2010年12月03日:平成22年文教公安委員会 本文

◯高樋委員長

 本請願について御意見等はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 「公立教育を一層充実させるための請願書」についてでありますが、今、県においては、青森県行財政改革大綱に基づく財政健全化に向けた取り組みを進めています。このような厳しい財政状況下にあっても、県教育委員会では、独自の少人数学級編制の実施を初め、特別支援学校高等部への進学希望者の増加に対応した高等部の整備、また、高等学校においては、平成20年度に策定されました県立高等学校教育改革第3次実施計画に沿った具体的な取り組みが進められている段階にあります。

 このような中、国の責任において実施すべき事項につきましては、請願内容を理解しないわけではありませんが、しかしながら、文部科学省がことし8月に発表した標準児童生徒数を引き下げるなどの少人数学級、この推進を柱とする「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」の動向など、国の施策の方向性を見きわめる必要があること、また、現在の県の方向性とは意見が異なる部分があることから、本請願につきましては現時点では不採択とすべきと考えます。

 以上であります。

 


◯高樋委員長

 ほかに質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 犯罪抑止対策の現状等について、私からお伺いをいたします。

 先月でありましたが、当委員会の県外調査で、沖縄に行ってまいりました。沖縄県警を訪問させていただいて、犯罪抑止対策の現状等について沖縄県警の取り組みを聞いてきたわけであります。

 沖縄県では、ちゅらさん運動という、沖縄の方言で「ちゅら」というのは美しいとか清らかという意味だそうでありまして、「ちゅら人づくり」、「ちゅらまちづくり」、「ちゅらゆいづくり」という3つの、そういう名称で、県警はもちろん、知事部局、また、教育庁も含めて連携して、沖縄県ならではのさまざまな取り組みをしているということでありました。この中には、沖縄の、地元の方なんでしょうね、イメージソングをつくったり、あるいはロゴのバッジというんですか、ロゴマークが入ったピンバッジみたいなものをつくって、広報活動にもかなり力を入れているようであります。そういったことで、さまざまな対策によって犯罪の件数そのものも近年かなり減少しているということでありました。

 そこで、本県の刑法犯認知件数の推移についてまずお伺いをいたします。

 

 

◯嶋山生活安全部長

 御質問にお答えいたします。

 本県の刑法犯認知件数は、平成14年に1万9,202件と、戦後最悪の数値を記録をしてございます。その後、7年連続で減少し、昨年には9,987件と、平成14年の約半数にまで抑え込んだところでございます。

 本年10月末現在では8,416件で、前年同期と比べマイナス114件、マイナス1.3%と、わずかではありますが、減少傾向を示しているところであります。

 なお、本年につきましては、自転車盗が2,021件で、前年同期と比べ192件の増加、万引きが1,326件で27件の増加となっており、この2罪種が刑法犯認知件数の約4割と件数を押し上げている状況にございます。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 本県においても、今、刑法犯認知件数が7年連続で減少と。半数まで減っているということでありましたけれども、犯罪抑止対策としての本県の取り組みの状況、加えまして今後の方針等について御答弁をお願いします。

 

 

◯嶋山生活安全部長

 御質問にお答えいたします。

 犯罪抑止対策の取り組み状況でありますけれども、県民の皆様方に不安を与え、件数をふやしている自転車盗、車上ねらいという街頭犯罪や万引きの抑止対策に力を入れて取り組んでおり、具体的には、発生が予想される時間帯・地域における警察官と自主防犯ボランティアの方々と連携した街頭警戒活動、あらゆる広報媒体を活用した県民の皆様方の自主防犯意識を喚起するための地域安全情報の提供、防犯指導のための声がけや不審者に対する職務質問などを推進しております。

 個々の罪種ごとの抑止対策といたしましては、約7割が無施錠である自転車盗と住宅対象侵入窃盗の被害防止のための施錠やツーロックを促す広報活動、乗り物盗難、車上ねらい、器物損壊が予想される施設管理者等に対する自主パトロール実施の働きかけ、それから、店舗管理者による万引きできない環境づくりの促進などの対策に取り組んでおります。

 また、住宅防犯チェックシートの作成や住宅防犯講習会の開催等を柱とする住宅防犯対策・我がまちセーフティーアップ事業、スーパーやコンビニ等に対して万引き被害防止啓発指導者「マンボウマイスター」を委嘱して自主防犯対策を促進するなどの万引き抑止総合対策事業も推進しております。

 今後は、これまでの抑止対策の効果を検証しながら、引き続き、街頭犯罪、侵入犯罪、万引きの抑止対策を強化するとともに、子供や女性を対象とする性犯罪や不審な声かけ等の警戒・防止活動、手口が悪質・巧妙化している振り込め詐欺の抑止活動等についても一層強化していくこととしております。

 また、あらゆる年代の方々、防犯ボランティア、職域防犯団体の皆様方に地域安全情報が行き届くようなきめ細かな情報ネットワークの構築、犯罪を許さない、見逃さないという機運の醸成、地域の自主防犯機能の強化、社会全体の規範意識を高め、きずなを深めるような広報活動等についても積極的に展開していきたいと考えております。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 御答弁ありがとうございました。

 犯罪の検挙のほうは当然でありますけれども、この犯罪を未然に防止する、抑止するという部分は検挙以上に重要な面があろうかと思いますので、引き続き、県民が安全に、また安心して暮らせる社会を実現するために頑張っていただきたいと。

 個人的には、犯罪の抑止対策で一番大事なのは、私は景気対策でもあろうかと思うんですよ。なので、そういった一面もありますけれども、県警だけでなくて、知事部局あるいは教育庁とも連携を今後ともとりながらこのことに全力で取り組んでいただきたいと、そのように思います。

 終わります。