2009年10月09日:平成21年第259回定例会(第7号)   本文

◯二番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一であります。

 賛成討論を行います。

 本定例会に提出され、本日採決に付されますのは、議案第一号から議案第七号までの補正予算案七件、議案第八号から議案第二十一号までの条例案十四件、議案第二十二号の単行議案一件並びに専決処分した事項の報告及び承認を求めるの件一件であり、そのすべてに賛成、承認するものであります。

 初めに、議案第一号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第二号)案」について申し上げます。

 今回の補正予算は、国の補正予算に基づく経済危機対策関連経費が中心であり、また、これに関連する多くの基金設置条例も提案されているところであります。この経済危機対策関連の予算は、六月定例会で既に議決している三百三十三億円余の対策とともに、現下の経済・雇用情勢の改善や県民生活の安心確保につながるものであり、一日も早く県民の皆様にその効果が届けられることを期待するものであります。

 なお、先日、政府による補正予算の見直し状況が発表されております。地方向けの予算には大きな影響はないようでもありますが、その詳細は明らかになっておらず、また、現在も見直し作業は進められており、いまだ地方の現場を不安にさせている状態が続いております。また、これから政府が行おうとしている改革には、県民生活に直結するものが含まれておりますが、急激な政策転換に伴う地方へのさまざまな影響が憂慮されるところであります。

 事は県民生活に直接かかわることであり、県におかれては、県民の声、地方の実情をしっかりと届けていただくとともに、先日の一般質問で森内議員がおっしゃられたように、我々県議会としても、これを最優先に考えた対応が必要であると考えております。

 次に、本議会を通じて多くの議論がなされました原子力政策に関連して申し上げます。

 本定例会には、核燃料物質等取扱税の改正に係る条例案が提出されておりますが、使用済み燃料の貯蔵プールが貯蔵許可量に近づきつつある中、六ヶ所再処理施設においてはアクティブ試験が終了せず、先般、その竣工時期を一年二カ月延長する工事計画の変更が国に届け出されたところであります。これにより、現行の課税方式では来年度以降の税収の確保が困難な状況となったため、今回の改正に至っているものであります。

 このアクティブ試験の状況や再処理施設の竣工時期等については、県議会として、去る九月二十九日に開催された原子力・エネルギー対策特別委員会において、事業者側の対応をただしたところでありますが、阿部議員の一般質問に対して、知事からも改めてお答えありましたとおり、ガラス固化試験については、スケジュールにこだわることなく、安全の確保を最優先に進められることが重要であり、県におかれては、引き続き、県民の安全・安心を第一義に対処いただくとともに、我々としても、関心を持って今後の国及び事業者の対応を注視していきたいと考えております。

 最後に、アンデス電気株式会社の再生計画案への同意に伴う、中小企業高度化資金の債権放棄について申し上げます。

 この件については、本議会において多くの、そしてさまざまな議論がなされました。アンデス電気株式会社という特定企業のために多額の資金が貸し付けられ、これを放棄しなければならない事態に至った原因や、その責任の所在を初め、今後の債権回収に長期間を要すること、アンデス電気株式会社の再生の見通し等について、多くの議員が県の認識、対応等をただしたところであります。

 ただ、一方では、今回のアンデス電気株式会社の再生計画案が白紙となり同社が破産することとなれば、これによる多くの雇用が失われ、県内の雇用情勢へのさらなるマイナスの影響も予想されるところであります。また、この融資制度自体は、県内中小企業の育成や地域経済の発展のための大きな支えとなってきたことも事実であり、中小企業を取り巻く情勢が厳しい中、本制度が担うであろう役割は理解するところでもあります。しかしながら、我々としては、多くの県民が日々懸命に暮らしている中にあって、国民、県民の税金で賄われた本資金による多額の貸し付けを一企業のために放棄するという判断を選択しなければならないことは、まことに遺憾であります。

 県におかれては、どのような理由があったにせよ、この結果を招いた責任を重く受けとめ、このような事態が二度と起こることがないよう、誠心誠意取り組んでいく必要があると考えるものであります。

 このため、今後の中小企業高度化資金の貸し付けに当たっては、中小企業はもとより、県民の理解を得られる運用が求められるところであり、先日開催された商工労働エネルギー委員会において、多額な中小企業高度化資金の貸し付けに当たっては、中小企業の置かれている状況に十分配慮するとともに、審査体制のなお一層の充実に努めること、そして貸し付け先のフォローアップ体制のなお一層の強化充実に努めること、さらにアンデス電気株式会社に係る貸付債権については、最大限の回収に努め、償還状況及び経営状況について議会に対し定期的に報告することを内容とする附帯決議案が提出され、可決されたところであります。

 県におかれては、この趣旨を重く受けとめ、真摯に対応いただくことをお願いするものでありますが、我々県議会の総意として、本会議においてもこれを決議すべきと考えるものであります。

 以上を申し上げ、賛成討論を終わります。