2010年01月21日:平成22年環境厚生委員会 本文

◯山内委員長

 ただいまの報告につきまして、ほかにはございませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 この2ページの幸成会からの報告等についての(1)の2)、入所児童の育成のためよかれと考えて実施したものであり、ただ一方でこれを指示した職員がいないと。よって、就業規則による処分は不可能であるというのは、どうも理解しがたいんでありますが、組織として職員個人に対するこれを意図しているのか、あるいは責任の所在が組織の理事長に及ばないのか、という疑問でありますけれども、この文面をちょっと御説明いただきたい。

 

 

◯川嶋こどもみらい課長

 まず、その不適切なことをしたという施設職員はだれかということで言いますと、県といたしましては、当然、児童福祉施設最低基準違反でございますこの交流保育の実施を指示した者、あるいはこれに加担した職員を想定してございます。対象になる職員及び処分につきましては、申し上げましたとおり、法人がみずから規定しております就業規則──これは園長も含めての就業規則でございますが──それにのっとり処分について判断すべきものということで、改善勧告をしたところでございます。

 

 

◯高橋委員

 今言う処分というのは、就業規則による処分という理解なんですね。例えば、関係法令であるとか、そういったものとはまたこれ別のものという考えなんでしょうか。

 

 

◯川嶋こどもみらい課長

 改善勧告の通知内容につきましては、あくまでも法人の就業規則にのっとって処分をしてくださいという通知でございます。ただ、明らかに児童福祉法に違反しているということは、当然、就業規則上におきましても処分の対象になるような事例であるということでは考えております。

 

 

◯高橋委員

 このほかの部分は指摘はされている、今後の対応ということになるんでしょうか。

 

 

◯川嶋こどもみらい課長

 まず、今回の改善勧告及び社会福祉法に基づきます行政指導につきましては、1つには、児童の処遇にかかわるという大きな大事な部分であることが1つ。あと、社会福祉法人の根幹にかかわる部分ということで、2つの部分につきまして、先に改善勧告、そして行政指導を行ったところでございます。ほかにも、さまざま指摘する内容はあると考えてございますが、それにつきましては、現在精査中ということでございます。

 以上です。


◯山内委員長

 休憩前に引き続き委員会を開きます。

 健康福祉部・病院局関係の審査を続行いたします。

 質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 それでは、私から、県立中央病院における呼吸器内科休診について、質問をさせていただきます。今月の15日、地元紙各紙におきまして、青森県立中央病院の呼吸器内科休診へとの報道がなされました。記事によりますと、今年度末で呼吸器内科の医師が退職することによるものとのことでありますが、初めに、このような事態に至った経緯につきまして、御答弁をお願いいたします。

 

 

◯木村病院局運営部長

 お答えいたします。今、委員のお話もありましたが、県病の呼吸器内科では、平成20年7月から担当医師が1人という体制で診療を行ってまいりました。その医師が本年度末で退職することとなりました。この1人体制という体制ですが、そもそも1人で外来患者も入院患者も診るというこの体制自体が、1人の医師に極めて大きな負担をかける、そういうものでございまして、体制としてもあるべき姿ではないということから、実は、現在の病院事業管理者が──吉田管理者ですが──赴任してからも既に県内外の大学への要請、あるいは東北各地を訪問いたしまして、本県出身の呼吸器内科の医師に直接働きかけたり、さらには学会などの全国会議の場で情報収集するなどして、あるいはお願いするなど、呼吸器内科医のさらなる確保に向けてできる限り努力してきたところではございました。しかし、呼吸器内科医師が全国的にも少ないという事情もございまして、いずれも今出せる余裕がないとか、あるいは今は異動できない、移られない、そういったお答えばかりで、残念ながら、実際医師を確保するという結果を得るまでには至っていないところです。

 こういう状況でございますので、今回の3月末で退職する医師の後任の確保につきましても、現時点では極めて不透明でございます。したがいまして、4月の時点では呼吸器内科医の不在ということを、まずもって前提として対応せざるを得ないと考えております。したがいまして、呼吸器内科の診療に関しても、やはり不在を前提といたしまして、段階的に縮小せざるを得ないということで、今回いろいろ報道していただいたところでございます。

 現在、呼吸器内科の外来の患者さんの数ですが、大体1日当たり40人から45人です。この外来の患者さんに関しても、まず、2月からは新患の受付を休止いたしまして、3月からは原則として再来の受付も休止することとしております。この再来の患者さんについては、2月は受診いただけますので、まず2月に来ていただいて、現在の医師と今後について相談をしていただきたいという、そういうことが前提にあります。

 また、入院患者さんですが、大体1日当たり約30人、現時点で33人ですが、この既に入院している患者さんにつきましても、できるだけ転院していただきたいということで、今、るる取り組んでいるところでございます。

 いずれにいたしましても、非常に患者さんの側からすれば急な話という、もちろん苦情もございます。改めておわびを申し上げます。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 ただいまの御答弁の中で、平成20年7月から医師が1人体制だったということでありますけれども、それより以前は、2人なり3人なり4人ということがあったとは思うんですが、その辺はどうだったんでしょうか。

 

 

◯木村病院局運営部長

 実は、この20年7月から医師が1人という、じゃあその以前はというと、19年度は2人体制でございました。今、おやめになるこの50代の男性医師は昭和61年に当院に来ていただきまして、いろいろ熱心に診療していただいているわけですが、61年に来られて以降、ほとんど2人体制、部分的には1人体制もございましたが、そういう状況でございました。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 わかりました。それから、各大学等へ、この間打診をされたということでありましたけれども、具体的にどのような大学と申しますか、どのような打診をどこにされて、その状況、どういった回答を得ているのか、あるいは、今後どうなるのかということを具体的に、ちょっと教えていただければ。

 

 

◯木村病院局運営部長

 相手方の事情もございますので、特定の大学名とか、あるいは訪問した医師とか、お名前とかは、るる申し上げかねる、差し控えさせていただきますが。ただ、いずれも事情はわかっていただいたんですが、そもそも、理解はしていただいているものの、余裕がないと。余裕があれば出していただけるんですが、余裕がないというお答えでございました。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 わかりました。それから、外来に関して、日に40人から45人程度の患者がいるということでありますけれども、県病に肺がん治療の外来の治療センターを設置しております。そちらの肺がん治療の患者数というのはどの程度いるのか。もし今わかりましたら教えていただければと思います。

 

 

◯木村病院局運営部長

 当院では、今、委員おっしゃられたとおり、外来、通院で、がんの化学療法をする部署として、外来治療センターという部署を設けてございます。ここでは、多いのはやはり消化器内科とか外科系の患者さんですが、3番目ぐらいに呼吸器の患者さんの外来、化学療法も人数的にはございます。昨年度の例で恐縮ですが、昨年度は597人が呼吸器の関係の化学療法の──延べ件数でございますので、月に1回とか2回という形で来ますと、同じ人でもカウントされるんですが──延べで597件というケースがございまして、これは呼吸器外科も両方あわせての数ですが、相当数、これは比例で申しわけないんですが、3分の2から4分の3ぐらいは呼吸器内科の方の比重は高い、597件のうち、そういう相当数が呼吸器内科の患者さんであるということでございます。

 

 

◯高橋委員

 わかりました。それから、どういった影響が及ぶのかという観点で今聞いているんですけれども、県病の呼吸器科に、外科も含めて、県内の医療機関から紹介があって患者を受け入れると。外科手術というか外科の方との、患者の数なり割合、外科と内科ってどうとらえればいいのか、わかればお知らせいただきたい。

 

 

◯木村病院局運営部長

 これは、平成20年度の数字でございますが、外来でありますと1年間で、延べ患者数の数字ですが、内科の方が7,186人、これは延べですけれども、呼吸器外科の方が5,289人という形になってございます。大体7対5という形で、外来ですが。

 それから、入院に関しましては、これも延べですが、内科の方が1万1,777人──これは1日単位で数えてますので、すごい大きな数字になりますけれども──呼吸器外科の方は6,829人ですから、2対1ぐらいの比率になっております。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 患者数に関してはわかりました。

 それから、呼吸器内科の休止に伴う県病の収入の減、これを試算できるのかどうかというのも含めてお聞きしたいのと、それから、患者に関すること、収入に関すること以外に、この休診がどのような影響を及ぼすと考えているのか、あるいは考えられるのか、その点もお聞かせください。

 

 

◯木村病院局運営部長

 最初の、金額的といいますか収入的なお話でございますが、現在、これは参考までに申し上げますが、平成20年度1年間における呼吸器内科の外来の稼働額という数字がございまして、約1億900万円。それから、呼吸器内科の入院の稼働額というのが3億3,000万円となっております。ただ、この数字がそのままゼロになるかというと、そう簡単にいかないので非常に難しいんですが、例えば、入院のベッドが空いても、他の同じがん診療センターの中の消化器内科とか、いろいろのベッド数が足りないところがございますので、そういったところが使う格好になりますので、空床になるというのはなかなかならない。

 それから、外来化学療法の呼吸器の患者さんが仮に減ったとしても、他の診療科の化学療法の患者さんがその穴を埋める形になりますから、稼働額的に、さらにまた人件費も入ってますので、その金額が幾ら、どのぐらい損失につながるかというのは、なかなか見通しは難しい、そういう状況でございます。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 それでは、次に、この間1年半の間、医師の確保に努めてきたと、努力したということでありますけれども、結果とすればそれに至っていないということであります。今後の医師確保も極めて厳しいものとなると予測できますけれども、今後どのような対応をとられていくのかを御答弁願います。

 

 

◯木村病院局運営部長

 今後の対応につきましては、まず、できるだけ早期に後任の呼吸器内科の医師を確保する必要がございます。この後任の医師につきましては、1人ということでありますとこれまでと体制が変わりませんので、非常に負担が大きくなります。ですから、できることであれば、複数の医師、できれば3人とかのチームでの確保というのが一番望まれるわけでございます。

 また、県病では、がん診療センターを立ち上げてございまして、特に肺がん、委員から質問ございました肺がんの診療に重点を置いた医師の確保、これにも特に重点的に留意する必要がございます。例えば、人数がどうしても1人の場合であれば、例えば最優先で肺がんを重点的にドクターを確保して、非がん──例えば喘息とか、肺気腫だとか──がんでない非がんよりも、がん、肺がんの方に重点を置いた診療に絞ってやるということも含めて、そういった、肺がんの治療に重点を置いた医師の確保ということも1つの考え方、出てくると思います。

 こうした事情も踏まえながら、呼吸器内科部長としての募集、あるいは呼吸器内科医師としての募集、公募も行いながらも、関係医療機関や医師個々への直接の働きかけ、当時もやりましたが、今現在の事情も変わってきていると思いますので、改めて、直接・間接の働きかけを強めているところでございます。

 なお、今回退職いたします医師は、退職後、青森市内の民間病院に勤務する予定でございます。ですから、県内といいますか、市内といいますか、そういう意味での呼吸器内科の医師の数が減少するということではございませんので、何とかこの移られた後の民間病院、その医師と当院との協力補完関係みたいなことも少し構築していかなければいけないのではないかということで、その辺もこれから鋭意検討してまいりたいと思ってございます。というのは、委員御質問にありましたとおり、やはり一番影響が出るだろう患者さんは、肺がんの患者さんです。ですから、移られた後の民間病院との協力というものも、やっぱり相当注意していかなければだめだと思ってございます。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 今御答弁にありましたけれども、肺がんの治療専門のドクターをまず優先的に確保したいということであります。しかし、これまで1人体制において、この1年間募集しながらも候補がなかったという現実を踏まえれば、今ゼロの状態で、1プラス、あるいは複数プラスというのは本当に厳しいのではないかというふうに思います。それで、例えば、緊急的な措置として、国立がんセンターと、3カ月でも半年でも結構ですので、医師派遣をした上で、短期的に医師を確保して、医療体制を確保しつつ、県民に与える影響を最小限に抑えて、根本的な対策というのを同時にやっていくというのも1つの案だと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

 

◯木村病院局運営部長

 今、委員から御提言がありましたのは、例えば、不在となる4月から3カ月間とか4カ月間とかいう数カ月の短期間で、国立がんセンターから医師に来ていただくというのはどんなものかというお話だと思いますが、もちろん、そういうことも含めて、これからあらゆる形態を考えてお願いしていかざるを得ないと思ってございます。それも1つの選択肢に入っているかもしれません。院長、一生懸命努力してございますので。ただ、国立がんセンターにおいてさえも、呼吸器内科の医師が非常に少ないという事情もございますので、今の委員の提言、国立がんセンターでなくてもよろしいわけですから、短期間でもというその趣旨は、帰りましたら管理者にも伝えて、それも含めて検討させていただきたいと思います。

 

 

◯高橋委員

 木村部長の御答弁のとおり、ここで問題になってるのは、1人の医師が退職するということではなくて、県病の呼吸器内科がゼロになり閉鎖される、その事実そのものであろうかと思います。県病は都道府県のがんの拠点病院でありますし、がん治療の中心にあるという中にあって、今回県病の呼吸器内科が休診されるということは、県全体のがん治療にも大きく影響が及ぶものと考えます。

 そこで、突然ですが、県の見解も伺いたいわけでありますけれども、昨年、がんの対策の計画策定をされて、目標もつくったと。医療機関の果たす役割っていうのも、当然明記されてると。そういう中にあって、青森県立中央病院のがん対策の、肺がん対策の中核となる診療科が今なくなってしまうという現実を、どのようにとらえて、また、どうあるべきかというのを、もし見解があれば、御答弁願いたいと思います。

 

 

◯藤岡医療薬務課長

 今、委員御指摘のとおり、都道府県のがん診療連携拠点病院でありますところの県立中央病院、こちらの方で、呼吸器内科の専門医が退職されて休診ということは、非常に残念なことだと思っています。ただ、病院局の方からの答弁にもありましたとおり、全国的にも非常に専門医が少ないという中で、病院局、病院管理者、それぞれ御努力されてきている中だと思っております。県、いわゆる知事部局といたしましても、医師確保という観点から、UIターンだとかさまざまな形で情報収集に努めておりますので、引き続き、病院局の方と、こちらの方でも得られた情報を交換しながら、医師確保に向けて努力していくという形で考えております。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 それでは、最後に要望いたしますけれども、青森県立中央病院の診療科が休診するという事態は、私は何としても避けていただきたいと。現実的にもう無理だというのであれば、再開に向けて最善の方策を、これは県も病院局も連携をとってやっていただきたいと、その一点です。

 それから、県病の診療科がなくなるというのは、他の自治体病院の診療科がなくなるというのとは、私は次元が違う問題であろうかと思いますので、危機感を持って事に当たっていただきたいと。

 それから、県病内で他の診療科も、医師が少ない診療科もあるという状況をかんがみれば、呼吸器内科だけの話ではないと思いますので、そこも含めて、今後とも万全な対策を講じるようお願いいたしまして、質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。