがコロナ以前と大きく変化しております。このことから、変化した新たな観光マインドに対応した情報発信や誘客対策を戦略的に推進することが求められるところでもございます。

 そこで、「GoToトラベル」の再開に向けて検討が進められている中、県は観光需要の回復に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いするものでございます。

 長引くコロナ禍にあって、外出自粛や県外との往来自粛など、人流抑制の影響を受け、県内のバス、タクシーなどの地域公共交通の利用者が大きく減少しております。この結果、県内の交通事業者は経営に大きな影響を受け、事業を継続していくことが危ぶまれる状況となっております。

 このような状況を受けて、今月十一日には、青森県バス協会、青森県タクシー協会が合同で、三村知事に対して財政面での支援などを要望されたと聞いております。コロナ禍の影響が長期化している中において、県が国や市町村と連携して交通事業者の事業の継続を支え、通学や通院など、県民の暮らしの足や観光客の移動手段を確保していくことが求められております。

 そこで、地域公共交通の維持に向けて、県はどのように取り組んでいくのかお伺いするものでございます。

 次に、米価下落対策についてでございます。

 人口減少が進み、食生活の多様化により、米の消費の減退が加速化している中で、コロナ禍により概算金の下落幅が過去最大となりました。国が示した需要に応じた作付転換を進め、目標を大きく達成したにもかかわらず下落したため、農業者は、将来の米作りに不安を抱え、新たな投資やチャレンジが困難な状況にあると思われます。また、農業者の高齢化が進む中で、今回の米価下落を要因にリタイアし、耕作されない農地が増加することにより、これまで守ってきた優れた農地、生産基盤が失われ、農業地域の衰退につながることも懸念いたします。

 このような米価の状況が続くことは何としても避けなければならず、今月九日には、知事並びに県議会議長をはじめとする県内自治体代表により、国に対して米価下落を踏まえた水田農業の持続的な発展に係る要望が実施されております。攻めの農林水産業の取組により育成されてきた集落営農組織や担い手が将来に展望を描けるような対策が求められ、米政策を主導してきた国が責任を果たし、県や市町村、農業団体がそれぞれの役割を担い、将来にわたって本県の水田農業を守っていくことが必要であります。

 こうした中、昨日、知事の記者会見で、青系一九六号の名称がはれわたりに決まったとの発表がございました。米関係では久々に明るいニュースであります。新品種はれわたりは、津軽北部や県南地域で作付可能な良食味品種として、令和五年産の本格デビューを目指しているとのことであり、コロナ禍により業務用を中心に販売が苦戦しているほか、年々米の需要が減少している状況の中で、この品種が果たす役割に期待するところでございます。

 そこで、一点目として、本県水田農業の将来を見据え、県はどのような取組を進めていくのかお伺いいたします。

 二点目として、県では、あおもり米新品種はれわたりにどのような役割を期待しているのかお伺いするものでございます。

 次に、八月九日からの大雨による被害の復旧対策についてであります。

 八月に発生した大雨により、下北・上北地域を中心に大きな被害が発生しました。この被害を受けて、国道二百七十九号をはじめとする道路、河川、海岸、さらには農林水産関係等の復旧など、現在も着実に作業が進められており、また、下風呂温泉郷をはじめとする下北半島の観光需要の回復に向けた取組も行われるなど、国、県、市町村、関係機関、事業者等が力を結集しながら、一日も早い被災地域の復旧・復興に向けて取り組まれていると受け止めております。

 その一方で、住宅に大きな被害を受けた被災者の方々は自宅に戻ることができず、応急仮設住宅での生活を余儀なくされており、生活再建に向けたきめ細やかな支援が必要となっております。また、農林水産関係被害について、県議会農林水産委員会では九月十五日にリモートで現地調査を実施し、田んぼ一面が湖となっている状況や山間部から大量に土砂が海に流れ出している状況を確認し、被害の大きさと早期復旧の必要性を強く認識したところであります。

 県と県議会では、九月十七日に、国に対して予算の確保や災害査定の早期実施などを要望したところであり、令和三年九月定例会では、県から国の災害復旧事業等の活用により、計画的に復旧を進めていくとの御答弁があったところであります。

 そこで、一点目として、居住する住宅に甚大な被害を受けた被災者に対して、県としてどのような支援を行うのかお伺いするものでございます。

 二点目として、農地・農業用施設、林地及び漁港施設の復旧に向けた取組状況についてお伺いいたします。

 次に、原子力・核燃料サイクル政策についてのうち、第六次エネルギー基本計画における原子力・核燃料サイクルの位置づけについてでございます。

 十月二十二日、第六次エネルギー基本計画が閣議決定されました。その全体像は、昨年十月に表明された二〇五〇年カーボンニュートラルや、本年四月に表明された新たな温室効果ガス排出削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すこと、そして、気象変動対策を進めながら、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服に向け、安全性の確保を大前提に安定供給の確保やエネルギーコストの低減に向けた取組を示すこと、この二つを重要なテーマとして策定されております。

 そして、青森県にとりましては、県内に多くの原子力施設が立地することから、県民に理解と協力を求める上で、原子力・核燃料サイクルに係る記述とその位置づけがぶれることなく堅持されているのか注視しているところでございます。

 そこで、十月二十二日に閣議決定された第六次エネルギー基本計画における原子力・核燃料サイクルの位置づけ及びこれに対する知事の所感をお伺いするものでございます。

 次に、県内原子力施設に係る国の安全審査の長期化についてでございます。

 東京電力福島第一原子力発電所事故から十年が経過いたしました。原発事故の経験、反省と教訓を肝に銘じ、何よりも安全の確保を第一として原子力・核燃料サイクル政策を推進していくことが重要であります。このことから、県内原子力施設に係る国の安全審査については、立地県として県民の理解と協力を確かなものとするために、厳正な審査の下、安全性が確認され、今後の操業や再稼働等の見通しをできるだけ早期に、そして明確に示していただくことが求められると考えるところでございます。

 そこで、県内原子力施設に係る国の安全審査が長期化し、今後の操業や再稼働等の見通しが不透明になっていることについて、県の見解をお伺いするものでございます。

 次に、県立中央病院と青森市民病院の在り方についてでございます。

 県立中央病院は、現在の場所に昭和五十六年九月に移転新築して以来、県民に高度専門医療を提供し、医療の質向上に努めてきておりますが、築四十年を迎え、老朽化、狭隘化が大きな課題になっております。

 そうした中、青森市民病院につきましても同様の課題を抱えていることから、今年度、県と青森市が共同で県立中央病院と青森市民病院のあり方検討協議会が設置され、両病院の在り方について議論が行われ、今月十二日に知事と青森市長に対して、県と市が共同経営の上、統合病院を新築整備することが望ましいとの提言が示されたところでございます。両病院の課題を踏まえますと、出された提言に対して速やかに対応していく必要があると考えるところでございます。

 そこで、一点目として、県と青森市が共同で設置した協議会における検討経過等についてお伺いいたします。

 二点目として、協議会からの提言を踏まえて、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。

 最後に、青森県立高等学校教育改革推進計画についてであります。

 今月十二日、県教育委員会では、令和五年度から令和九年度までを計画期間とする第二期実施計画を決定されました。計画の策定過程においてパブリックコメントを実施するとともに、複数回にわたり地区懇談会を開催し、地域の方々から御意見を伺ったものと認識しております。地域の方々からは、高校が閉校することにより、当該地域の人口減少への対応や地域が衰退してしまうことを懸念する意見など、様々な視点からの御意見があったものと思われます。県教育委員会では、このような意見を受け止めながら、県教育委員会が持つ権限と責任の下、検討を進められ、計画決定に至ったものと受け止めております。

 そこで、一点目として、第二期実施計画についてどのような考え方で策定したのかお伺いいたします。

 二点目として、県教育委員会が第二期実施計画を策定したことに対する知事の見解をお伺いいたします。

 三点目として、高等学校の閉校により人口が減少し、地域が衰退することを懸念する地域の意見に対してどのように対応していくのか、知事の見解をお伺いいたします。

 以上で、壇上からの質問を終わります。

 

◯議長(三橋一三) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 改めまして、おはようございます。高橋議員にお答えいたします。

 まず、私からは、新型コロナウイルス感染症関連の今後の再流行に備えての取組であります。

 八月の新型コロナウイルス感染症の急拡大に伴い、九月の一か月間にわたり、人の流れを抑制し、人同士の接触機会を減らすために実施した緊急対策パッケージにつきましては、県民の皆様方の御理解、そして御協力によりまして、感染拡大の抑え込みと医療提供体制の逼迫回避等に相応の効果があったものと考えております。その後、感染症患者の発生数は減少傾向に転じ、現在は落ち着きを見せてきているところでございます。

 こうした中で、政府では、次なる感染拡大に備えつつ、感染症対策と日常生活の両立を基本として基本的対処方針を変更してきたことを踏まえ、本県におきましても、引き続き、保健医療体制等の強化や場面に応じた感染防止対策の徹底を図りながら、誰もが安心して暮らすことができる日常生活を取り戻せるよう取り組んでいくとの考え方の下、県の対処方針を変更したところです。

 また、次なる感染拡大の備えといたしまして、本県の医療提供体制につきましては、感染症患者が適切な医療や療養が受けられるよう、現時点で入院病床三百五十二床、宿泊療養施設を七百室確保しておりますが、今後は、入院病床につきましては四百五床まで増やすことを目標として確保に取り組みますとともに、臨時の医療施設に係る設置体制の準備でありますとか、自宅療養者に対する健康観察体制の強化など、さらなる体制の構築を図っていきます。

 さらに、ワクチン接種でありますが、市町村における接種業務への支援のほか、県が広域接種会場を県内三か所に設置し、接種を実施したことで、希望する方へのワクチン接種の促進に一定の効果があったところであり、引き続き、三回目の接種などを含め、しっかりと対応していきます。

 私といたしましては、県民の命と暮らしを守るとの強い決意の下、感染拡大防止と経済社会活動の両立を図り、安全・安心な県民の暮らしと活力ある本県経済を早期に取り戻せるよう取り組みますとともに、今後、感染拡大の傾向等が見られました場合は、感染状況等に応じた効果的な対策をちゅうちょなく講じてまいります。

 続きまして、本県水田農業の将来を見据えての県の取組であります。

 本県の稲作農家は、令和三年産米の概算金の大幅な下落により、今後の経営維持、拡大に不安を抱いており、高齢化などによる離農に拍車がかかることも懸念されますなど、本県水田農業を取り巻く環境は厳しさを増している状況にございます。

 水田農業は、農業経営や農村社会を支える基盤でありまして、私は、食料安全保障や多面的機能発揮の観点からも、生産者が将来に展望を持ち、水田を活用した多様な経営に意欲的に取り組むことができる環境を整備することで水田の機能を維持し、未来に引き継いでいくべきものと考えております。

 このため、団塊世代のリタイアによる構造変化に合わせて、担い手への農地の集約化に向けた農地の出し手と受け手のマッチングを強化するとともに、コスト低減を図るスマート農業技術の導入を可能とする基盤整備を推進するほか、中小規模農家の所得を確保する野菜等の高収益作物への作付転換を加速するなど、生産者の所得向上を図ります。

 また、県産米を牽引します「青天の霹靂」、主力品種まっしぐらに加え、家庭需要が期待できます新品種はれわたりの特性を生かした販売戦略の構築による品種構成の見直しを行いますとともに、国の対策も活用し、大規模生産が可能な大豆や飼料用作物なども組み合わせるなど、市町村や農業団体と連携しながら、持続可能な水田農業を推進していきます。

 続きまして、あおもり米新品種はれわたりにどのような役割を期待しているかであります。

 県産業技術センターが育成しました青系一九六号につきましては、昨日、名称をはれわたりとしたことを発表しました。私の思いとしては、米価が大幅に下落し、生産者の皆様が米作りの先行きに大きな不安を抱いている状況にある中で、県産米の未来が開け、生産者の方々の気持ちも明るく晴れやかにさせる存在となることを願い、命名を決意した次第でありました。

 はれわたりには、特A評価を十分に狙える実力を示すデータが得られております。このほか、これまでの県産米にはございません、軟らかく粘りが強い特徴を生かし、県内で他県産を選択しております購買層に選んでいただき、要するに、青森の方々に食べていただき、県産米のシェアを拡大させますとともに、全国の食にこだわりを持つ消費者の支持を得まして、あおもり米の評価を向上させる役割をはれわたりに期待しております。

 また、ライバル産地に比べまして、業務用仕向けの比率が高い品種構成からの脱却を図り、販売リスクの分散にも寄与するものと考えております。

 今後は、はれわたりがこうした役割を担っていけるよう、まずは高い評価を得るために基本となりますぶれのない良食味・高品質生産技術の確立に努めますほか、米卸売業者などへの求評活動を実施いたしまして、その結果に基づく効果的な販売戦略を検討していくなど、二年後の本格デビューに向けた準備を進めていきます。

 続きまして、八月九日からの大雨によりまして、居住する住宅に甚大な被害を受けた被災者に対しての県の支援であります。

 八月九日からの大雨災害により、むつ市及び風間浦村においては住宅全壊が合計八棟に及ぶなどの大きな被害を受け、本県においては、東日本大震災以降、全壊戸数は最大規模となりました。一方、国の被災者生活再建支援制度の適用要件は、十世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等とされておりますことから、今回の災害は国の制度の対象とはならないところであります。

 こうしたことから、私自身、住宅に大きな被害を受けました被災者の方々に寄り添った対応が必要であると考えたところでありまして、また、このことにつきましては、下北総合開発期成同盟会によります重点事業説明会において、冨岡風間浦村長からも御要望があったところであります。

 そこで、今般、県独自の支援として、自然災害により居住する住宅が全壊するなど生活基盤に著しい被害を受け、かつ国の制度が適用されない被災世帯を対象とする恒久的な支援制度を創設することとし、国の支援内容と同様に、住宅の再建方法等に応じまして、被災一世帯当たり最大三百万円を支給できるようにするものでございます。

 私としては、当該制度の運用を通じまして、今回の大雨災害により住宅に大きな被害を受けた方々の生活再建を支援し、生活の安定と被災地の速やかな復興を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 続きまして、十月二十二日に閣議決定されました第六次エネルギー基本計画における原子力・核燃料サイクルの位置づけに対しての所感であります。

 先月閣議決定されました第六次エネルギー基本計画におきまして、原子力は、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である、我が国は、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている、核燃料サイクルについて、引き続き、関係自治体や国際社会の理解を得つつ、再処理やプルサーマル等を推進する等が記載され、基本的にこれまでの方針が維持されたものとなっております。

 また、去る十一月八日に来県されました萩生田経済産業大臣からの国のエネルギー政策における核燃料サイクルの位置づけ等に対する御説明におきましても、第六次エネルギー基本計画で閣議決定したとおり、我が国は核燃料サイクル推進を基本的方針としており、この方針に変わりはなく、引き続き堅持し、着実に進めていく旨の御発言がございました。

 私といたしましては、これらのことから、国のエネルギー政策における原子力・核燃料サイクルの方針には何ら変わりがないものと受け止めているところでございます。

 続きまして、高等学校教育改革第二期実施計画を策定したことに対しての見解であります。

 県教育委員会が今月十二日に決定いたしました第二期実施計画につきまして、その検討過程において県民の皆様から様々な御意見等が寄せられましたことは、県教育委員会から報告を受けております。

 第二期実施計画を策定するに当たっては、本年五月に総合教育会議を開催し、県教育委員会と第二期実施計画策定の基本的な方向性について共通理解を図ったところであり、基本方針で掲げます充実した教育環境の整備と、各地域の実情への配慮の二つの観点に意を用いながら、県教育委員会において慎重に検討を進めてきたものと認識しております。

 私は、高等学校教育改革を進める上では、本県の未来を担う人財を育成するために、県全体の高等学校教育をどうしていくことが望ましいのかを考えていくことが大切であると思っております。この計画が本県の未来を担う子供たちの教育環境づくりにつながることを期待するところであります。

 続きまして、高等学校閉校によりまして、地域衰退の懸念の意見に対しての対応であります。

 私は、青森県が目指します生活創造社会の礎となりますのが人財──人の財(たから)であると捉えており、県立高等学校教育改革を通して未来の子供たちのための教育環境づくりを進め、本県の子供たちが青森に愛着や誇りを持ち、新しい時代を主体的に切り開く人財として成長し、地域を支えていくことが持続可能な地域づくりにつながるものと考えております。

 また、青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦や第二期まち・ひと・しごと創生青森県総合戦略に基づき、本県の持つ多様な地域資源やその優位性を生かし、食や観光を牽引役とした経済を回す仕組みづくりや、若者の県内定着・還流、出生数の増加と県民の健康づくりなどにこれまで重点的に取り組んできたところであり、このような取組を全庁一丸となって引き続き推進していきたいと決意いたしております。

 私からは以上であります。

 

◯議長(三橋一三) 青山副知事。

 

◯副知事(青山祐治) 地域公共交通の維持に向けて、県はどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。

 地域公共交通の維持は、県民の暮らしの足を守るとともに、観光客の移動手段を確保するという観点からも極めて重要であると考えております。

 このため、県では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、経営に甚大な影響を受けている地域公共交通事業者に対し、車両や設備の維持、修繕の経費といった地域交通基盤の維持に対する支援、交通系ICカード導入による非接触型サービス提供といった感染拡大防止の取組への支援、地域交通を組み込んだ旅行商品造成促進といった利用拡大の取組への支援など、感染拡大の状況に応じて必要な対応をしてきたところです。

 しかしながら、コロナ禍による影響の長期化により、地域公共交通事業者の経営が依然として厳しい状況にあることから、さらなる対策として、県外との交流に必要な輸送サービスである高速バス、地域の観光振興に必要な輸送サービスである貸切りバス、住民生活の足であるタクシーについて事業の継続を支援することとし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところです。

 県としては、今後とも、コロナ禍による影響を随時把握しながら、地域公共交通を守るために適切に対応してまいります。

 

◯議長(三橋一三) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(奈須下 淳) 新型コロナワクチンの三回目接種に向けた県と市町村の取組についてお答えいたします。

 国は、新型コロナワクチンの三回目接種について、十一月十六日付の事務連絡により、各自治体に対して実施体制等を確保するよう求めるとともに、接種の対象者については、まずは二回目接種を受けた十八歳以上の全ての住民とすること、接種間隔は、二回目接種完了から原則八か月以上とすることなどを明らかにしたところです。

 医療従事者等の三回目接種が十二月から開始されることを踏まえ、県では、市町村と連携、協力して県内各医療機関で必要となるワクチン量を調査し、先般、来年一月までに必要となるワクチンの市町村別の配分量を決定し、公表したところです。

 また、市町村においては、三回目接種に係る接種体制の整備確保を進めるとともに、接種見込数の試算のほか、予約システムの改修や接種券の発送等、必要な準備に取り組んでいるところです。

 県としては、今後とも、医療機関等関係機関と連携し、市町村が三回目接種に係る体制を速やかに構築できるよう支援していきます。

 

◯議長(三橋一三) 商工労働部長。

 

◯商工労働部長(相馬雄幸) 新型コロナウイルス感染症の第五波収束後の中小企業者への支援にどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束に伴い、国では感染リスクを低減させる方策を講じながら、様々な行動制限を段階的に緩和しているところであり、本県としても国の方針を踏まえながら、地域経済の回復を図るための各種施策を着実に展開していくことが重要と考えています。

 このため、厳しい状況が続いている飲食業について、現在、感染防止対策に取り組む飲食店を対象とした利用促進キャンペーンを実施しているほか、ECサイトの活用による県産品の販路拡大に取り組むなど、消費喚起につながる取組を積極的に推進していくこととしています。

 また、社会経済環境の変化等に対応した新たな事業活動を促進していくことも重要であることから、AI・IoT分野などで活躍するデジタル人財の育成支援や、ものづくり企業のスマート化に向けた支援などを通じて、県内中小企業のデジタル化の促進に取り組んでいるほか、新分野への進出や業態転換等を支援するなど、コロナの先を見据えた企業の変革を多方面からサポートしているところです。

 県としては、国の施策と連動しながら、地域経済の早期回復に向けて、県内中小企業者の支援に引き続き全力で取り組んでいきます。

 

◯議長(三橋一三) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(赤平次郎) 八月の大雨被害に関連する御質問のうち、農地・農業用施設、林地及び漁港施設の復旧に向けた取組状況についてお答えいたします。

 八月九日からの大雨で被害を受けた農林水産被害のうち、水田の湛水や土砂堆積、農道の崩壊などの農地・農業用施設被害については、県では、市町村等が国の災害復旧事業等を活用し、円滑な復旧工事を実施できるよう設計資料の作成などを支援しており、事業申請のあった全ての地区で、十一月二十六日までに国による災害査定を終了しております。

 また、林地被害については、崩壊した斜面の復旧や土砂等の流出を防止する治山ダムの設置に向けた国との手続を行っておりますほか、漁港施設については、漁港内公園に流入した土砂の撤去を県費単独漁港施設災害復旧事業により進めており、来年二月までに完了する見通しとなっております。

 今後は、順次復旧工事に着手するとともに、引き続き、関係者や市町村、国と連携しながら、早期の復旧を進めていくこととしております。

 

◯議長(三橋一三) 観光国際戦略局長。

 

◯観光国際戦略局長(堀 義明) 観光需要回復に向けた県の取組についてお答えいたします。

 昨年来、観光需要は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けてきましたが、十月からは感染状況が落ち着き、県内では県民向けのおでかけキャンペーンを再開したほか、今月十五日には、交通事業者や旅行会社を招いてあおもり観光スタートアップセッションin東京を開催し、首都圏など県外からの誘客対策にも着手いたしました。

 また、国では、ワクチン・検査パッケージの活用による観光需要喚起策を進めるなど、いよいよ反転攻勢に出る局面を迎えており、本県でもこの機を逃がさず、観光需要の早期回復に向け、青森県観光戦略を補完する位置づけで、三つの柱から成る仮称青森県観光回復実行プランを取りまとめているところです。

 プランでは、観光需要の段階的な回復を柱の一つに掲げ、取組を進めることとしており、これから冬季の閑散期を迎えることや、「GoToトラベル」再開までの観光需要を取り込むため、現在、県内居住者限定で実施しているおでかけキャンペーンについては、ワクチン・検査パッケージを活用した隣道県への拡大について、速やかに検討することとしております。

 県としては、観光需要を早期に回復させ、引き続き、経済を回す仕組みづくりに全力で取り組んでまいります。

 

◯議長(三橋一三) エネルギー総合対策局長。

 

◯エネルギー総合対策局長(若木憲悟) 県内原子力施設に係る国の安全審査長期化についての県の見解についてお答えいたします。

 原子力施設の操業や再稼働等については、何よりも安全の確保が第一であり、事業者が新規制基準への適合に万全を期し、原子力規制委員会による安全性の確認を受けることが前提であると考えています。

 しかしながら、新規制基準への適合性審査が長期間に及んでいることや、立地地域にとって原子力施設の安全性確認は急を要する課題となっていることなどの状況を踏まえ、原子力規制委員会に対し、厳正かつ迅速な審査が行われるよう、審査体制の充実、強化に加え、審査手順の改善などについて、原子力発電関係団体協議会等として重ねて要請してきたところです。

 また、十一月八日に萩生田経済産業大臣が来県され、知事と面談した際に、大臣から、六ヶ所再処理工場やMOX燃料工場の竣工や操業に向けた準備を官民一体で進める、日本原燃をはじめとする原子力事業者に対しては、安全審査への対応や対策工事の実施、継続的な技術力の向上に全力で取り組むよう指導し、安全確保を最優先として、県民の安全・安心の確保に最大限努めていく旨の発言がありました。

 県としては、国及び事業者に対し、県民の安全・安心の確保に向けた対応が十分に取られるよう、引き続き求めてまいります。

 

◯議長(三橋一三) 病院局長。

 

◯病院局長(嶋谷嘉英) 県立中央病院と青森市民病院の在り方についての御質問二点にお答えいたします。

 初めに、協議会における検討経過等についてでございます。

 病院局では、平成三十一年三月に策定した県立中央病院将来構想において、県の地域医療構想で示された県立中央病院の果たすべき役割、機能に適切に対応していくためには、地域の医療機関との再編、統合等も視野に入れた急性期医療、専門医療、政策医療に係る病院機能の拠点整備が必要であり、また、院舎の老朽化等も踏まえれば、建て替え等を含めた院舎の在り方について検討する必要があるとしたところであります。

 検討に当たっては、青森地域保健医療圏で同様に急性期医療や政策医療を担っている青森市民病院との調整が不可欠であることから、青森市と共同で設置した県立中央病院と青森市民病院のあり方検討協議会で本年五月以降、四回にわたって両病院の将来の在り方について検討いただいたところです。

 協議会では、医師をはじめとした医療従事者を十分確保していくことが難しいことや、施設の老朽化、狭隘化などの課題を抱えた両病院が、人口減少、高齢化の進展など、地域医療を取り巻く課題を見据え、将来的に持続可能な医療提供体制を構築していくためには共同、連携が必要であり、その方向性としては、一つ、医師等の医療従事者不足・人材確保、二つ、急性期機能の集約・充実、三つ、施設の老朽化等、四つ、病院経営、五つ、地域医療支援、六つ、新興感染症対策の六つの観点を踏まえると、共同経営の上、統合病院を新築整備することが最も望ましいとされたものです。

 次に、提言を踏まえて、今後どのように対応していくのかについてであります。

 去る十一月十二日に協議会からいただいた提言では、その実現に向けて、県と青森市で今後の在り方について早期に協議を進めることが求められており、両病院の在り方に関する具体的な方針決定に向けて、青森市と必要な協議を進めていく必要があると考えています。

 青森市との協議に当たっては、提言に示された共同経営の上、統合病院を新築整備するとした場合におけるメリットや課題などについて、青森市民病院事務局との間で具体的に検討、整理していきたいと考えています。

 病院局としましては、将来的に持続可能な医療提供体制の構築に向け、県立病院としての使命をしっかり維持しつつ、協議を進めてまいります。

 

◯議長(三橋一三) 教育長。

 

◯教育長(和嶋延寿) 青森県立高等学校教育改革推進計画第二期実施計画策定の考え方に係る御質問にお答えします。

 第二期実施計画については、県民の皆様から幅広い御意見等を伺う機会として、パブリックコメントの実施や地区懇談会の開催等に取り組み、いただいた多くの御意見等の一つ一つを参考にしながら、教育委員会会議で慎重に検討を重ね、去る十一月十二日に決定したところです。

 県教育委員会としましては、高等学校教育をめぐる環境の変化や生徒数の減少が見込まれる中にあっても、多様な価値観を有する他者と協働して課題の解決に取り組むことなどが可能となる教育環境を整備し、生徒一人一人に生きる力や、夢や志を持ち、高い目標に向かって果敢にチャレンジするたくましい心、郷土に誇りを抱き、本県の未来を力強く支えようとする心を育むことができるよう、本県高等学校教育の充実を図っていくことが必要と考えております。

 第二期実施計画においては、充実した教育環境の整備と各地域の実情への配慮に意を用いるとともに、生徒の学習意欲を喚起し、可能性及び能力を最大限に伸長するための魅力ある高等学校づくりをさらに推進することとしており、今後は、県民の皆様の御理解と御協力を得られるよう努めながら、計画に基づく各取組を着実に推進してまいります。

 

◯議長(三橋一三) 高橋議員。

 

◯二十七番(高橋修一) 質問に対しまして、それぞれ御答弁をいただきました。

 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、このコロナへの対応も間もなく二年になろうとしております。この対策については、誰も経験したことのない、ある意味で答えのないものなんだろうと思っております。

 この間、県内も感染が急拡大して厳しい局面が何度もあったものと思われますし、そういった中で、県に対してもっと対策を強化して感染を抑えろといった意見もあれば、いやいや、違います、社会経済を動かせといった意見もあったものと思っております。場合によっては、厳しい御批判の声も県に対してあったと思われます。

 しかしながら、県においては、いかなる状況にあっても専門家の方々から意見を聞いて、その都度ベストと思う対応を取られてきたと受け止めているところであります。

 壇上で、菅前総理に対しまして頭が上がらないと申し上げましたが、県に対しても、私自身、同様の気持ちを持っております。現時点でのコロナの落ち着きぶりを踏まえますと、評価すべきところはしっかりと評価すること、これは議会の議論において大切なことであると捉えておりますので、本当によくやっていただいていると評価するところであります。

 これから本格的な冬を迎えることとなります。新しい変異株も確認されました。引き続き警戒を強めていただいて、御答弁にありました第六波、再流行への備え、そして三回目のワクチン接種、さらには地域経済回復に向けた中小企業者への支援、観光需要の回復、そして地域公共交通維持の取組といった課題に対して最大限のお力を賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 御答弁を聞く限りにおいては、観光国際戦略局長から、いよいよ反転攻勢に出る局面であると。前回の県議会の決算特別委員会のときよりもさらに力強い言葉、強い意気込みを感じ取りました。これまで数か月、観光国際戦略局長は、自分の思いどおりの仕事がなかなかできない状況が続いてきたと思いますけれども、この局面を迎えたという御答弁がありましたので、これからはその思いどおり、思いっきり御自身の力を発揮すべく仕事をしていただいて、その活躍を期待したいとエールを送らせていただきます。

 次に、米価下落対策についてであります。

 米の新品種の名称がはれわたりに決まりました。知事の思いを御答弁で承りました。青森県の希望ある未来を表すかのような、すがすがしくもすばらしい名称であると受け止めたところであります。

 青森県の米、今年は米価の下落、そして八月の大雨による水田の被害と大変厳しい状況が続いております。どうか他のあおもり米同様、このはれわたりを大切に作り育てていただいて、青森県の希望に満ちた水田農業の中核となるような米になることを期待したいと思います。令和五年産デビューに向けて、生産・販売面、万全の対策を期していただきたく、この点もお願い申し上げます。

 それから、青森県立高等学校教育改革推進計画についてでございます。

 第二期実施計画決定直前でございましたが、県立浪岡高校の存続を求める会の皆さんから直接要望を承りました。存続を求める会の方々からは、地域の人口減少に歯止めがかからない中にあって、県立高校の地域における役割は、教育面だけではなくて、多方面にわたるといった趣旨の御発言がございました。また、青森市長は、七月の記者会見の場で、浪岡のまちづくりに対する宣戦布告だといった御発言がございました。これは小野寺市長らしいと申しますか、いい意味でとんがった発言であったと受け止めました。しかしながら、いずれの発言もおっしゃるとおりなんだと思います。つまりは、閉校によって地域の衰退は避けられないということでございます。

 この県立高等学校閉校を起因とする地域の衰退への対応については、県として取り組むべき大きな課題であると受け止めております。このことについては、先ほど知事から、県の基本計画、それからまち・ひと・しごと創生の県総合戦略によって、地域の経済を回す仕組み、あるいは若者の県内定着・還流、そして出生率の増加、こういったものに全庁一丸となって取り組むといった趣旨の御答弁を賜りました。御答弁から大きな課題であるという点、そして取組の必要性については、共通の認識をお持ちいただいたものと理解をしたところであります。したがいまして、県として、該当する地域に対する具体の取組と特段の御配慮を何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上で私の一般質問を終わります。