2009年10月15日:平成20年度決算特別委員会(第2号)   本文

◯丸井副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。

 質疑を続行いたします。

 高橋修一委員の発言を許可いたします。──高橋委員。

 

◯高橋委員 自民党の高橋修一でございます。本日最後の質問であります。執行部の皆さんも、委員の皆さんも大変お疲れに見えます。しばしの間、一時間でありますけれども、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、初めに、歳入一款一項一目、個人県民税の収入未済額の縮減につきましてお伺いをいたします。自主財源に乏しい青森県にとりましては、県税の歳入は財政的にも基盤となるものであろうかと思います。特に平成十九年度の三位一体改革によりまして、国から地方へと大幅な税源が移譲されたわけでありますが、確実に財源を確保するために、税の徴収強化は自治体にとっても重要な課題の一つといえます。そのようなことから順次お伺いをいたします。

 初めに、平成十九年度、三位一体改革による税源移譲の結果、個人県民税の調定額はどの程度増加したのかをお伺いいたします。

 

◯丸井副委員長 田辺総務部長。

 

◯田辺総務部長 個人県民税につきまして、三位一体改革前の平成十八年度から三年度間の調定額を申し上げますと、平成十八年度は百九十二億七千八百万円余でありましたが、三位一体改革実施の初年度に当たります平成十九年度は三百三十八億一千百万円余となりまして、額にして百四十五億三千二百万円余と大幅な増加をしております。さらに税源移譲の影響がいわゆる平年度化いたしました平成二十年度は、三百五十二億一千百万円余でございまして、額にしてさらに十四億円余増加したところでございます。その結果、この二年度間で個人住民税、県税分でございますが、百五十九億三千三百万円余の調定増となったところでございます。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 平成十八年度に比して約百六十億弱、調定額がふえたということであります。地方の財源と申しますか、税の自立度が高まることは喜ぶべきことではありますが、当然にして、その財源を確保するための責任が問われることになろうかと思います。単純に考えまして、調定額がふえれば税の未済、滞納額がふえるものと考えられますが、この収入未済額、過去三年間においてどの程度増加したのかお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 田辺総務部長。

 

◯田辺総務部長 次に、個人県民税につきましては、調定額が大幅に増加しましたので、収入未済額も増加したところでございます。平成十八年度は十三億三千七百万円余でありましたものが平成十九年度は十八億四千二百万円余になり、額にして五億五百万円余の増加となりました。さらに平成二十年度は二十二億六千九百万円余となりましたので、額にして四億二千六百万円余の増加となったところでございます。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 二年で調定が百六十ふえて、未済も十億程度ふえたということであります。個人住民税は、各市町村が課税・徴収することとなっておりますが、税源移譲に際して県も市町村も一体となって一層の財源確保を進めていく必要があろうかと思います。本県において、これまで個人県民税の縮減に向けて一定の成果を上げてきておるものと考えますが、県における取り組みについて、市町村に対する支援などどのような対策を講じておられるのか、お伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 田辺総務部長。

 

◯田辺総務部長 平成二十一年度におきましては、県としても市町村に対する徴収支援策を強化いたしまして、例えば市町村との共同催告、あるいは共同滞納整理というものを実施しましたり、特定の滞納者につきまして、徴収を県が市町村から引き継いで直接徴収するという徴収引き継ぎなどを引き続き実施しております。さらに、昨年十月に、市町村の職員と県の職員を相互に併任辞令を出しまして、共同で徴収作業に当たらせる徴収支援チームというのを発足させまして、ことしの四月には、二十市町村が参加し、活動を本格化させるなどこれまで以上に市町村とタイアップした徴収対策に取り組んでいるところでございます。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 全国的にも県と市町村、税の業務の共同化はさまざまな形で取り組みが進められておるものと思います。一つの事例として、京都府において──本県は税の徴収の部分を共同化しているということでありますが、個人住民税に限らず、例えば税の課税であったり、あるいは税の税目を広げるとか、そういったさらに前に進んだ形での事例もあるようであります。本県においても今後、自治体財政のあり方を考える中にあって、他都道府県の動向をにらみながら、市町村と力を合わせて今後ともやっていくべきと考えます。こうした税務事務の共同化の拡大、これは市町村単体ではなかなかできませんので、ぜひとも県として今後、市町村を取りまとめて、これに向けて実施していっていただきたいと、そのことをお願いしたいと思います。

 次に行きます。歳出六款一項二十一目「総合販売戦略費」東京アンテナショップ北彩館の設置につきましてお伺いをいたします。三村県政においてさまざまな施策を実施しておりますが、その象徴的な、あるいは重点的な施策の一つが攻めの農林水産業であるととらえております。また、来年の十二月、東北新幹線の新青森駅全線開業を控えている中にあって、この開業効果を高めるためにも、首都圏での県産品の販売促進はこれまでにも増して重要な役割を占めるものと考えます。そのようなことから、以下三点につきましてお伺いをいたしたいと思います。

 初めに、アンテナショップを首都圏に設置する意義について、大変基本的なことではありますが、御答弁をお願いいたします。

 

◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。

 

◯有馬農林水産部長 アンテナショップを首都圏に設置する意義についてです。首都圏は国内最大のマーケットであり、そこでの消費者に対する物産・観光の情報の受発信、消費動向の把握やそれの産地へのフィードバック、こういったことは、本県が目指す食産業の振興や外貨の獲得にとって重要なかぎを握るものであり、その拠点の一つとなるのが首都圏に設置しているアンテナショップであると考えています。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 次に、他県においてもアンテナショップを充実させる動きがありますが、その先進的な事例はどのようなものがあるのかお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。

 

◯有馬農林水産部長 近年、消費者の食に関する安全・安心、あるいは本物志向を背景として、アンテナショップというのは非常に注目が集まっていまして、各地方自治体ではアンテナショップを充実させる動きが活発化しています。

 最近の開設の事例としましては、昨年度、秋田県が品川に、鳥取県が新橋、また、今年度は山形県が銀座、奈良県が日本橋に開設するなど、それぞれ広告効果の高い都心に設置しているほか、山形県や秋田県では店内で地元食材を生かした食事を提供する、いわゆるイートインを併設するなど各県ともアンテナショップの機能を強化する傾向にあります。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 私も東京に行った際、銀座の歌舞伎座の向かいであったり、あるいは有楽町の交通会館の中、それから、南新宿のJRの本社の手前の並びとか、ああいった東京都内にあって、いわゆる都心の一等地に他の都道府県はアンテナショップを設置している例が多いようにも感じております。青森県は飯田橋の駅をおりて左側、交差点を渡ったところにあるんですが、わかりますよね。はい。左側です。私は決して飯田橋が悪いというわけではありませんけれども、その立地場所も含めてより広告効果の高いアンテナショップとして充実させることが一つ必要ではないかと思います。

 それと同時に、経営上の採算性、コストです。これも十二分に考慮する必要があろうかと思います。そういった意味から、他県と比べてあおもり北彩館東京店、この経営状況がどのようになっているのかを御答弁願います。

 

◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。

 

◯有馬農林水産部長 青森県北彩館東京店は、県が設置し、県産品の販売ノウハウ等を有する物産振興団体に運営を委託する公設民営型をとっており、売上額は開設以来、順調に伸びておりまして、平成二十年度は約三億五千万円、単位面積当たりの売り上げは全国のトップクラス、全国第二位というふうになっております。また、維持運営の経費については、他県が都心の一等地などに設置して高額の賃料を負担していること。こういったことに対して、本県では比較的──県の負担額は約一千万円弱ということで、そういう状況になっております。

 また、人件費や販売促進等に関する経費は、物産振興団体がそれぞれ収益の中から充当する仕組みとなっています。設置場所についてはさまざまな御意見があろうかと思いますが、費用対効果、それから、単位面積当たりの売り上げ、こういったことを総合的に考えますと相当に北彩館は健闘しているのではないかというふうな認識を持っています。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 何度も言いますが、決して飯田橋が悪いと言っているわけではありません。採算性の部分、これも重要でありますので、いずれにしても、どのような場所に設置してあったとしても、他県に決して負けることがないよう、アンテナショップとしての機能の充実に今後とも努めていただきたいと要望させていただきます。

 次に行きます。次が歳出八款三項二目「河川改良費」及び歳出八款三項六目「河川海岸国直轄事業負担金」ダム建設事業の進捗状況と今後の対応についてであります。

 初めに、補助事業により整備を進めている駒込ダム、奥戸ダム及び大和沢ダムの進捗状況についてお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 まず、駒込ダムと奥戸ダムでございますけれども、いずれも現在、ダムの本体工事に向けた工事用道路の整備を進めております。平成二十年度末の進捗率は、駒込ダムが約一五・六%、奥戸ダムが約二〇・九%となっております。平成二十一年度は、駒込ダム、奥戸ダムとも引き続き工事用道路の整備を進めております。

 一方、大和沢ダムでございますが、今までに治水や利水計画、環境調査などについて調査・検討を進めてきておりまして、平成二十年度末の進捗率は約三・二%となっております。平成二十一年度は引き続き治水や利水計画の検討を進めております。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 次に行きます。国直轄事業により整備が進められている津軽ダムの進捗状況についてお伺いいたします。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 津軽ダムでございますが、進捗率は平成二十年度末で約三六%となっております。用地補償につきましては、水没地域の移転対象者全体百七十九世帯のうち百七十六世帯が契約を完了しております。工事につきましては、平成二十年の十一月、ダム本体工事が着手されますとともに、これまでに下流工事用道路全体延長約十二・五キロメートルのうち九・四キロメートルが、またつけかえ県道全体延長七・九キロメートルのうち、ダムサイト迂回区間二・六キロメートルが完成供用されております。

 平成二十一年度は、本体の基礎掘削工事及び県道のつけかえ工事などが行われまして、平成二十八年度の完成を目標に事業が進められております。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 ただいま補助ダムと国直轄事業のダム、県内の四ダムについて、その進捗状況について御答弁をいただきました。そこで、新政権の方針では、建設中、または計画段階にある国土交通省所管のダム事業は一たんすべて凍結し、順次見直しをしていくこととしておりますが、本県の四つのダムの建設事業について、県は今後どのように対応していくのかお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 本県の四つのダム建設事業につきましては、治水面、利水面からの必要性があること。それから、地元の市町村からも要望を受けていること。また、東北地方整備局の事業評価監視委員会や、あるいは県の公共事業再評価審議委員会におきましても、ダムの必要性、あるいは経済的妥当性の確認をしていただきながら事業を継続してきたものでございます。現段階では、今後策定されるダムの見直し基準の詳細が明らかではございませんが、国に対して地域の声を届けるとともに、ダム建設事業の必要性について御理解いただくよう十分に説明してまいりたいと考えております。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 私、六月の一般質問の際に、駒込ダムについて質問をさせていただきました。その際に、県土整備部長から答弁の内容ですが、「県では、厳しい現場状況の中ではございますが、本体工事に向け、引き続き工事用道路や土捨て場整備などの準備工事を重点的に進めることとしておりまして、今後とも事業の実施に当たりましては、災害に強い地域づくりのため、コスト縮減や自然環境への配慮にも努めながら、着実に事業を進めてまいります。」という答弁を得ております。

 今の御答弁の内容とこの部分、県としてのダム事業の考え方、六月からこれまでの間、さまざまなことがありましたが、この部分が変わっていないのか、あるいは変わっているのか確認の意味も含めて御答弁いただきたいと思います。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 委員御指摘の件につきましては、県として現在進めているダム事業が必要であるというふうな考え方に変わりはございません。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 私、本日この質問をするに当たって、資料を持ってきたんですが、これは選挙時に、私の知っている方から各政党のマニフェストをいただきまして、今一番読んでいるのは実は民主党のマニフェストでありますけれども──民主党のほか公明党、社民党、国民新党、新党日本、共産党、そして、自民党とマニフェストがあります。それで、この中で民主党のマニフェストで、公共事業の区分の中に川辺川、それから、八ツ場は中止と、国の大型事業は全面的に見直すと明記されております。

 それから、これが民主党の政策集「INDEX二〇〇九」でありますけれども、今の内容に加えて治水政策の転換として、なお、現在計画中、または建設中のダムについてはこれを一たんすべて凍結し、一定期間を設けて地域自治体住民とともにその必要性を再検討するなど、治水政策の転換を図りますと、そのように明記されております。

 政権発足後、組閣がされまして、前原国土交通大臣が初登庁の際、報道陣にマニフェストに書いているので、八ツ場はやらないと、中止にしますと。以降、群馬を中心とする関係自治体、また地元住民に反発の動きが出ているのは皆様御承知のとおりであります。加えまして、これは先週の報道でありますが、国が進める五十六ダム事業のうち本県の津軽ダムを含む四十八事業について年度内に新たな段階には入らないと、そのようなコメントが報道されました。また、二〇一〇年度予算における個別のダム事業の取り扱いについては、政府として予算案提出までに決めるとして、道府県が事業主体となる、いわゆる国が補助する八十七のダム事業については、各知事の判断を尊重するという報道がされました。

 事業を見直すこと自体は、私は決して否定するものではありませんが、今後、仮に事業が中止、あるいは凍結するとしても、各ダムの建設のメリット、あるいはデメリットを明示するとともに、なぜこのダムが不要であるのか、それを判定した基準と申しますか、そういったものを今後、国民に明確に開示していく必要があろうかと思います。でないとすれば、だれも納得しないと考えます。いわば、この説明する責任ですね。こういったものがなければならないと思います。

 しかしながら、この判断基準などがいまだに国民、あるいは地元への説明がなされていない。また、今後どのように行われるのかも、その方針についても不明であります。これ以上言っても、県に対して説明を求めてもちょっと無理がありますのでやめますけれども、いずれにしましても、青森県として新政権に対して言うべきことは言い、また、説明の責任も求めていっていただきたいと、要望にとどめますが、お願いを申し上げたいと思います。

 次に、歳出八款五項四目「公園事業費」青い森セントラルパーク利活用推進事業の内容についてお伺いをいたします。先日、この青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン構想の資料を県からいただきました。私もこれまで、操車場跡地の地区に関して県議会の場で質問をさせていただいております。興味深く見させていただきました。いただいた低炭素型モデルタウン構想のベースとなったのが昨年実施いたしました民間開発可能性調査と認識をしております。

 そこで、お伺いをいたします。本調査の内容及びその結果について御答弁を願います。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 平成二十年度の調査の内容などについてでございます。青い森セントラルパークは平成九年度に県と青森市が共同で取得をいたしました青森操車場跡地を平成十五年度から公園として暫定的に供用しているものでございます。県と市では、当該操車場跡地の有効活用を図るために、平成十九年度に青い森セントラルパーク活用検討委員会を設置いたしまして利活用計画について検討を進めてまいりました。

 昨年度は民間開発可能性調査を実施いたしまして、利活用の可能性につきまして、民間の企業や、あるいは大学などを対象にヒアリング調査等を実施いたしました。その結果、低炭素型モデルタウンの構想に対しまして、多くの企業・団体から強い関心が示されたところであります。県と市ではこの調査結果を踏まえまして、今年度から低炭素型モデルタウン構想の実現に向けて検討を進めているところであります。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 次に、青森市が設置を要望している青い森セントラルパークへの新駅について、その検討状況がどのようになっているのかをお伺いいたします。

 

◯丸井副委員長 奥川企画政策部長。

 

◯奥川企画政策部長 青い森セントラルパークにつきましては、ただいま県土整備部長の御答弁にもございましたが、県と青森市で構成をいたします青い森セントラルパーク活用計画検討委員会におきまして、民間事業を中心とした開発の可能性について検討し、利活用計画を策定することとしてございます。この地区への新駅設置につきましては、この利活用計画が策定された後に、青森市を含む関係者と協議していきたいと考えております。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 ただいま企画政策部長より、新駅の設置については青い森セントラルパークの利活用計画が策定された後に、関係者と協議していきたいと、そのような答弁でありましたが、この利活用計画が策定される時期はいつごろになるのか。つまりは、策定がおくれればおくれるほど新駅の設置に向けた協議もおくれると考えますけれども、この策定時期について御答弁いただければと思います。

 

◯丸井副委員長 山下県土整備部長。

 

◯山下県土整備部長 現在、検討会を組織いたしまして、具体的な実現に向けての構想計画を練っておるところでございます。現在の予定では、今年度中にその結論を得ることができるのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 はい。わかりました。私から見れば、操車場の跡地の新駅の設置の必要性──青森市からの要望は野内地区と筒井地区とこの操車場跡地の地区であります。野内地区に関しましては、県立青森工業高校の移転、これが平成二十三年度に予定されていると。それに合わせて整備を完了するという方針が……、方針というか、もうそれが決まっております。筒井地区につきましては現在、県が基礎的な調査を行っており、それが今年度いっぱいで終わって、終了後、これも青森市と関係者と協議していくと。筒井地区に関しては実施時期は未定でありますけれども、野内地区に野内駅が完了後、そう遠くない将来に私は設置されるのではないかなと、そのような観測を持っております。

 最後の最後に、操車場跡地の新駅、これだけがまだ不透明でありました。ただいま御答弁いただいたわけでありますけれども、今後この低炭素型モデルタウン構想、これとも密接な関係を持っていくと思われますので、注視してまいりたいと考えております。

 次に、平成二十年度主要施策成果説明書についてお伺いをいたします。初めに、七十五ページ、いじめ・不登校への対応についてお伺いをいたします。六月定例会において、私どもの会派の夏堀浩一議員がこのいじめ・不登校の取り組みについて一般質問をいたしました。あの際、夏堀議員は現状のいじめの実態を詳細にわたって紹介をされ、御本人も本会議場で涙しているのかなと私には見えまして、そのときに、夏堀先生の思いと申しますか、それに深く共感し、また感銘を受けた次第であります。言うまでもなく、いじめ根絶に向けた取り組み、これまで以上に推し進めていただきたいと考えるところでありますが、初めに、本県公立学校におけるいじめ・不登校の状況についてお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 田村教育長。

 

◯田村教育長 本県公立学校におけるいじめ・不登校の状況についてであります。平成十九年度における文部科学省の児童・生徒の問題行動調査によりますと本県公立学校のいじめの認知件数は、小学校三百六十一件、中学校五百九十件、高等学校九十六件となっております。また、在籍する児童・生徒数に占める割合は、小学校〇・五%、中学校一・四%、高等学校〇・三%となっており、平成十八年度と比較して小・中学校は減少、高等学校は増加しましたが、全国平均と比較しますといずれも少なくなっております。

 なお、いじめの内容といたしましては、冷やかし、からかいなどの言葉によるものが全体の約半数を占めており、次が仲間外れ、集団による無視となっております。一方、いじめが解消された割合は、小学校八九・一%、中学校八三・六%、高等学校八九・六%で、いずれも全国平均を上回っております。

 次に、不登校でございますが、平成二十年度における文部科学省の児童・生徒の問題行動調査によりますと、本県公立学校の不登校児童・生徒数は小学校百八十三人、中学校千二百五十四人、高等学校二百十八人となっております。また、在籍する児童・生徒数に占める割合は小学校〇・二三%、中学校二・九五%、高等学校〇・六七%となっており、平成十九年度と比較して、いずれも減少しました。なお、全国平均と比較しますと小学校と高等学校は少なく、中学校は若干多くなってきております。

 

◯丸井副委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 ただいまいじめと不登校の状況について御答弁いただきました。いじめに関しては、小・中・高で大体千件ぐらいです。それと不登校に関しては小・中・高で一千六百人ほど。いずれも中学生の数字が高いようであります。また、いじめの解消率、小学校が八九、中学校が八三、高校が八九。逆に中学校がいじめの解消率が低いという状況であります。その状況を踏まえて御質問をいたしますが、次に、県教育委員会では、いじめ、不登校に対応するため、スクールカウンセラー配置事業、いじめ対策事業、二十四時間電話相談事業、いじめ根絶キャンペーン推進事業などを実施しているようでありますが、この中で、スクールカウンセラー配置事業の概要と取り組みの状況についてお伺いをいたします。

 

◯丸井副委員長 田村教育長。

 

◯田村教育長 それでは、スクールカウンセラーの配置事業の概要と取り組みの状況についてであります。スクールカウンセラー配置事業は、いじめや不登校などの問題行動等に対応するため、児童・生徒の臨床心理に関して、高度で専門的な知識経験を有するスクールカウンセラーを学校に配置し、カウンセリングを行うとともに、教員の資質向上を図ることをねらいとして、平成七年度から実施しております。平成二十年度は四十名のスクールカウンセラーが県内二十二市町の中学校四十校に配置され、生徒や保護者へのカウンセリングのほか、教員への助言者としても活動されております。また、配置された四十名のスクールカウンセラーは、近隣の中学校及び小学校にも派遣され、県内小・中学校の約二三%に当たる百二十校の小・中学校で活動を行っております。平成二十年度における延べ相談件数は、小学校で約三千件、中学校では約七千八百件の合計一万八百件となっており、児童・生徒や保護者等から多くの相談が寄せられ、悩みや不安の解消に努めております。

 また、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、文部科学省の調査では、本県公立小・中学校のいじめの認知件数や不登校児童・生徒数がともに減少しており、このことは教員の教育相談に関する指導力の向上や、校内における教育相談体制の充実について、スクールカウンセラーが果たしてきた役割が大きいものと考えております。

 〔中村委員長、丸井副委員長と交代し委員長席に着く〕

 

◯中村委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 時間が大分余りそうなので、再質問をさせていただきたいと思います。ただいまスクールカウンセラーの事業の概要と取り組みの状況を御答弁いただきました。四十名の方が中学校四十校に配置されている。その方々が周りの小・中学校を含めて百二十校で活動している。それが全体の小・中学校において二三%ということであります。四分の一弱であります。

 それから、県内四十市町村のうち、実施している市町村が二十二市町という数字でございます。果たしてこのスクールカウンセラーの配置数と申しますか、活動の数です。単純な疑問として少ないんじゃないかなという思いがありますが、現状の認識として、この数について、教育長はどのようにとらえておりますでしょうか。

 

◯中村委員長 田村教育長。

 

◯田村教育長 このスクールカウンセラーにつきましては、臨床心理士など、それぞれ資格がございます。本県の場合は臨床心理士など、そういう資格を持つ方がまず少ないという実情がございます。その上、旧三市に偏っている部分もございますし、また、多くの方が例えば病院だとか、大学等に勤務しておりまして、大変兼業等というんでしょうか、そういうことが難しい状況にもございます。

 したがいまして、四十名配置して百二十のところに行くということが、それを拡大すること自体が先ほど申しましたように、そういう資格を持つ方がまず少ないという実情もございますので、私どもとすれば、これは多いにこしたことはございませんけれども、ただ、かといって、そういうわけにもいきませんので、現在の配置だとか、派遣校数、あるいは配置方式等、これを基本にしながら、やはり配置派遣計画のない小・中学校から要請等がございましたら、これは柔軟に対応していかなければいけないと考えております。

 

◯中村委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 答弁の内容としてはわかりました。ただ、やはりスクールカウンセラーが果たす役割、これは非常に大きいわけでありまして、増員に向けた検討を何らかの形でできないものかと私は考えておりますので、その部分をお願いだけしておきます。

 次に、これもいじめ・不登校に関することでありますが、電話相談事業の概要と、その取り組みの状況について御答弁をお願いいたします。

 

◯中村委員長 田村教育長。

 

◯田村教育長 電話相談事業の概要と取り組みの状況についてであります。県教育委員会では、学校教育課に生徒指導相談電話、あたたかテレホン、そして、二十四時間体制で相談に応じるいじめ相談電話24を、県総合学校教育センターに一般教育相談、県総合社会教育センターにふれあいテレホンを設置し、合わせて五つの相談電話でいじめや不登校等の問題に対応しております。電話相談窓口の周知につきましては、いじめ相談電話24を平成十九年二月に開設するに当たり、相談窓口のチラシをすべての小・中・高等学校及び特別支援学校に配付しております。さらに、周知カードを平成十九年三月には県内すべての児童・生徒一人一人に、次年度以降は小学校の新入学児童に配付しております。また、相談窓口の電話番号につきましては、これまでもリーフレットやポスター、教育広報に随時掲載するとともに、県教育委員会のホームページに掲載し、周知を図っております。

 この五つの電話を通しての相談の件数は、平成十九年度が千九百三十六件、平成二十年度が二千百六件となっております。このうち、平成二十年度におけるいじめに関する相談は八十四件、不登校に関する相談は七百七十一件となっております。これらの相談電話には、教育相談に関する資格や経験を有する相談員が対応しておりまして、内容や状況に応じて市町村教育委員会や学校、関係機関と連携を図りながら解決に努めております。

 

◯中村委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 ただいま電話相談事業について御答弁いただきました。その中で、いじめ電話相談24を平成十九年に開設したと。その際に、私は持っているんですが、県内の児童・生徒すべてに一人一人にこの周知カードを配ったと。平成十九年度に全員に配って、翌年度以降は小学校の新入学児童に配布しているということであります。それで、私も親でありまして、うちの長男が中学校二年生です。長女が小学校五年生です。三年前、平成十九年にこのカードを配ったわけでありますが、なくしました。ただ、長男はもらったのは覚えていると。ただ、どこに行ったかわからない。下の子は今、小学校五年なので、もらったのは小学校二年生なんです。もらったことすらわからない。それが恐らく現状なのかなというふうに思います。ただ、このカードの存在を知らないということは逆に、うちの子供はいじめで悩んでいないということで、安心もしました。

 それで、私が申し上げたいのは、現在、小学校の新入学児童にだけ配布と。この配布枚数が年間で一万四千九百枚と伺っております。これは六、三、三掛ける十二だとしても二十万枚弱。これ一枚幾らかわかりませんが、予算的にはそんなべらぼうな数字にはならないと思います。

 それから、カードの記載内容です。小学校一年生に配る割には、漢字に振り仮名が振られておりません。恐らくなかなか有効に使われていないのかなと。例えば小学校低学年向けとか、中学生向けとか、それぞれの年代に応じたカードの作成も一つのちょっとした工夫でありますけれども、改善が図れるのかなと感じました。時間がありますので、私の今申し上げた一つのちょっとした提案ではありますが、教育長、いかが感じ取ったでしょうか。

 

◯中村委員長 田村教育長。

 

◯田村教育長 大変貴重な御提言ありがとうございました。確かに小学校入学時に配布すると当然なくする子供たちもおります。私どもは、先ほど述べましたように、さまざまな周知方法を使いながらやっているわけでございます。また、小学校の生徒に渡すその内容等の問題もあります。

 したがいまして、これは中学校入学時に改めて子供たちに配布するか、あるいはその際、記載内容をどうするかともあわせて検討していきたいと考えております。

 

◯中村委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 ありがとうございました。

 それでは、最後の質問に移ります。八十三ページ、地域ぐるみのキャリア教育の推進について御質問をいたします。県においては、平成十九年度に策定いたしましたあおもりを愛する人づくり戦略に基づいてさまざまな取り組みを進めております。このうち、キャリア教育に関する取り組みについて、具体的な内容とその成果についてお伺いをいたします。加えまして、今後、このキャリア教育事業をどのように進めていかれるのか、あわせてお伺いをいたします。

 

◯中村委員長 奥川企画政策部長。

 

◯奥川企画政策部長 キャリア教育についてでございますが、委員からお話がございましたように、平成十九年九月に、あおもりを愛する人づくり戦略を策定いたしまして、この戦略に基づき、青森の未来をつくる人材の育成に向けて地域ぐるみの生きること・働くことについて考える学習活動、いわゆるキャリア教育の推進に取り組んでまいりました。

 昨年度におきましては、地域ぐるみのキャリア教育を支える関係主体の連携の促進を図るため、あおもりキャリア教育プラットフォームを運営するとともに加盟団体の拡大を図ってまいりました。具体的には、キャリア教育に関する実例の紹介や情報提供を内容とするプラットフォームの会報「ユメココ通信」を計六回発行し、キャリア教育に係る情報発信を進め、その結果、加盟団体につきましては二十団体ふえまして、平成二十一年三月末で百団体となっております。

 また、地域ぐるみのキャリア教育の効果的な展開に向け、平成十九年度に開発をいたしました「あおもり型キャリア教育プログラム」十九本ございます。このうち六本をNPO法人や企業、行政機関、学校を中心に構成されました県内各地域の実行委員会に委託し、プログラム実施上の効果や応用等の検証に取り組んでもらうとともに、実践を通した関係主体の相互の理解促進と連携の仕組みづくりの構築を図ってまいりました。このような取り組みにより、地域ぐるみのキャリア教育の推進を支える関係主体の連携の仕組みづくりに向けた環境づくりが進展したものと考えております。

 今後の展開でございます。地域ぐるみのキャリア教育を進めていくためには、今年度、人づくりネットワーク形成事業を実施し、地域ぐるみのキャリア教育を推進する人財の育成や連携の仕組みづくりの強化に取り組んでおります。人財育成面では、関係機関等とのネットワークを形成しながらキャリア教育を推進していく地域キャリア教育プロデューサーの育成講座を実施しており、今年度は基礎編、来年度は発展編を実施をし、三十名のプロデューサーを育成する予定です。また、この講座の受講生の方々には、キャリア教育に関する県民の意識啓発をねらいとして去る十月十日に開催をいたしました「ユメココ・フェスタ」の運営にもかかわってもらっておりまして、キャリア教育に関する認識を深めてもらったところでございます。

 次に、地域ぐるみのキャリア教育の推進に向けた連携の仕組みの強化を図るために、これまで県が実施してきましたキャリア教育に関する情報の収集、集約、そして発信に係る事業を民間委託により実施をしているところでございます。今後は、現在育成しております地域キャリア教育プロデューサーが核となって、あおもりを愛する人づくり戦略で目指している関係主体による連携の仕組みが構築され、自律的な地域ぐるみのキャリア教育が展開されるよう引き続き取り組んでまいります。

 

◯中村委員長 高橋委員。

 

◯高橋委員 御答弁ありがとうございました。青森づくりの基盤となるのは人そのものであります。その思いを持って今後とも人づくりに一層力を入れて頑張っていただくことをお願いいたしまして、時間となりましたので質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。