2013年11月29日:平成25年第276回定例会(第3号)   本文

◯議長(西谷 洌) 休憩前に引き続いて会議を開きます。

 一般質問を続行いたします。

 十四番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。

 通告の順に従いまして質問いたします。

 初めに、国のエネルギー・原子力政策についてであります。

 二〇〇二年(平成十四年)六月、エネルギー政策基本法が成立いたしましたが、第一条に法の目的として、「エネルギーの需給に関する施策に関し、基本方針を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、エネルギーの需給に関する施策の基本となる事項を定めることにより、長期的、総合的かつ計画的に推進し、もって地域及び地球の環境の保全に寄与するとともに我が国及び世界の経済社会の持続的な発展に貢献すること」を記しております。

 エネルギー基本計画につきましては、同法第十二条第一項に、「政府は、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るため、エネルギーの需給に関する基本的な計画を定めなければならない。」第三項に、「経済産業大臣は、関係行政機関の長の意見を聴くとともに、総合資源エネルギー調査会の意見を聴いて、エネルギー基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」とされております。

 本計画につきましては、年内をめどとして国において第三次改定作業が進められているところでありますが、法の目的及び趣旨にのっとれば、国民生活、国民経済の命運を握り、国の根幹にもかかわる極めて重要な計画であるということは御承知のとおりであります。

 顧みれば、本計画は、二〇〇三年(平成十五年)十月に法制定後初めて策定され、その後二〇〇七年(平成十九年)三月の第一次、二〇一〇年(平成二十二年)六月の第二次と、エネルギーをめぐる環境変化などを踏まえ、三年ごとに改定されてきたわけでありますが、現在の計画は、今から約三年前、前政権下において改定されたものでありました。

 当時、地球温暖化問題への関心の高まりを踏まえ、原子力のさらなる新増設を含む政策総動員により、二〇三〇年に向けて、現状三八%の自主エネルギー比率を約七〇%に拡大させるとともに、エネルギー起源CO2の三〇%削減を目標として定めました。その目標実現のための取り組みとして、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の充実や、石炭火力発電の効率化に加え、特に期待されていたものが原子力発電であり、二〇二〇年までに九基、二〇三〇年までに少なくとも十四基以上の新増設をすることとし、設備稼働率を九〇%と見込んでおりました。

 しかし、二〇一一年(平成二十三年)三月十一日発生の東京電力福島第一原発事故を受け、翌年九月には、原発に依存しない社会の一日も早い実現、グリーンエネルギー革命の実現、エネルギーの安定供給という三本の柱を掲げ、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入することとした革新的エネルギー・環境戦略をまとめ、エネルギー・原子力政策の大転換を行いました。

 このエネルギー・環境戦略については、昨年秋、私ども県議会に対しても国から説明が行われ、県議会原子力・エネルギー対策特別委員会の審議も経たところであります。戦略が決定された翌日、当時の経済産業大臣が、三村知事との会談で、設置許可の出ている原発は変更しないと述べられ、現在建設中の原発については新増設とみなさず、建設継続を認める考えを示したほか、二〇三〇年代に原子力発電所の稼働ゼロを打ち出す一方で、核燃料のサイクル事業は維持する、最終的には閣議決定が見送られるといった、私どものみならず、多くの方々が指摘したように、記述内容やその位置づけに曖昧な点が多く、当時の政府の一貫性のなさに国民が翻弄され、混乱を招いたと感ずるところでもあります。

 さて、私ども自民党のエネルギー政策に関する基本的な考えでありますが、これについては、参議院選挙公約及びJ─ファイル二〇一三総合政策集に政策として最新のものを掲げております。その主なるものを述べますと、資源小国から資源大国へ転換させ、地球規模での安全・安心なエネルギー供給体制の普及拡大に貢献する。我が国のエネルギー安全保障上、資源エネルギーの多様で多角的な供給構造を確立する。今後三年間、再生可能エネルギーの最大限の導入促進を行う。海洋産業を育成し、自国経済水域内の天然ガス等の探査、技術開発、利用の促進を集中的に行う。省エネ、再エネ、蓄電池、燃料電池等を生かした分散型エネルギーシステムの普及拡大を図るとともに、世界最高水準のスマートコミュニティーや原子力技術等のインフラ輸出の支援体制を強化。二〇二〇年に約二十六兆円──現状八兆円でありますが、この内外のエネルギー関連市場を獲得することを目指す。これまでのエネルギー政策をゼロベースで見直し、電力システム改革を断行する。原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねる。その上で、国が責任を持って、安全と判断された原発の再稼働については、地元自治体の理解が得られるよう最大限の努力をする。次世代への責任を果たすべく、高レベル放射性廃棄物の大幅な有害期間の短縮、毒性の低減化の研究開発を加速させるなどなどが挙げられます。

 また、核燃料サイクルについては、エネルギー政策の基本的な方向性の議論を踏まえ、今後のあり方について慎重に見きわめるとしております。

 一方、自民党政権下におけるエネルギー政策を取り巻く動きでありますが、本年一月二十五日、第三回日本経済再生本部において、安部総理は、前政権のエネルギー環境戦略をゼロベースで見直し、エネルギーの安定供給、エネルギーコストの低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築するよう経済産業大臣に指示したほか、本年二月二十八日、衆議院本会議での第百八十三回通常国会における総理の施政方針演説において、エネルギーの安定供給とエネルギーの低減に向けて責任あるエネルギー政策を構築する。東京電力福島第一原発の反省に立ち、原子力規制委員会のもとで、妥協することなく、安全性を高める新たな安全文化をつくり上げる。その上で、安全が確認された原発は再稼働する。省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、できる限り原発依存度を低減させていく。同時に、電力システムの根本的な改革にも着手すると明言されました。

 東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故は、被害の甚大さによって、我が国だけではなく、全世界に放射能の脅威を示すこととなりました。これまで原子力政策を推進してきた政府・与党は、このような事故を引き起こしたことに対する深い反省のもと、本格的な収束に向けて全力を尽くすとともに、事故原因の究明にも徹底的に取り組むことが最優先に求められます。

 その上で、今後のエネルギー政策の根本に安全第一主義を据え、原子力政策への信頼を取り戻すべく、誠心誠意取り組まなければなりません。

 人類は、地球環境問題、資源需給の逼迫など、かつて経験したことのない課題に直面し、これらは全てエネルギー問題に集約されるとも考えられます。エネルギーは非常に広い範囲にまたがり、さまざまな利害関係が交錯する中にあって、東日本大震災、そして原発事故という国家、国民にとって最大のピンチを迎えた今、この局面だからこそ、冷静に、客観的に、科学的に、体系的に議論を積み重ね、その方向性を導くことが必要と考えます。

 国家の根幹にかかわるエネルギー政策がゆがめられれば、多くの国民が不利益をこうむるだけとも言えます。と同時に、原子力施設に関する国の政策は、立地県、市町村を初め、地元住民の皆様の協力なしには成り立たないものです。このような国策への協力に当たって、立地地域の首長を初め、関係者の方々、そして歴代の県議会の諸先輩がどれほどの苦渋の決断のもとに推し進めてきたかということを我々は決して忘れてはなりません。

 知事がよく述べられる、国においては立地地域との協力関係を踏まえ、中長期的な方針を不透明にすることなく、確固たる国家戦略を打ち出していただきたいとの国に対する姿勢は、今後ともぶれることなく堅持していただくことを願いますし、二元代表制の一翼を担う我々県議会においても、県民の意思を最大限把握することに努め、必要に応じ、国に対して毅然とした態度をしっかりと示すとともに、県内エネルギー施設に関する政策決定に対する県民の負託に今後とも応えていかなければならない、このことを改めて認識する次第であります。

 以上の観点からお伺いいたします。

 現在国で行われているエネルギー基本計画の見直しの議論について知事の見解をお伺いいたします。

 また、一昨日でありましたが、核燃料施設等に係る新規制基準も示されたところでありますが、県内原子力施設の今後の見通しが不透明となっていることについて県の見解をお伺いいたします。

 次に、八甲田火山対策についてです。

 八甲田山は、青森市の南側にそびえる複数火山の総称で、日本百名山の一つとされ、十八の成層火山や溶岩円頂丘で構成される火山群であります。標高千五百八十四メートルの大岳のほか、田茂萢岳、赤倉岳、高田大岳など、山々がほとんど同じ高さで並んでおり、春はスキー、夏は山歩き、秋は紅葉、そして冬は温泉と、一年を通じ多くの県民や観光客にとって憩いの場であり、見事な自然景観を有しております。

 反面、明治三十五年に二百十名中百九十九名が遭難した八甲田山雪中行軍遭難、近年においても火山ガスによる死亡事故が発生するなど、自然、火山活動による脅威を忘れることはできません。

 その八甲田山で、東日本大震災後に火山性地震がふえているとの報道に、多くの県民は驚いたものと思われます。気象庁によれば、すぐに噴火につながるわけではないとのことでありますが、震災後、地震活動が活発化した火山は少なくないだけに、多くの県民や県内外観光客、旅館、ホテル等の観光業者の安心・安全を守るため、万全の防災対策を講ずることが求められます。

 そこで、東北地方太平洋沖地震以降、八甲田山周辺を震源とする地震が増加していると報じられるが、火山活動の状況と県の対応について。

 八甲田山火山防災協議会におけるこれまでの検討内容と、火山災害予想区域図の作成などの今後の対応についてお伺いいたします。

 次に、国民保護共同実動訓練についてであります。

 二〇〇一年九月、世界貿易センタービルへの航空機突入、二〇〇四年三月、スペイン列車爆破テロ、二〇〇五年七月、イギリスにおける同時多発爆発テロ、我が国を取り巻く安全保障環境については、冷戦終結後、本格的な侵略事態の可能性は低下しているものの、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威や平和と安全に影響を与える多様な事態への対応が差し迫った課題と言われております。

 こうした状況も踏まえ、我が国に対する外部からの武力攻撃に際し、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な法制を整備することは、国として当然の責務であるとの観点から、平成十五年六月に武力攻撃事態対処法が成立し、さらにその法律を受けて、翌平成十六年六月には国民保護法が成立し、武力攻撃事態対処法と相まって、国全体として万全の体制を整備し、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するための基本的な法制が整備されました。

 武力攻撃事態等のように、突然発生する事態に際して的確かつ迅速に国民保護のための措置を実施するためには、平素から十分に訓練をしていくことが重要であり、国民保護法第四十二条においても、訓練の実施について規定をされております。

 このことから、政府では、地方公共団体等と連携して、国民保護に関する図上訓練及び実動訓練を実施していると認識しております。外部からの武力攻撃やテロなどが万が一青森県で起こったらどうするのかと言われましても、県民の多くは現実の問題として考えることは困難でありますが、去る十一月七日に弘前市で実施された国民保護共同実動訓練によって、このような事態への必要な備えの大切さを参加県民のお一人お一人が実感されたものと思われ、県は、今後とも、国、関係機関と連携しつつ、より多くの県民理解を図ることが求められます。

 以下、お伺いいたします。

 十一月七日に実施した国民保護共同実動訓練の概要及び主な特徴について。

 今回の国民保護共同実動訓練の実施を通じてどのような成果が得られたかについてお伺いいたします。

 次に、データセンターの立地推進についてであります。

 青森県では、本県におけるデータセンターの立地推進と関連産業の育成に二〇一〇年度から本格的に着手したところでございますが、昨年度には、青森県のデータセンター立地アセスメント調査を実施することで、本県ならではの立地優位性をさまざまな項目において見出し、立地推進のために活用しているものと認識しております。

 また、佐々木副知事は、青森県CIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)という役職をお持ちのようでありますが、先月東京ビッグサイトで開催されたITpro EXPO二〇一三で、青森県の立地優位性をプレゼンテーションし、本県へのデータセンター立地を呼びかけたと伺っております。

 青森県のみならず、地方自治体のデータセンターの誘致活動が活発化する中で、岡山県や北海道は既に誘致につなげたとされ、岡山県では年間最大二千五百万円を三年間補助する制度、北海道石狩市では固定資産税を五年間免除する措置を設けたことが誘致に成功する要因の一つになったと報じられております。

 青森県におけるデータセンター立地の取り組みも四年目を迎えておりますが、これまでの取り組みの成果が実を結ぶことを期待するところであります。

 以下、お伺いいたします。

 データセンター立地に向けたこれまでの取り組みについて。

 立地アセスメントの調査結果について。

 今年度のデータセンター立地に向けた取り組みについて。

 データセンター立地に特化した支援制度を創設すべきと考えますが、県の見解をそれぞれお伺いするものであります。

 次に、総合販売戦略の推進についてであります。

 消費者が求める安全・安心で良質な農林水産物を生産し、強力に売り込んでいく販売重視の攻めの農林水産業の展開は、今やアベノミクスにおける農林水産業の成長戦略へも大きな影響を与えるなど、三村県政における看板政策の一つと言えます。

 来年度からスタートさせる本県の新たな攻めの農林水産を加速させていくためにも、本施策の中核をなす総合販売戦略の推進は、青森産品の消費者、流通業者、生産者、製造者を初め、多くの県民の願いとも言えることから、新たなステージアップを目指すことが求められます。

 以下、お伺いいたします。

 これまでの総合販売戦略による成果と次期戦略の基本的な考え方について。

 インターネットを初めとする通信販売がますます成長しているが、県は、この市場にどのように対応していくのか。

 高齢化が進行しているが、県は福祉分野での地産地消についてどのように取り組んでいくのか、それぞれお伺いするものであります。

 最後になりますが、県営住宅の整備についてであります。

 青森県内には、現在、八市に三十五団地、約五千五百戸の県営住宅を有しており、県営住宅に関しては、広域的な需給のバランスに基づく住宅セーフティーネットとしての役割が期待されるところであり、県では、これまで県営住宅ストックの計画的な活用、維持管理に努められてきたものと思われます。

 住宅の入居率は高水準で推移しているようでありますが、今後の人口減少社会や高齢化社会への適切な対応も含め、厳しい財政状況下においても、更新期を迎えつつある老朽化した県営住宅ストックの効率的かつ円滑な更新を行うことが求められます。青森市内の県営住宅については、計九団地、約二千百戸ございますが、昭和四十七年に整備された小柳団地が他の県営住宅に優先して建てかえを行うこととされ、平成二十四年度から事業着手し、平成三十三年度までに整備予定とされております。

 しかし、小柳団地より古い幸畑団地、桜川団地を初めとする他の県営住宅については、現時点でどのような整備がなされるのか示されてはおりません。

 そこでお伺いいたします。

 青森県県営住宅等長寿命化計画の目的と概要について。

 青森市内の県営住宅の現況と今後の整備の考え方についてお伺いし、壇上からの質問とします。

 

◯議長(西谷 洌) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えします。

 まず、私からは、現在国で行われておりますエネルギー基本計画見直し議論についての見解でございます。

 国における今後のエネルギー政策の検討に当たりましては、国家安全保障、地球温暖化への対応、国民生活と産業経済への影響、国際貢献等の観点から、短期、中長期それぞれの時間軸というものをしっかりと踏まえ、現実的な議論を行いますとともに、エネルギーのベストミックスの確立に向けて確固たる国家戦略を明確に打ち出していただきたいと、私としてもそう考えるところでございます。

 続きまして、国民保護共同実動訓練の実施を通じての成果でございます。

 今回の国民保護共同実動訓練は、私ども青森県においては初めての国と共同での実動訓練でございましたが、各消防本部、警察、自衛隊、医療機関、そして被災者役の皆様方、多くの方々の御協力により、救出、救助や医療救護、そして避難所運営等、まさに実戦さながらの真に迫った訓練を行うことができたと考えているところであります。

 テロ等の緊急対処事態が発生した場合には、迅速な初動体制の確立と的確な応急対策の実施が何よりも重要でございます。市町村だけでなく、防災関係機関と連携して、この応急対策や情報収集を実施できるよう、平時から連携体制の強化に向けた取り組みを推進することが不可欠と考えております。

 このため、今回の訓練やその準備を通じまして、国や市町村との連携や、消防、警察、自衛隊、医療機関等との連携を大いに深めることができましたことは大変に有益であったと考えております。非常に多くの成果が得られた訓練だったとも感じておる次第でございます。

 また、今回の訓練におきましては、その実施状況について有識者の方々による客観的な評価をいただいたところでもございます。評価結果につきましては本年度末に取りまとめられる予定でございまして、この評価結果を今後の連携体制の強化ということに生かしてまいりたいと考えているところでございます。

 総合販売戦略のこれまでの成果と次期戦略の基本的考え方でございます。

 私は、知事に就任いたしました十年前、本県の農林水産業が全国に誇れるすぐれた産品を生産していながら、それが必ずしも商品としての価格や生産者の所得向上に結びついていなかった現状を何としても変えたいと、その強い思いで総合販売戦略を策定し、攻めの農林水産業を展開してきたわけであります。

 この十年間の取り組みにより、まずは顧客ありきという意識改革が関係者に着実に浸透したほか、県内各地で販売を重視した取り組みが広がったこと、そして、トップセールスを初めとする地道な販売促進活動により信頼できる多くのビジネスパートナーを得ましたことは大きな財産であると受けとめております。

 また、平成二十四年度の大手量販店との取引額は、約二百五十億円と平成十八年の一・六倍に拡大しましたほか、農業産出額は、販売農家数が減少する中にあって、八年連続で東北第一位を堅持し、この十年間の伸び率も全国トップを確保いたしております。

 次期青森県総合販売戦略では、この十年間で培った多くの方々の人脈、ネットワークという宝を生かし、信頼、人のつながりに支えられた売れる仕組みづくりをキーワードに、これまでの実績を継承しながら、商品価値を高めるブランド力の強化、農商工連携による付加価値の高い商品づくり、産地と連動した国内外市場の新たな販路開拓、さらなる県産品の愛用に向けた地産地消の推進などを施策の柱として展開していきたいと考えております。

 私からは以上です。

 

◯議長(西谷 洌) 佐々木副知事。

 

◯副知事(佐々木郁夫) データセンター立地に向けた今年度の取り組みについてお答えいたします。

 東日本大震災以降、防災対策や事業継続性の観点から、現在首都圏に集中しているデータセンターについて、地方分散の必要性が高まっております。

 本県は、冷涼な気候や低い災害リスクなど、データセンターに関する立地優位性を有していることから、平成二十四年度には立地アセスメント調査を実施し、明確な根拠を示したところです。

 県では、これらの調査結果を踏まえ、本年二月に東京においてフォーラムを開催し、データセンターを地方分散するよう、その際、特に青森が適地であることを知事みずから強力に訴えたところです。

 また、今年度は、首都圏データセンター事業者を招き、県内の立地候補地視察会を行い、あわせて県内IT事業者との交流会を開催したほか、技術者の育成や県内のIT事業者によるデータセンター活用研究を行うなど、データセンターの受け入れ体制の整備にも取り組んでおります。

 また、十月には、首都圏において開催された国際展示会において、本県データセンターの立地優位性についてプレゼンテーションを行ったところでもあります。

 今後は、これまでのPR活動で関心を示した首都圏の事業者のみならず、県内のIT事業者も含めたデータセンターの立地推進、そして本県情報産業の振興に向け、積極的に取り組んでまいります。

 

◯議長(西谷 洌) 行政改革・危機管理監。

 

◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 御質問三点にお答えします。

 初めに、八甲田山の火山活動の状況と県の対応についてです。

 八甲田山については、六月に開催された火山噴火予知連絡会において、本年二月以降、山頂付近が震源と考えられる火山性地震が散発的に発生していること、小さな膨張性の地殻変動が見られること、現在は表面現象に変化は見られないが、今後の火山活動の推移に注意することとの報告がなされたところです。

 また、十月二十二日に開催された同連絡会では、七月下旬以降、地震回数はやや減少し、発生した地震の規模も小さくなっているものの、引き続き今後の火山活動の推移に注意が必要との報告がなされました。

 現状では、八甲田山の火山活動は切迫した状況ではないと認識していますが、火山活動が平常の段階から早期に防災対策を検討するため、国の防災基本計画及び県の地域防災計画に基づき、去る九月六日に国、県、市等の関係機関と学識経験者で構成する八甲田山火山防災協議会を立ち上げたところです。

 次に、八甲田山火山防災協議会におけるこれまでの検討内容と今後の対応についてです。

 八甲田山火山防災協議会については、これまでに三回開催しており、気象庁が策定した噴火警報等の発表基準と、それに基づき県が策定した道路の通行規制、登山道入山規制及び青森市が策定した避難指示の発表基準などの具体的な防災対応について検討し、構成員の了解を得たところです。

 また、県では、火山災害予想区域図作成業務を発注しており、今後の協議会において検討し、年度内を目途に構成員の了解をいただくとともに、既に策定している噴火警報等の発表基準についても、必要に応じて見直しを行っていくこととしております。

 今後も、同協議会において的確な防災対策を検討するとともに、旅館、ホテル等の観光事業者や観光客等への適切な情報提供を行うことにより八甲田山の防災対策に万全を期してまいります。

 次に、十一月七日に実施した国民保護共同実動訓練の概要及び主な特徴についてです。

 十一月七日に実施しました国との国民保護共同実動訓練は、本県においては初めての実動での共同訓練であり、イベント開催中の弘前市運動公園において放射性物質を含んだ爆発物が爆発し、多数の死傷者が発生したという想定で訓練を実施いたしました。

 今回の訓練の主な特徴としては、一つは、寒さに配慮した被災者の救助、二つには、広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)の設置運営の二点が挙げられます。

 まず、一点目の寒さに配慮した被災者の救助という特徴ですが、寒さが厳しいという本県の地域特性に合わせて、通常は発災現場である屋外で実施する被災者の応急救護等について、屋外ではなく、屋内の青森県武道館で実施しました。

 二点目としては、国民保護共同実動訓練においては、全国で初めて広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)の設置運営訓練を行いました。これは、県内の医療機関での治療が困難と判断された内部被曝が強く疑われる患者をヘリにより青森空港に搬送した上で自衛隊の輸送機により他県の医療機関へ搬送するというものであり、空港を利用した県境をまたぐ医療搬送について、その手順等を実動により確認したところです。

 

◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。

 

◯商工労働部長(馬場良夫) データセンターの立地推進に係る三点についてお答えいたします。

 まず、立地に向けたこれまでの取り組みについてでございます。

 県では、データセンターの誘致促進に向け、これまで大規模展示会への出展や立地候補地の視察会の実施等の取り組みを進めてきたところでございます。

 むつ小川原開発地区におきましては、平成二十四年一月から二十五年二月まで、日本初の風力発電を活用したコンテナ型データセンターを稼働させ、クリーンエネルギーの利用と外気冷房による通年稼働が可能であることを実証いたしました。

 また、首都圏におきましては、寒冷地型データセンターの立地とデータセンターの地方分散の必要性を訴える「青森県からの提言!日本再生に向けたIT戦略フォーラム」を本年二月に開催いたしましたほか、十月には大規模展示会のオープンセミナーにおいて本県の立地優位性をPRしてきたところでございます。

 さらに、データセンター事業者との交流会や視察会の開催、事業化をテーマとした技術者育成研修を実施いたしますとともに、県内にデータセンターが立地された場合の活用研究など、受け入れ体制の整備についても取り組んできたところでございます。

 次に、立地アセスメントの調査結果についてでございます。

 平成二十四年度のデータセンターの立地アセスメント調査では、県内二十二の工業団地等を対象として、災害の少なさ、気象条件、地盤の固さ、交通アクセス、インフラ、公的支援等、計五十六項目についてのアンケートやヒアリング調査を実施し、データセンター関連技術者で構成いたしましたワーキンググループにおける調査結果の評価、さらにはデータセンター事業者へのヒアリング等を行いました。

 その結果、青森県の冷涼な気候等がデータセンターの立地に優位であることが明確になり、中でも、交通アクセスや住環境面で優位性のある青森中核工業団地と公的支援が手厚いむつ小川原開発地区の二地区がデータセンターの適地であることが明らかになりました。

 県では、この調査結果により得られました本県の立地優位性をもとに、データセンターの立地推進に向けて取り組んでいるところでございます。

 次に、データセンター立地に特化した支援制度を創設すべきであるがということについてでございます。

 県では、データセンターの立地に際しては、青森県産業立地促進費補助金の対象業種として情報通信関連業種を含めるなど支援措置を講じてきたところでございます。

 また、データセンターが立地した場合の円滑な運用のためには、県内事業者、特に県内IT事業者等のサービス利用や技術協力を得るなどの連携が必要であると考えております。

 このため、データセンター立地候補地の視察会で招きましたデータセンター事業者と県内IT事業者との交流会を開催いたしますとともに、県内IT事業者等によるデータセンターの共同利用を含めた活用方法を検討する場を設けるなどの支援を行っているところでございます。

 今後とも、データセンターの立地推進を図るためにはどのような支援策が有効であるかを関係団体等と連携しながら検討してまいりたいと考えております。

 

◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(一戸治孝) 御質問二点にお答えいたします。

 まず、インターネットを初めとする成長する通信販売市場への対応についてです。

 国内における通信販売市場は、二〇一二年で五・四兆円であり、二〇〇三年の二・七兆円に比べ約二倍に伸びており、百貨店市場の六兆円に並ぶ規模となっています。

 通信販売市場は今後も成長が見込める市場であることから、県では、今年度から通信販売分野への取り組みを強化することとし、民間事業者が実施する県産品の高品質を重視した通信販売業態のモデルとなる製品開発やPR等に支援しているところです。

 また、次期青森県総合販売戦略では、通信販売市場を成長分野と位置づけ、販路開拓を強力に進めることとしており、価格競争に左右されない通販用商品の開発や、品質重視の販売サイトを運営する事業者等との連携による、限定感やこだわり感のある商品づくりなどに取り組んでいくこととしています。

 次に、高齢化が進行している中での福祉分野における地産地消についてです。

 県内においても高齢化が進展する中にあって、広く福祉分野での安全・安心な県産品や、それらを使用した中間加工品を含めた食材の利用拡大を図ることは、地産地消の推進のみならず、元気な高齢者をふやしていく健康長寿にも大きく貢献できるものと考えています。

 このため、県では、生産者、流通事業者などと社会福祉施設関係者の情報交換の場を設け、地元食材の供給体制の構築に取り組むほか、県内の食品製造事業者と福祉施設の栄養士とのマッチングなどを実施し、高齢者を初め、広く福祉分野での地産地消を推進してまいります。

 以上であります。

 

◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(横森源治) 県営住宅の整備に関する御質問二件についてお答えいたします。

 まず、青森県県営住宅等長寿命化計画の目的と概要についてであります。

 本県の県営住宅につきましては、今後、昭和四十年代後半から五十年代にかけて整備した大量のストックが老朽化することから、これらを長期にわたり有効活用することにより更新コストの削減と事業量の平準化を図ることを目的とし、青森県県営住宅等長寿命化計画を平成二十三年度に策定したところでございます。

 本計画は、建設時期、改善履歴、土地の高度利用の可能性、生活利便性や応募倍率等を踏まえ、団地別、住棟別に改善、修繕、建てかえ等の活用手法を計画的に定めたもので、計画期間は平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間としております。

 次に、青森市内の県営住宅の現況と今後の整備の考え方についてであります。

 青森市内には、野木和、幸畑、桜川、小柳、平和台、浜館、南桜川、戸山及びベイサイド柳川の計九団地があり、二千百三十六戸を管理しております。

 現在、県営住宅の整備につきましては、青森県県営住宅等長寿命化計画に従って必要な改善工事や建てかえ工事を計画的に行っており、今年度、小柳団地の建てかえ工事に着手したところでございます。

 青森市内には、小柳団地のほかにも老朽化したストックが相当数ありますが、これら小柳団地以外の県営住宅につきましては、長寿命化計画に従って、屋根のふきかえや外壁改修等の改善及び給湯器の更新や配水管洗浄等の修繕を行うこととしております。

 なお、長寿命化計画は、おおむね五年ごとに社会経済情勢の変化等を踏まえて見直すこととしております。

 以上です。

 

◯議長(西谷 洌) エネルギー総合対策局長。

 

◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 県内原子力施設の今後の見通しが不透明となっていることについてお答えします。

 東通原子力発電所の再稼働や六ヶ所再処理施設の竣工など、県内原子力施設の今後の見通しについては、何よりも安全の確保が第一であり、原子力規制委員会による新規制基準への適合確認が前提になると考えています。

 原子力規制委員会においては、これまでの安全審査等の経緯をも十分踏まえ、科学的・技術的知見に基づいた審査を厳格かつ迅速に進めていただきたいと考えています。

 県としては、原子力施設の安全性向上と信頼回復に向けた国の対応を注視しつつ、関係道県とも連携して適切に対処していきたいと考えています。

 

◯議長(西谷 洌) 高橋議員。

 

◯十四番(高橋修一) 御答弁いただきましてまことにありがとうございました。

 質問した全ての項目について、県民にその成果を実感していただけるように万全の対策を講じていただくことを願います。そのことを強くお願いしまして、終わります。