2017年11月30日:平成29年第292回定例会(第3号)   本文

◯副議長(山谷清文) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問を続行いたします。

 二十六番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。

 質問の冒頭ではございますが、全国議長会から十年表彰をいただきましたことに、議長、知事、県議会議員の皆様、県の職員の皆様、そして、広く県民の皆様に心から感謝申し上げる次第でございます。早速、議長会からいただきましたバッジをつけております。また、知事からいただきましたブナコ、家に持って帰ったところ、妻が大変喜んでくれました。我が家の家宝として、夫婦で大切に大切に使わせていただきたいと思います。

 十年一昔と言われますが、若さ、情熱、思いやり、これをキャッチフレーズに初当選いたしましたが、最近は、議会の会派の控室で新聞を読む際に、テーブルの上にある百円の眼鏡のありがたさを感じるところでもございます。しかし、まだたったの十年でもございます。微力ではありますが、今後とも、県政の発展のために、誠心誠意努力してまいる決意でございますので、皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 初めに、将来を見据えた地域産業の振興についてお伺いいたします。

 平成十九年六月、第二百五十回定例会、今からちょうど十年前、私にとって一般質問初登壇でございました。

 質問項目は産業・雇用分野に絞りまして、国と県の経済と地域間格差、雇用、企業誘致、創業・起業、地域クラスター、新幹線開業と、いずれも日本経済が再生していく中にあって、いかにして我が青森県の経済に力を与えていくか、産業をどのように育てていくか、雇用をどのように創出していくかといった観点からの質問をさせていただきました。

 当時、平成十九年四月の数値でありますが、本県有効求人倍率は〇・四六倍、青森県は極めて厳しい雇用環境にありました。十年たった平成二十九年現在は、一・二倍台と堅調に推移しておりまして、地域ごとにおいても、五所川原や黒石など、他の地域と比較し有効求人倍率が低い地域において〇・九倍台になるなど、着実に改善されつつある状況にございます。

 一方で、県内企業にとっては、人材の確保が難しくなり、業種によっては深刻な人材不足が生じ、産業人材の確保、定着が課題となっている状況にあります。

 さらには、少子化が進む中、二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上となる超高齢化時代を迎えるなど、人口構造の変化により、地域の社会システムや経済のあり方が大きく変わろうとしております。

 これらのことは、我が青森県だけでなくて全国的な状況にありますが、グローバル化した経済全般の動きを見渡すと、産業分野において、ビッグデータ、人工知能、ロボット、IoTなど新たな技術を活用したビジネスが急速に拡大し、新しい時代の波が押し寄せている状況にもあります。

 そのため、国においては、アベノミクスの第三の矢である成長戦略において、革新的技術を生かした新たな需要の創出と生産性革命をもたらすとともに、一人一人のニーズに合わせたサービス提供によってさまざまな社会課題を解決するソサエティー五・〇により、超スマート社会の実現を目指すこととしております。

 本県においても、人口減少が進む中、県民皆が輝く一億総活躍社会の実現に向け、地域経済が持続的に発展していくためには、国の動きを捉えながら、中長期的視野を持って、本県の社会的・構造的課題を解決しつつ、成長産業の創出に取り組んでいくことが重要であると考えるところであります。

 そこで、一点目として、県では、成長産業の創出に向けてどのように取り組んでいるのかお伺いするものであります。

 国策定の新産業構造ビジョンによりますと、仕事によって能力が最大限発揮できるピーク年齢は異なり、データ、AIの分野はピーク年齢が低く、若者の能力が突き抜けていることから、若者の力を解き放つことが必要とされ、変革期に必要な若者の情熱と才能を存分に解き放ち、それゆえ人材が育ち、世界からも才能が集まる社会を目指していくとの考え方が示されております。

 青森県としても、将来を見据えた成長産業の振興を図るためには、目指すべき未来社会像として、こうした視点を持つ必要性を感じるところであります。現状では、まずは本県における産業立地分野の取り組み等によって、若者にとって魅力ある、質の高い、そして個性ある雇用の場の創出を目指していくことが必要と考えます。

 そこで、二点目として、若者が魅力を感じる企業の誘致に取り組むべきと考えますが、県の認識をお伺いするものでございます。

 将来を見据えた成長産業の振興を図る上では、今はその必要性をさほど感じないとしても、いずれ企業存続の大きな障害となり得る諸課題にも取り組んでいく必要があります。

 その一つに事業承継が挙げられますが、県内のいわゆる地場の中小企業における後継者の不在は、企業活動を続ける以上、極めて大きな問題となってくることが予想されております。このことから、県では既に事業承継円滑化支援事業に取り組まれているところでございますが、円滑な事業承継に向けては、対象となり得る企業を事前に把握して、その上で事業承継がその企業の将来にわたる継続的な成長に不可欠であるといったことなど、経営者自身の意識醸成を図っていくことが求められます。

 そこで、三点目として、このことに対して県はどのように取り組んでいるのかをお伺いするものでございます。

 次に、県産農林水産物の輸出拡大についてでございます。

 このことも、青森県ならではの将来を見据えた地域産業の振興の大きな柱とも言えますが、平成二十六年三月に青森県輸出拡大戦略を策定し、同戦略に基づき、近年のアジアを初めとした有望な新しいマーケットの広がりといった海外の経済成長を好機と捉え、本県としても、県経済を安定的に発展させ、本県の優位性を生かした安全・安心、高品質な県産農林水産品や、県内中小企業の特徴的な商品、サービスの海外有望市場への販路拡大を強力に推進しているところでございます。

 さきの報道によりますと、ジェトロ青森調べで、平成二十八年青森県の農林水産物・食品の輸出額は約二百四十億円となり、過去三十五年間で最高とのことで、県輸出拡大戦略で掲げた目標額二百十億円を達成し、中でもリンゴの輸出額が約八十九億円で三七%、ホタテの輸出額が約八十三億円で三五%と、この二品目で全体の約七一%を占めるに至っております。

 県輸出拡大戦略において数値目標を設定した上で、品目別に対象国・地域の市場の状態に応じた段階的な取り組みが功を奏しているものと捉えられ、同戦略の最終年度である平成三十年度に向けて、さらなる輸出拡大の成果を期待するところでございます。

 そこでお伺いいたしますが、一点目として、リンゴ、ホタテの近年の輸出状況についてお伺いいたします。

 二点目として、リンゴ、ホタテの輸出が好調な要因と今後のさらなる輸出拡大に向けた県の考え方についてお伺いいたします。

 次に、主要幹線道路の整備についてでございます。

 十一月二十七日開催の平成二十九年度高規格道路建設及び道路整備促進青森県総決起大会に出席させていただきました。例年同様、大会決議が承認され、国の予算編成を見据え、十項目にわたる道路整備に県民挙げて積極的運動を展開していくことを確認し合っております。

 本県において人口が集中する青森市、八戸市、弘前市を結ぶ高規格幹線道路における未着手区間や事業中区間が多いことによって、本来道路が持つとされるネットワーク機能は残念ながらいまだ十分に発揮されているとは言えず、加えて豪雪地ゆえ、冬期間の交通環境は極めて厳しく、移動所要時間の長さや安全性を確保できていないという現状が、産業集積の形成や物流効率性の向上、さらには主要都市間の連携強化、救急医療施設へのアクセス向上などの大きな支障となっていることは明白であり、上北自動車道、津軽自動車道の早期整備は青森県の悲願であります。

 下北半島地域においても、海岸部を縦断する両国道、国道二百七十九号と国道三百三十八号でございますが、東日本大震災のときの津波による道路寸断や、豪雪による通行どめでの十九時間半にも及ぶ立ち往生の発生など、二つの国道の同時通行どめによる下北半島孤立化の可能性は否定できず、何よりも国策による原子力関連施設が集積する下北半島において広域避難路となる下北半島縦貫道路の早期全線整備は、下北半島にお住まいの方だけの問題ではなくて、県民全体、さらには国民全体の課題として捉えなければなりません。

 そこで質問でございますが、一点目として、上北自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貫道路の進捗状況についてお伺いするものでございます。

 次に、上北自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貫道路の全線整備と供用開始時期についてでございます。

 平成三十七年の本県での国民体育大会の開催は、二万人を超える選手、監督を初め、数十万人と想定される来県者が見込まれ、開催基本方針の一文に、将来の県民へと引き継がれる貴重なレガシーとなるよう大会終了後も見据えた取り組みも推進すると記されております。

 道路もまた、ここで言うレガシーに当たる、そのように捉えております。現に昭和五十二年あすなろ国体開催時には、県内全域の各競技会場間を点から線、線から面として機能させる国道、県道、市町村道の整備が大規模に実施されております。

 県も、我々県議会も、国に対する、あるいは県民に対する整備に向けた覚悟が問われていると考えるところです。

 そこで、平成三十七年に開催予定となっている第八十回国民体育大会の開催までに、上北自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貰道路を供用すべきと考えますが、県は今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いするものでございます。

 次に、新青森県総合運動公園陸上競技場の整備についてでございます。

 ことしも残すところわずかとなりましたが、本県のスポーツ界を振り返ってみますと、サッカー一色に染まった年であった、そのように思います。そして、どなたかが本県サッカー界にとって、ホップ、ステップ、ジャンプの年になった、そのように言われておりました。

 それは、一月の全国高等学校サッカー選手権で青森山田高校サッカー部の県勢初優勝。八月には、全国中学校サッカー大会で青森山田中学校の史上初の四連覇達成。十月には、愛媛国体サッカー成年男子で、青森県代表を務めたラインメール青森FCが県勢初優勝。この三つの快挙でございます。

 そのラインメール青森は、国体優勝の勢いのまま、JFL昇格二年目にして、堂々の年間通算成績二位の大躍進。さらに、これは青森県というよりは、日本サッカー界におけるビッグニュースがありましたが、本県出身の柴崎岳選手が世界最高峰、スペインリーグデビューを果たすという歴史に残る記念すべき年でもございました。

 これらは、青森県内の選手や指導者を初めとするサッカー関係者の長年の努力の結晶によるものでありますが、私なりに一年を振り返ってみますと、年の初めの一月九日に全国高校サッカー選手権決勝戦に、お忙しい中、三村知事みずから埼玉スタジアムまで応援においでいただいたことが、青森県サッカー界の弾み、ホップとなり、八月のステップ、十月のジャンプという、一年を通じた本県サッカー界の大躍進につながったと感じる一人でございます。

 さて、新青森県総合運動公園陸上競技場の整備についてでございますが、平成二十七年度から整備工事に着手され、この二年半余りの工事進捗によって、青森市宮田地区にいよいよその姿があらわれ始め、陸上競技はもちろん、国民体育大会の主会場、そして、サッカーJ3やラグビーなどのプロスポーツ開催が可能な施設としての完成、供用まで間近と感じ、その期待は膨らむばかりであります。

 そこで質問でありますが、一点目として、新青森県総合運動公園陸上競技場の進捗状況及び供用時期についてお伺いいたします。

 次に、本年八月十八日、青森市体育協会などは、青森市宮田地区に新しい県陸上競技場が整備されていることを受け、同市安田地区の現陸上競技場を県から青森市に譲り受け、市民のスポーツ活動の拠点として活用するよう求める要望書を青森市に提出しております。

 こうした青森市体育・スポーツ関係者の市への要望活動を踏まえますと、現在、安田地区にある県陸上競技場の活用のあり方について、県としてもその対応が求められてくると思われます。

 そこで、新陸上競技場が供用開始となった場合の現陸上競技場の取り扱いについてお伺いするものでございます。

 次に、地球温暖化対策についてでございます。

 パリ協定のもと、世界全体で今世紀後半の脱炭素社会に向けて世界は既に走り出しており、日本を含む世界の主要国は、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの大幅な拡大を進めると同時に、地球温暖化対策と経済成長の両立を実現しようとしております。

 我が国においても、二〇一六年五月、地球温暖化対策計画を策定し、二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%の排出削減目標の達成に向け、着実に対策を進めることとしております。

 そして、青森県では、二〇一一年三月、青森県地球温暖化対策推進計画を策定し、本県から排出される温室効果ガスを二〇二〇年度までに一九九〇年度比で二五%削減することを目標に掲げ、地球温暖化対策に取り組んできたところでありますが、国内外の動向を踏まえ、現行計画改定作業に取り組まれております。

 地方自治体による地域レベルでの地球温暖化対策の推進は、我が国の低炭素社会構築の重要な柱でありますので、青森県として、このことに対するさらなる取り組みを期待するところでございます。

 そこで一点目として、現行の青森県地球温暖化対策推進計画策定後の県内の温室効果ガスの排出状況についてお伺いいたします。

 二点目として、温室効果ガスの削減に向けて、県としてこれまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします。

 三点目として、改定計画における温室効果ガス削減に向けた県の取り組み方針についてお伺いいたします。

 最後に、周産期医療及び医療的ケア児の支援についてでございます。

 これまで青森県の乳児・新生児死亡率は歴史的に高いとされ、戦前からほぼ最下位グループに属し、平成十一年には全国ワーストとなったことから、平成十三年、青森県立中央病院にNICUが開設され、平成十六年には、同院に総合周産期母子医療センターを開設するとともに、青森県周産期医療システムを構築されました。

 このことにより、近年では大きく改善の傾向にあると伺っておりますが、一点目として、本県の周産期医療対策の取り組みと成果についてお伺いいたします。

 また、近年は医学の進歩等に伴い、出生直後からNICUに入院し、退院後も、日常生活を営むための医療的ケアを必要とする児童が全国的に増加傾向にあるとされております。

 全国の医療的ケア児数は約一万七千人と推計され、十年前と比較すると約一・八倍に増加しており、こうした状況を踏まえ、昨年、児童福祉法が改正されました。このことにより、地方公共団体は、各関連分野の支援を行う機関が連絡調整を行うための体制整備に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされていることから、本県としても早期の体制整備を初めとする必要な取り組みを求めるところでございます。

 そこで、二点目として、周産期母子医療センター等を退院した後、在宅で医療的ケアを必要としている障害児の支援体制について、県はどのように考えているのかお伺いいたします。

 次に、一咋年でありましたが、青森県立中央病院総合周産期母子医療センターを委員会調査いたしました。NICUから退院した新生児に対して、退院後も適切な医療を提供していくフォローアップ体制の構築が求められていると感じ取ったところでございますが、昨年の四月には同センターに成育科が新設されたことにより、退院後も発達、発育をしっかり見守りながら、必要な医療サービスの提供のための取り組みがなされてきたものと思われます。

 そこで三点目として、県立中央病院の総合周産期母子医療センターに成育科を設置した理由とその取り組み内容についてお伺いするものでございます。

 以上で壇上からの質問を終わります。

 

◯副議長(山谷清文) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えいたします。

 まず、私からは、成長産業の創出に向けての取り組みでございます。

 私は、人口減少が進む中、本県の経済が活力を失うことなく成長、発展を続けていくためには、今後の成長が期待できる次世代産業分野の振興、本県の地域資源や企業の技術力を活用した産業振興などイノベーションによる成長産業の創出に取り組んでいくことが重要と考えております。

 このため、少子高齢社会におきましても成長が期待できるライフ関連分野について、具体の戦略を策定し、取り組んできたところ、県内企業の参入が約百八十社に増加いたしたほか、プロテオグリカン関連で二百五十五品目が商品化されるなど、関連市場が着実に拡大をしているところであります。また、魅力ある多様な仕事づくりに向けて、創業・起業の支援体制の強化、拡充を図ったことにより、昨年度は支援拠点を通じて百十名の方が創業し、今年度はこれを上回るペースで、創業ということが推移しているところであります。

 さらに、新たな産業の波であります第四次産業革命に対応するため、青森県IoTビジネス推進宣言を行い、県内企業への普及や活用の推進、ネットワーク構築の支援を進めているほか、戦略的な企業誘致や中小企業の前向きな取り組みに対する金融支援の強化などにも積極的に取り組んでおります。

 今後とも、地域で経済を回すという視点をしっかりと持ちながら、将来を見据えた新たな成長産業の創出に向け、果敢にチャレンジをしていきたいと考えております。

 リンゴ、ホタテの輸出が好調な要因と今後のさらなる輸出拡大に向けた県としての考え方であります。

 リンゴの輸出が好調な要因として、何よりも、生産者が日々の努力を重ねながら、まさにたくみのわざでつくり上げる高品質、良食味の青森リンゴが評価されていることがあります。加えて、これまでリンゴ関係団体と連携しながら、私自身も台湾等に出向いて取り組んできたプロモーションや、台湾、香港の輸入業者等を本県に招請し、直接産地を見ていただき、生産者も交えながら意見交換するなどの取り組みが実を結び始めた結果だと考えております。

 ホタテにつきましては、主力であります北海道産の減産により本県産へ需要がシフトしたという要因もありますが、何よりも漁業者が平成二十二年に発生した大量へい死を乗り越え、ホタテガイ適正養殖可能数量制度、いわゆるTASC制度による安定生産に努め、昨年には過去最高の生産数量、金額を記録したこと、さらには、これまでの地道なPR活動により、青森県産ホタテヘの引き合いが高まっていることが挙げられます。私は、この機会を捉え、「A!Premium」を最大限に活用し、新たに香港等において県産ホタテの刺身やすしネタ等を使用したメニューづくりの提案等を行い、県産ホタテの魅力をしっかりPRしていきたいと考えております。

 今後も、本県が誇るリンゴを初め、ホタテやナガイモ、米等について、引き続き、現地のニーズを踏まえたプロモーションの展開、輸入業者等の産地招請などの取り組みを関係団体と連携して積極的に進め、さらなる輸出拡大を図っていく考えであります。

 地球温暖化対策について、改定計画における温室効果ガス削減に向けた取り組み方針であります。

 青森県地球温暖化対策推進計画につきましては、昨年五月に国の地球温暖化対策計画が策定されたことを受け、来年三月の計画改定に向けて検討を進めているところであり、今月九日に開催した青森県地球温暖化対策推進協議会において、温室効果ガス削減目標を二〇三〇年度までに二〇一三年度比で三一%削減するとした計画改定案について、おおむね了解をいただいたところでございます。

 低炭素社会の実現のためには、国を初めとした行政、県民、事業者、各種団体等全ての主体の連携・協働のもと、各部門において温室効果ガス削減に向けた各種施策を実施していくことが必要でございます。

 このため、改定計画におきましては、本県の持つ地域ポテンシャルと地域課題を踏まえ、再生可能エネルギーの導入促進、中小事業者等の省エネ対策の促進等、七つのリーディングプロジェクトを設定し、各主体の取り組みの促進を図ります。また、新たに重点取り組みを設け、今後おおむね五年間、県が戦略的、集中的に取り組みを推進していくこととしております。

 これらの取り組みとあわせまして、気候変動への適応に向けた方向性を示すことにより、あらゆる主体の連携・協働による青森県の地域特性を生かした安全・安心、快適で暮らしやすい低炭素社会の形成を目指していきたいと考えております。

 私からは以上です。

 

◯副議長(山谷清文) 佐々木副知事。

 

◯副知事(佐々木郁夫) 若者が魅力を感じる企業の誘致についてお答えいたします。

 人口減少や県外への若者の流出が進む中、地域経済を活性化していくためには、環境変化を見据えた産業施策を推進していくとともに、若者にとって魅力のある企業立地を実現していくことが重要であると考えております。

 このため、県では、本県の強みを生かし、今後高い成長が期待される農工・食品分野や医療・健康福祉分野などを中心に、企業誘致に取り組んでまいりました。さらに、今年度からは、情報処理サービスやソフトウエア・コンテンツ開発、映像制作などを行います情報システム・クリエイティブ産業をターゲットとした誘致活動を重点的に行っており、今年度、既に携帯電話向けゲームソフトの企画・制作会社等二社の立地が実現いたしましたほか、県内で新たにコンピューターグラフィック事業を行う首都圏企業と立地に向けた折衝を続けておるところでございます。

 この分野は、IoTやAI技術の進展等に伴い、さらなる市場拡大が見込まれており、今後とも、新しい時代に即した多様な産業分野の立地を促進し、若者にとりまして魅力のある雇用の創出と県内定着を進めてまいります。

 

◯副議長(山谷清文) 病院事業管理者。

 

◯病院事業管理者(吉田茂昭) 県立中央病院に成育科を設置した理由とその取り組み内容についての御質問にお答えいたします。

 県立中央病院の総合周産期母子医療センターでは、身体機能の未熟な低出生体重児や先天性の病気を有する新生児などを対象として高度で専門的な治療を行っておりますが、新生児期から発生いたします後遺障害は多岐にわたるなど、退院後の支援体制等の構築を図ることが重要であることから、平成二十八年四月、これらの役割を担う専門の診療科として成育科を同センター内に新設したところでございます。

 成育科の取り組み内容といたしましては、当院のNICU──新生児集中治療室を退院したお子さんを初めとする患者さんの発達、発育に係る外来診療のほか、御両親の方々を対象とした学習・交流会の開催、退院後の支援に我々とともに携わります保健師や児童相談所の関係者を対象とした学習会の開催などを行っております。今後とも成育科新設の趣旨を踏まえ、お子様とその家族の支援に取り組んでまいりたいと思っております。

 

◯副議長(山谷清文) 環境生活部長。

 

◯環境生活部長(鈴木日登美) 地球温暖化対策についての御質問二点についてお答えいたします。

 初めに、現行の青森県地球温暖化対策推進計画策定後の県内の温室効果ガスの排出状況についてです。

 県では、二〇一一年(平成二十三年)三月に現行の青森県地球温暖化対策推進計画を策定し、これまで温室効果ガスの削減に取り組んできたところでございます。

 近年の県内の温室効果ガス排出量は、二〇〇五年度をピークに減少傾向にありましたが、二〇一〇年度から二〇一三年度までは増加傾向となったところでございます。

 直近のデータである二〇一四年度における温室効果ガス排出量は、二酸化炭素換算で千五百六十二万五千トンであり、産業部門のエネルギー消費量及び家庭部門における灯油消費量の減少等の理由により、前年度比では四・六%の減少となっておりますが、現行計画における基準年度である一九九〇年度と比べますと、生産活動の増加による電力消費量や、自動車台数、世帯数、事業所における延べ床面積の増加等により、一七・八%の増加となっております。

 次に、温室効果ガス削減に向けた県のこれまでの取り組みについてです。

 本県の地球温暖化対策につきましては、青森県地球温暖化対策推進計画に基づき、豊かな再生可能エネルギー資源などの地域ポテンシャルを生かした施策の展開と、県内の温室効果ガスの排出実態等を踏まえた地域課題の解決に向けた施策の展開といった視点から、中小企業・公共サービス省エネ化プロジェクト、低炭素型ライフスタイル・環境教育推進プロジェクトなどの十のリーディングプロジェクトを掲げ、県民、事業者等各主体と連携・協働して低炭素社会の実現に向けて取り組みを進めてきたところでございます。

 これまでの主な取り組みといたしまして、二酸化炭素排出量が特に増加している産業部門や業務部門においては、省エネルギー診断や研修会などによる中小事業者の省エネルギー対策をサポートする取り組み、家庭部門におきましては、地球温暖化問題に係る県民への普及啓発や環境教育など、低炭素型ライフスタイルの実践に向けた取り組みなどを進めてまいりました。

 また、地球温暖化防止につきましてはあらゆる主体の取り組みが必要であることから、各部門の共通対策といたしまして、県民総参加型もったいない・あおもり県民運動推進プロジェクトを設定いたしまして、県、市町村、県民、事業者、各種団体等あらゆる主体の連携・協働による推進体制を構築し、県民運動として全県的な取り組みを展開してきたところでございます。

 

◯副議長(山谷清文) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(菊地公英) それでは、御質問二点にお答えいたします。

 まず、本県の周産期医療対策の取り組みと成果についてですが、本県は、周産期死亡率や新生児死亡率等が長らく全国で最下位クラスにあったことから、この改善を図るため、県内の周産期医療関係者と協議をしながら、安定的に周産期医療を提供できる体制づくりに取り組んできました。

 具体的には、平成十六年度に県立中央病院に開設した総合周産期母子医療センターを中心に、地域周産期母子医療センターや、その他の周産期医療施設等の機能や役割を明確化し、重症妊娠高血圧症や低出生体重児等のハイリスクの母体・胎児、新生児を高次医療機関に搬送し、適切な医療を提供するための青森県周産期医療システムを構築し、その運用に取り組んできたところです。

 この結果、総合周産期母子医療センター開設前の平成十一年から平成十五年までの五年平均と、直近の平成二十四年から平成二十八年までの五年平均の周産期に係る各指標を見てみますと、出生千対の乳児死亡率が四・三から全国平均と同じ二・一へ二・二ポイントの減、出産千対の周産期死亡率が六・八から全国平均以下となる三・六へ三・二ポイントの減となり、それぞれ大きく改善したところです。

 県としては、現在のシステムが有効に機能していると考えており、かけがえのない小さな命を守るため、今後も引き続き関係機関と連携し、青森県周産期医療システムを円滑に運用しながら、周産期医療の充実に取り組んでまいります。

 次に、在宅で医療的ケアを必要としている障害児の支援体制に関する取り組みについてです。

 医療的ケア児とは、新生児集中治療室等に長期間入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが必要な障害児のことを言います。

 医療的ケア児が在宅生活を継続していくためには、その心身の状況に応じ、関係行政機関や事業者等が緊密に連携する必要があり、昨年の児童福祉法の改正により、地方公共団体は、医療的ケア児のニーズや地域資源の状況を踏まえ、保健、医療、障害福祉、保育等の関係機関の連携体制の構築に向けて、計画的に取り組むことが求められております。

 県では、医療的ケア児が心身の状況に応じて適切なサービスを受けられるよう、平成二十四年度から医療的ケアを行う障害福祉サービス事業所の介護職員等を対象とした喀痰吸引等研修を実施しております。このほか、平成二十八年度には、県立あすなろ療育福祉センターにおいて、新たに定員二名の医療型短期入所を実施するなどの取り組みを行ってきました。

 今後は、県が、本年二月に青森県医師会と共同で実施した県内の医療的ケア児の生活状況等に関するアンケート調査で家族から要望のあった受け入れ体制の整備や相談窓口の連携強化等について具体策を検討するとともに、保健、医療、障害福祉、保育等の関係機関の連携体制の構築に取り組んでいきます。

 

◯副議長(山谷清文) 商工労働部長。

 

◯商工労働部長(葛西 崇) 県内中小企業の円滑な事業承継に向けて、県は経営者自身の意識醸成等にどのように取り組んでいるのかについてお答えいたします。

 円滑な事業承継が進まない主な要因としては、県内中小企業経営者の多くが、これまで事業承継が親族内の問題であるという認識のため、外部に積極的に相談しない傾向があったことに加え、事業承継の検討開始の時期が遅いことなどが挙げられています。

 このため、県では、事業承継を必要とする中小企業等の実態を把握するとともに、事業承継の必要性及び早期着手に係る意識啓発や具体の相談対応により、関係支援機関と連携して県内企業の円滑な事業承継を支援することを目的として、後継者不在企業等の調査を実施しています。

 具体的には、県内の各商工会議所及び青森県商工会連合会に委託して、後継者が不在と思われる企業等を対象に、国が公表している事業承継自己診断チェックシートをもとに作成したヒアリングシートにより、各経営指導員が対面方式で実施しています。

 調査結果については、それぞれの案件の内容を踏まえ、相談対応の必要がある場合は、青森県事業引継ぎ支援センター等の関係支援機関と連携して支援するとともに、県内の経済団体、金融機関、税理士会等で構成する関係機関連絡会議で情報共有を図り、円滑な事業承継の促進につなげていきたいと考えております。

 

◯副議長(山谷清文) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(浅利次郎) 御質問三点についてお答え申し上げます。

 まず、上北自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貫道路の進捗状況についてです。

 青森市と八戸市をつなぐ上北自動車道及び青森市と鰺ヶ沢町をつなぐ津軽自動車道については、国直轄事業として整備が進められております。

 上北自動車道は、これまでに上北道路七・七キロメートルが供用されるとともに、来年度には上北天間林道路七・八キロメートルの供用が予定されており、残る天間林道路八・三キロメートルについては、用地補償、橋梁工事及び改良工事が進められております。

 また、津軽自動車道は、これまでに国道七号青森市浪岡から五所川原市を経由し、つがる市柏までの十九・五キロメートルが供用されるとともに、昨年度には鰺ヶ沢道路三・四キロメートルが暫定供用されております。

 そして、未着手となっているつがる市柏から鰺ヶ沢町浮田までの約十二キロメートルについては、県において都市計画決定の手続を進めるとともに、来年度の新規事業化を要望しております。

 一方、県が整備を進めている下北半島縦貫道路については、野辺地・有戸・有戸北バイパスに、今月十五日に供用開始した吹越バイパスを加えた四区間、二十五・三キロメートルを供用しており、現在は、横浜南・横浜北・むつ南バイパスの三区間、約二十六キロメートルについて事業を進めております。

 続きまして、国民体育大会の開催までの上北自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貫道路に対する県の取り組みについてです。

 県では、基本計画未来を変える挑戦において、平成四十二年における生活創造社会の実現を目指しております。

 そして、この計画において、主要幹線道路を、産業振興や県民の生活を支え、かつ、自然災害から県民の命と暮らしを守る重要な社会基盤として位置づけ、整備を進めております。

 こうした中にあって、平成三十七年に開催予定となっている第八十回国民体育大会は、主要幹線道路の整備を進める上で、重要な節目の一つであると認識しております。

 これを念頭に、上北自動車道については、上北天間林道路及び天間林道路の早期供用を、津軽自動車道については、未着手区間の来年度の新規事業化を、引き続き国に働きかけてまいります。

 下北半島縦貰道路については、引き続き、地元市町村等と一体となって予算確保に努めながら、着実に事業中の工区の進捗を図り、供用延長を伸ばしてまいります。

 次に、新青森県総合運動公園陸上競技場の進捗状況及び供用時期についてです。

 新青森県総合運動公園陸上競技場については、青森県スポーツ振興基盤整備計画において、優先して整備を進めることとしており、平成二十七年度から工事に着手しております。

 今年度は、主競技場のメーンスタンド、バックスタンド及びサイドスタンドの躯体工事、並びに大屋根工事及び照明工事を完成させるとともに、補助競技場及び投てき練習場の照明工事及び排水工事を完成させる予定であり、今年度末時点の進捗率は約六七%となる見込みです。

 今後は、主競技場のフィールド工事及び内装工事、補助競技場及び投てき練習場のフィールド工事、並びに主競技場周辺の盛り土造成工事を行うこととしており、このうち、主競技場以外の工事について債務負担行為を設定することとし、今議会で御審議をいただいているところです。

 なお、県といたしましては、これら競技場等の工事の完成に合わせて、日本陸上競技連盟の第一種公認陸上競技場の公認手続等を行い、平成三十一年度中の供用を目指していきたいと考えております。

 

◯副議長(山谷清文) 観光国際戦略局長。

 

◯観光国際戦略局長(秋田佳紀) リンゴ、ホタテの近年の輸出状況についてお答えいたします。

 リンゴの輸出につきましては、財務省貿易統計によりますと、平成二十六年産は、青森県輸出拡大戦略で目標とした三万トンを初めて突破し、続く平成二十七年産では、過去最高となる三万六千トンを記録したことから、平成二十八年九月には、さらなる高みを目指し、輸出目標を四万トンに上方修正したところでございます。

 平成二十八年産につきましては、産地価格の高騰や春節が一月二十八日と咋年に比べ早く、贈答向けリンゴの販売期間が短かったことなどから二万八千トンにとどまったものの、価格が高水準で推移したこともあり、輸出金額は過去二番目となる百十二億円を記録し、三年連続で百億円台を確保しています。また、この九月から始まりました平成二十九年産の輸出につきましても、九月は前年産同時期の二倍強となる輸出量を記録し、台湾、香港を中心に順調な滑り出しとなっている状況です。

 ホタテにつきましては、ジェトロ青森調べによりますと、平成二十七年は前年の約三倍となる七千三百四十六トン、平成二十八年は前年の約二倍の一万三千八百四十五トンとなっており、平成二十六年のいわゆる爆弾低気圧等の影響を受け、主力の北海道産が減産したこともありますが、漁業者を初め関係者の地道な努力により、中国、香港を中心に順調に輸出量を伸ばしております。

 輸出金額につきましても、北海道産の減産のため供給量が減少して、高値基調が続いていることから、平成二十七年は前年の約三倍となる五十一億円、平成二十八年は、前年の一・六倍となる八十三億円となっております。

 

◯副議長(山谷清文) 教育長。

 

◯教育長(中村 充) 新陸上競技場が供用開始となった場合の現陸上競技場の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 新陸上競技場は、青森市宮田地区の新青森県総合運動公園に現在建設中であり、県内唯一の第一種公認陸上競技場として整備されるため、現在の青森市安田地区の青森県総合運動公園陸上競技場の今後のあり方については、県として、地元の青森市を初めとした関係機関等の意見も伺いながら検討してまいります。

 

◯副議長(山谷清文) 高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) それぞれ御答弁いただきました。何点か再質問、それから要望をさせていただきます。

 まず、県産農林水産物の輸出拡大についてでございます。

 御答弁いただきましたけれども、一方で、東日本大震災の影響がいまだに残っているという状況下にあろうかと思います。韓国の、これはホタテも含めまして、日本の水産物輸入規制はいまだに解かれておりませんし、加えて、直近のというか最近の報道で、ことしの七月から中国向けのリンゴの輸出量がゼロになっている、再開が見えないという状況下にあろうかと思います。

 韓国のほうは、当面はWTOの判定を待つということになろうかと思われますが、中国とのリンゴの問題についてでありますが、中国向けリンゴ輸出の現状と、このことに県はどのように対応されるのか、御答弁をお願いいたします。

 

◯副議長(山谷清文) 観光国際戦略局長。

 

◯観光国際戦略局長(秋田佳紀) 平成二十三年の東日本大震災以降、中国政府は日本からのリンゴを含む食品輸入について、原産地証明書と日本政府作成の放射性物質検査証明書の添付を義務づけたことから、県は、国に対し科学的な根拠に基づかない中国を含む海外の輸入規制の早期解除について、平成二十四年度から継続して要望してきたところでございます。

 現在、放射性物質検査証明書につきましては、日本と中国の政府間で検査項目等検査証明に係る様式の合意がなされていないため、政府発行の検査証明書は添付できる状況にありませんが、これまでは、輸出事業者が独自で用意した民間の検査機関が発行した放射性物質検査証明書を添付することで、不安定ながらも輸出が行われてきました。しかしながら、本年六月、中国政府が日本産食品の輸入に関し、通達どおりに日本政府発行の放射性物質検査証明書の添付の徹底を中国国内の関係機関に指示したため、中国へリンゴを輸出できない状況が続いており、財務省貿易統計におきましても、七月からの輸出実績はゼロとなっております。

 中国向けリンゴ輸出は、平成二十八年産で輸出量全体の四%となる一千トン余りの輸出実績があり、春節時には、今後も相当量の需要が見込めることから、県としましては、科学的根拠に基づかない輸入規制の早期解除について改めて国に要望することとしております。

 

◯副議長(山谷清文) 高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) このことにつきましては、機を逸することなく、県議会とも連携をした形で、今後、要望活動の実施等も含めて、県としても最大限の御尽力を賜りますよう、お願いいたします。

 それから、主要幹線道路の整備、これも大体同じような再質問の内容になろうかと思いますが、道路確保のためには、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律によりまして、補助率のかさ上げ措置の継続が重要と考えております。意見書の提出に向けて、今、調整を図っているところでありますが、県は、このかさ上げ措置継続についてどのように取り組まれているのか、この点をお伺いいたします。

 

◯副議長(山谷清文) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(浅利次郎) 道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律による補助率のかさ上げ措置は、今年度末までの時限措置であり、当該かさ上げ措置が継続しないことになれば、来年度以降、本県を含めた各自治体の道路整備の費用負担が増加し、いまだ不十分な県内の道路整備の遅滞を招くなど、多大な影響が想定されます。

 県といたしましては、このことを深刻な問題として受けとめており、ことし六月には知事みずからが国へ赴くなど、積極的な要望活動を行っております。

 あわせて、今月二十七日に県内市町村や関係団体等とともに開催した高規格道路建設及び道路整備促進青森県総決起大会において、当該かさ上げ措置を来年度以降も継続することを決議しており、関係者一丸となって国に働きかけていくこととしております。

 

◯副議長(山谷清文) 高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) ただいまの御答弁によりますと、時限措置とのことでございますが、仮に継続しないこととなった場合の本県の費用負担増の影響額はどの程度と想定されるのか、御答弁をお願いいたします。

 

◯副議長(山谷清文) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(浅利次郎) 今年度の県内の直轄事業、県及び市町村の補助事業、交付金事業の道路整備費は約三百九十五億円であり、このうち、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律によるかさ上げ額は、合計で約十二億六千万円となっております。したがって、当該法律による補助率のかさ上げが継続しない場合には、この分が地方負担の増となります。

 

◯副議長(山谷清文) 高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) これにつきましても、かさ上げ措置の継続のための国への働きかけについてはもちろんでありますが、今年度補正、あるいは来年度の当初予算の大幅な増額配分のために、県としての御尽力をお願いいたします。

 それから、同時に、常々、道路に関して思うことがあるんですが、そもそも国の公共事業の関係費は、七、八年前は大体七兆円とか、あるいは八兆円とか、そういった規模であったと思います。それまでも年々減少傾向にございましたが、これが平成二十一年度以降、回復されていない。これがいまだに続いております。このことは、道路財源確保のための根本的な問題と捉えていただいて、国への働きかけをしていかなければならないと考えるところでございます。このことについては、申し添えさせていただきます。

 それから次に、将来を見据えた地域産業の振興についてであります。

 壇上でも申し上げましたが、この質問をするに当たりまして、十年前の初登壇のときの議事録を読み返してみました。このときは、三村県政の二期目のスタートのときでございまして、知事は答弁の中で、一期目は攻めの農林水産業、それからあおもりツーリズム、あおもり型産業の育成等、一つ一つの施策を着実に推進して、その基礎は固まった、これから四年間はクリエート、創造の段階へとステップアップすると。その後、具体的な施策を述べていただいたわけでありますが、施策推進に当たり、地場の人材、地場の技術、地場の資金を使って仕事を生み出す、そういったことを念頭に置きながら取り組んでいかなければいけないと。先ほども地域で経済を回すといったお話もございましたが、この十年前の答弁を改めて見ますと、まさに、この時点での十年後、あるいは二十年後、そういった青森県の将来を見据えた産業・雇用施策、この時点で知事はしっかりとお考えになっていたのではないか、そのように感じ取ったところでもございます。

 したがいまして、今、目前にある課題解決はもちろんでございますが、今の時点で十年後、二十年後を見据えた地域産業の振興、これは今後とも極めて大切な視点になってこようかと思います。そのことは、今後とも継続して持ち続けていただきたいとお願いをさせていただきます。

 それから、その他の質問項目につきましても、いずれも将来の青森県にとって、あるいは県政にとって重要な課題であると認識しております。御答弁いただきました内容については、これはいつも申し上げておりますが、しっかりと県民が実感できるように、そういった成果を上げていただきたいと思います。

 たまに翌年度になって、決算特別委員会等でびっくりするぐらい成果が上がっていない事業が実はあるんです。そういった事態とならないように御努力を賜りますようお願い申し上げまして、質問を閉じます。