2016年04月21日:平成28年農林水産委員会 本文

◯夏堀委員長

 ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。

 質疑は議題外にわたらないように願います。

 なお、答弁者は、挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。

 質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 自民党の高橋です。本年度初の質問ということでいささか緊張しておりますけれども、どうぞよろしくお願いします。

 私からは、TPPに対する県の対応について質問をしてまいります。御承知のとおり、現在、国会では衆議院の特別委員会においてこのTPP協定の承認案あるいは関連法案の審議が行われているところであります。熊本の地震への対応、こういった中での審議ということであり、また、政府与党が今国会での承認あるいは法の成立を断念する方針であるといった旨の新聞報道もございますけれども、国民に対して十分な説明がなされているのか、注視しているところであります。一方でアメリカの大統領選挙の動向など、不透明な情勢になりつつありますけれども、いずれにしても本県としては、TPP協定の発効を見据えて、備えに万全を期すべきであると、そのように考えます。

 昨年度までも本委員会でさまざまな観点からTPPについては議論されてきたところでありましょうが、本年度最初の委員会ということでもありますので、認識を共有するためにも、TPPに対する県の対応について質問をさせていただきます。

 1点目でありますが、県では、国のTPP関連対策を活用しながらTPP対策予算を編成したわけですが、まず、県はTPP対策として本年度どのような施策を展開していくのか、この点をお伺いいたします。

 

 

◯小野参事(農林水産政策課長事務取扱)

 県では、ことし1月に策定しましたTPPへの対応方針に基づきまして、農林水産分野では、販売、生産、担い手の3本の柱から成るTPP関連対策として85事業、約120億円を予算に盛り込み、攻めの農林水産業の取り組みを加速させることとしております。

 具体的には、販売対策としまして、信頼・人のつながりを生かした一層の販路拡大を図る17事業、そして生産対策として、高品質、安全・安心の磨き上げと将来を見据えた産地形成及び生産基盤の強化を図る56事業、そして担い手の育成対策として12事業を展開していきます。

 農業分野では、「青天の霹靂」の早期ブランド化や、米から野菜など高収益作物への転換による経営の複合化により水田農業の再構築を加速させていくほか、輸出拡大も見据えて、リンゴの高品質生産体制を強化します。

 その際、国の産地パワーアップ事業等を活用して高性能機械・施設の導入等を支援するとともに、圃場の排水改良や大区画化など生産基盤の整備を進めていきます。

 特に影響が大きいと考えられる畜産につきましては、優良系統の導入などによる品質向上を図り、全国に通用するブランドの確立に取り組むとともに、畜産クラスターの推進など生産基盤を強化することで産地の体質強化を図っていくこととしております。

 

 

◯高橋委員

 いずれの事業もまだスタートしたばかりと思われます。生産現場の意見をよく聞きながらしっかりと進めていただきたいと思います。と同時に、県内の生産者からは、まだまだTPPに対する懸念、あるいは将来に対する不安の声があろうかと思います。国においては、TPP対策に万全を期すとしておりますけれども、平成27年度補正予算で措置した国の関連対策は当面の対策とも言えます。まだ、国の大綱を見ましても、これから検討するといった部分も多数ありますので、本県の農林水産業にマイナスの影響を及ぼさないように、今後も国に対して万全の対策を強く求めていくことが必要であろうかと思います。

 そこで2点目としてお伺いいたしますけれども、農林水産業を基幹産業とする青森県として、TPPの対策を国に要望していくことを念頭に対応していくべきと考えますけれども、県の今後の対応についてお伺いをいたします。

 

 

◯小野参事(農林水産政策課長事務取扱)

 国では、総合的なTPP関連対策大綱に基づきまして、平成27年度の補正予算でTPP関連対策の事業を打ち出しましたが、期間が明確にはされておらず、引き続き予算の確保に万全を期していただきたいと考えております。

 また、高橋委員がおっしゃるように、国の政策大綱におきましては、県内の農業者や農業団体、市町村が最も不安を抱いている飼料用米対策や収入保険制度などは、ことし秋を目途に具体的な内容を詰めるとされておりますので、県内の農業者にとって不利益とならない施策や制度設計を国に求めていく必要があると考えております。

 このため、県としましては、現場の意見をよく伺いながら、本県の生産者が将来にわたって意欲と希望を持って経営に取り組むことができるよう、本県農林水産業の課題解決に必要な対策につきまして、農林水産委員会とも連携しながら、機を逸することなく国に要望していきたいと考えております。

 

 

◯高橋委員

 答弁ありがとうございました。

 御答弁のとおり、収入保険制度、それから米政策については、青森県の農業の将来を左右する重要なものであります。また、生産基盤の整備を急ぐ必要もありますので、国からもしっかり情報収集しながら、まさしく機を逸することなく、県議会とも連携して──昨年度の青森県と議会の国に対する要望書も見させていただきましたし、これまでも本会議において意見書、これはさまざまな場面場面で意見書の内容も変わってきていますけれども、議会の事務局に調べていただきましたら、議会としてもこれまで7回国に対して意見書を提出しているという状況であります。

 したがいまして、今年度も県と県議会がしっかりと連携を図りながら、この国への陳情、要望も含めて対応していかなければならないと、そのように考えておりますので、よろしくお取り計らいのほどお願いしたいと思います。

 以上で私からの質問を終わります。