2014年09月30日:平成26年第279回定例会(第4号)   本文

◯議長(阿部広悦) 休憩前に引き続いて会議を開きます。

 一般質問を続行いたします。

 十六番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯十六番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。

 質問に入ります前に、議長のお許しをいただきまして、少しばかり所感を申し上げたいと思います。

 本日、一般質問一人目、鳴海惠一郎議員が初登壇をされました。私の七年前の初登壇のときは、余りに緊張いたしまして、足が震えて満足に質問ができなかったことを思い返しました。それに比べまして、鳴海議員でありますが、すがすがしくも堂々たる質問ぶりでありまして、その堂々たる姿に、私は、血は争えないと申しますか、お父様である鳴海広道先生のお姿が思い浮かびました。

 と申しますのも、鳴海広道先生の県議会初当選が昭和五十年でありまして、実は私の父と県議会同期でありました。私はちょうどそのとき五歳でありましたけれども、幼いころよく、今でもそうでありますけれども、よくお父様は家に寄っていただきまして、私に対しても言葉をかけていただきました。お会いしたときにいつも感じることは、鳴海広道先生は、まさに侍と申しますか、武士道といった精神を持った青森県政における最後の大物保守政治家であると、私はそういう意味で政治家の一人として尊敬をしているわけであります。

 したがいまして、さまざまな面において現在も公私とも御指導いただいておるわけでありますが、数年前、鳴海広道先生から直接お聞きした話を御披露しますと、昭和五十年初当選、自民党は若い順に大島理森、鳴海広道、そして高橋弘一と、今の議席の一番最前列にその三人が座ったそうであります。そして、その真っ正面に座った知事が竹内俊吉知事であったと。あるとき、当選間もないその三人に対して、竹内俊吉知事が、大島理森議員に対して、あなたは百年に一度の政治家としての逸材であると、そのように大島理森議員に当時の知事が言ったと。そして、私と──私というのは鳴海広道さんとあなたのお父さんは、一言もそういう言葉を言ってもらえなかったと。これを、当時を振り返りつつ笑いながら懐かしんで私に教えていただきました。

 私も県議となって七年たつわけでありますが、いまだに三村知事からそういった言葉はかけていただいたことはありませんけれども、どうか、鳴海惠一郎議員におかれましては、そういった評価をいただけるように、志高く政治の道をこれから歩んでいただきたいと。また、私も議員の質問ぶりに大きな刺激を受けました。七年前の初登壇のときの気持ちに立ち返って、原点回帰と申しますか、初心に返ってフレッシュな気持ちで質問をしてまいりたい、そのように思いますので、議員の皆様、また執行部の皆様、特に知事、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 本県の攻めの農林水産業がスタートして十一年目を迎えております。この攻めの農林水産業という言葉は、県議会の議論においても今や誰もが普通に使用しております。また、農林水産業関係者のみならず、既に広く県民に浸透しております。さきごろ地元新聞社が行いました世論調査においても、三村県政で最も評価できる政策を攻めの農林水産業とした回答が二四・三%で最多となっており、三村県政イコール攻めの農林水産業ではないかと思います。

 そもそも、この攻めの農林水産業という言葉が初めて県議会において使われたのが、三村知事が就任後初めて開会された平成十五年定例会、日付は平成十五年七月十六日のことでありまして、開会日、議案説明に先立って知事は所信表明をなされて、このとき初めて知事みずからこの議場において発したわけであります。もちろん私はそのときこの議場におりませんので、直接その所信表明を聞いたわけではありません。県議会議事録を振り返りつつ申し上げるわけでありますけれども、知事は所信表明において、「今県に求められているのはふるさとの再生と新生である。その第一歩として早急に取り組むべき課題は財政改革と雇用・経済対策であるとし、財政改革の必要性と目標、その決意を述べられた後、雇用・経済対策の最大の柱として、特に生産者みずからが安心でおいしい青森県の農林水産物のブランド化を目指すという姿勢をより強固にしていただく中で、私みずからトップセールスを展開し、販路拡大に尽力する。さらに、生産から流通までを結びつけ、収益性のアップを図る攻めの農林水産業への転換にも取り組んでまいる。」と述べられました。恐らく知事はきのうのことのように覚えていらっしゃるのではないかと思います。

 当時、私は、青森県政の若きリーダーとなった三村知事が、就任後初の県議会でどのような言葉で何を県民に語りかけるのか、県政運営の本旨は何なのか、知事の県議会での所信表明に一県民として大変注目をしておったわけであります。それまで農林水産業施策をあらわす言葉は、守るとか育てるとかがよく使われ、攻めという言葉は余り使われなかったように当時思いました。これは、青森県の得意分野は元来農林水産業でありますが、当時余りによいものをつくっていたためなのか、流通、マーケティング、PR、販売といったことに特に考えをいたさなかったのかもしれません。いいものをつくれば当然売れるといった農林水産業一流県特有の、おごりと言えば言い過ぎですが、甘え、そういったものも、この知事の言葉は一切断ち切った文字どおり攻めの姿勢を感じ取ったわけでもあります。今でこそ県民の多くが三村知事の、例えばリンゴ柄のシャツであったりマグロのTシャツ姿を見なれてきましたけれども、就任当時は、正直なところ、知事みずから先頭に立って県産品を売るという姿が斬新で、驚きの声も上がったように記憶しております。

 こういった販売を重視する面ばかりが注目されたようにも感じましたが、しかし、本施策の根幹となるものは水、土、人でありましょう。きれいな水循環システムづくり、健康な土づくり、そしてマーケティングといった農業技術者の育成。そして、そのことによって消費者が求める安全・安心の良質な青森県産品づくりを行い、最終的に売って、売って、売りまくる。こういった施策全体のチャレンジを、当時私も理解することによって、従来の画一的ないわゆる一次産業の振興ではなくて、発想の転換と申しますか、柔軟かつユニークながらも、農林水産業だけではなくて、他の分野にも活用できるであろう大胆な政策転換、これは苦境にあえぐ地方の進むべき一つの方向性をあらわしているといったものを覚えました。こういった攻めのチャレンジに青森県の新しい時代の幕あけを感じ取ったことをよく覚えております。

 あれから十一年の時を経て、今、私が県議会のこの場から知事に対してこの問題について質問するということは、何とも不思議な感覚を覚えるわけでありますが、三村知事は、就任以来、一貫して青森県の重要施策の柱としてこの攻めの農林水産業を掲げ、本施策推進に対するその決意、信念、これは揺るぎないものと推察するところであります。

 本年七月、私は農林水産省の──そのころは大臣でありましたけれども、林前大臣による攻めの農林水産業の推進についてと題する御講演を聞く機会がございました。やはり私にとりましては、攻めの農林水産業イコール青森県政、一体、林大臣はどういったお考えをお持ちなのか興味深くこの講演会に参加いたしました。

 講演の内容を要約すれば、ことしを攻めの農政元年とする。我が国の農山漁村には、いろいろな潜在力がある。世界の食市場規模が二〇〇九年から二〇二〇年にかけて三百四十兆円規模から六百八十兆円規模に倍増すると推計されている中で、中国、インドなど人口も所得もふえていくアジアは三倍になると見込まれ、ここをどうやって日本の農林水産物・食品の需要先として取り組んでいくかが大事である。

 こういったマクロの背景の中で、昨年十二月につくった農林水産業・地域活力創造プランの中で、四本柱として、生産現場の強化、需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築、需要フロンティアの拡大、農山漁村の多面的機能の発揮を掲げており、まずは生産現場を強化する。次に需要フロンティアを拡大していく。そして、その間をつなぐバリューチェーンを構築しよう。特に需要フロンティアを重視して、どうやって財布のひもを緩めてもらうか、どこに行ったら売れるのかということをしっかり考えていこう、こういった柱立てをしたと述べられました。

 その後、需要フロンティアの拡大を中心に、医福食農の連携や新たな介護食品の考え方、漢方薬の国内調達、来年ミラノで開催される食をテーマとした国際博覧会での日本食発信、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでは、食にとどまらず、畳や木でつくった和の空間、花、農山漁村のもてなしといった部分での全国対応、また、六次産業化の推進など、さまざまな取り組みを行っていきたいとのお話もございました。

 加えて、直近の国の動きとすれば、攻めの農林水産業実行本部が九月八日に設置され、西川新大臣は、これまでの仕事は少し生産に偏り過ぎてはいなかったか。生産と需要の開拓の両方を一緒にやって、農家の所得の向上につなげていきたいとのコメントが報じられておりました。これら国の一連の取り組みは、青森県がこれまで推し進めてきた攻めの農林水産業と基本的には同じ方向にあると捉えられますし、何と言っても、攻めの農林水産業と言えば青森県であります。これまで地道に積み重ねてきた本県の取り組みを、今こそ最大限に生かして、今後の国の攻めの農林水産業の施策展開と連携して、さらに発展させる大きな契機となり得るのではないかと感じ取ったところであります。

 さまざま申し上げましたけれども、青森県が行ってきた攻めの農林水産業については私なりの認識でありますので、この後、知事みずからが本施策の持つ真の意味、その一端も御披露いただけるものと期待しつつ、一点目として、県は国の攻めの農林水産業をどのように捉え、本県の攻めの農林水産業を展開していくのかお伺いするものであります。

 また、林前大臣の御講演の中で、青森県のリンゴ輸出についても触れられておりました。リンゴは青森県が一生懸命やっておりますが、やはり全国ブランドであると。日本のリンゴとして、輸出戦略実行委員会を品目別につくるなど、オールジャパンで取り組むことが大事になる。見本市をやったり宣伝をかけたりする。もう少し南のほうの産地と連携し、出荷すると、それだけ外国のスーパーの棚が日本のリンゴで埋まっていく。周年供給、安定量の供給ということになるが、そういうこともあわせてやることによって、輸出環境を整備していこうと思うとのお話でございました。発言内容の真意については私にはわかりませんが、これまで青森県が必死に取り組んできた青森リンゴの輸出に関連した御発言でありましたので、気になったところでもあります。

 そこで、二点目でありますが、リンゴ輸出に関連して、国は農林水産物の輸出に関してオールジャパンでの取り組みという考え方を示しているようでありますが、青森リンゴの輸出促進について、県はどのように取り組んでいくのかという点についてお伺いするものであります。

 続きまして、歯と口の健康づくりに関する取り組みについてであります。

 本年六月県議会定例会において、歯と口の健康づくり八〇二〇健康社会推進条例が、議員提案により上程され、全会一致で可決されました。本条例は、八〇二〇健康社会、健康長寿の延伸による長寿実現に寄与することを目的とし、基本理念、県・県民・関係者等の責務、基本的施策の推進などを定めております。青森県議会における議員提案による政策条例につきましては、いずれも条例制定を契機とした県の具体的かつ積極的な施策展開や県民皆様の意識変化などによって条例制定による一定の効果をもたらしているものと捉えております。このたび制定されました本条例につきましても、これまで同様に所期の目的がしっかりと達成されるよう念願するところであります。

 そこで、一点目として、歯と口の健康づくり八〇二〇健康社会推進条例が成立しましたが、青森県における歯科保健の課題と歯科保健対策のこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

 二点目として、歯と口の健康づくり八〇二〇健康社会推進条例の制定を受けて、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

 次に、青森港臨港道路一号線の渋滞対策についてお伺いいたします。

 青森港は、青森市の中心市街地や首都圏に通じる東北自動車道、幹線道路、また、東北新幹線在来線を初めとする鉄道各線あるいは北海道を結ぶフェリー埠頭などが隣接することから、本州と北海道とを結ぶ重要拠点であり、物流機能と都市機能をあわせ持っております。このことから、港湾部を通行する車両もさまざまな形態となり、これらが円滑に通行できるための道路維持や安全対策が求められるところであります。しかしながら、この数年、青森港臨港道路一号線の国道七号との交差点部分に渋滞を引き起こしているのではないかと感じております。渋滞発生の要因については詳しく調査する必要があろうかと思いますが、私の見る限り、フェリー埠頭に着岸し、降車した大型車両が東北自動車道青森インターに向かうため、本臨海道路を一斉に何十台も通行し、そのほとんどの車両が国道七号交差点に集中し、右折しようとすることから、右折レーンへの車両停滞が最大の要因と思われます。さらに、付近には大型ショッピングセンターが多数立地し、その利用客の一般普通車両も同交差点に集中することも渋滞発生の要因として挙げられると思われます。

 本臨海道路は北海道と本州を結ぶ大動脈の一部を有するという役割がございますし、また、住宅にお住まいの方や買い物客にとっても慢性的な渋滞に苦慮する事態となっております。

 そこでお伺いいたしますが、一点目として、国道七号との交差点における渋滞の状況についてどのように認識しているのかをお伺いいたします。

 また、二点目として、道路拡幅などの対策が必要と考えますが、渋滞対策にどのように取り組んでいくのかお伺いするものであります。

 次に、教育再生の動きに関連してお伺いをいたします。

 まず、公立学校における正しい日本地図の普及についてであります。

 今、日本周辺が正しい位置関係で書き込まれた正しい日本地図を教育教材で普及させる取り組みが全国的に始まりつつあります。この取り組みは、教育現場において地図全体の縮尺を大きくするために沖縄などの離島が切り張りされた分割地図が使われているケースが多いことから、正しい位置関係がわかる地図の配付で、子供たちの領土に対する意識の啓発を目的としております。国際社会の進展に伴い、外国語が堪能なことはもちろん大切なことではありますが、それだけではなくて、日本人としての日本の文化や伝統を正しく理解してそれを重んじる、そういった心を持ってして初めて真の意味での国際人となり得ます。領土についての正しい知識を備えることもまたしかりでありまして、学校での領土教育をさらに充実させることが国際社会で通用する人材育成にもつながると考えます。

 振り返れば、私たち大人は、こういった領土に対しての教育を受けてきましたでしょうか。多くの日本人が自分の国の領土を知らぬまま大人になっている状態なのではないでしょうか。

 この領土について、内閣府が昨年実施をした世論調査があります。全国成人の三千人への個別面識による聴取で、竹島と尖閣諸島の認知経路についての問い、つまり、竹島をどうやって知ったのか、尖閣諸島をどうやって知ったのかという問いに対して、竹島を知った理由は、テレビ、ラジオ、これが九六・一%、学校の授業で知ったという方は五・九%しかいません。尖閣諸島はどうか。これも同様に、テレビ、ラジオが九六・八%、そして学校の授業が四・八%でありました。こういった世論調査を踏まえましても、領土教育の充実が求められるとも言えます。

 教育現場を初め、一般的に普及している日本地図は、沖縄や小笠原諸島などの島の部分が切り張りされているため、我が国の正しい形が非常にわかりづらくなっているのではないかということで、我が国の正しい形をしっかり子供たちに教えようと、熊本県からこの取り組みは始まりました。とりわけ子供たちは、物事を認識するのに、頭で理解するよりもイメージで、地図のようなビジュアルで画像として認識する力が高いので、早くから我が国領土の正しい形を理解してもらうためには非常に有効と思います。この切り張りされていない日本地図の普及が正しい領土教育に結びつくことを願うものであります。

 教育において、子供たちの学習意欲を高めることも大きな課題でありまして、今回、私は、領土領海の問題のためだけに質問するのではなく、沖縄や離島を別の場所に張ったような地図ではなくて、正しい日本地図を毎日教室で見られる環境を私たち大人がしっかりとつくって、正しい領海や海の名前、島の名前や各都道府県の所在地を知ってもらい、子供たちに日本地図をしっかり覚えてもらいたい。そのことから、青森県も県内学校に正しい日本地図を掲示すべきではないかと考えるところであります。

 そこで質問でありますが、公立小・中・高等学校において、我が国の領土を正しく理解するためには、我が国の国土の位置関係が正しく示されている地図を教室等に掲示することが必要と思いますが、県教育委員会の考えをお伺いするものであります。

 次に、平成二十六年度全国学力・学習状況調査についてでありますが、こちらにつきましては、一般質問初日の山田知議員からほぼ同様の質問がございましたので、私からは割愛をいたします。

 次に、道徳教育の充実についてお伺いをいたします。

 本年四月、文部科学省は道徳の副読本「わたしたちの道徳」を小・中学生全員に配付をいたしました。これは、従来の「こころのノート」を、偉人伝、名言、読み物の要素を入れて全面改訂したもので、今後の道徳の教科化に向けて教科書のモデルケースを示すものであります。

 小・中学校には週一時間の道徳の時間が設けられておりますが、国語や算数のような教科ではないので、教科書がない、その使用義務もない、成績もつけなくてよいといったことから、道徳の時間の形骸化が指摘され続けてきました。加えて、現在行われている道徳教育は、指導内容や指導方法に関して学校や教員によって充実度に差があり、所期の目的が十分に果たされていない状況にあるとの指摘もございます。

 昨今の道徳教育をめぐる国の議論も、新たな枠組みによって教科化に向けた議論が本格化されてきたようでありますが、道徳教育の重要性を改めて認識し、その抜本的な充実を図るとともに、社会全体でその意識を共有し、それぞれの立場から子供たちの成長にかかわり、支える必要があるものと考えます。

 そこでお伺いいたしますが、一点目として、道徳教育について国の動向はどうなっているのかをお伺いいたします。

 また、二点目として、公立小・中学校の道徳教育の充実のため、県教育委員会ではどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

 最後に、職業教育の充実についてであります。

 教育再生実行会議が七月に取りまとめた今後の学制等のあり方について(第五次提言)でありましたが、これにおいて職業教育の充実が掲げられ、現在高校卒業後の職業教育を担っている専門学校を正式に高等教育機関として位置づけることや、大学への短期大学、専門学校からの転入学等の機会拡大などが提言されております。これら国の職業教育充実の根底にあるものは、既存大学との連携、時には競争などを促し、同等程度まで職業教育全般の社会的評価を高め、教育全体を複層化させ、そのことによって、より多くの生徒、学生の自己実現を完成させ、全体として国力のアップにつなげようとするものと捉えております。

 さて、県教育委員会においても、教育は人づくりという視点に立って新しい時代を主体的に切り開く人づくりを教育施策の方針に掲げ、変化の著しい社会やグローバル時代をたくましく生きるチャレンジ精神に満ちた人間の育成を目指しております。

 現在、県内において工業高校や商業高校、農業高校など、職業教育を行う高校は多数あり、各校それぞれ特色ある教育を実行し、さまざまな成果を上げ、多くの分野において優秀な人材を多数輩出しております。さきに述べた教育再生実行会議による職業教育の充実に係る提言内容と直接的には結びつくとまでは言いませんが、本県の繁栄を考えれば、これら職業教育を行う高校に優秀な人材──これは生徒も先生もであります──を集めて、予算もふやして、より質の高い教育を行って、それを大学などの高等教育機関と接続させていくといった取り組みが求められると考えるところであります。

 そこでお伺いをいたしますが、一点目として、本県の職業教育の充実に向けた専門高校の取り組みについてお伺いいたします。

 二点目として、専門高校と大学、企業、研究機関等との連携による人材育成の取り組みについてお伺いいたします。

 以上、壇上からの質問とします。

 

◯議長(阿部広悦) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えいたします。

 何と言いましょうか。すごく真面目にお話しさせていただきますが、議員におかれましては、常に県民の目線というものを忘れず、幅広く世のため真っすぐにこの政治に取り組む、その姿勢、私は感服いたしております。ぜひともその姿勢は貫いていただきたいと思います。

 それでは、攻めの農林水産業、国の展開に対して県としてどう進めていくかでございます。

 国は、昨年、攻めの農林水産業を打ち出し、政策改革のグランドデザインとなります農林水産業・地域の活力創造プランを策定しました。その後、ことし六月には、規制改革や産業力強化に向けた検討結果を踏まえて、これを改訂し、輸出環境の整備や畜産・酪農の強化、あるいは農協・農業委員会改革などの内容を盛り込んだところであります。

 その基本的な考え方は、農林水産業の産業としての競争力を強化する産業政策と、農山漁村の有する潜在力を発揮するための地域政策を車の両輪として進めるというものであり、その方向性ということにつきましては、私ども青森県として進めてまいります第三期目の攻めの農林水産業とおおむね合致しているものと受けとめているところでございます。ただ、その場面においてそれぞれの地域社会とか人というものをいかに大切にしていただくかということが重要だと、私としては思うところでございます。

 そういった中で、全国的に主食用米の概算金が大幅な下落となる、そういう状況もございました。地方を預かる立場として、国の改革を推し進めるに当たりましては、生産現場に混乱を来すことのないよう、施策効果も十分に見きわめながら対応していく必要があるのではないかと、そのように考えます。

 農林水産業を取り巻く環境が厳しさを増し、予断を許さない状況にございますが、私としては、こうしたときこそ一貫した攻めの姿勢が大切であり、平成十六年度から培ってきた取り組み実績をもとに積極的に施策を提案し、その上で、国の事業も十分に活用しながら本県の攻めの農林水産業の推進に全力で取り組んでいきたいと思っております。

 そして、その上で、私どもの攻めの農林水産業の大きな目標の一つでございます地域経営という、経済も民生もよりよい暮らしも伴った自主自立の農山漁村の社会のあり方、仕組みというものを着実に進めていきたいと考えております。そのことで、この日本の国のゆりかごたる本質であります農山漁村集落を守るだけではなく、ここに新しい元気と日本創成のまさに新しい芽というものをつくり上げていく、そのことが私どもの攻めの農林水産業には問われているのかなと考えております。

 続いて、オールジャパンでの輸出、特にリンゴの輸出促進についての考え方でございます。

 国が昨年公表いたしました農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略では、平成三十二年までに、輸出額を一兆円に倍増する目標を掲げております。国では、目標達成に向けて、海外で日本産青果物を通年販売していくためには、リレー出荷等、産地が連携してオールジャパン体制で取り組む必要があると、そのように申しておるようでございます。

 一方、全国の半数以上を生産する青森リンゴは、先人が長年にわたりまして輸出先の開拓に地道に取り組んできた実績に加え、生産者の方々のたゆまぬ努力による高品質な、日本一ではなく、世界一の高品質リンゴの生産、これは私ども青森だけとは言いませんけれども、青森が特にすぐれていると思います。そしてまた、CA貯蔵技術で新鮮なまま一年中安定供給できる産地の体制づくりによって、日本から輸出されるリンゴのほとんどを占めておりますし、私ども日本の国のリンゴ輸出というものを牽引してきたところでございます。

 県としては、これらの強みを生かして、リンゴの輸出は引き続き私ども青森県が担っていくといった気概を持って取り組むことが大切と思っております。私自身、知事就任以来、台湾等を中心に積極的にトップセールスを行ってきたわけでございますが、今後も、本年三月に策定しました青森県輸出拡大戦略に基づき、関係機関と連携して、青森リンゴとしての安全・安心、高品質、良食味といった特性をさらに磨き上げまして、最も重要な台湾市場でのシェア拡大をさらに図るほか、香港やタイ、インドネシア、マレーシアなどにつきましては、市場の状況に応じた積極的な取り組みを展開し、アジア地域での青森リンゴとしてのブランド確立を図っていきたいと私としては考えているところでございます。

 以上であります。

 

◯議長(阿部広悦) 青山副知事。

 

◯副知事(青山祐治) 歯と口の健康づくり推進条例の制定を受けて、今後の県の取り組みについてお答えいたします。

 歯と口の健康づくり八〇二〇健康社会推進条例は、歯と口の健康づくりに関する基本理念を定め、県などの責務を明らかにするとともに、県民の歯と口の健康づくりの推進に関する施策の基本となる事項を定めることを目的として、議員提案により制定され、平成二十六年七月七日に施行されました。また、青森県では、平成二十五年三月に策定いたしました青森県健康増進計画健康あおもり21(第二次)に基づき、歯科保健に関する取り組みを進めてきました。

 今後は、県民の歯と口の健康づくりの推進のため、新たに制定されました条例の基本理念にのっとり、これまでの歯科保健の取り組みを推し進めるとともに、国、市町村、歯科医療関係者などとより一層の連携を図りながら、歯と口の健康づくりに関する取り組みを一層推進していきたいと考えております。

 

◯議長(阿部広悦) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(一戸和成) 同じく、歯科保健の課題についてでございます。

 青森県の歯科保健の現状として、厚生労働省が公表している平成二十四年度歯科健康診査の結果によると、一歳六カ月児の虫歯有病者率が三・〇〇%と全国平均の二・〇八%よりも高く、三歳児の虫歯有病者率が三一・九四%と全国平均の一九・〇八%より高くなっており、全国との格差が課題となっております。

 また、平成二十二年度青森県歯科疾患実態調査によると、四十歳代における進行した歯周炎を有する者の割合が三六・七%となっており、平成二十三年厚生労働省歯科疾患実態調査によると、全国平均の二八・〇%より高いなどの課題があります。

 このような状況を踏まえ、青森県では、平成二十五年三月に策定した青森県健康増進計画の歯・口腔の健康分野で、虫歯予防対策、歯周病予防対策、口腔機能の維持向上などを施策の方向性として掲げ、青森県基本計画未来を変える挑戦の健康長寿県プロジェクトの一つとして、今年度から歯科口腔保健推進事業を実施しています。

 この事業では、歯科口腔保健体制の中心的な役割を担う口腔保健支援センターの設置を行うとともに、歯周病等予防キャンペーンや歯周病等患者調査、保育所や事業所などを対象とした訪問歯科保健指導などの取り組みを行っております。

 

◯議長(阿部広悦) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(奈良信秀) 青森港臨港道路一号線の御質問二点についてお答えいたします。

 まず、国道七号との交差点における渋滞の状況についてです。

 青森港臨港道路一号線と国道七号との交差点の渋滞につきましては、定期的な道路パトロールにより発生状況を把握しております。渋滞発生の大きな要因は、国道七号交差点の手前にあります大型商業施設へ至る交差点と国道七号交差点との距離が短いために、臨港道路の沖館フェリー埠頭方向から国道七号弘前方面へ右折するための右折車線が短く、当該右折車線に大型車両が集中した場合に、隣接いたします直進車線を塞いでしまうことにあると考えてございます。具体的な渋滞対策を講ずる必要があるものと考えております。

 次に、この渋滞対策についての取り組みについてです。

 県としては、臨港道路の右折車線を一車線ふやして二車線とすることにより直進車線を確保し、渋滞の緩和を図りたいと考えております。

 このため、現在、渋滞対策の基礎資料となります交通量や渋滞の長さについて調査を実施するとともに、関係機関であります国道及び市道の管理者と協議を進めながら、渋滞対策に必要な財源について国に要望しているところでございます。

 

◯議長(阿部広悦) 教育長。

 

◯教育長(中村 充) 御質問五点にお答えします。

 初めに、領土を正しく理解するため、位置関係が正しく示されている地図を掲示することが必要だと思うがということについてです。

 公立小・中・高等学校においては、学習指導要領に基づき、社会科や地理歴史科、公民科の時間において、児童生徒の発達段階に応じて、領土の現状等について指導しております。その際、領土の位置や範囲が正しく示された地図を掲示することは、我が国の領土に関する理解を深めるために有効であると考えております。

 このため、学校では、指導の際、地図帳や大型の掲示用地図を積極的に活用しております。なお、教室等の掲示物につきましては、各学校において、学校の教育目標や各教科の学習内容のほか、諸活動等との関連を図りながら計画的に掲示しているところです。

 県教育委員会といたしましては、各学校において領土に関する教育が適切に行われるよう、各市町村教育委員会と連携を図りながら、引き続き必要に応じて指導助言に当たってまいります。

 次に、道徳教育についての国の動向についてです。

 昨年二月、教育再生実行会議の第一次提言において、道徳教育の重要性を改めて認識し、その抜本的な充実を図るとともに、新たな枠組みによって教科化するということが提言されました。

 これを受け、昨年三月、文部科学省が設置した道徳教育の充実に関する懇談会において、道徳教育の改善、充実についての審議がなされ、同年十二月には、道徳教育の充実は、我が国教育の現状を改善し、今後の時代を生き抜く力を一人一人に育成する上での緊急課題であること、道徳教育について早急に抜本的な改善、充実を図る必要があることなどをまとめた報告書が文部科学大臣に提出されました。

 さらに、ことし二月に、文部科学大臣から中央教育審議会に道徳に係る教育課程の改善等について諮問され、現在、同審議会道徳教育専門部会において、教育課程における道徳教育の位置づけや道徳教育の目標や内容、指導方法等について検討が進められております。

 なお、八月には、審議のまとめの案が示されましたが、この中には、道徳教育の充実を図るために、小・中学校において道徳の時間を教育課程上特別の教科として新たに位置づけ、その目標、内容等を見直すことなどが盛り込まれております。

 県教育委員会としましては、今後も国の動向を注視してまいります。

 次に、道徳教育の充実のための取り組みについてです。

 道徳教育は、豊かな心を持ち、人間としての生き方の自覚を促し、道徳性を育成することを狙いとする教育活動であり、社会の変化に主体的に対応して生きていくことができる人間を育成する上で重要な役割を担っているものと考えております。

 このため、県教育委員会では、今年度も、本県学校教育の指導の重点の一つに道徳教育の充実を掲げ、教員の指導力向上や郷土に関する資料の開発、活用等に取り組んでおります。

 具体的には、教育事務所ごとに全ての小・中学校の教員を対象として道徳教育研究協議会を開催するとともに、県総合学校教育センターにおいて、道徳の時間授業づくり研修講座等の研修を実施しております。また、児童生徒を対象に、本県の先人の業績や東日本大震災等を題材にした読み物資料を作成し、全ての小・中学校に配付し、その活用を働きかけております。さらに、各学校において、校長のリーダーシップのもと、校内の道徳教育の推進役となる教師を指名し、その教師を中心とした指導体制を充実させるよう、学校訪問等を通して指導助言しております。

 県教育委員会といたしましては、各学校が家庭や地域との協力のもと、児童生徒の道徳性を一層育成するよう、各市町村教育委員会と連携を図りながら、引き続き道徳教育の充実に努めてまいります。

 次に、職業教育の充実に向けた専門高校の取り組みについてです。

 産業構造の変化、科学技術の進歩等の社会情勢が変化する中、専門高校では、地域産業を担う人材の育成を目指し、職業に従事するために必要な知識、技能、態度を育てる職業教育に取り組んでおります。また、各校においては、本県の地域性を生かし、地域貢献、地域活性化につながるさまざまな学習活動を展開しています。例えば、農業高校では、水田の水位をコントロールする技術や絶滅危倶種の保護に関する研究、水産高校では、県特産のウニ、ホタテ、サバ等の加工品の開発、工業高校では地熱、風力、水力、太陽光などの再生可能エネルギーの利用技術の研究、商業高校では、地域資源を活用したビジネスプランや商品開発などに取り組んでおります。

 県教育委員会といたしましては、専門高校に学ぶ生徒の望ましい職業観、勤労観を育み、生徒一人一人が希望する進路を達成できるよう、引き続き職業教育の充実に努めてまいります。

 最後に、専門高校と大学、企業、研究機関等との連携による人材育成の取り組みについてです。

 専門高校と大学、企業、研究機関等との連携については、生徒が意欲や関心を高め、多彩かつ多様な教育に触れる機会を広く提供するという視点から、本県においてもさまざまな取り組みが行われるようになってきております。

 具体的な取り組みの例として、農業高校では、庁内ベンチャー事業で地域農家や民間企業と連携し、リンゴの消費拡大や労働力軽減を図る研究に取り組んでおり、工業高校では、物づくり技術の向上を目指し、地域の職業訓練校と連携した技術研修会を開催しております。また、商業高校では、コンビニエンスストアと連携し、地域の特産物を生かした商品開発と販売について学んでおり、水産高校では、民間企業や大学と連携し、天然の生きたヒラメを水を使わずに輸送する研究に取り組みました。

 県教育委員会といたしましては、今後もこのような連携の取り組みを支援するとともに、生徒が将来のさまざまな課題に柔軟かつたくましく対応する力を育てながら、我が国や本県産業の発展に貢献できる人材の育成に努めてまいります。

 

◯議長(阿部広悦) 高橋議員。

 

◯十六番(高橋修一) 御答弁まことにありがとうございました。

 まず、本県の攻めの農林水産業の展開についてでありますけれども、先般林前大臣の御講演を聞く会において、国のこの施策の展開というのはまだまだ、今まさにプロジェクトの大枠が決まったばかりで、本格的なスタートはこれからといった感じを持ちました。しかしながら、青森県のこれまでの十一年間の攻めの農林水産業の歩みが、これまでの国の政策決定であったり、これからの政策の推進に大きな影響を与えてきたのかなとも私は捉えておりまして、そういった意味においては、今後の国の施策展開においても、青森県はその中心と申しますか、先頭に立ってこれをやっていく必要がありますし、そのことが求められると考えます。したがいまして、知事から青森リンゴとして売り込んでいくと、強い決意もありました。どうか今後ともこの攻めの農林水産業をしっかりと行っていただきたい。

 普通、施策というのは、時代時代でというか、十年もすれば、大概、ふけさめと申しますか、伸びる部分はありますけれども、大概、廃止するというか、そういった中で続けてきた施策でもありますので、これは攻めの姿勢で今後とも頑張っていただきたいと思います。

 続きまして、歯と口の健康づくりでありますけれども、これまでも議員提案の政策条例はさまざまありましたが、青森県中小企業振興基本条例でありますが、これは商工労働部を中心に、毎年県議会のほうにその事業の実施状況あるいは成果も御報告をいただいておりまして、我々もしっかりそれを確認して、年度年度で大きな成果を挙げていると、そのように感じております。また、今般の稲わらの有効利用の促進、それから焼却防止に関する条例。今、稲刈りのシーズンで、たまに煙が上がっているのを見ると、非常に残念な思いにも至るんですけれども、しかし、数値的なもの、わら焼きの面積等のデータを伺えば、着実にわら焼きは減少しているといった効果が見てとれます。

 したがいまして、条例をつくったはいいが成果が見られないという事態は何としても避けていただきたいと思います。特に議員提案による、しかも全会一致の政策条例でありますので、そのことに思いをいたしていただいて、今後この歯と口の健康づくり、それぞれ積極的に条例の制定を契機として頑張っていただきたいと思います。

 それから、渋滞の関連でありますが、県もこの地区の渋滞の状況について御認識いただき、また、具体的対策の必要性も感じていただいていると。あとは財源でありますので、これは早期に財源を確保していただいて完成をお願いしたいと要望させていただきます。

 それから、教育の関係ですが、青森県の道徳教育、また専門高校の教育、それぞれしっかりと行っていると、充実していると、そのように理解をいたしました。

 それから、正しい日本地図の普及、これについては、既に都道府県レベルにおいても、熊本県だけではなくて、岐阜県、島根県、また東京都においても同様の取り組みが行われております。予算的にも、熊本県の場合は十万円と少しということでありますので、財源的にはさほどかからないと。予算はそんなに必要ないと。

 結局、これは県教育委員会の実行するかしないかといった部分の判断次第に尽きると。その意味においては、答弁を聞く限りは、曖昧と言えばあれなんですけれども、ちょっとそこがはっきりしなかったのかなといった感もあります。

 今後、他の都道府県の事例、こういったものもしっかりと研究しつつ、青森県でどういう形でこれを取り込むことができるのか、真剣に今後教育委員会として実行していただきたい。そういった意味において、今後、この私が質問した事項についてどう取り組んでいくお考えであるのか、その点だけは再質問をさせていただき、終わりたいと思います。

 

◯議長(阿部広悦) 教育長。

 

◯教育長(中村 充) 再質問にお答えいたします。

 各学校では、それぞれの教育方針に基づいて教室等の掲示板や壁面について、学校目標であるとか学級目標、時間割等を掲げるとともに、児童生徒の実態等を考慮して、その時々の学習内容や行事等に関連する資料を掲示するなど、年間の教育活動を見据え、計画的、継続的に活用しているところでございます。

 なお、領土に関する教育の際には、我が国の国土の位置関係が正しく示されている地図の活用は不可欠であり、いずれの学校におきましても、その都度これを掲示するなどして効果的な学習を行っているものと考えております。また、全ての児童生徒は、教科書検定を受け、国土の位置関係が正しく表示されている地図が掲載されている地図帳を持っているところでございます。

 県教育委員会といたしましては、それぞれの学校の教育方針や児童生徒の実態等に配慮しながら教材を活用し、領土に関する教育が適切に行われるよう、必要に応じて指導助言してまいります。また、他県の取り組みについてもどういうことがなされているのか、これは調べてみたいと思っております。