2015年10月01日:平成27年第283回定例会(第4号)   本文

◯議長(清水悦郎) 休憩前に引き続いて会議を開きます。

 一般質問を続行いたします。

 二十六番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。改選後初めての登壇となります。

 この壇上に立ちますと、改めて春の県議選、無事に当選ができたと、そのことを実感いたしますし、それ以上に、この場に立つことの責任の重さを感じております。

 任期中、愛する自由民主党の一員であることに誇りを持ちながら、県政発展のために一生懸命頑張ってまいる決意であります。知事初め執行部の皆様、また、議長初め議員の皆様には、これまで同様の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げます。

 それでは、通告の順に従いまして質問いたします。

 陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興についてであります。

 陸奥湾で生産されるホタテガイは、漁業のみならず、水産加工業なども含めると、陸奥湾地域の経済に及ぼす影響が大きい重要な水産物であります。

 平成二十二年夏の異常高水温やその後の冬季へい死など、近年は環境変動の影響を受け、厳しい生産状況が続いていましたが、関係者による努力により、ことしはホタテガイの成長もよく、価格も高目で推移したため、水揚げ金額は久々に百億円を超えたとのことであり、私も関係者の皆様方と同様にホタテガイの生産回復を心から喜んでいる次第であります。

 ただ、これは以前の状況に戻ったということであり、この状況に満足することなく、さらなるホタテガイ産業の振興を図っていくことが本県水産業、ひいては本県産業の振興にとって重要であるものと考えています。

 また、その一対策として、販路拡大が不可欠であることから、以前から実績のあるEUへの輸出拡大を進めていく必要があるのではないでしようか。

 そこで、三点お伺いいたします。

 一点目として、昨年のホタテガイの生産実績及び本年の生産見込みについてお伺いいたします。

 二点目として、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興に向け県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。

 三点目として、EUへの輸出拡大に向けた生産面での課題と県の対応についてお伺いいたします。

 次に、スポーツ振興についてであります。

 三村知事は、平成三十七年の第八十回国民体育大会について青森県への招致を目指す考えを示されました。これを受け、県議会においても国体の招致、開催にかかわる事項はもちろんのこと、五年後には東京オリンピック開催も控える中にあって、本県のスポーツ振興全般についてこれまで以上にさまざまな観点から活発な議論を重ねていく必要があります。

 県内で国体が開催されるとなれば、昭和五十二年開催、冬、夏、秋の全シーズンを通じて同一県で行われた国体史上初の完全国体とも言われるあすなろ国体以来、実に四十八年ぶりとなります。

 我が国でのオリンピック開催、その後青森県で国体開催を目指すとなれば、現在策定作業が進められている次期青森県スポーツ振興計画の果たす役割は極めて重要なものとなり、計画の意義、内容、実効性などがこれまで以上に問われるものと考えます。

 そこで、一点目として、青森県スポーツ推進審議会より県教育委員会に対して次期青森県スポーツ振興計画について答申されましたが、その概要についてお伺いするものであります。

 次に、競技力向上についてであります。

 二〇一二年開催のロンドンオリンピックにおける青森県関係出場選手は十名おりました。そのうちメダルを獲得したのは、レスリングフリースタイル女子で金メダルの八戸市出身の小原日登美選手、伊調馨選手。アーチェリー個人総合男子で銀メダルを獲得した古川高晴選手。また、青森県出身ではありませんけれども、青森山田高校卒の福原愛選手が卓球女子団体で銀メダル。同じく青森山田高校卒の藤井瑞希・垣岩令佳ペアがバドミントンダブルスで銀メダルと、多くのメダリストを輩出したことは記憶に新しいところであります。

 一方、昨年開催の長崎国体においては、青森県の順位は残念ながら過去最低の四十三位に終わりました。

 青森県国体検討懇話会がまとめた報告書において、国体開催に当たっての課題として、大会にかかわる人材の育成の中で競技力向上が挙げられており、競技力目標として開催県にふさわしい成績をおさめるという方向性を定め、競技力向上を図ることが大事である旨の整理がされております。

 開催県にふさわしい成績をおさめる、このことはさまざまな観点から今後検討されていくことと思われますが、やはり前回のあすなろ国体同様、男女総合成績第一位の天皇杯獲得、女子総合成績も、前回は二位でありましたが、一位の皇后杯を目指す、これがまさしく最高の形での開催県にふさわしい成績をおさめることにつながります。

 現在の県内各競技レベルや競技団体の現状、指導者や選手の育成強化の状況などを踏まえますと、これまでにないような強力な競技力向上策を打ち出し、実行に移すことができなければ、開催県にふさわしい成績をおさめることは到底できません。

 そこで、二点目として、二〇二〇年東京オリンピックや本県における国体の開催に向けて競技力向上を図るべきと考えますが、県教育委員会の取り組みについてお伺いするものであります。

 三点目として、施設整備についてであります。

 あすなろ国体開催当時の県政、また県議会を知る方にお聞きしたところ、国体開会式を初め主会場となった青森市安田の総合運動公園の整備を筆頭として、弘前、八戸、黒石、五所川原、むつ、三沢、十和田といった県内都市の各競技場の整備はもちろん、五戸のサッカー場、鰺ヶ沢のライフル射撃場、野辺地のハンドボール、大鰐のスキー競技場など、県内全域で各競技場を新設、改修等を行い、あわせて、点から線、線から面として機能させる国道、県道、市町村道の整備など、その波及効果も極めて大きく、あたかもすくすくと育つアスナロの木のごとく夢と希望、実に活力に満ちた青森県の姿がそこにあったとのことでありました。

 施設整備については、県内の体育施設の状況を踏まえますと、一定の財政的な規律は保ちつつ、国体施設基準の要件をしっかりと満たす必要があります。

 そこで、三点目として、国民体育大会の開催に向けて施設整備が必要と考えますが、県教育委員会のお考えについてお伺いいたします。

 次に、がん対策の推進についてであります。

 がんは、本県において昭和五十七年以降、死因の第一位。年間約五千人もの県民ががんで亡くなっております。

 がん死亡率は、男性は四十歳代から、女性は五十歳代から全国との差が顕著となり、比較的若い世代からがん死亡率が全国を上回る状態にあり、本県の平均寿命に大きな影響を与えているとされております。

 県としても、これまでの諸対策によって一定の成果を見せてはいるものの、がんの年齢調整死亡率は依然として全国で最も高いという状況を脱することができません。今定例会におきましても、がん対策にかかわる質問が多くの議員からされております。

 県民をがんから守る、このことをなし遂げるということは決して容易なことではありませんが、しかしながら、状況は待ったなし、危機的とも感じます。

 そこで、県ではがん対策にどのように取り組んでいるのかお伺いするものであります。

 次に、ただいまのがん対策と関連いたしますが、短命県返上に向けた健康づくりの推進についてであります。

 私の胸にバッジをつけておりますが、健やか力向上推進キャラクター「マモルさん」です。青森県ホームページによれば、マモルさんの年齢は四十代前半、最近肥満が気になり始めた働き盛りの中年男性。奥さんの名前はイクコさん。息子はダイジくん。健康のために日々少しずつ努力しているが、決して順調ではなく、時に失敗しながらも諦めない姿勢が共感を呼んでいるそうです。

 マモルさんは、「家族を守る!健康を守る!」ために、毎日健康づくりに取り組んでいます。私もマモルさん同様、四十代の中年男性であり、最近肥満が少しだけ気になり始めております。マモルさんを見習って「家族を守る!健康を守る!」ために健康づくりに取り組まなければなりません。

 先日、議長代理で、青森市で開催されましたあおもりシニアフェスティバル総合開会式に出席させていただきました。開会式では、ことし百歳になる三名の方を初め、夫婦ともに八十八歳以上となる方々への御長寿を祝い、表彰が行われました。会場においでの御長寿の皆様はお元気な方ばかりで、とても青森県が短命県とは信じがたくも感じました。

 私ごとではありますが、私の祖母は明治四十五年生まれで、ことしで百三歳。鰺ヶ沢町で元気に暮らしています。祖母に長生きの秘訣を聞いたところ、このように教えていただきました。それは、決して怒らないことだそうです。そう言われますと、私が幼いときから、いつ会ってもにこにこ笑顔であります。百三歳まで生きている祖母の言葉だけに非常に説得力があります。その言葉を聞いてから、怒りたいときもぐっとこらえて、笑顔を忘れないように心がけております。

 笑顔と言えば、青森県内で一番笑顔が似合う人は三村知事でしょう。

 もう何年も前になりますが、この場で三村知事ほど笑顔が似合い、県民に愛され、親しまれている人はいない。そのキャラの立ちぐあいから、三村知事のゆるキャラ化を提言いたしました。

 その翌年の知事の後援会作成と思われるカレンダーに、県内ゆるキャラと知事をゆるくキャラクター化したイラストが使われているのを見まして、人知れず、私の提言を採用いただいたのではないかと勝手に感動いたしました。今度は、マモルさんの漫画にシンゴちゃんとして登場する日を密かに待ち望みたい、そのようにも思います。

 さて、短命県返上に向けた健康づくりの推進についてでありますが、平成二十五年七月公表の青森県市町村別生命表の概況における平成二十二年の青森県の平均寿命を市町村別に見ますと、男性では十和田市が七十八・三年で最も高く、次いで八戸市、つがる市、大間町、風間浦村、新郷村となっており、また、女性は東北町が八十六・五年で最も高く、次いで藤崎町、つがる市となっております。

 一方で、短命市町村は、男性では青森市が七十六・五年で最も低く、全国市町村でワースト四位となり、次いで東通村、平川市となっており、また、女性では階上町が八十四・二年で最も低く、全国ワースト三位となり、次いで大間町、深浦町となっております。

 平成二十二年の市区町村別の平均寿命で、全国一千八百九十八市区町村のうち、下位五十位以内に本県の男性は二十四市町村、女性は十一市町村と、ワースト五十位以内の大部分が本県市町村で構成されております。

 県内市町村においても、健康増進に関する計画のもと、独自の取り組みを進めているものと思われますが、住民に身近な市町村の役割は極めて大きいことから、市町村のこの問題に対する姿勢や活動内容の差が本県全体の平均寿命延伸の妨げになっていないかと危倶するところでもあります。

 したがいまして、それぞれの地域特有の課題を踏まえながらも、県全体として目指す方向は同じくし、短命県返上に向けての県と市町村がこれまで以上に連携して取り組む必要があると考えます。

 そこで、短命県返上に向けて県と市町村はどのように連携して取り組んでいくのかお伺いいたします。

 次に、女性の活躍推進についてであります。

 企業等で働く女性の現状については、第一子出産を機に約六割の女性が離職し、その後復職しても非正規雇用となることが多く、また、仮に正社員として復職できたとしても、その後管理職についている割合が男性に比べて非常に低いなど、女性の意欲や能力が必ずしも十分に生かされていないと言われています。

 一方で、本県の最重要課題である人口減少、そして少子高齢化に伴う労働生産人口に対応し、本県の地域や社会経済の活性化を図るためには、女性の活躍を促進していくことが重要であります。

 国においては、女性の活躍推進を成長戦略の中核として位置づけ、さまざまな施策を展開しているところですが、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が八月二十八日に参議院で可決、成立し、いよいよ女性の活躍に向けた取り組みが加速していく中で、県においても、女性の活躍推進に向けた取り組みを強力に推し進める必要があると考えます。

 そこで、一点目として、女性の活躍推進について県の基本的な考え方を伺います。

 二点目として、女性の活躍推進について県ではどのような取り組みを行っているのかをお伺いいたします。

 次に、ビッグデータを活用した中小企業振興についてであります。

 本年四月、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部は、自治体向けのビッグデータ分析サービス、地域経済分析システム(RESAS)の提供開始を発表いたしました。

 もともとは、地方創生の実現に向けて、客観的データに基づき、地域の現状と課題を把握し、その特性に即した地域課題を抽出して地方創生総合戦略立案に活用していくためのシステムとのことでありますが、誰でも利用できる機能もインターネット上に用意され、どのようなものか、パソコンからアクセスしてみました。

 トップページ上のメニュー画面には、産業マップ、農林水産マップ、観光マップ、人口マップ、自治体比較マップが用意され、システム提供開始以降も、これらの機能拡充が図られ、国民全体での多様な活用も期待されております。

 県においても、このシステム活用による中小企業振興の取り組みに着手したところであります。

 そこで、県は、地域経済分析システムを活用した中小企業振興についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 次に、青い森公園及び青い森セントラルパークの利活用についてであります。

 両公園ともに青森市の中心部に位置する県管理の公園でありますが、県庁舎に隣接する青い森公園については、ことし三月、コンビニエンスストアやカフェなどを念頭に、便益施設を開設する民間業者を公募する旨の発表がございました。

 県管理の公園ではありますが、今回の民間ノウハウを活用した事業手法は、公園のみならず、今後のさまざまな県有地の利活用方策の展開への波及的な効果も期待されるところであります。

 また、青い森セントラルパークにつきましては、平成十五年から暫定的に公園として供用されているわけでありますが、平成二十三年十月の低炭素型モデルタウン事業の中止の後、今後の利活用についてどのようになるのか、依然として事態が進展していないように感じられます。

 同地区の利活用については、これまでの一連の経緯を踏まえますと、事態を進めることはなかなか困難な面があるように推察いたします。

 拙速に事を進める必要はありませんが、低炭素型モデルタウン事業の中止から既に四年が経過しようとしており、現在の姿はあくまで暫定的な利用形態であることから、県有地の利活用、青森市の都市機能の強化の観点からも何らかの進展があってしかるべき時期を迎えつつあるようにも思われます。

 そこで、三点お伺いいたします。

 一点目として、両公園の特徴と利活用状況について。

 二点目として、青い森公園の利活用方策である便益施設の設置について、今後のスケジュールと設置効果について。

 三点目として、青い森セントラルパークの今後の利活用について、現在の検討状況と県の取り組みをそれぞれお伺いするものであります。

 最後に、教科書採択への対応についてであります。

 安倍内閣の教育再生の成果として、教科書は大きく変わりました。

 教科書採択に当たっては、平成十八年に約六十年ぶりに改正された教育基本法の理念が各教科書にどのように具体化されているかが最も重要な判断基準となります。

 まず、改正教育基本法の理念を再確認いたしますと、第一条で、教育の目的として、人格の形成や国家、社会の形成者として心身ともに健康な国民の育成を規定し、この教育の目的を実現するために、第二条で、今日重要と考えられる五つの教育の目標を新たに規定しております。

 学校教育は、教育の目的のもと、次代の我が国を担う国民を育てるという教育の目標を達成するために、総合的に知・徳・体の調和のとれた子供を育成するために行われるものです。だからこそ、学校教育、特に義務教育においては、道徳や公共の精神、規範意識、国や郷土を愛する心を育むことが重要なのです。

 しかし、改正教育基本法のもとでも偏向した記述の教科書が多く存在したことから、自民党は、平成二十四年総選挙の公約で教科書検定基準の抜本的な改善を掲げ、政権奪還後の平成二十六年一月に教科書検定基準を改正いたしました。

 今回、採択される中学校の社会科の教科書は、改正後の検定基準が初めて適用されたものであり、前回の採択時に比べると、全体的に記述の大幅な改善や内容の充実が見られます。

 もう四年も前でありますが、平成二十三年十月、県議会本会議で、本県公立中学校で使用される社会科教科書は、領土、国旗・国歌、自衛隊、拉致問題、外国人参政権などの内容の取り扱いを重点的に比較検討するべきとの質問をさせていただきましたが、その考えは今なお変わりません。

 加えて、新たな視点として、選挙権年齢を二十歳以上から十八歳以上に引き下げる改正公職選挙法が六月十七日の参議院で全会一致で可決、成立いたしました。今回の選挙権年齢の引き下げは七十年ぶりの重要な変更であります。

 直接の対象となるのは高校でありますが、中学についても教科書会社が改正申請を行うことが予想されます。その際は、主権者教育などについてどのように記述が追加されたかなどについて確認することが必要となります。また、日本の成り立ちや意味、日本国憲法制定の経緯、憲法改正など、我が国の根幹にかかわる項目については、正しい知識の習得を図ることが極めて重要であると考えます。

 以上の観点から、三点お伺いいたします。

 一点目として、現在の教科書検定基準は平成二十六年一月に改定されたものでありますが、当該改定に至る経緯と検定基準のポイントについてお伺いいたします。

 二点目として、県内公立中学校における地理、歴史、公民の教科書について、平成八年度以降同じ発行者の教科書が採択されることになりましたが、このことに関する県教育委員会の見解をお伺いいたします。

 三点目として、質の高い教科書の活用を通じ、今後、主権者教育の充実や日本国憲法に関する正しい知識の習得を図ることが重要と考えますが、県教育委員会の見解をお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。

 

◯議長(清水悦郎) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えいたします。

 まず、私からは、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興向けての取り組みでございます。

 陸奥湾のホタテガイ生産は、近年、夏場の高水温に加え、冬場の低水温などによりへい死や成長不良に見舞われてきました。本年は、漁業者を初め、関係団体と県が一体となって対策を積み重ねてきた努力が実り、生産量は平年並みまで回復し、生産額も十年ぶりとなります百億円の大台を七月早々に超え、現在も売り上げを伸ばしております。

 私は、国際的に水産資源の管理が強化される方向でありますことや、海洋環境が大きく変化している中にあって、陸奥湾ホタテガイは、穏やかな内海でつくり育てる漁業を営むことが可能であり、本県水産業や水産加工業において安定した収益と雇用の維持に不可欠な基幹品目であると認識するところであります。

 このため、県産業技術センター水産総合研究所と連携して、陸奥湾海況自動観測システムによる水温などのデータをもとに的確な管理情報を提供するほか、波浪によるへい死対策や付着生物軽減のための新たな技術を開発し、安定生産を支援しているところであります。

 また、本年三月に、貝毒の検査方法が短時間で精度の高いデータが得られる機器分析へ移行したことから、活貝の出荷期間の延長に対応した成貝の生産拡大を図っていきたいと思っております。

 加えて、「A!Premium」輸送サービスを活用した西日本であるとか東アジアなどへの新たな販路拡大や、EU向け輸出促進について関係者に働きかけておりまして、こうした取り組みを通じて陸奥湾ホタテガイ産業の一層の振興に努めていく所存であります。

 女性の活躍推進についての基本的な考え方でございます。

 人口減少社会など社会経済情勢の変化に的確に対応し、本県の経済や地域社会の活性化を図っていくためには、女性を初めとする多様な人財が持てる力を最大限に発揮し、活躍できる環境づくりが重要であると考えております。

 このため、県では、企業等の管理職を目指す意欲ある女性人財の育成や企業等の組織のトップの理解を深めるための取り組みを行いますとともに、男女の役割分担意識や働き方の見直しなどを含めましたワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んできたところでございます。

 また、先般、国において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が制定をされました。女性の個性と能力が十分に発揮できるようにすることや、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能になることなどを基本原則として、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進することが定められております。地方公共団体につきましても、こうした基本原則にのっとり、必要な施策を実施する責務が定められたところでございます。

 私としては、女性活躍推進法を踏まえつつ、これまでの県の取り組みをさらに推進し、経済や地域社会などさまざまな分野においてチャレンジする女性人財を育て、社会全体で女性が活躍できる環境を整備していくことが本県の新たな活力の創造につながっていくものと考えているところでございます。

 ビッグデータ、地域経済分析システムを活用した中小企業振興についての取り組みでございます。

 本年四月から運用されております国の地域経済分析システムは、地域の産業構造分析や取引面において地域経済への貢献度の高い中核的な企業の抽出等が可能な産業マップなど、地域経済に関するさまざまなビッグデータを見える化したシステムであり、各地方自治体が地方創生に向けた取り組みに役立てることが期待されているところでございます。

 私は、人口減少社会において地域産業の成長、発展を推進していくためには、地域の中核企業を初めとする県内事業者の事業の活性化を促進することが重要であると考えるところでございます。

 このため、県では、地域経済分析システムを活用して地域で取引の中核を担っている企業を抽出し、集中的なヒアリング調査を行い、実情を踏まえた支援策への誘導等により課題解決や成長促進を支援しているところでございます。

 さらに、地域と連携したきめ細かな施策展開を図るため、今後、県内市町村とともに地域経済分析システムの有効活用に向けた研究会を開催することといたしております。

 県としては、地域経済分析システムなどを活用した新たな切り口による効果的な中小企業振興施策を強力に展開していきたいと考えるところであります。

 以上です。

 

◯議長(清水悦郎) 青山副知事。

 

◯副知事(青山祐治) 県のがん対策の取り組みについてお答えいたします。

 県民が住みなれた地域で健やかに安心して生活できる社会を実現するためには、本県の平均寿命に大きな影響を与えているがんに対する対策が重要な課題の一つであると考えています。

 県では、平成二十五年度から二十九年度までの五年間を計画期間とする第二期青森県がん対策推進計画において、がんによる死亡率の減少、すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上、がんになっても安心して暮らせる社会の構築を全体目標として設定しています。

 これらの目標を実現するため、喫煙対策などの生活習慣の改善や、がん検診受診率等の向上による早期発見と早期治療、がん診療連携拠点病院等によるがん医療の充実、がん患者団体活性化などの情報提供と相談支援機能の充実等、八つの重点課題について取り組んでいます。

 また、昨年度スタートいたしました青森県基本計画未来を変える挑戦や、ことし八月に策定いたしました青森県総合戦略において、第二期青森県がん対策推進計画と整合性を図りつつ、がんを知り、がんと向き合い、がんを乗り越えられるがん対策を推進することとしており、今後とも戦略的ながん対策を総合的に進めてまいります。

 

◯議長(清水悦郎) 環境生活部長。

 

◯環境生活部長(林 哲夫) 女性の活躍推進に係る県の取り組みについてお答えいたします。

 女性の活躍推進については、今年度の重点事業としてあおもり女性の活躍ステップアップ事業を実施しておりまして、県内で活躍している女性管理職やリーダーで構成するあおもり輝く女性ネットワーク推進会議を設置いたしまして、女性のネットワーク構築と女性の活躍に係る意見交換や情報発信を進めております。また、若手女性を対象にキャリアアップや組織マネジメント等について学び、交流するきらめき女子セミナー、女性管理職等を対象にネットワークづくりと異業種間の交流を図る働く女性、活躍する女性のネットワークセミナー、こういったセミナーをそれぞれ県内三地域で開催することとしております。

 さらに、企業等の具体的な取り組みを促進するため、企業経営者等を対象としたトップフォーラムを開催するほか、女性の活躍に積極的に取り組むあおもり女性の活躍応援宣言企業を募集することとしております。

 また、女性の活躍を推進するためには、勤務時間の短縮など働き方改革によるワーク・ライフ・バランスの推進が重要でありますことから、あおもりワーク・ライフ・バランス推進企業登録制度や、企業の経営者等を対象とする「働き方改革」トップセミナーの開催などを行うこととしております。

 

◯議長(清水悦郎) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(一戸和成) 短命県返上に向けて市町村とどのように連携をして取り組んでいくかという質問でございます。

 青森県の平均寿命の延伸を図っていく上で、健康増進事業の実施主体である市町村においては、みずからの課題を分析し、地域の状況、活用できる資源に応じて、住民一人一人の生活習慣の改善や、早期発見、早期治療に向けた健(検)診受診率向上に取り組むことが重要です。

 このため、県では、受診率向上のために、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん検診の受診者数が基準年度より増加した市町村に対し増加した検診費用の二分の一を補助する事業、がん検診未受診者への受診勧奨を専門的に行うコール・リコールセンターを設置し、モデル市町村において効果を測定する事業により市町村を支援することとしています。

 さらに、特定健診と診療報酬のデータを活用した地域の課題分析ツールを開発し、市町村に提供するとともに、研修会の開催等により支援しています。

 また、平成二十七年度からは、国民健康保険特別調整交付金の算定に当たって、市町村の健康づくりに係る取り組みについても評価する仕組みを設けました。

 県では、健康づくりに積極的に取り組む市町村を後押しするとともに、今後も市町村と連携・協働して取り組みを進めていきたいと考えております。

 

◯議長(清水悦郎) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(成田 博) 陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興について二点お答えします。

 まず、昨年のホタテガイの生産実績及び本年の生産見込みについてです。

 陸奥湾産ホタテガイの生産実績については、県が市町村を通じて毎月実施している漁獲状況調査の結果に基づいて算出しています。これによると、昨年の生産量は約六万四千トン、生産額は約九十六億七千万円となっています。

 本年の生産量は、七月末時点で約八万七千トン、生産額は約百三十四億四千万円となっており、今後、悪天候による被害や価格の低下などが発生しない場合、生産量、生産額ともさらに上回るものと見込まれます。

 次に、EUへの輸出拡大に向けた生産面での課題と対応についてです。

 EUに輸出されるホタテガイは、全て一月から三月の冬場に水揚げされる生殖巣のついた貝柱となっていますが、最近では、六月から七月の夏場の貝柱のみに対する需要が増加しつつあります。

 一方で、ホタテガイを夏までに輸出できる大きさに育てるためには、飼育管理方法を変えることが必要となるほか、下痢性貝毒の発生リスクが高まる時期に、国内基準よりも厳しいEUの下痢性貝毒の基準値をクリアすることが生産面での課題となっています。

 このため、県では、県産業技術センター水産総合研究所と連携し、漁協など関係団体の協力を得て、貝毒の原因となるプランクトンや下痢性貝毒に関するデータの蓄積や今後の進め方などについて現在検討しているところです。

 以上です。

 

◯議長(清水悦郎) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(清水 晃) 青い森公園及び青い森セントラルパークに関し、三点お答えいたします。

 まず、両公園の特徴と利活用状況についてでございます。

 青い森公園は、青森市中心部の官庁街に位置し、緑と憩いを提供する場として親しまれている公園です。

 この公園は、県民はもとより、全国から訪れる観光客等に幅広く利用されており、交通安全キャラバンの出発式など、各種イベントにも活用されております。

 また、青い森セントラルパークは、住宅地に囲まれた総面積約十二・八ヘクタールの緑地広場であり、県と青森市がそれぞれ所有する旧国鉄操車場跡地について、暫定的に園路や緑地を整備し、平成十五年度に開園したものです。

 この緑地広場は、地域住民のジョギングや散策等に利用されているほか、幼稚園の運動会や小学校の遠足等にも活用されております。

 次に、青い森公園の便益施設の設置について、スケジュールと設置効果でございます。

 県では、昨年度、青い森公園の利活用方策の検討を行い、その検討の一環として公園利用者等を対象にアンケートを行ったところ、コンビニやカフェなどの物販・飲食施設の設置に対する要望が最も多く寄せられました。

 また、民間事業者に対して出店の意向調査を行ったところ、大手コンビニ事業者から出店意欲が示されました。

 これらの結果を踏まえまして、青い森公園に便益施設を設置する民間事業者を公募することとなったものです。

 今後のスケジュールにつきましては、十月八日に事業者の公募を開始し、十二月中に事業者を選定することとしております。

 なお、事業者による施設の開設は平成二十八年度を予定しております。

 便益施設の設置効果につきましては、公園利用者にとっての利便性が大きく向上するほか、防犯性の向上にも寄与するものと考えております。

 また、施設の設置に伴う土地の使用料収入の増加により、公園の維持管理費の負担軽減も図られます。

 最後に、青い森セントラルパークの検討状況と県の取り組みでございます。

 青い森セントラルパークの今後の利活用については、平成二十三年十月の低炭素型モデルタウン事業の中止後、平成二十四年四月に青森市が公表した青森操車場跡地利用計画素案、平成二十五年三月の青森操車場跡地利用計画審議会による青森市長への答申等を踏まえ、市が主体となって、県有地を含めた操車場跡地全体の土地利用計画の策定作業が進められているところです。

 県では、市が策定作業を進めている計画について、必要に応じて意見を述べることとしております。

 

◯議長(清水悦郎) 教育長。

 

◯教育長(中村 充) 御質問六点にお答えします。

 初めに、次期青森県スポーツ振興計画の概要についてです。

 県教育委員会では、スポーツ基本法に基づき、本県のスポーツの振興に関する基本計画を策定し、これを踏まえた諸施策を推進してまいりました。その計画期間が平成二十七年度で終期を迎えることから、新たな計画を策定するために、このたび県教育委員会では青森県スポーツ推進審議会の答申を受けたところであります。

 答申では、県民の豊かなスポーツライフの実現を目標に掲げており、目標の達成に向けた取り組みとして、ライフステージに応じたスポーツ活動の推進、学校や地域における子供のスポーツ機会の充実、地域のスポーツ環境の整備・充実、競技スポーツの推進、スポーツによる地域の活性化の五項目を設定するとともに、項目ごとに具体的な取り組みと実施主体が示されております。

 また、計画の期間については、平成二十八年度から平成三十三年度までの六年間とされており、今後のスケジュールとしては、パブリックコメントを実施し、県民の意見を反映させた上で、今年度中の策定を目指すこととしております。

 次に、競技力向上のための県教育委員会の取り組みについてです。

 県教育委員会では、青森県スポーツ振興計画において、県民の豊かなスポーツライフの実現を目標に、県民が生涯にわたり気軽にスポーツに親しむことができる環境づくりや、全国大会などで活躍できる選手の育成による本県の競技力の総合的な向上を進め、その中で各種強化事業を実施してまいりました。

 このような中、二〇二〇年の東京オリンピック開催が決定したことは、本県の未来を担う子供たちのスポーツに対する興味関心や意欲が高まり、将来、オリンピックを初めとする国際大会や国民体育大会等の全国大会で活躍できる人財の育成につながるものと考えております。

 このため、県教育委員会では、昨年度から小学生を対象に、より高い能力を有する選手を県内全域から発掘するとともに、スポーツ科学を活用したトレーニングや心理サポート、競技体験に加え、あおもりアスリートネットワークメンバーによる実技指導等を行うジュニアアスリート発掘・育成事業を実施し、本県の競技力の向上と国際大会等で活躍できる人財の育成を図ることとしております。

 県教育委員会としましては、今後とも、県体育協会や関係団体等と連携を図りながら、本県の競技力向上に取り組んでまいります。

 次に、国民体育大会の開催に向けた施設整備についての県教育委員会の考えについてです。

 国民体育大会の開催に向けた施設整備については、青森県国体検討懇話会において検討いただいたところであります。その中で、財政規律を守りながら必要最小限の施設を整備する必要があることや、実施可能な施設がない競技の施設整備は隣県等の施設を借用するなど、検討する必要があるとされております。

 今後、この検討結果を踏まえ、競技施設に関する基本方針等を検討してまいりたいと考えております。

 なお、県有体育施設の整備につきましては、平成二十三年に策定した青森県スポーツ振興基盤整備計画において、陸上競技場、水泳場、野球場について整備することとしております。

 次は、教科書検定基準改定に至る経緯と検定基準のポイントについてです。

 平成二十五年十一月、教科書改革実行プランが文部科学大臣により発表されました。これを受け、教科用図書検定調査審議会における審議を経て、平成二十六年一月に教科用図書検定基準が改正されております。

 この検定基準改正のポイントは、地図を除く社会科において、一つとして、未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。二つとして、近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童または生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。三つとして、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解または最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていることとなっております。

 次に、県内公立中学校における地理、歴史、公民の教科書について、平成八年度以降同じ発行者の教科書が採択となっていることに関する県教育委員会の見解についてです。

 公立中学校で使用する教科書の採択の権限は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律により、その学校を設置する教育委員会にあります。

 また、市町村教育委員会での採択に当たっては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律により、市町村の区域又はこれらの区域をあわせた地域を採択地区として設定し、地区内の市町村が共同して種目ごとに同一の教科書を採択することになっており、都道府県教育委員会では、採択の適正な実施を図るため、同法に基づき指導、助言、援助を行っております。

 本県においては、現在、八つの採択地区を設定しており、各採択地区においてはそれぞれ協議会を設け、採択の対象となる各教科書について調査、研究した上で、種目ごとに一者の教科書を決定しております。

 県内公立中学校で使用する教科書の採択については、このような手続に基づき、これまでも各採択権者が主体的かつ適切に行っているものと認識しております。

 最後に、質の高い教科書の活用を通じ、今後、主権者教育の充実や日本国憲法に関する正しい知識の習得を図ることが重要と考えるが、県教育委員会の見解についてです。

 採択の対象となる教科書は、各発行者の判断により内容の取り扱いや記述がそれぞれ異なっておりますが、いずれも文部科学大臣による検定に合格したものであります。

 この教科書検定は、全国的な教育水準の維持向上、教育の機会均等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保などが要請されており、民間で著作、編集された図書について、教科用図書検定基準に基づき、教育基本法や学習指導要領の内容に一致しているかなどの観点により、文部科学大臣が教科書として適切か否かを審査するものであり、検定教科書はいずれもこれらの観点を満たしているものであります。

 県教育委員会としましては、各学校において、主たる教材である教科書を活用しながら、主権者教育や憲法についての学習が今後とも適切に行われるものと考えております。

 

◯議長(清水悦郎) 高橋議員。

 

◯二十六番(高橋修一) おおむね前向きな御答弁を頂戴いたしました。まことにありがとうございました。本当はいずれもと言いたかったんですけれども、おおむね前向きな御答弁でありました。

 御答弁いただいた内容については、それぞれ着実に実行していただく、そのことはまずお願いをいたします。それから、各分野において依然としてなかなか乗り越えられない課題というものも山積しているものと思われます。したがいまして、県のこれからの取り組みによってその課題を乗り越えて、そして多くの県民に成果が見える形で、実感できる形で、そういったことを強く望んでおります。

 以上で終わります。