2020年06月26日:令和2年文教公安委員会 本文

◯岡元委員長

 ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。

 質疑は議題外にわたらないように願います。

 なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。

 質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 それでは、議案第9号「青森県立学校設置条例の一部を改正する条例案」について、昨日、本会議の場において、複数の議員から質疑がなされましたが、昨日の御議論を踏まえて、また、この後の採決に当たり、私のほうからも何点か質問いたします。

 1点目であります。

 上北地区統合校及び西北地区統合校の設置に当たり、統合対象校においてこれまで取り組んできた特色ある教育活動の引継ぎに向けた検討状況についてお伺いいたします。

 

 

◯仁和高等学校教育改革推進室長

 県教育委員会では、昨年度、統合対象校の関係者等で構成する開設準備委員会をそれぞれ開催し、教育活動等について検討の上、検討結果を報告書として取りまとめていただきました。

 この報告書において、統合対象校における特色ある取組として、上北地区では、十和田西高校の観光ボランティアガイドや、六戸高校の関係機関と協働した「さつき沼ビオトープ化プロジェクト」、三本木農業高校のきみがらスリッパ等の地域の伝統工芸品づくりなどが挙げられております。

 また、西北地区では、金木高校の地元NPO法人等と連携した活動や板柳高校の小・中学校との交流活動、鶴田高校の国際交流活動、五所川原工業高校の東北職業能力開発大学校青森校との連携などが挙げられております。

 これらの取組等の統合校への引継ぎについては、各開設準備委員会より、「統合対象校の特色ある教育活動を引き継ぎつつ、より充実した教育活動を展開できるよう、具体的な検討を進めてもらいたい」との提言がなされたところです。

 開設準備委員会からの提言を踏まえ、統合対象校の特色ある教育活動等を引き継ぎながら、中学生や保護者から選ばれる、魅力ある学校となるよう、今年度、三本木農業高校内及び五所川原工業高校内に設置している開設準備室と連携し、教育活動の具体的な内容について検討しているところです。

 

 

◯高橋委員

 大変詳細な御答弁を賜りました。

 統合校の開設に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、この点についてもお伺いいたします。

 

 

◯仁和高等学校教育改革推進室長

 上北地区統合校は普通科と農業科を併設し、西北地区統合校は普通科と工業科を併設することとしており、両校が普通科と職業教育を主とする専門学科を併設するメリットを最大限活用しながら、中学生や保護者から選ばれる、魅力ある学校となることが大事であると考えております。

 このため、三本木農業高校内及び五所川原工業高校内に設置している開設準備室と連携し、統合校が魅力ある学校となるよう、教育課程の編成や特色ある教育活動などについて引き続き検討を深めるとともに、体験入学や中学校訪問など、あらゆる機会を通じて統合校に関する情報を幅広く提供しながら、生徒が見通しを持って進路選択できるよう準備を進めてまいります。

 

 

◯高橋委員

 設置条例の一部の改正ということで、我々には三本木農業恵拓高等学校という校名と、五所川原工科高等学校、この2校の校名が提示されているという状況にあります。

 今、室長の御答弁によれば、昨年度、準備委員会において、教育活動等について協議がなされたということであります。当然、関係者にとって関心が高いのは、学校名のみならず、校訓であったり、校歌であったり、校章であったり、あるいは制服、また部活動の在り方等々も教育活動とともに関心は高いものと思います。これらの検討の状況であったり、また今後、どのような形でこれらが決められるのか、その点についても御答弁いただければと思います。

 

 

◯仁和高等学校教育改革推進室長

 現在、上北地区統合校、それから西北地区統合校においては、今、委員のほうからお話のありました、その目指す人財像とか、それから校訓、校章、校歌、制服、教育活動、それから部活動等についても、関係者がおのおの関係する学校と連絡を取りながら進めておりまして、また、こちらのほうでも関わりを持ちながら、円滑な来年度の開校に向けて、鋭意検討しているという状況にあります。

 

 

◯高橋委員

 今後も少子化に歯止めがかからない中で、青森県内の県立高校においても、閉校というのは避けて通れないものと思います。

 10年ほど前でありましたが、当時、八戸南高校と八戸北高校が統合して、また青森東高校と青森戸山高校が統合して、1校だけが募集停止になった。統合という言葉を使いながらも、実質的には1校が残って、1校だけ募集停止がなされたと。それは前の計画の取扱いの仕方で、3年前に新しく教育改革の計画をつくった際には、方針を変えたんでしょうが、対象校は全て募集停止をした上で新たな学校を開設して、1校だけ募集を新たに進めるというやり方に、県教委とすれば方針の転換をなされたものと、そのように認識をしております。

 それで、10年ほど前に、当時の校長、対象校となった学校の校長を務めた方、退職してすぐの方にお話を聞いたところ、やはり退職したから言えるんでしょうが、A校とB校が対象校になって、A校が残るという考え方はあまりに関係者にとっては不公平感が募ると。そういったやり方を県の教育機関がやるべきではないとおっしゃっておりました。

 そういったことも踏まえて、今はA校とB校がなくなればC校ができるという考え方であろうかと思いますが、そういったやり方を今後とも進めていくものと私自身は認識をしております。

 この後も県立高校の閉校が避けられない中にあって、やはり今回の三本木農業恵拓高等学校、あるいは五所川原工科高等学校がよりよい学校となることが、今後の閉校に当たって一番の県民理解促進につながると、そのように思います。

 十和田西、六戸、三本木農業、あるいは金木、板柳、鶴田、五所川原工業高校の関係者も、この2校がよりよい学校になることを望んでいるものと思いますので、どうかこの2校が青森県の高等教育機関として、それぞれに新たな歴史をスタートするわけでありますが、両校のさらなる、この地域にあっての教育機関としての担いを受け持つことを期待して、私からの質問を閉じさせていただきます。