2010年11月30日:平成22年第264回定例会(第3号)   本文

◯議長(長尾忠行) 休憩前に引き続いて会議を開きます。

 一般質問を続行いたします。

 二番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯二番(高橋修一) 自民党の高橋修一です。

 青森県の未来を切り開く、昨日、三村知事がこの壇上で発した言葉であります。来年六月の知事選、三選を目指し、出馬することを表明なされたわけでありますが、青森県の未来を切り開く、この言葉に三村知事の確固たる信念と並々ならぬ決意を感じ取りました。三村県政の三期目、来年の六月、私もこの議場において再び三村知事との論戦に臨めるよう努力してまいりたい、そのように思います。

 それでは、通告の順に従いまして、質問をしてまいります。

 初めに、県内中小企業の振興施策及び雇用対策の推進についてであります。

 日本経済は、言うまでもなく、がたがたであります。海外との熾烈な経済競争の中にあってどうやって日本経済が生き残っていくかが問われております。経済を立て直さなければ我が国に未来はありません。これは青森県も全く同じであります。我が県の地域経済を立て直さなければ青森県の未来は切り開けません。県内経済の担い手となる中小企業者、とりわけ小規模企業者の苦悩を目の当たりにすれば、おのずとその思いは増すばかりであります。

 平成十九年十二月、青森県中小企業振興基本条例が議員提案によって全会一致で可決されました。青森県の条例制定後、奈良県、徳島県、沖縄県、神奈川県などが相次いで同趣旨の条例を策定し、現在では、県レベルの条例制定は、全国で十五の道府県に広がっております。

 条例制定後三年がたち、今問われますことは、条例そのものが持つ基本理念をいかに政策に反映、展開していくか、本県独自の中小企業施策をどのように打ち出して展開していくかに尽きると考えるわけであります。

 同条例においては、中小企業の振興は、中小企業者の自主的な努力と創意工夫を尊重すること、そして豊富な人材、多様な技術、豊かな自然、県内の各地域が有する資源の持続的な活用を図ることにより推進されることが必要であることを基本理念として定めるとともに、県の責務等を明らかにいたしました。

 効果的な融資制度の充実等による中小企業に対する資金の供給の円滑化、中小企業の受注能力の向上及び受注機会の増大など、本県の中小企業の振興に関する施策の基本となる事項を定め、その施策を総合的に推進し、本県経済の健全な発展、雇用の場の創出及び県民生活の安定向上に寄与することを目的といたしました。

 そこでお伺いするわけでありますが、一点目として、青森県中小企業振興基本条例の趣旨を踏まえて、県ではどのように取り組んできたのか。また、今後、どのように取り組んでいくのかをお伺いするものであります。

 二点目として、依然として厳しい県内の景気状況において、年末や年度末の運転資金がかさむ時期をこれから控える中にあって、中小企業経営者の方々は、果たして自分の企業が持ちこたえることができるのかという切実な不安をお持ちのはずであります。中小企業の金融対策は、県内中小企業の現状を踏まえれば、県の予算の柔軟な運用、加えて、県予算の積極的な発動等によって県独自の対策を講じる必要があります。

 そこで、年末、年度末の資金需要期を控えて、県内中小企業金融円滑化にどのように取り組んでいくのかをお伺いするものであります。

 また、雇用情勢も、新卒から中高年、障害者雇用も含め、各年代にわたり極めて厳しい環境にあるわけでありまして、やはりこれもまた、国の雇用施策の活用を図りながらも、それはそれとして、本県独自の、本県ならではの雇用促進に真摯に対応せねばなりません。

 このことから、三点目として、青森県独自の雇用対策として県ではどのように取り組んでいかれるのかをお伺いするものであります。

 次に、道路行政について、(一)として、道路ネットワークの整備促進についてお伺いいたします。

 コンクリートから人へ、昨年の総選挙時、民主党がマニフェストに掲げられたキャッチコピーであります。私にはいまだにこの意味がわかりません。とはいえ、さすがに民主党政権も思うところがあったのか、ことしの夏の参院選の民主党マニフェストでは、このキャッチコピーは削除されました。

 参院選は、七月十一日が投票日でありましたが、その四日前の七月七日、参院選の真っ最中に埼玉県内で興味深い講演が開かれました。演題は、コンクリートから人へではなく、その逆の人からコンクリートへだそうで、これはわずかではありますが、マスコミにも取り上げられ、話題となりました。講演の講師は、建築家の安藤忠雄さん。安藤忠雄さんといえば、コンクリート建築における世界的な権威であり、身近なところでは、青森市の国際芸術センター青森の設計があり、確かにこの建物もコンクリート打ちっ放しが特徴的であります。この講演の主催団体は、日本コンクリート工業協会という団体でありまして、当日は二千名もの方が詰めかけ、大盛況だったとのことであります。

 民主党の参院選マニフェストでコンクリートから人へは削除されたものの、それをもって政策転換したと早合点してはいけません。

 今月二十二日、高規格道路建設及び道路整備促進青森県総決起大会が開催され、私も出席いたしました。同大会の決議の一番目に掲げられたのが「県民のいのちと生活を守るため、真に必要な道路整備の予算を、国・地方分ともに確保すること」です。つまりは、コンクリートは県民の命を守るということであり、政権がかわろうがかわるまいが、本県の道路ネットワークの絶対的なおくれは喫緊の課題でありまして、その政策優先度は本県にとって極めて高いはずであります。

 このことから、一点目として、主要幹線道路ネットワークの早期構築に向けた県の考え方についてお伺いするものであります。

 高速道路無料化社会実験が六月二十八日から行われました。本政策の一定の効果は理解しないわけでもありません。しかし、東北縦貫自動車道八戸線など、いまだに整備計画すら定まっていない状況下においては、高速道路無料化が本県道路整備に及ばず、マイナスの影響が懸念されるわけであります。このことから、高速道路無料化社会実験に対する県の評価についてお伺いするものであります。

 加えて、現在、国が創設を検討している一括交付金による本県の道路整備への影響についてお伺いするものであります。

 次に、道路行政について(二)として有料道路経営改革の取り組みについてお伺いいたします。

 一点目として、本年一月でありましたが、青森県有料道路経営改革推進会議からこの提言を受けました。その後、五月には青森県道路公社より中期経営プランも示されたわけでありますが、さきの提言を受け、県及び道路公社は有料道路経営改革にどのように取り組むのか、お伺いするものであります。

 二点目として、先ほども述べましたが、高速道路無料化社会実験、これが六月二十八日から始まりましたが、この日以降、青森─浪岡間の車による移動が青森空港有料道路利用から東北自動車道利用へシフトされ、青森空港有料道路の利用台数減や収入金額減につながり、債務償還に影響が及ばないか懸念するところであります。

 そこで、六月二十八日の高速道路無料化社会実験以降の青森空港有料道路の利用台数及び収入金額をお伺いいたします。

 三点目として、東北新幹線全線開業により、青森空港の利用者の減が見込まれ、青森空港有料道路の料金収入が減少するものと思われます。平成二十九年度の料金徴収期間満了に向けて、余りよい材料が見当たらないわけでありますが、青森空港有料道路の無料開放が一体いつになるのか、お伺いするものであります。当然にして、早期の無料開放を求めるものであります。

 次に、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業の取り組みについてであります。

 操車場跡地地区の土地利用は、青森市全体のまちづくり、都市機能再生という観点からも極めて重要な地区となりますが、先月、同事業の実施方針案が示されました。

 そこで、一点目として、低炭素型モデルタウン事業実施方針案についての意見募集の結果及び今後の公募スケジュールについて。

 二点目として、本事業実施に当たっては、地元企業の参入による県内の産業・雇用への効果を最大限享受すべきと考えますが、公募に当たって県はどのように考えているのかをお伺いするものであります。

 次に、青い森鉄道線における新駅の設置についてであります。

 いよいよ東北新幹線全線開業まであと四日。新幹線全線開業は、同時に青い森鉄道のスタートの日となります。この青い森鉄道のマスコットキャラクターの名前はモーリー君です。ちなみに、私どもの自民党副総裁のニックネームもモーリーです。

 青い森鉄道線、極めて厳しい経営環境の中、開業を迎えますが、同路線が将来に向けて安定した運行を続けていくことをだれもが望むところであり、そのためには、地域住民あるいは観光客の視点に立った利便性の高い交通機関としてスタートすることができるよう、万全の対策が講じられる必要があります。

 そこで、一点目として、筒井地区の新駅設置について、整備計画の概要。

 二点目として、筒井地区への新駅整備に当たり、地元青森市との連携、調整の状況はどのようになっているのか。

 三点目として、操車場跡地地区への新駅の整備の見通しについてお伺いするものであります。

 次に、障害者支援施策の推進についてであります。

 政権交代を機に、国連の障害者権利条約の締結に必要な国内法整備を初めとする障害者制度の抜本的な改革に政府は着手しており、このことは一定の評価に値すると考えます。障害者自立支援法の廃止と新たな障害者総合福祉法の制定と認識しておりますが、これに伴って、今後、自治体の障害者施策も大きな変換を迫られると予測されます。障害者制度改革の動向を踏まえるとともに、だれもが暮らしやすい地域づくりを進めるのは自治体の責務であることは明白であります。

 そこで、一点目として、国における障害者自立支援法に係る制度見直しの状況と県の認識について。

 二点目として、障害者支援充実のために県独自にどのような取り組みを実施しているのか。

 三点目として、障害者の雇用促進や就職支援のため、県ではどのような取り組みを行っているのか。それぞれお伺いするものであります。

 次に、新生児聴覚検査についてであります。

 生まれてくる赤ちゃんのうち、耳の聞こえに障害がある赤ちゃんは、両側で千人に一人から二人、片側で千人に二人から三人で、これを合わせれば千人に三人から五人が聴覚に障害を持って生まれてくるということであります。

 しかし、見えない障害である聴覚障害は、重度であれば一歳前後で気づくことができますが、そうでない場合、言葉のおくれなどにより気づくことから支援開始が三歳、あるいはそれ以降になることがしばしばあります。

 聴覚障害は、早期発見、早期支援開始することによってその赤ちゃんの一生涯における障害の影響を最小限に抑えることが可能でありまして、聴覚障害児及びその家族に対して早期に適切な支援が必要であると指摘されております。当然にして、放置しておくと将来の言語発達におくれが生じることとなります。

 平成十三年度から平成十八年度までは、厚労省において新生児の難聴検査を実施する都道府県に対し、検査費用を補助することによって十五都道県、二政令指定都市においてこのモデル事業が実施され、指導機関における早期支援が行われている零歳児も全国的に増加傾向にあったものの、平成十九年度からは地方交付税措置化され、本事業に対する国からの助成はなくなってしまいました。しかし、検査自体の重要性は変わらないことから、都道府県及び市町村は、より多くの医療機関において新生児聴覚検査が実施されるよう推進を図るとともに、検査により把握された要支援児とその保護者に対し、関係機関と連携して適切な指導援助が行われるよう体制整備に努める必要があります。

 県内においては、産婦人科等の医療機関において、新生児聴覚スクリーニング検査が行われておりますが、その実施状況の実態は、各医療機関任せであります。やっている医療機関もあれば、やっていない医療機関もあるということです。

 地域的にも、弘前市はほぼすべての医療機関において検査体制が整っている反面、弘前市以外の他の地域はそうではなく、新生児聴覚検査は、医療機関ごと、そして地域ごとに格差が生じており、まちまちな状態であります。

 聴覚障害の早期発見には、新生児聴覚検査以外に適切な検査の方法がないため、全新生児を対象として聴覚検査を実施することが効果的であり、一方で、新生児期は新たな親子関係を確立していく重要な時期であることから、この時期に障害の可能性を告知することの重大性を十分に認識した上で、要支援児とその保護者に対し適切な指導援助が行われるよう、関係機関が連携して取り組む必要があります。

 そこで、一点目として、新生児聴覚検査の内容及び県内の実施状況について。

 二点目として、検査の実施を県内全域に広げて、すべての新生児が実施できるようにすべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いするものであります。

 最後に、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策についてお伺いいたします。

 私の生まれ育ったところは、陸奥湾沿岸でありまして、住所は青森市の港町です。小さいころから海に親しんでまいりました。

 陸奥湾は母なる海であります。幼いころ、家の裏の浜に遊びに行きますと、そこにはホタテ漁の船がとまり、ホタテの作業場があり、一帯はホタテ加工場が建ち並ぶ。その昔、青森市港町一帯は、水揚げされた後のホタテ独特のにおいが立ち込めていたことが幼いころの思い出であります。もちろん、数ある青森県の水産物の中で、真っ先に思い浮かぶのが陸奥湾のホタテであります。イカでもマグロでもありません。つまり、ホタテイコール青森県、ホタテイコール陸奥湾であります。

 ホタテは貝の王様と呼ばれます。ホタテ特有の甘み、うまみ、これはだれにも好まれ、刺身、貝焼き、なべ物、みそ汁、焼いても、煮ても、生でも、乾燥させても、おいしく、幅広く賞味できます。

 陸奥湾ホタテ漁の歴史をひもときますと、それは苦悩と挫折の連続だったのかもしれません。陸奥湾ホタテの歴史は、平内町にあるほたて広場二階の展示スペースに行けばよくわかります。

 御紹介しますと、昭和の初めころの陸奥湾は、イワシやタラ漁でにぎわったそうであります。特に、網にかかったタラの白子で海が白くなったほどだそうで、このほか、タイやカレイ、アイナメ、カナガシラなどがよくとれ、また、ナマコ漁は江戸時代から盛んでありました。しかし、戦後、タラやイワシは目に見えて減少し、その原因も、とり過ぎによるものか、潮の流れの変化によるものかわかりませんでした。

 そこで、漁民たちは、生活のため出稼ぎに頼らなければならなくなるわけであります。出稼ぎから脱却するため着眼したのがホタテであります。しかし、陸奥湾ホタテ生産量は不安定なものでありました。従来、ホタテの生産地といえば北海道で、昭和九年には北海道だけで九万トンの水揚げ、青森県はわずか百三十トン、自然発生に依存していた時代の陸奥湾のホタテ生産は、おのずと激しい変動の繰り返しで、この変動をなくし、安定した高度の生産を確保することが陸奥湾漁業に携わる者の長い間の悲願でありました。

 この願いがかない、今日のように百億円を超える産業にまで発展した裏には、ホタテ養殖の研究に心血を注がれた山本護太郎博士、ホタテ養殖がまだ雲をつかむような話と思われていた時代に、その必要性を訴え、みずから実践してホタテ養殖の基礎を築いた豊島友太郎氏、ホタテ稚貝の画期的な採取方法を考案した工藤豊作氏等、多くの先人の苦労と不断の努力があったことを忘れてはなりません。ホタテ養殖が軌道に乗り始めたことで、出稼ぎは減少し、漁業者の定住にもつながったわけであります。

 昭和四十五年以来、ホタテ養殖業は飛躍的に発展し、その生産量は、近年では八万トンから十一万トンに達し、百億円規模となり、陸奥湾内漁業者の所得の向上に大きく貢献しております。陸奥湾約十六・六万ヘクタールの沿岸一帯がホタテ漁場になっており、本県海面漁業生産の三分の一を占める主要漁場として多くの恵みをもたらしてきております。

 このように、養殖技術の発達、種苗の量産化、計画生産が可能となり、ホタテ漁業は飛躍的に発展したわけでありますが、私どもは、ホタテ養殖にかけた先人の意志を引き継ぎ、これからも母なる海、陸奥湾の良質なホタテガイの生産を目指し続けなければなりません。

 確かに、ことしの夏は異常な暑さでありました。昨日の一般質問県答弁等を聞くにつけ、陸奥湾産ホタテガイ大量へい死被害は、想像をはるかに超えるものになりつつあります。

 私ども自民党会派も、十月の八日、九日、外ヶ浜漁協蟹田支所、後潟漁協、青森市漁協久栗坂支所、平内町漁協、野辺地町漁協、横浜町漁協をそれぞれ訪問し、被害状況の実態を目の当たりにしてまいりました。

 ホタテへい死で漁民は泣いております。今ここに起きている陸奥湾ホタテの危機、これに対しては、党派など関係なく、県執行部も県議会も英知を結集し、ホタテ漁業者とともに何が何でも乗り越えなければなりません。ホタテ養殖発祥の地である陸奥湾の再建は、今の時代に生きる私どもの責務であると考えるところであります。

 そこで、お伺いいたします。

 一点目として、漁業共済金の早期支払い及び漁業所得補償対策の早期適用について国に要請していると聞いておりますが、その内容と見通しについて。

 二点目として、県の生活支援対策の取り組み内容と今後の対応について。

 三点目として、高水温に対応したホタテガイ養殖方法の確立に向けた試験研究の推進方針についてどのように考えるか。

 四点目として、ことしのホタテ被害の教訓をどうとらえ、それを今後の養殖にどう生かしていくのか、県の考えについてそれぞれお伺いし、壇上からの質問を閉じます。

 

◯議長(長尾忠行) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋修一議員にお答えいたします。

 まず、中小企業振興基本条例の趣旨に対してどう取り組み、また、今後どう取り組んでいくかであります。

 私は、かねてから青森の元気は経済の元気から、そして雇用の場づくりからとの思いから、地域を支えております中小企業をしっかり守り育て、青森県を元気にしていくことが大事であると考えており、平成十九年十二月に制定されました青森県中小企業振興基本条例を踏まえ、中小企業の振興に全力を挙げて取り組んできたところでございます。

 具体的には、条例の制定を機に、中小企業振興庁内連絡会議を設置し、関係部局が一丸となって取り組む体制を構築した上で、若年者の就業支援の強化や創業、起業の促進、農商工連携による食産業の振興など県内中小企業の事業活動の活性化と経営安定に向けたさまざまな事業を実施してきたところでございます。

 今後とも、中小企業が県経済に果たします役割の重要性を踏まえまして、厳しい経営環境の中にありましてもチャレンジを続ける県内企業の元気を、経済の元気、青森県の元気へとつなげるべく、これまで以上に積極的にかつ戦略的な中小企業振興策を展開する所存であります。

 主要幹線道路ネットワークの早期構築に向けた考え方であります。

 本県が目指す安全・安心で快適な社会を実現するためには、地域間の交流と連携を支え、高度医療施設へのアクセス向上や防災機能強化を図る社会基盤、とりわけ主要幹線道路ネットワークの整備が極めて重要であると認識しております。

 しかしながら、本県の主要幹線道路のうち、高規格幹線道路の整備率は、平成二十一年度末現在で六一%と、全国平均及び東北平均の六九%に比べまして、まだまだ低い状況となっております。その中でも、八戸市と青森市間、つまり人口二十万人以上の都市が高規格道路で結ばれていない全国で唯一の場所なんでございますが、いわゆる不連続区間、ミッシングリンクとなっており、その解消が本県の最重要課題となっております。このため、上北横断道路を初め、八戸・久慈自動車道、津軽自動車道、下北半島縦貫道路の一層の整備促進について、機会あるごとに強く国に要望してきたところであります。

 平成二十三年度の道路整備予算につきましては、今年度以上に厳しくなることが懸念されるわけでございますが、政府予算案の策定に向けて、引き続き本県の実情を訴え、道路整備予算の確保及び主要幹線道路ネットワークの整備促進について、国に対し働きかけていく所存であります。

 障害者の雇用促進、そして就職支援のための取り組みについてであります。

 私は、青森県基本計画未来への挑戦において、豊かな生活創造社会実現のため、だれもが安んじて暮らせる環境づくりを推進してきたところであり、障害を持たれる方についても、社会を支える側として活躍できるよう就労支援に取り組んできました。

 具体的には、障害者の雇用、実習の受け入れ先の開拓や短期職場実習の実施、障害者雇用優良事業所のホームページにおける紹介などを実施しており、また、障害のある方の就業面と生活面の支援を一体として行う障害者就業・生活支援センターの設置を支援してきたところでございます。

 これらの取り組みの成果もあり、県内民間企業におけるところの障害者の雇用状況は、平成二十二年六月一日現在の実雇用率が一・七一%と、前年に比べ〇・六ポイント改善し、法定雇用率一・八%には達しておりませんものの、いわゆる全国平均の一・六八%を上回っているところでございます。

 県としては、今後とも、このような取り組みを着実に進めてまいりますとともに、青森労働局を初めとする関係機関との連携を図りながら、障害者の雇用促進及び就職支援に取り組んでまいります。

 ホタテ関連でありますが、今回の被害の教訓をどう今後に生かすかであります。

 私は、八甲田山を源とするミネラル豊かな水と、議員からもお話がございました生産者の高い意識、また技術によって生まれる日本一おいしい陸奥湾産ホタテガイを国内外に誇れるすぐれた県産品であると自負しております。このホタテガイを生業(なりわい)としてきた多くの方々が、たゆまない努力と知恵を発揮し、幾多の困難を乗り越え、今日のホタテガイ産業を築かれたことを思うとき、今回の被害から一刻も早く再興するため、被害の要因をしっかりと分析し、その対応策に知恵を絞らなければいけないものと考えております。

 ことしの被害が深刻であった状況を検証しますと、長期間にわたり異常高水温が続くことを予測できなかったことに加え、高水温の影響を受けやすいホタテガイ養殖に大きく依存していること、さらには、同じ陸奥湾の中でも高い生き残りを示した漁業者や海域もあったことなど、今後のホタテガイ養殖の教訓にもなるものと考えるところであります。

 私は、これらの課題に着実に対応していくためには、高水温のモニタリングによる環境の変動予測や高水温に対応できる養殖技術の開発研究の充実、アカガイ、ホヤなどとの複合養殖による経営の安定化などについて、中長期的な視点で検討を進めることが重要と考え、専門家による委員会を設置したところであります。

 今後は、この委員会からの報告をいただき、試験研究機関や市町村、漁業関係団体と連携し、高水温に強い養殖体制づくりに取り組み、ホタテガイ産業の維持発展に努めていく所存であります。

 私からは以上です。

 

◯議長(長尾忠行) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(佐々木郁夫) 御質問三点にお答えします。

 まず、青い森鉄道線筒井地区新駅の整備計画の概要についてです。

 筒井地区の新駅については、地元青森市からの要望や、平成二十年度に実施した青い森鉄道線新駅活用検証調査の結果なども踏まえ、県立青森高等学校や市立筒井中学校の立地する同地区の中央部、主要地方道青森田代十和田線と交差する高架部付近に設置することとし、今定例会に詳細設計費を計上した補正予算案を提案し、御審議をいただいているところです。

 昨年度実施した基本調査において、筒井地区の新駅は、駅舎を有しない無人駅を想定しており、高架下に自動券売機を備えた上下ホーム共通の待合室を設置し、盛り土上のホームは列車四両に対応する約九十メートルで、ワンマン運行する車両の先頭車両部分、いわゆる乗降部には上屋を設置する内容としております。また、バリアフリー対応として、上下ホームにエレベーターを設置することとしています。

 現地は、周囲に住宅が密集する上、盛り土上での工事となるため、具体的な工期を踏まえた整備スケジュールや工事費などにつきましては、今後行う詳細設計において明らかにしていきたいと考えております。

 次に、新駅整備に係る地元青森市との連携、調整の状況についてです。

 筒井地区の新駅の整備に当たっては、野内地区と同様、国の幹線鉄道等活性化事業費補助を活用することとしています。この補助事業を活用するためには、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、市町村が設置する協議会が策定した地域公共交通総合連携計画に基づき事業を進める必要があることから、県は鉄道事業者としてこの協議会に参加し、新駅整備事業を進めることとしているものです。

 具体的には、青森市総合都市交通対策協議会が策定した青森市地域公共交通連携計画において、筒井地区の新駅に関する整備計画を定め、この中において、県や市の役割分担などが記載されており、県は協議会から委託を受けて新駅の建設を行い、青森市においては、駅前広場などの周辺整備を行うこととしております。

 また、今月の十五日には、青森市とともに地区代表者に対する説明会を実施し、新駅の整備の概要について御理解をいただいたところですが、今後とも、新駅整備に当たりましては、青森市と連携、協力しながらとり進めていくこととしております。

 最後に、操車場跡地地区への新駅の整備見通しについてです。

 操車場跡地地区につきましては、今年度、県と青森市で構成する青い森セントラルパーク活用計画検討委員会において取りまとめられる青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業に係る実施方針に基づき事業者の公募が行われ、青い森セントラルパークの利活用方策の提案を求めることになっております。同地区への新駅については、今後取りまとめられる青い森セントラルパークに係る事業計画を踏まえ、青森市と協議していきたいと考えております。

 

◯議長(長尾忠行) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、障害者自立支援法に係る制度見直しについてお答えいたします。

 国は、障害者自立支援法にかわる新たな法律、仮称でありますが、障害者総合福祉法の制定に向け、昨年十二月に内閣府に障がい者制度改革推進本部を設置し、ことし一月から障がい者制度改革推進会議を開催しているところです。

 この会議では、障害者及び事業者の代表等、現場からの具体的な意見を聞きながら議論をし、そこで出された意見をもとにして、六月に障害者制度改革の推進のための基本的な方向について閣議決定がなされました。

 その内容は、障害者自立支援法を廃止し、障害程度区分を見直すとともに応益負担を廃止し、一人一人のニーズに基づいた地域生活支援体系を整備すること等となっており、平成二十四年の通常国会に法案を提出し、二十五年の八月までの施行を目指すとしています。また、今国会において、新たな障害者福祉法制度施行までのつなぎ法案となる障害者自立支援法改正案が議員立法により提出され、現在、審議されているところです。

 県は、制度の見直しについて、障害当事者を初め地方自治体の意見を十分に聞いていただくよう北海道・東北七県保健福祉主管部長会議を通じて国に要望したところであり、今後も検討内容等について注視していきたいと考えております。

 次に、障害者支援充実のための県独自の取り組みについてです。

 県は、障害者支援の充実を図るため、発達障害者の支援体制を構築する事業や視覚障害者の社会参加を推進する事業を県独自に実施しています。

 発達障害者の支援につきましては、平成十七年に設置した発達障害者支援センターとの連携により、これまでも五歳児発達相談事業のモデル的実施等の取り組みを行ってまいりました。今年度からは、平成二十三年度までの二カ年の重点事業として、発達障害者の早期発見、早期支援のための人材育成と体制整備を図る発達障害者支援パワーアップ事業を実施しています。具体的には、市町村の保健師や保育士等、日常的に子供たちに接する機会の多い方たちを対象とした研修等を行っています。

 また、視覚障害者の支援につきましては、生活面での支援を行う各種施策は実施されていますが、旅行を楽しむには大きな支障があるにもかかわらず、そのための支援は特に実施されていませんでした。

 そこで、今年度から二十三年度までの二カ年の重点事業としまして、視覚障害者が気軽に旅行し、青森県の魅力を体感できるような環境づくりを行い、視覚障害者のより一層の社会参加推進とQOL向上を図る障害者あおもり体感推進事業を実施しています。具体的には、バリアフリー観光情報の収集、発信やボランティア研修会を行うこととしています。

 続いて、新生児聴覚検査についてです。

 新生児聴覚検査とは、早期に先天性の聴覚障害を発見するため、医療機関において専門の機器を用いた聴覚の検査を行うものです。

 聴覚障害が早期に発見され、適切な支援が行われれば、コミュニケーションや言語の発達が促進され、社会参加が容易になる場合があります。一方、聴覚障害に気づかない場合、耳からの情報に制約があるため、その発達におくれが生じる場合もあります。

 平成二十一年三月に県が行った新生児聴覚検査の実施状況調査では、分娩を取り扱っている三十三医療機関のうち検査を実施しているのは十九医療機関でしたが、平成二十二年十一月二十五日現在では、分娩を取り扱っている三十一医療機関のうち新生児聴覚検査を実施しているのは二十一医療機関となっております。

 この検査に関する県の取り組みについてでございます。

 県では、これまでも新生児聴覚検査の実施状況調査結果を分娩を取り扱っている医療機関に還元するなど検査の普及に努めてまいりました。

 また、携帯端末を利用しました妊娠・出産・子育て情報提供サイトであるパパ・ママ・ナビや県ののびのびすくすくホームページの中の母子保健広場に新生児聴覚検査の案内を掲載し、広報周知を図っております。さらに、市町村保健師等を対象としました新生児聴覚検査を含む乳幼児耳鼻科検診に関する研修会を開催し、関係者の資質向上に努めるとともに、市町村に対して、母子保健等の場を活用して、妊婦に対する検査の趣旨等の周知を図るよう働きかけてきたところであります。

 

◯議長(長尾忠行) 商工労働部長。

 

◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問二点にお答えいたします。

 最初に、年末、年度末の資金需要期を控えまして、県内中小企業の金融円滑化への取り組みでございます。

 県内の景況は依然として厳しい状況が続いており、高水準が続く円高についても、今後、本県経済に影響を及ぼしてくることが懸念されております。このため、県では、年末、年度末の資金需要期を迎えるに当たり、県内中小企業者の資金繰り緩和を図るための金融対策を講じることとしたところでございます。

 具体的には、県特別保証融資制度経営安定化サポート資金に借りかえ枠を融資枠五十億円で創設し、既存の経営安定関連資金に係る借りかえを可能とするとともに、県特別保証融資制度の既存借り入れについて、各制度の融資期間の上限を超えて最長五年の延長を可能とし、これらの対策を去る十一月八日から実施しております。

 また、県内中小企業の年末の資金繰り相談につきましては、例年、商工団体等と連携して開催する年末移動経営金融相談所を今年度も先月二十一日から昨日まで県内七カ所で開催したところであり、各地域で直接中小企業者からの相談に対応したところでございます。

 県としては、今後とも関係機関と連携を密にしながら、県内中小企業者の年末、年度末における金融の円滑化に努めてまいります。

 次に、青森県独自の雇用対策の取り組みについてでございます。

 県では、これまで産業・雇用を県政の最重要課題と位置づけ、若年者、中高年齢者、障害者等の雇用促進を図るため、国の施策を活用しながらも、本県独自のさまざまな事業を実施してきているところでございます。

 具体的には、ジョブカフェあおもりの運営を通じまして、併設するハローワークヤングプラザと連携しながらワンストップでの若年者の就業支援に取り組んでいるほか、中高年齢求職者の円滑な再就職を促進するため、介護施設における中高年齢者の雇用を促進するための雇用奨励金の支給等を行う中高年福祉・介護人材育成就業促進事業や、障害者の雇用促進と円滑な就職支援を促進するため、事業主等に対する障害者雇用の理解促進を図る障害者雇用推進パッケージ事業などを実施しているところでございます。

 また、新規学卒者や障害者、中高年非自発的離職者等の雇用をさらに促進するため、今年五月末まで実施し、一定の評価を得ました県特別保証融資制度雇用創出特別支援枠についても、その要件をさらに緩和、拡充して実施することとしてございます。

 

◯議長(長尾忠行) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(有馬喜代史) ホタテガイ高水温被害対策の御質問三点にお答えいたします。

 最初に、漁業共済金の早期支払いと漁業所得補償対策の早期適用の要請内容と見通しについてです。

 本県ホタテガイ養殖業に係る漁業共済は、多くの共済責任期間が一月から十二月までとなっており、通常、共済金は三月末ごろに支払われていますが、県では、早期に漁業者の経営安定を図るため、去る十月に関係各機関に対して共済金の早期支払いを要請したところ、青森県漁業共済組合からは、漁業者の要望に応じ、適切に対応するとの意向が示されています。

 また、来年度から導入が予定されている国の新たな漁業所得補償対策では、漁業者が負担する漁業共済掛金が大幅に少なくなりますが、平成二十三年四月以降に共済責任期間が開始するものから順次適用され、本県ホタテガイ養殖業は、平成二十四年一月から適用される見込みです。このため、県では、ホタテ被害の実態を考慮し、この制度をできるだけ早い時期からホタテ養殖業に適用してもらえるよう国に要請したところであり、今後も引き続き働きかけていきたいと考えています。

 次に、県の生活支援対策の内容と今後の対応についてです。

 県の生活支援対策については、県税の減免、徴収猶予のほか、県立高等学校専攻科等の授業料減免、定時制・通信制課程に在籍する生徒への修学奨励金の貸与などがあり、十一月五日までに関係部署、県立学校に対して適切に対応するよう通知したところです。

 今後は、市町村民税の軽減や生活福祉資金の貸し付け、国民健康保険の一部負担金及び保険料の減免など市町村段階で多くの対策が用意されていることから、県としては、連絡会議の開催などを通じて、市町村との連携を強化し、被災した漁業者等の雇用確保を含め、生活支援対策が円滑に行われるよう努めていきます。

 最後に、高水温に対応した養殖方法の確立に向けた試験研究の推進方向についてです。

 高水温に対応したホタテガイ養殖方法の確立に向けた試験研究については、高水温の発生をできるだけ早期に予測する技術や高水温下でも生残率を高められる養殖工程の開発に取り組む必要があります。

 詳しくは、陸奥湾に流れ込む以前の日本海の水温や気温等に基づき、陸奥湾の水温動向を予測することにより、あらかじめ十分な高水温対策を進めることを可能にするための技術、稚貝を水温低下後のこれまでよりも遅い時期に採取する養殖工程の確立に向けた技術の開発研究が必要と考えています。さらに、高水温環境下で、ホタテガイの成長停滞やへい死が起こる詳細なメカニズム等の解明も重要な研究テーマになると考えています。

 

◯議長(長尾忠行) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(竹内春繁) 御質問七点についてお答えいたします。

 まず、高速道路無料化社会実験に対する県の評価でございます。

 本県における高速道路無料化社会実験は、青森自動車道及び八戸自動車道で実施されておりまして、国が公表した実験開始後の三カ月間の概要によりますと、交通量の増加率は、青森自動車道で約一〇%から六〇%の増加、八戸自動車道では約六〇%から一〇〇%の増加となっております。

 無料化社会実験については、これに伴い輸送コスト削減や時間短縮が図られるほか、高速道路の交通量の増加により観光施設や商業施設では好調な集客が維持されているとの評価がある一方、並行する国道沿いの商業施設からは利用客が落ち込んでいるとの声もありますが、一定の効果があらわれていると考えております。

 しかしながら、高速道路の無料化に要する経費が多くなるほど高速道路を初めとする道路整備が進まないことが危惧され、高速道路等の整備がおくれている本県にとって、ますます地域格差の拡大が懸念されます。

 高速道路の無料化については、社会実験の検証結果をもとに今後段階的に実施するとされていますが、先般の国からのアンケートに対しては、これからの道路整備のあり方、地方有料道路の扱い等も含め、十分検討を深めていただくよう本県の意向を示したところでございます。

 次に、一括交付金による道路整備への影響についてでございます。

 国では、地域主権改革の目玉の一つとして、いわゆるひもつき補助金を廃止し、自治体において使途が自由な一括交付金に対する方針として検討が進められているところでございます。

 今月二十二日に開催された国と地方の協議の場において示された方針案においては、平成二十三年度から公共事業等の補助金について一兆円強の一括交付金化に取り組み、初年度は都道府県分として半分程度実施することとしております。また、制度の概要としましては、箇所づけ等への国の事前関与の廃止、客観的指標に基づく配分と条件不利地域等へ配慮した仕組みとすることなどが挙げられております。しかしながら、総額を減額するよう検討が求められているという新聞報道もあり、近年の道路整備予算の減少傾向に加え、今後さらに道路整備予算が減少するとなれば、主要幹線道路ネットワークの整備がおくれている本県にとっては、既に整備が進んでいる地域との格差がますます拡大するという懸念があります。

 次に、有料道路経営改革の提言に対する県及び道路公社の取り組みについてでございます。

 青森県有料道路経営改革推進会議から提言された内容は、みちのく有料道路については、利用者サービスの維持向上と経営の健全化のための十九年間の料金徴収期間延長等であり、青森空港有料道路及び第二みちのく有料道路については、交通量の変化を監視しながら徹底した効率化による収支改善と債務の圧縮等となっております。

 この提言を受け、青森県道路公社では、みちのく有料道路については国土交通省へ十九年間の料金徴収期間延長を申請し、十月に許可を得たところでございます。また、平成二十二年五月に、今後五年間の中期経営プランを策定し、冬期交通の安全性や利用者サービスの向上を図るとともに、利用促進に向けて積極的な営業活動を実施し、収益を確保すること等の経営改善に努めることとしております。県としましても、公社の経営状況を把握し、同プランの着実な実施に向けて指導、助言を行ってまいりたいと考えております。

 次に、無料化社会実験以降の青森空港有料道路の利用台数等についてでございます。

 六月二十八日から国による高速道路無料化社会実験が開始され、本県でも青森自動車道及び八戸自動車道が対象路線となったところでございます。

 青森空港有料道路の六月二十八日から十月三十一日までの利用台数は約五十二万二千台で前年比約九四%、同じく料金収入は約九千五百万円で前年比約九五%となっております。

 次に、青森空港有料道路の無料開放の時期についてであります。

 青森空港有料道路でございますが、平成二十九年度に料金徴収期間満了を迎えるわけでございますが、実績交通量が計画を下回る状況が続いておりまして、建設時の債務償還は計画どおりには進んでおりません。また、今後さらに東北新幹線全線開業等による影響があるものと考えております。このことから、当面は、交通量の変化を監視しながら一層の経費縮減と利用促進により着実な債務圧縮に努めることとしております。無料開放の時期につきましては、これらの状況を見きわめながら検討してまいります。

 次に、低炭素型モデルタウン事業方針案についての意見募集の結果と公募スケジュールについてでございます。

 青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業実施方針案の意見募集については、青森市とともに十月一日から十月三十一日までの期間で実施をしまして、その結果、三名の方から本事業に賛同する立場で、十件の建設的な意見が提案されております。現在、青森市とともにこれらの意見について検討を行っているところであり、来月早々には意見への回答と実施方針について公表する予定でございます。また、今後の公募スケジュールにつきましては、来月上旬に募集要項を公表し、その後、一月上旬まで開発・コーディネート分野、研究分野、都市機能分野及びコンサルティング分野の四つの分野の民間事業者を対象にしまして、事前エントリーを実施する予定としております。

 来年三月中旬を期限として民間事業者から本事業への提案を受け付け、審査委員会の審査を経て、来年四月には優先交渉権者を決定し、その後、この優先交渉権者と県及び青森市とで事業計画について協議を行うこととしております。

 次に、地元参入など公募に当たっての考え方でございます。

 本事業では、計画、開発から管理運営に至るまでのトータルコーディネートや新エネルギーシステムの実証研究の実施など、取り組みの内容が多岐にわたることが見込まれることから、開発事業者は複数の民間事業者により構成される共同企業体を想定しているところでございます。

 公募に当たりましては、応募する共同企業体への地元企業の参加を必須とすることとしており、本事業の実施によりまして、民間事業者から提案された先進的な技術や産業が県内の産業振興や地域経済への貢献に結びつくことを期待しているところでございます。

 また、実施方針案では、モデルタウンに導入が想定される機能として、大学と民間企業が連携可能な研究施設及び産業育成機能を有する施設を位置づけており、本事業の実施によって、県内の産業育成や雇用拡大へとつながっていくことを目指しております。

 

◯議長(長尾忠行) 高橋議員。

 

◯二番(高橋修一) 多岐にわたる質問でありましたが、知事並びに各部長より御答弁をちょうだいしました。ありがとうございました。

 陸奥湾のホタテの高水温被害対策でありますけれども、部長のほうに漁業共済金の早期支払いと、それから漁業の所得補償対策の早期適用をお聞きしましたところ、それぞれ御答弁があったわけですが、今、県は、この対策に二・六億ですか、としておりまして、今、市町村においても──沿岸の市町村は議会が始まっておりまして、それぞれ補正予算を組んでいる。そういう中にあって、共済のほうは、今の御答弁を聞けば、適切に対応していくということで、これは大変ありがたい限りであるんですが、国の対応がちょっと不明瞭と申しますか、答弁を聞く限りでは、国に対する要望というのはわかるんですけれども、その見通しがちょっと私には伝わりませんでした。

 そこで、この所得補償対策のみならず、他のことも一緒に要望しておることと思いますけれども、その内容と現段階での国の見通し、あるいは現段階での国の支援策に対する県としての見解を確認しておきたいと思います。

 以上です。

 

◯議長(長尾忠行) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(有馬喜代史) まず、漁業所得補償対策の早期適用についてでございますが、これにつきましては、知事も水産庁長官に直接お会いをいたしまして、要請しているところです。なかなかハードルが高いという状況にはありますが、今後も、県議会とも、あるいは関係団体とも連携しながら、引き続き国に対して粘り強く働きかけていきたいというふうに考えています。

 また、このほかに天災融資法の発動、こういった部分についても、県の被害の実態が明らかになった段階で発動の要請をしていきたいという旨も農林水産省のほうにはお伝えをしている段階にあります。

 また、国のほうの対策としましては、水産加工業対策として、原料の調達に対する助成を行うという国直轄の事業が準備されていまして、本県では、本県の水産加工業者十五社がこの事業の採択に向けて現在申請を行っているところです。十二月に入った段階でその結果が国のほうから示されるという状況になっております。