2021-02-19 : 令和3年文教公安委員会 本文

◯岡元委員長

 ほかに質疑ありませんか。──高橋委員。

 

◯高橋委員

 ただいまの木明委員の質問に関連して、私からも新型コロナウイルス感染症への対応について質問させていただきたいと思います。

 今の委員の議論を聞いて、非常に難しい問題だなと。本来、部活動、特に運動部はその練習を活発化させることによって、子供たちが健康になる。しかしながら、コロナの厄介なところは、運動部が一生懸命やればやるほど、クラスターの発生原因にもなり得る。極めて難しい判断を教育長なり、また、スポーツ健康課長が行われていると受け止めたところでありますが、私からも関連して質問させていただきたいと思います。

 県内における新型コロナウイルス感染症患者は800名を超え、医療機関、介護施設、飲食店のほか、学校でもクラスターが発生するなど、今後とも感染の拡大が心配される状況にあります。特にクラスターが発生した場合、感染者が急激に増加するため、不安を抱く方も多いことから、こういった不安を解消し、冷静に行動できるようにするためにも、県民に対し適切に情報提供することが求められます。

 そこで、県立学校でクラスターが発生した場合の公表についての県教育委員会の考え方について伺います。

 

◯谷地村スポーツ健康課長

 県教育委員会では、県民に対して学校の設置者としての説明責任を果たすという観点から、県立学校の教職員に新型コロナウイルス感染が判明した場合は公表するということにしておりますが、生徒の感染については、人権保護の観点から、クラスターとなった場合のみ公表することとしております。

 1月以降のクラスターの発生に係る公表内容としては、校内での感染状況等及び発生後の対応のみとしており、学校の情報については公表してきませんでした。しかし、その後、学校クラスターが発生した場合の公表の在り方について、関係部局と協議を行った結果、学校クラスターが発生した場合には、公私の別を明らかにした上で、それぞれ所管する部局から必要に応じて情報提供することとしました。

 このため、今後、県立学校でクラスターが発生した場合には、県立学校であることを明らかにした上で、校内での感染状況等及び発生後の対応について公表することとしております。

 

◯高橋委員

 ただいまの御答弁によりますと、公私の別を明らかにした上で、県立学校においてクラスターが発生した場合にはそのことを公表するというふうに変更すると受け止めましたが、今回の変更点と、また、その変更に至った理由と申しますか、その部分も御答弁をお願いします。

 

◯谷地村スポーツ健康課長

 これまで県内で複数の学校クラスターが発生した際には、県立学校は今お話しした対応となり、御存じのように私立学校のほうはそれぞれの法人での対応となりますので、それで足並みがそろっていなかったこともあり、公私の別について明らかにしておりませんでした。しかし、県立学校であるか、私立学校であるかに関わらず、学校でクラスターが発生した場合には、校内での感染状況等や発生後の対応について、県民に対して丁寧に説明することが必要と判断したものです。

 

◯高橋委員

 このことについて、私立学校側の理解は得られているものと思いますが、その辺はどのようになっていますか。

 

◯谷地村スポーツ健康課長

 私立学校のほうの対応ということでございますけれども、学校クラスターが発生した場合の現在の公表の在り方の見直しについては、先ほどもお話ししたように、関係部局と協議して決定したものであり、私立学校については、担当部局のほうから県の私学協会等に説明して、理解を得ているというふうに聞いております。

 

◯高橋委員

 今回の変更点は理解しました。いずれにしても、県教育委員会とすれば、新型コロナウイルス感染症への対応については、子供たちを守るという使命があります。守るといっても、やはり健康面で感染予防を引き続き継続していくということと同時に、情報提供の在り方とも直結しますが、残念ながらクラスターが発生した場合も含めて、陽性者に対する個人の詮索であったり、特定であったり、あるいは個人情報の拡散、もしくは心ない非難であったり、偏見とか差別、そういった部分から子供たちを守るということも極めて大切な県教委としての役割があろうかと思います。

 今回の変更によって、県教育委員会が設置者となる学校の対応について、社会的な責任として、その対応の状況等を公表していくことが最大の理由になると思われますが、公私の別を明らかにすることによって、学校の特定にまではつながらないものとは思います。しかしながら、県立学校か、あるいは私立の学校かという区別がつく段階で、先ほど申し上げたような子供たちを精神的に守っていくということをさらに重要視していかなければならない、そのように考えます。したがいまして、様々な局面において今後とも想定外の難しい判断を求められることと思いますが、教育委員会の立場はもちろん、県全体の感染を収束させるというのが大事でありますが、その中にあって、いかにして健康面と精神面で子供たちを守っていくか、それが一番求められますので、どうか子供たちの立場に立った、また、子供たちに寄り添った新型コロナウイルス感染症への対応を引き続きお願いしたいと思います。

 以上で終わります。