2010年10月04日:平成22年文教公安委員会 本文

◯高樋委員長

 ほかに質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 副委員長、また田名部委員から、暴力行為、あるいは、自殺予告に関する質問、また、指摘がありました。関連する部分も多々ありますけれども、私からは、いじめ、それから、不登校への対応につきまして質問させていただきます。

 昨年の10月の決算特別委員会におきまして、いじめと不登校に関して質問をさせていただきました。私とすればそれ以来でありますけれども、私も中学生と小学生の子を持つ親とすれば、さまざまなことが日々心配でありますが、学校に子が通うようになると、いじめはどの学校にも起こり得るし、どんな子にも起こり得ると。よく言われますとおり、いじめ、あるいは、不登校は最大の心配事でありますし、これは私のみならず、保護者すべて同じ認識であろうかと思います。

 そういった意味でお伺いしますけれども、まず1点目として、このいじめ、不登校、本県の公立学校におけるその状況をお伺いいたします。

 

 

◯中村学校教育課長

 文部科学省が実施した平成21年度における問題行動調査によりますと、本県公立学校のいじめの認知件数は、小学校265件、中学校493件、高等学校49件、特別支援学校6件となっております。

 これを在籍児童生徒数に占める割合で見ると、小学校0.4%、中学校1.2%、高等学校0.2%、特別支援学校0.4%となっており、平成20年度と比較して、小学校と高等学校では同じ割合であるほか、中学校と特別支援学校では増加しました。また、全国平均との比較では、やや高くなっております。

 なお、いじめの内容といたしましては、「冷やかし・からかい」などの言葉によるものが多く占めております。

 一方、いじめが解消された割合は、小学校86.0%、中学校86.8%、高等学校87.8%、特別支援学校100%で、いずれも全国平均を上回っております。

 

 

◯高橋委員

 特別支援学校もあるというのは、少し驚きました。それから、解消率86%ですか、86%程度と、過去の件数等も調べないとわかりませんけれども、やはり100%でないということは低いと言わざるを得ないわけでありまして、さまざまな対応がもっと求められると思います。

 それから、四、五年前ですか、全国的にいじめによる自殺、生徒みずからが、あるいは、児童みずからが命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生いたしまして、その対応というのが社会的な問題ともなりました。学校の現場、あるいは、各教育委員会ともに、いじめに対する意識、その取り組みのあり方等々が厳しく問われたと記憶しております。

 そういうこともあって、いじめの早期発見、あるいは、早期対応のための諸施策もこの数年で大きく変わってきているものと認識しております。その一つとして、24時間対応の電話相談の設置というのが始まったものと思います。

 そのようなことから、昨年の決算の特別委員会の場におきまして、その際に、電話相談窓口周知カードについて御要望申し上げました。要望の内容でありますけれども、記載内容を各年代に改めるべきではないか。小学校から高校生までみんな同じカードの記載内容でありましたので、例えば、小学校の低学年向けであったり、中学生向けであったり、あるいは、高校生向けであったりと、そういうことを御要望申し上げました。それから、配布の枚数に関しても、小学校の新入生へのみ配布していたということでありまして、配布の対象をもっと広げるべきではありませんかということを要望いたしました。

 そこででありますけれども、その要望が実現していることを期待いたしまして、この電話相談窓口周知カードの内容と配布の対象がどのようになっているものかお伺いをいたします。

 

 

◯中村学校教育課長

 電話相談窓口周知カードは、平成19年3月に県内すべての小・中・高等学校及び特別支援学校の児童生徒一人一人に配布し、翌年度以降は、小学校の新入学児童に対して配布してまいりました。

 この周知カードには、24時間体制の「いじめ相談電話24」の電話番号を記載するなど、教育委員会に設置している5つの相談電話及び県の警察本部の少年課のヤングテレホン、全国統一の教育相談ダイヤルの番号を記載し、いじめや不登校などの問題に対応しております。

 県教育委員会では、カードの記載内容の充実について、委員の御提言も踏まえ検討し、今年度は、小学生が利用しやすいよう、ふりがなを振る、親しみやすいキャラクターを使用するなど、工夫し、新入学児童約1万1,600名に配布いたしました。

 また、県内全中・高等学校及び特別支援学校の生徒約8万5,500名に対しては、電話相談窓口の電話番号のほか、今年度新たに取り組んでおります「ネット通報窓口サイト」を掲載し、配布したところであります。

 

 

◯高橋委員

 私も議員になって3年半ぐらいたちましたけれども、過去に要望申し上げて、なかなか目に見える形で実現できたというのは少ないわけでありまして、なので、このことを真摯に受けとめていただいて、御対応いただいた教育委員会の皆さんに感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

 最後に、ただいま御答弁ありましたけれども、「ネット見守り体制推進事業」についてであります。本事業の概要、それから、今年度の取り組み状況につきまして、どのようになっているのかお伺いをいたします。

 

 

◯中村学校教育課長

 携帯電話やパソコンの普及により、子供を取り巻く環境が変化し、ネット上のいじめや有害情報などの問題も生じております。県教育委員会では、昨年度まで保護者及び教員に対するネットいじめに関する研修会の開催など、さまざまな対応をしてきたところでありますが、さらに今年度から、「ネット見守り体制推進事業」を実施しております。

 具体的には、6月に県教育委員会のホームページ上に通報窓口サイトを設置するとともに、先ほども申し上げたとおりでございますが、県内すべての中・高等学校、特別支援学校の生徒へ通報サイト周知カードを配布するとともに、県内全学校及び公民館に通報窓口の設置を紹介するポスターを配布し、周知を図っております。

 また、各指定校においては、保護者と教師、地域ボランティアによる「ネット見守り隊」を組織し、サイトの見守り活動、啓発活動などを行っているところです。

 県教育委員会としましては、来年度までの2カ年計画となっている本事業を中心としながら、学校、家庭、地域、そして関係機関が連携し、子供たちが健やかにはぐくまれる体制づくりに向け取り組んでまいります。

 

 

◯高橋委員

 御答弁ありがとうございました。携帯電話、あるいはパソコン、この利用は、子供たちの間でも相当のレベルで進んで、既に生活の必需品としてみなされつつあります。最近では、携帯電話、パソコンだけではなくてテレビゲーム、これもインターネット回線に接続できる環境であれば、オンラインでゲームをやりながらメールのやり取りをしたり、あるいはチャットをしたり、それから、イヤホンとマイクをつけて、見知らぬ人と会話できるような環境下にあります。

 こういう情報機器の開発とか発売のスピードというのは、どんどん新しいものが出てきて、時代はもう、携帯の普及率がどうだとか、子供たちのパソコンの保持率がどうだとか、そのレベルは過去のものになりつつありまして、新しい情報機器をどううまくつき合わせるか、健全な活用法をどう、それこそ今、学校、保護者、地域、どうそれを進めていくかという視点が欠かせない時代になりつつあろうかと思います。

 したがいまして、本日の「ネット見守り体制推進事業」のみならず、さまざまな新たな視点・観点から、こういったいじめ、不登校の諸課題に今後とも対処いただきますようお願いいたしまして、私からの質問を閉じます。ありがとうございました。