2010年06月17日:平成22年第262回定例会(第4号)   本文

◯副議長(中谷純逸) 二番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯二番(高橋修一) 自民党の高橋修一です。

 激しい議論の後ではありますが、精いっぱい頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。

 FIFAワールドカップ南アフリカ大会が開幕いたしました。ワールドカップは四年に一度の開催。私ども政治家にとりましても、四年に一度というのは特別な意味合いを持ちます。こちらは世界最大のスポーツイベント。三十二の国と地域が向こう一カ月間、熱く激しい戦いを繰り広げることになります。決勝戦は七月十一日で、この日は参院選の投票日でもあります。私のようなサッカー好きにすれば、昨日国会が閉会いたしましたが、ワールドカップの、しかも決勝戦の日に投票日をぶつけるというのはどうにも理解しがたいわけで、そういったことからも、参院選はやはり延ばすべきではないかと思います。

 さて、我らがサムライブルー、日本代表は、初戦カメルーン戦で白星スタートを切りました。勝因はさまざま挙げられますが、やはりチームの団結力が一番でありました。それは、キックオフ前の国歌「君が代」を先発十一人とベンチメンバー全員が肩を組んで歌った瞬間からあらわれていました。

 ワールドカップはナショナリズムをかけた健全な戦いの場あるいは武器を持たない戦争と言われることがあります。国民性や社会性が如実にその国のサッカーにあらわれるものです。サッカー日本代表が肩を組み合って国歌を斉唱することは初めてとのことであり、ナショナルチームとしての自覚と意気込みそのものでありました。私は、この姿にカメルーン戦の勝利を確信いたしました。

 本大会、岡田監督が掲げたベストフォーは、日本の実力を考えれば簡単なことではありません。しかし、ベスト十六とベストフォーでは明らかに気持ちの持ちようが違います。高い目標を掲げることは、リーダーとして、また、日本を代表する選手としてあるべき姿だと私は思っております。サッカー日本代表が強い気持ちで臨めるよう、ここは日本人みんなが心を一つにして夢を託すことが大事だと思っています。ともあれ、サッカー日本代表の活躍によって、世界をあっと驚かせ、多くの日本国民の魂を震わせてほしいと念願するばかりであります。

 本県サッカー界もことし新たな時代の幕あけを迎えたと言えます。青森山田高校が出場した第八十八回全国高等学校サッカー選手権大会です。決勝戦が行われた一月十一日は本県スポーツ界にとって歴史的一日となりました。準決勝のPK戦勝利をテレビで見ていた私は、もういても立ってもいられず、新年会等の予定をすべてキャンセルして、東京国立競技場で行われる決勝の山梨学院戦に応援に行くことを決めました。

 決勝戦当日、私は、国立競技場入場口で青森山田応援団を待ちましたが、幾ら待てども、到着するバスは山梨の応援団のバスばかりで、その数五十台以上はあったでしょうか。メガホンを手にした山梨の生徒や父兄が続々と会場入りする中で、ようやく試合開始の一時間ほど前になって青森山田応援団が到着したものの、応援のバスはわずかに十数台でありました。青森山田応援団とともに国立のゲートをくぐり、バックスタンドに陣取ったわけでありますが、国立競技場内は五万人の大観衆で立ち見客が出るほどでありました。

 私は、青森山田ブラスバンド部の女子高生の隣に座りながら、女子高生の岳ちゃあんとの黄色い声援に柴崎岳選手の人気ぶりを確認しながら、今か今かとキックオフを待っていましたが、これまた、何やら甲高い声が後ろから聞こえてきました。その声の主は三村知事でありました。三村知事と青森山田必勝を期してかたい握手を交わしながらも、やっぱりバックスタンド応援席は、山梨の大応援団に比べて青森からの応援団はその半分以下で、明らかに人数で負けておりました。

 しかし、キックオフのホイッスルが鳴った瞬間、国立競技場の雰囲気が一変いたしました。国立競技場はサッカーの聖地と呼ばれております。このとき、サッカーの神が宿りました。確かに地元からの応援団の人数では山梨に圧倒的に負けてはいたものの、メーンスタンドやゴール裏スタンドに座った全国から集まった一般観客席、ぐるりと国立競技場を埋め尽くした五万人の大観衆が青森山田サッカーのファンであると直感いたしました。なぜなら、青森山田が攻めれば歓声が上がり、逆に劣勢になれば悲鳴が上がる。本県代表の山田イレブンがそのプレーで全国のサッカーファンを魅了し、聖地国立をも味方につけ奮闘しておりました。惜しくも優勝を逃したものの、私は、この日ほど青森県を誇りに思ったことはありません。恐らく知事も同じ思いであったと思います。

 準優勝チームのスタメン十一名のうち五名がこの春三年生に進級しましたが、このうち県内出身者は、青森市出身のゴールキーパー櫛引選手を初め、むつ市出身のフォワード成田選手。そして、野辺地町出身のミッドフィルダー柴崎選手、ディフェンダー横浜選手。特に野辺地町出身の柴崎岳選手は、広い視野と高いパス能力、ゲームメークのセンスを持ち、昨年のU―17ワールドカップにも出場した同世代ナンバーワンの選手でありまして、既にJリーグ王者の鹿島入りも決まりました。また、青森市出身のゴールキーパー櫛引政敏選手も、先日、Jリーグ一部の清水入りが決まりました。両選手とも将来のフル代表候補の逸材であります。四年後、八年後のワールドカップのピッチに立つ可能性も十分にあります。

 先日、青森山田サッカー部準優勝祝賀会が開かれ、私も出席させていただきました。黒田サッカー部監督はあいさつの中で、ことしは準優勝をとれたが、ことしだけにかけてきたのではない。毎年毎年優勝を目指しての準優勝であったと述べられました。私は、黒田監督とは同い年で親しくさせていただいておりますが、彼には確固たる決意があります。これからも頂点を目指して挑み続けるでしょう。黒田監督の言葉を信じて、いつの日か青森山田サッカー部が全国制覇することを祈り続けたいと思います。

 県サッカーは、高校サッカーだけではなく、社会人サッカーもこの数年で大きく飛躍しております。県内にはJリーグを目指すサッカークラブが存在いたします。ラインメール青森とヴァンラーレ八戸という二つのトップクラブがあります。ともに東北社会人リーグ二部に所属し、Jリーグ昇格を目指し頑張っております。

 Jリーグ昇格までは長く険しい道のりであることに間違いありませんが、これは県内サッカー関係者の夢であり、希望であります。そして、このJリーグ入り実現のためには、サッカー関係者だけではなく、県民一丸となった後押しが必要であり、何が何でも大きなうねりを巻き起こし、青森県内にJリーグチームが誕生するその日を待ち望みたいと思います。

 このように、サッカーばかりに触れましたけれども、本県のスポーツ振興は、県民に夢と希望、勇気と感動をもたらします。スポーツの振興は青森県の元気に直結します。

 そこで、質問に入ります。

 一点目として、先般策定された青森県スポーツ振興計画における選手強化について。

 二点目として、具体的な選手強化に向けた取り組みについて。

 また、三点目として、新青森県総合運動公園の整備状況と現在整備を進めている球技場の概要について。

 四点目として、新青森県総合運動公園の整備に係る今後の見通しについて、それぞれお伺いするものであります。

 次に、子ども手当制度に対する県の見解についてであります。

 この夏の参院選に向けて、公開討論会の出席をめぐりよくわからない新聞報道もありましたが、真っ正面からの真摯な政策論争を期待したいと思います。

 さて、長妻厚生労働大臣は、先日、平成二十三年度からの子ども手当の満額支給、月額二万六千円を断念すると表明いたしました。財政事情を考えると妥当な判断だと言えます。マニフェスト違反をやんわりと国民を怒らせないように現実路線へ方向転換しているのが今の菅内閣と言えます。

 しかし、忘れたとは言わせません。昨年夏、予算の組み替えと税金の無駄遣いを根絶することで十六・八兆円の財源を生み出し、子ども手当に五・四兆円、農家の戸別所得補償に一兆円、高速道路無料化に一・三兆円などを充てると強弁し続けた政党はどこであったのかということです。

 民主党マニフェストには、中学校卒業まで一人当たり年三十一万円の子ども手当を支給しますと記されております。初年度、半額支給とはいえ実現しましたが、ある意味、最も実現してほしくない公約でもありました。なぜ日本に居住していない外国人の子供にまで支給しなければならなかったのか。その国の政府が面倒を見るのが当然です。一方、なぜ、海外赴任の日本人の親を持つ日本国籍の子供には支給されないのか。日本の子供より日本国籍以外の子供が優遇される政策。鳩山前総理が日本は日本人だけのものではないと過去に発言したことも納得できるような気がいたしました。何より、この究極の税金の無駄遣いによって生じる膨大な借金はだれが背負うのでしょうか。それは日本の子供たちであるということを忘れてはなりません。

 そもそも少子化、子育て対策と一口に言っても、地域によってその事情は大きく異なります。例えば、高齢化が進んだ地方では、若者が都市に流出し、出会いの場も少なく、結婚する機会も減ってしまうということもあるでしょう。一方では、都市部は待機児童だらけで保育所の整備が求められております。地域事情を無視し、広く浅く配ってしまっては、期待した効果は上がりません。地域の実情に応じたきめ細かいサービスの視点がすっぽり抜け落ちております。結局のところ、子ども手当は少子化を押し上げる要因を解決しないと考えられます。

 とはいえ、県内においても既に一回目の子ども手当が支給されました。皮肉にも私も中学生と小学生の二人の子を持つ親として、月額一万三千円の十カ月分掛ける二人分で、今年度は二十六万円の子ども手当を受け取ることとなります。もらう立場とすれば、どうせ実施するなら所得制限をかけてもよかったのではないかと思います。やはりこれまで児童手当をもらえなかった世帯まで一律に配ってしまっては、本当に困っている世帯に財源が回らないのではないかと不安に思いますし、本当に使っていいものかということです。県内でことし総額二百五十億円を支給されるようでありますが、これほどの額を子ども手当に充てるのであれば、私とすれば、屋根つきのサッカー場を今すぐに建設していただきたいし、八戸に県立スケート場を二、三個つくってもおつりが来ます。

 つまりは、世界的な経済危機や国内雇用情勢の悪化など取り組むべき課題が山積している中で、五・四兆円もの税金をこの手当に投入するまでの優先度は低く、しかも、税制改革を実行しようとするなら、税金の使い方に対する国民の不信感を増長するばかりであります。

 まずは、真に困っている世帯への子育てサービスを拡充した上で総合的な少子化施策を打ち出し、それでもなお財源に余裕があるのであれば手当を支給すればいいのであって、このことがばらまきと批判される要因と考えられます。

 そこでお伺いするわけでありますが、子育て支援に対する県の基本的な考え方と、平成二十三年度以降の子ども手当制度の見通しに対する県の見解をお伺いするところであります。

 次に、農業農村整備事業の予算削減による影響についてであります。

 民主党政権における農業政策の柱は、何といっても戸別所得補償制度でありましょう。一方、本制度のあおりを受け、農林水産省関係の公共事業はばっさり削られました。来年は一体何を犠牲にするつもりでしょうか。

 ことし初め、私のもとに青森市諏訪沢地区の農家の方が見えられました。お話をお伺いすると、この地区では担い手の高齢化や減少によって、零細で分散する農地の生産性向上が長年の課題であり、将来を見据えて有効な農地利用を図るべく、圃場整備事業の実施は悲願であったそうです。

 このため、この方は、地域の取りまとめ役となり、地元農家の同意を取りつけ、市からの市負担分の同意書を付して、平成二十三年度新規採択のために、青森県に対し、調査計画の実施を昨年の十二月に要望したとのことでありました。しかし、政権交代後の農業農村整備予算の大幅削減によって圃場整備事業の新規採択が不透明な点と、地元負担の合意内容が変更となってしまう点から、調査計画そのものを結局は見送る形になりました。このような事例は、この地区だけではなくて、県内各地域、また、全国的にも多発しているものと推測いたします。

 我が国は、地域や規模によって多様な農業が行われておりますが、全国一律型の所得補償の創設によって勤勉でやる気のある農業者に不利益をもたらすとすれば、日本の農業は成り立ちません。我こそはいいものをつくるという農業者のやる気が失われてしまいます。本県が進めている攻めの農林水産業の土台も崩れてしまいます。

 こうした国の予算削減による影響を最小限にとどめるよう、県当局におかれましては一層の努力を望むものであります。

 そこでお伺いいたしますが、一点目として、国の農業農村整備事業費の削減による本県農業への影響について。

 二点目として、国の予算削減を踏まえ、本県においては、今後圃場整備事業をどのように進めていくのかをお伺いするところであります。

 次に、全国学力・学習状況調査の実施状況についてであります。

 昨年十一月の本会議においてこの問題について取り上げました。調査のあり方を指摘し、県教育委員会の対応について要望いたしました。その後の経過を確認する意味でお伺いいたします。

 一点目として、平成二十二年度全国学力・学習状況調査における本県の抽出調査及び希望利用の状況についてお伺いいたします。

 二点目として、本県の抽出調査及び希望利用を合わせた参加校数の割合が全国の平均よりも低くなっているが、このことを県教育委員会ではどのように受けとめているのかをお伺いいたします。

 次に、東北新幹線全線開業に向けた観光振興についてであります。

 十二月四日の開業日、そして、新型車両の名称も「はやぶさ」に決まり、全線開業もカウントダウンに入りました。十二月といえば雪もちらつくころ。ねぶた祭り等の夏祭り時期とは違い、冬季の観光の目玉は少なく、この十二月の開業時にどうやって観光客を集めるのか。また、翌年三月には九州新幹線の全線開業ともなる中で、向こうは九州全体で観光客を取り込もうとするでしょう。青森県一県で対抗するためには、三村知事を先頭に、今こそ「結集!!青森力」を発揮すべきときではないでしょうか。

 そこで、一点目として、東北新幹線全線開業効果の獲得に向けた取り組みとして、観光コンテンツの育成強化が重要と考えますが、県の取り組みについて。

 二点目として、東北新幹線全線開業による観光振興に向けて、県都の玄関口である青森地域の新たな魅力創出にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

 次に、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン推進事業の取り組みについてであります。

 操車場跡地地区は、これまで青い森セントラルパークとして市民の憩いの広場として活用されてきましたが、青森市の市街地にこれほど広大な土地はもう残されておりません。操車場跡地の土地利用は、青森市全体のまちづくりの観点からも失敗は許されず、そのいかんによっては後世に禍根を残しかねません。

 そこで、これまで進められている青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン構想の実現に向けた県の基本的考えをお伺いするものであります。

 また、本構想の実現に当たり、公募による民間活力の導入を計画されているようでありますが、依然として厳しい地場の中小企業の経営環境を思うに、地元でできることは地元でという考えのもと、最大限地元企業が事業参画できる環境を用意することが求められます。

 そこで、公募における地元企業の参入の考え方についてお伺いするものであります。

 次に、あすなろ医療療育センターの機能移転についてお伺いいたします。

 県では、昨年度、周産期医療から療育までをテーマとした青森圏域の地域医療再生計画を国に提出し、地域医療再生臨時交付金の交付決定を受けました。この計画は、周産期医療の充実を図るとともに、青森市の県立あすなろ医療療育センター及び弘前市のさわらび医療療育センターにおける医師不足や施設の老朽化といった課題を踏まえ、国立病院と県立病院が連携して体制を再編する計画と聞いております。障害を持つ子供さんを抱える親御さんにとって、子供が将来にわたって安心して医療を受けられる体制づくりは必要不可欠なものであります。

 そこでお伺いいたします。

 一点目として、青森圏域の地域医療再生計画の現在の進捗状況についてお伺いいたします。

 二点目として、あすなろ医療療育センターに係る計画の推進に当たっては、利用者側の理解を得ながら進めるべきものと考えますが、今後の対応についてお伺いするものであります。

 最後に、市町村の防災体制の整備についてであります。

 二月に発生したチリ地震による津波が地球の真裏である我が国まで到達したことは、想定され得る事態だったとはいえ、自然災害の脅威を改めて痛感することになりました。

 あらゆる事態を想定した危機管理、災害対策が求められるところでありますが、このたびの津波によって幾つかの課題も浮き彫りとなりました。それは、県内市町村の防災体制に差があるということであります。

 県とすれば、これまでにも増して市町村との連携を密にしながら、県民の生命と財産を守るべく万全の対策を期していただくことを願い、以下お伺いいたします。

 一点目として、チリ地震津波に関して県が実施した市町村の対応状況調査結果等の概要について。

 二点目として、避難勧告等の具体的発令基準及び災害時要援護者避難支援プラン全体計画の策定状況はどのようになっているのか。

 三点目として、市町村の防災体制整備のため、今後市町村に対してどのような助言、指導を行っていくのか。

 以上をお伺いし、壇上からの質問を終わります。

 

◯副議長(中谷純逸) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員の御質問にお答えするわけでございますが、サッカーへの熱い思いを伺うことができました。私も今回──私自身は甲子園専門というか、ぜひ夏の甲子園も一度行っていただければと。これは燃えますよということで、観光コンテンツの育成強化につきましてお話しさせていただきます。

 本年十二月四日の東北新幹線全線開業までいよいよあと百七十日となりました。私は、県下全域にある自然、景観、産業、文化、郷土料理等による観光コンテンツの充実強化により、地域の新たな魅力の創出を図り、青森県ならではの楽しい時間の過ごし方、あるいは地元の人々が体験している本物の魅力を観光客の方々に提案することが、滞在型観光の推進や青森ファン獲得に結びつくものと考えているところであります。

 そのため、本年度は、県や市町村等がこれまで発掘、育成してきました千五百を超えます魅力あふれる観光コンテンツを絞り込み、具体的な旅行商品造成に向けてのプログラム開発など、その高度化を支援していくこととしております。

 また、地域振興の新たなスキームとして注目されておりますいわゆる着地型観光を推進するため、セミナーの開催や研究会の立ち上げを行いますとともに、新たな観光コンテンツの創出に取り組む団体への支援などを強化するほか、国内でも有数の温泉銭湯など、全国に通用する有力な観光コンテンツをキラーコンテンツとして情報発信に努めることとしております。

 私は、今後とも、東北新幹線全線開業効果を最大限に獲得し、持続していくため、地域との連携を一層密にしながら、より良質で多様な観光コンテンツを生かした本県の魅力創出に取り組むことによって観光振興及び地域経済の活性化にも結びつけていきたいと考えております。

 県都であります青森地域の新たな魅力創出についてであります。

 十二月四日の東北新幹線全線開業を、観光分野のみならず、本県の地域経済全体を活性化させる千載一遇のチャンスととらえ、これまでも私みずから先頭に立ちまして、県民挙げての機運の醸成や誘客促進のための取り組みを推進してきたところであります。

 東北新幹線全線開業効果を最大限獲得するためには、県内各地域の組織が主体的に取り組むことが重要であり、青森地域では、青森市による文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」や、JR東日本よります工房と市場の複合施設が整備されるなど、地域ならではの観光コンテンツによる魅力づくりや受け入れ態勢の整備に向け独自の取り組みが推進されております。

 私どもの東青地域県民局におきましても、青い海公園の魅力創出に向けた取り組みを行うこととしておりますことから、駅と町と港、これらのにぎわいの連鎖により、青森駅前を初めとする青森地域の活性化や町歩きによる新たな魅力創出が図られるものと期待するところです。

 今後とも、全線開業に向け、地域との連携を密にしながら、青森地域における観光コンテンツを生かした魅力の創出に取り組む所存であります。

 青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンの基本的考え方であります。

 県及び青森市は、昨年度、民間団体や研究機関で構成します青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン構想検討会を設置し、この検討会において構想が策定されているところでございます。

 この構想では、世界に発信するゼロカーボンタウン、また、雪と共生する快適な青森発北国モデルタウン、そして、誰もが健康で元気と活力にあふれたまちなど、次世代の都市像とも言える目標が示されております。

 現在、国では二〇二〇年までに温室効果ガスを九〇年比で二五%削減する目標を掲げております。

 私ども青森県におきましても、ことし四月にあおもり低炭素社会づくり戦略を策定し、温室効果ガスの排出削減に向けた施策を推進していくこととしており、この戦略において青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン構想を低炭素社会を実現する推進プロジェクトとして位置づけたところでございます。

 この構想の実現のためには、大学等の先端的な研究を軸とした産学官の連携とあわせまして、まちづくりやエネルギー分野等での民間事業者の知恵と先進技術の導入を図ることが不可欠であります。そのことから、青森市と共同で公募により広くすぐれた提案を求めまして、ここ青森県において低炭素社会の先駆けとなるような先進モデルを構築したいと考えているところであります。

 私からは以上です。

 

◯副議長(中谷純逸) 行政改革・危機管理監。

 

◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) 市町村の防災体制の整備に関する御質問三点にお答えいたします。

 初めに、チリ地震津波に関して県が実施した市町村の対応状況調査結果等の概要についてです。

 本年二月のチリ地震津波では、避難所に避難した住民の数が少なかったことや、津波警報が発表されたにもかかわらず避難勧告を発令しなかったり、避難指示を出すべき地区に漏れを生じた市町村があったことなどの課題が明らかになったことから、県では、本年三月、沿岸二十二市町村の対応状況調査を行いました。

 その結果、津波避難計画及び津波ハザードマップを作成していないなど、事前の準備が不足している団体が多かったこと。そのため、津波警報等が発表された後に避難対象地区の選定作業に取りかかった団体も多かったこと。地域防災計画に定めがあるにもかかわらず避難勧告を発令しなかった団体があることなど、津波災害に関するさまざまな課題が浮かび上がり、多くの市町村で津波に備えた防災体制の再構築が必要であるという結果となりました。

 一方、津波の際の住民の避難行動については、大津波の津波警報が発表された青森、岩手、宮城各県の市町村を対象に国が住民アンケートを実施しており、その結果、八割以上の住民はテレビや市町村の防災無線等により避難指示または避難勧告を見聞きしていたものの、実際に避難した方は四割弱にとどまっており、また、避難しなかった住民の多くがみずから避難の必要がないと判断していたことが判明しております。

 次に、避難勧告等の具体的発令基準及び災害時要援護者避難支援プラン全体計画の策定状況についてです。

 平成二十一年七月に発生した中国・九州北部豪雨や八月の台風第九号では、山口県や兵庫県で多数の被害者が出ましたが、その際、市町村の避難勧告等の発令がおくれたことや、住民へ迅速かつ確実な伝達が行われなかったことなどの課題が指摘されたことから、市町村では、国が平成十七年に取りまとめた避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインに従い、水害、土砂災害発生時などにおける避難勧告等の具体的発令基準を早急に策定することが求められているところです。

 本年四月一日現在で、避難勧告等の具体的な発令基準を策定している市町村は、水害に関しては、対象四十市町村のうち二十一市町村、土砂災害に関しては、対象三十七市町村のうち二十市町村、高潮災害に関しては、対象二十二市町村のうち五市町となっておりますが、今年度末にはすべての対象市町村において策定される見込みとなっております。

 次に、災害時に犠牲となりやすい高齢者や障害者など要援護者の避難支援については、国が平成十七年に取りまとめた災害時要援護者の避難支援ガイドラインに基づき、平成二十一年度末までに全市町村において全体計画を策定することが求められております。

 本年四月一日現在の策定状況については、四十市町村中、三十一市町村が策定済みとなっており、残り九市町村についても今年度末には策定される見込みとなっております。

 最後に、防災体制整備に向けた市町村への助言、指導についてです。

 チリ地震津波に関して県が行った調査結果については、去る四月十六日に開催した市町村・消防本部防災担当課長会議において市町村等へ周知し、津波避難計画の策定や地域防災計画の再点検を実施するなど、津波に備えた防災体制の再構築を速やかに行うよう要請したところです。

 また、避難勧告等の具体的発令基準及び災害時要援護者避難支援プラン全体計画の策定については、これまでも文書や各種会議等で早期の策定を要請し、進捗状況について逐次確認してきたところです。

 津波や水害、土砂災害発生時等において被害を最小限に食いとめるためには、市町村が防災情報を適切なタイミングで確実に住民へ伝達することが重要であり、そのためには、避難に係る基準やマニュアル等を整備し、それに従って適切に対応することが必要です。今後とも、各市町村に対し、避難計画や災害時要援護者プラン等の早期策定を要請するとともに、策定の進捗状況については積極的に県から確認を行うなど、防災体制の整備に向けた的確な情報提供及び助言を行ってまいりたいと考えております。

 

◯副議長(中谷純逸) 健康福祉部長。

 

◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、子ども手当についてお答えいたします。

 子育て支援施策につきましては、地域社会全体が責任を持って子供の養育を行える仕組みづくりが重要です。また、経済的支援だけではなく、多様な保育サービスや子育て支援サービスの充実、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みなどの総合的な施策を継続的に推進していくことが必要だと考えております。

 平成二十三年度以降の子ども手当につきまして、国では、平成二十三年度予算編成過程において検討し、その結果に基づいて所要の法律案を平成二十三年通常国会に提出するとしており、現時点ではまだその法案は示されておりません。

 県としましては、次世代を担う子供たちの育ちを応援するという子ども手当制度の趣旨から、国の責任において、地方の意見を十分聞きながら持続可能な制度設計を行うとともに、全額国庫負担で実施すべきと考えております。

 次に、地域医療再生計画の現在の進捗状況についてです。

 県は、昨年度、総合周産期母子医療センターのNICUの満床状態や、障害児療育施設の医師不足とベッド不足、老朽化といった課題を踏まえ、重い障害を持った子供たちが周産期医療から療育の場まで、ひいては、ついの住みかとして安定的に医療を受けられる体制づくりを目的としまして青森圏域の地域医療再生計画を策定いたしました。

 本年一月の国の地域医療再生臨時特例交付金の交付決定を踏まえ、三月には、医療療育体制に係る計画の具体的内容を検討するために、利用者団体、関係機関、学識経験者等により青森圏域等療育機能検討会議を設置したところでございます。

 これまでに三回の検討会議を開催し、第二回目以降は弘前大学大学院医学研究科の関係講座にも御参加いただきながら検討を進めてまいりました。

 今後は、検討会議でのより具体的な検討を踏まえて、平成二十五年度までに施設の整備を行うこととしております。

 次に、今後の対応についてです。

 青森圏域の地域医療再生計画の策定に当たりましては、利用者団体、関係機関、学識経験者等と意見交換を行い、計画の必要性について一定の理解を得ながら進めてまいりました。また、本年一月には、国の内示を踏まえまして利用者説明会を開催し、計画の概要についての説明と意見交換を行いました。

 説明会及び検討会議におきましては、医師確保に対する不安のほか、特にあすなろ医療療育センターの通院利用者からは、これまでどおりリハビリ訓練等を継続してほしいという声がありました。

 今後とも、検討会議のほか、適時に利用者説明会等を開催し、利用者の理解を得るよう努めながら慎重に計画を進めてまいりたいと考えております。

 

◯副議長(中谷純逸) 農林水産部長。

 

◯農林水産部長(有馬喜代史) 農業農村整備事業の予算削減による影響についての御質問二点にお答えいたします。

 最初に、本県農業への影響についてです。

 国における平成二十二年度の農業農村整備事業予算は、二千百二十九億円で対前年度比三六・九%となり、新たに創設された農山漁村地域整備交付金と合わせても大幅な削減となっています。

 県では、こうした予算削減による本県への影響を最小限にとどめるため、知事みずからが食料自給率の向上に果たしている本県の役割や環境公共への取り組みの重要性などを国へ説明し、予算の確保を訴えてきました。これらの結果、平成二十二年度は対前年度比八六%の予算を確保することができたところです。

 しかしながら、平成二十三年度以降も国の予算削減が継続された場合、事業実施を予定する地区における工事期間の長期化や事業計画の抜本的な見直しなども想定されており、生産現場では、農業水利施設の機能不全や水田の汎用化、耕作道の整備のおくれなどにより、担い手や集落営農組織による効率的な農業展開や生活環境の整備に支障を来すことが懸念されています。

 次に、今後の圃場整備事業をどのように進めていくのかについてです。

 圃場整備事業については、水田の大区画化や排水改良等の圃場整備によって、生産コストの低減や農地集積の促進、麦や大豆等の作付拡大などが図られ、攻めの農林水産業を下支えする重要な役割を担っていることから、引き続き計画的に取り組んでいく必要があるものと考えています。

 このため、今後の圃場整備事業の推進に当たっては、国の予算削減に伴い、緊急性や必要性、地元の意向に配慮しながら、実施中の地区においては、徹底したコスト縮減や事業効果の早期発現が見込まれる箇所への重点的な予算配分、新規地区においては、費用対効果などを重視した優先度の明確化や必要最低限での整備内容の検討などに努めるとともに、国に対して所要予算の確保を強く要望してまいります。

 

◯副議長(中谷純逸) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(竹内春繁) 御質問三点にお答えいたします。

 新青森県総合運動公園の整備状況と整備を進めている球技場の概要でございます。

 新青森県総合運動公園については、全体面積八十六ヘクタールのうち、まず、総合体育館「青い森アリーナ」、屋外テニスコートを含む二十七・九ヘクタールを整備し、平成十五年一月に一部供用いたしました。次に、多目的広場、さくら広場、流れ工などの園地区域三十一・五ヘクタールの整備を進め、平成二十一年四月に追加供用してございます。

 球技場につきましては、サッカー、ラグビーなどの県大会レベルの大会開催が可能なグラウンドとして、現在約千五百人が観戦できるメーンスタンドやトイレなどの整備を進めており、平成二十三年度の完成を予定してございます。

 次に、新青森県総合運動公園の整備に係る今後の見通しでございます。

 新青森県総合運動公園につきましては、国際的・全国的規模の競技会の開催に対応できる施設を整備する計画でございますが、大規模施設につきましては、平成十五年十一月に策定しました財政改革プランに基づき、財政健全化のめどが立つまでは着工を見合わせることとしたところでございます。

 また、平成二十年十二月に策定した行財政改革大綱には、大規模施設については既存施設の耐震や老朽化等のための改築、改修を優先することとし、新たな大規模施設の整備については、県の財政健全化の見通しが立つまでの間、必要に応じて将来に向けた検討、議論を実施していくと定めておりますので、引き続きこの方針に沿った対応を基本としていく必要があるものと考えております。

 次に、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン推進事業の公募における地元企業の参入についてでございます。

 青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン構想の実現のためには、日本の先進的な技術とノウハウの活用を図ることが重要でございます。このため、今年度、低炭素型モデルタウンの開発を担う民間事業者の公募を予定しているところでございます。公募に当たりましては、公平性と透明性の確保を基本として、地元企業が参入しやすい仕組みにつきまして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

◯副議長(中谷純逸) 教育長。

 

◯教育長(橋本 都) 御質問四点についてお答えします。

 初めに、青森県スポーツ振興計画における選手強化についてです。

 県教育委員会では、これまで、県体育協会、県中学校体育連盟及び県高等学校体育連盟等と連携を図りながら、ジュニア選手や一般選手の強化に努めてきたところです。

 近年、本県では、国民体育大会での少年男女の活躍や、全国高等学校総合体育大会での入賞者が増加しております。また、議員のお話のように、平成二十二年一月の全国高校サッカー選手権大会での準優勝や全国高校スキー大会での男子リレー優勝など、ジュニア競技者が優秀な成績を残しております。

 このような中、県教育委員会では、本県におけるスポーツ環境のさらなる整備に向けたスポーツ振興の基本計画として、本年三月、青森県スポーツ振興計画を策定したところです。

 この計画では、県民が生涯にわたり気軽にスポーツに親しむことができる環境づくりや、全国大会などで活躍できる選手の育成による本県の競技力の総合的な向上を進め、県民の豊かなスポーツライフの実現を目指しております。

 また、本計画では、重点項目三つのうちの一つに、ジュニア競技者の育成・強化を掲げ、県体育協会及び関係団体等が本県のトップレベル競技者及び指導者を対象に実施する強化事業を支援することとし、特にジュニア期から個人の特性や発達段階に応じた強化策を推進することとしております。

 次に、具体的な取り組みについてです。

 選手強化の具体的な取り組みについては、国民体育大会候補選手を中心に強化合宿を行う総合選手強化対策事業、また、ジュニア層の強化のため、中学生の有望選手や高校生の強化指定選手等が県内外で強化合宿を行う中学生強化事業、高校生強化事業に継続して取り組んでおります。

 また、来年、本県を含む北東北三県で開催される全国高等学校総合体育大会において、本県選手が活躍できるよう、県外の有力チームを招聘した合同合宿やインターハイ会場施設などを活用した強化合宿によるインターハイ選手強化対策事業を行っております。

 さらに、中高一貫指導体制の確立を促進するため、中学校、高等学校の指導者を対象に研修会を開催し、各競技の中央競技団体が作成した競技特性や発達段階に応じ選手を育成するプログラムについて普及を図っているところです。

 県教育委員会といたしましては、今後とも、県体育協会及び関係団体等と連携し、本県の競技力の総合的な向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に、全国学力・学習状況調査における本県の抽出調査及び希望利用についてです。

 全国学力・学習状況調査は、全国の公立小・中学校すべてが参加する悉皆調査として平成十九年度から三年間実施されてきました。平成二十二年度は、国が実施校を抽出する抽出調査と、学校の設置者である市町村等が希望すれば調査を利用することができる希望利用方式で実施されました。

 本県の抽出調査校は、公立小学校が九十一校で県全体の約二六%、公立中学校が八十六校で県全体の約五〇%となっております。また、希望利用校は、公立小学校が八十二校で県全体の約二四%、公立中学校が二十七校で県全体の約一六%となっております。

 抽出調査校と希望利用校を合わせると、公立小学校で県全体のおよそ二校に一校が、公立中学校で県全体のおよそ三校に二校が調査に参加したことになります。

 次に、本県の参加校数の割合に対しての受けとめについてです。

 平成二十二年度全国学力・学習状況調査における公立小・中学校の抽出調査と希望利用を合わせた参加校数の割合は、国の平均が七三・五%であり、本県は五五・四%となっております。このことは、学校の設置者である市町村等がさまざまな実情を考慮した上で判断した結果であると認識しております。

 県教育委員会としましては、国の調査により、本県児童生徒の学力の状況等について全国的な状況との関係において把握することとしております。

 また、県が行う学習状況調査により、国の調査の国語、算数、数学に加えて、社会、理科、英語を含めた五つの教科の基礎的、基本的な学習内容の定着状況を総合的に把握することとし、引き続き児童生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上など、確かな学力の向上を目指して、各市町村教育委員会及び学校と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

 

◯副議長(中谷純逸) 高橋議員。

 

◯二番(高橋修一) 明快なる御答弁をいただきましてありがとうございました。

 一部納得できない部分もありましたけれども、きょうは壇上でサッカーのことをいっぱい言うことができましたので、そういう意味では大満足であります。

 たくさん答弁いただいたわけでありますけれども、ただ、私がきょう申し上げたかったことは、サッカーも行政も政治も一緒ではないかということでありまして、今回、ワールドカップで、第一戦で得点を決めた本田選手が、大会前に、日本代表はベストフォーを目指すということであったんですけれども、彼は、サッカーには謙虚さは要らないと。僕は優勝、一番を目指したいというふうに語っておりました。きょう取り上げたスポーツの振興も、農業も、あるいは子供の学力の向上、それから観光振興、医療等々、やっぱり高い目標を掲げることによって県民はそのことに共感を覚えるし、よし、県がやるのであれば我々もということで一体感も生まれてくるのかなという意味で申し上げました。

 これは、高い目標を掲げる監督あるいは選手、チーム、そういうチームはやっぱりおのずとファンがふえてくるし、魅力を感じると、そういう意味で今申し上げました。

 知事も、教育長も、また部長も、それから県の職員の皆さんも、私は今、非常に青臭いことを言っているようでありますけれども、このことに意を用いて今後とも県政運営に当たっていただきたい。このことを申し上げまして、終わります。