2009年02月19日:平成21年環境厚生委員会 本文

◯阿部委員長

 ほかに質疑はございませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 おはようございます。それでは私の方から質問させていただきたいと思います。

 本日、常任委員会終了後に、青森県看護協会さんと私ども常任委員会のメンバーが意見交換をすると、その予定が組まれておりますので、事前にこの点について我々知識を高めるためにも、また医療行政にとっても極めて重要な課題であろうかと思いますので、看護師の確保につきまして、健康福祉部並びに病院局にそれぞれ質問を行わせていただきたい、そのように思います。

 初めに、看護師対策に関連して、本県の看護師の現状につきましてお聞かせいただきたいと思います。

 

 

◯石岡医療薬務課長

 看護職員の数につきましては、2年に一度実施されます「保健師、助産師、看護師及び准看護師の業務従事者届」で把握しておりますが、平成18年12月末日現在の状況ですと、県内の看護師は1万170人、准看護師は6,417人が県内で従事しているという状況になっております。

 人口10万人に対しまして、看護師さんと准看護師さんがどうなっているかということにつきましては、青森県は看護師が714.7人、准看護師が450.6人となっておりまして、これを全国平均と比べますと、全国平均は看護師が635.5人、准看護師が299.1人でございますので、本県の看護師・准看護師の数は、人口対では全国平均を上回っている状況にございます。

 ただ、全国平均につきましては、それじゃ、国際的にその全国平均なるものがどうであるのかということを見る必要がございます。我が国は、OECD加盟国の状況を見ますと、人口当たりの看護師数は30カ国中14位と中位になるわけですが、病床当たりで見ますと、その看護師数は、アメリカ、イギリスの約4分の1と極端に少ないという状況となっております。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 ただいま本県の正看あるいは准看の人数と、それから人口10万対のそれぞれの割合と申しますか、御答弁ありました。いわゆる看護師不足と言われて、よく聞くんですが、それをどのような定義のもとに申し述べるのか、私ちょっと知識がないんですけれども、そういう実態的なもので県として何らか見解なりがあれば、ちょっといただきたいんですが。

 

 

◯石岡医療薬務課長

 県におきましては、これ全国各都道府県すべて実施しておりますけれども、青森県看護職員需給見通しというものを作成しております。直近の作成年次が平成18年3月でございまして、平成22年末で約700人の看護師不足が見込まれるというふうに推定しております。

 ただ、その後、より手厚い看護体制を診療報酬面で評価いたします7対1看護が新設されたこと、それから高齢社会の進展によりまして、看護職員の需要が引き続き高まっているといったことから、現時点では需給見通し以上に将来的に看護師が不足していくであろうと予測しております。

 相当前は看護師さんはベッドサイドケアが中心であったわけですが、現在は看護師に専門的な技術・知識が求められるようになっております。さらに、医療の高度化に対応いたしまして、電子機器の取り扱いあるいは医薬品の取り扱い、さまざまな知識・技術が看護師さんに求められるようになっておりまして、その負担は相当重くなっているというふうに認識しております。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 それでは、青森県において行っている看護師確保のための対策について、その対策のメニューをお聞かせいただきたいと思います。

 

 

◯石岡医療薬務課長

 お答えいたします。

 県におきます看護師確保対策でございますが、一つには、看護師等養成所の教育の充実を図るために、運営費補助事業を行っております。2つには、質の高い看護職員を養成するために、看護教員再教育講習会や看護師等実習指導者講習会を開催しております。3つには、県内定着促進のための修学資金貸与事業を行っております。さらに4つには、潜在看護師、つまり退職した看護師さん方の再就業促進のため、ナースセンター事業を青森県看護協会に委託して実施しております。

 さらに、県内の病院は決して看護師が足りているという状況ではないわけですが、いま一つ看護師さんの就職に向けての取り組みが不足していたなと、大都市圏の病院に比べてですね。大都市圏の病院はものすごい青田刈りと申しますか、それをやりますので、そこで、そうであってはいけないということで、県が主体となりまして、平成19年度から看護学生を対象とした就職相談会を実施しまして、新卒看護師の県内就業を促進しております。

 去る2月14日に実施した相談会では、県内の28病院と職能団体の青森県看護協会が参加し、そして135名の看護学生がこの相談会に訪れております。この相談会に関しましては、潜在看護師やU・Iターンを希望する看護師さんも参加できるよう、さまざまな方法を通じてPRをしていきたいとも考えております。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 明日から議会も本会議が開会いたしまして、来年度の予算も審査をやるということでありますが、今もし御答弁いただいたその看護師の対策については、次年度以降も継続されるのか、あるいは何らかの拡充がされるのか等々、そこをお知らせいただきたいと思います。

 

 

◯石岡医療薬務課長

 県財政厳しき折ではございますが、看護師確保対策には維持を図ってまいりたいと考えております。

 以上です。

 

 

◯高橋委員

 はい、わかりました。しっかり頑張っていただきたいと思います。

 次に、病院局の方にお伺いいたしたいと思います。初めに、県立病院等における平成20年度の看護師の採用状況、それから平成21年度の採用見込み、これがどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。

 

 

◯村上病院局運営部経営企画室長

 今の御質問に御答弁をさせていただきます。

 まず、看護師の採用につきましては、病院局が所管してございます中央病院及びつくしが丘病院に加えまして、知事部局のあすなろ・さわらびの両医療養育センター分を含めて、当病院局において採用選考を実施しているところでございますが、まず平成20年度につきましては、定年・勧奨退職等による欠員補充のほか、平成21年度に県立中央病院において予定してございます7対1看護の導入に向けまして、先行的に要員を確保した分を含めまして、53名の看護師を採用いたしましたところでございます。

 また、21年度につきましては、採用見込みではございますが、同じく定年・勧奨退職者等の欠員補充に加えまして、先ほども申し上げました、来年度から実施することとしております中央病院の7対1看護の要員を確保するなどのため、132名の採用を予定しているところでございます。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 20年度が53名、21年度が132名の見込みということでありました。青森市内の医療機関なんですけれども、経営に携わる方から、平成21年度、あまりに一気にこの看護師の採用がふえたということで、県立病院の医療の充実という観点から行けば、その方いわく何ら異論はないということではありましたが、そのことによって中途での看護師の退職者が県病に流れたと。恐らく35歳まで採用していると思うんですが、初採用で雇って、5年・10年という形で看護の教育をしてきた人材が一気に流れてしまうような状況もあったと、そういう声をいただいております。

 また、新規の採用についても、県立病院の大量採用によってかどうかわかりませんけれども、なかなかよい人材が集めにくかったというようなお話も伺っております。

 そういったことがありますけれども、県内の他の民間の病院に対しての配慮という点ではどのようにされたのか、その辺をお伺いしたいと思います。

 

 

◯村上病院局運営部経営企画室長

 先ほどお話を申し上げ、また委員からも御指摘ございましたとおり、平成20年度また21年度につきましては相当数の看護師の採用を行い、また予定しているところは事実でございます。

 ただ、私どもといたしましても、この採用試験の実施に当たりましては、一つには、試験の実施時期につきまして、実は例年は9月に一次試験を、そして11月に二次試験を行って、その後、合格や内定を出していたところでございますが、先ほども医療薬務課さんの御答弁にもありましたとおり、首都圏等他地区の病院はもっと早い時期に試験を実施いたしまして、夏前には採用予定者を確保するというようなことを頻繁にやってございます。

 こういうことでは、県外の看護学生の目が先にそちらの方に、県外の方に向かってしまい、そちらに引っ張られてしまうということが往々にございますので、何とか県内にとどめたいということを考えまして、こういった動きにおくれないよう、今年度は当病院局として7月に試験を前倒しして行いまして、8月には合格・内定を出すという方式に改めたところでございます。

 また、昨年6月に青森市で開催されました、こういった将来の看護師を目指す看護学生を対象とした出版社主催の就職説明会、これには実は首都圏の私立大学病院など48の施設が参加していたわけでございますが、その中に、県内の病院として唯一参加をいたしまして、看護学生の方々に早めの情報提供を行ったところであります。

 結果として、48施設中最も多くの方々にブースを訪れていただいて、説明ができたところであります。

 こういったことを通じまして、なるべく県外への流出を避けるような方向に持っていきたいということを考えておりまして、これにつきましては、県内の看護師の養成機関の方々からも、流出防止につながるということで歓迎の声をいただいたところであります。

 また、さらにこの試験の実施案内につきましても、従来は各県内の養成機関への通知、またホームページで募集するということを行っておりましたが、今回、県外に流出し活躍している看護師を呼び戻したいということで、東京事務所にも募集案内を配備いたしましたほか、看護に関する全国誌に募集情報を掲載し、Uターン等の看護師確保に努めているところであります。

 今後とも、私どもといたしまして必要な看護師の確保や募集に当たりましては、県内の各養成機関と連携を図るとともに、特にUターン等他県・首都圏等に出た方を引っ張ってくるということも、意を用いまして必要な情報提供をしながら、幅広く募集をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上であります。

 

 

◯高橋委員

 ちょっと事前の通告がうまくいかなかったのか、今は恐らく県外への看護師の方の流出の対策を申し述べていただいたのかなと。私が聞きたかったのは、看護師という労働力、人的な労働市場が限られている中にあって、昨年の平成21年度からの採用が急激にふえたと。そのことによる影響が少なからずあるのではないかという指摘をさせていただいて、その上で、そのことに対して昨年の採用試験の時期に何らかの対応があったのかなという意味でお聞きしたものでありますが、どうでしょうか。

 

 

◯木村病院局運営部長

 経営企画室長の答弁を少し補足いたしますが、極力そういう県内の他の病院に御迷惑をかけないようにするためにも、新卒者をまずできるだけとろうという努力をしているということを、今申し上げました。

 だまっていればどんどん取られてしまって、結局、勤めていらっしゃる看護師さんの奪い合いとかそういうことにならないように、極力、もう1人でも多く新卒者をとろうということ。

 それから、雑誌等にも掲載してますが、本県出身者で他県に勤めていらっしゃいますけれども、やはりある程度ベテランになりますと親御さんの介護とかいろんな問題ありまして、青森県に帰りたいという方も多数おられます。そういった方々への情報提供もできるだけしまして、Uターン、Iターン、IターンというよりもUターンですね、Uターンの看護師さんを募集しようということで、そういったことも、そういう他の病院への配慮の一つだと、我々は改善を図ったと考えています。

 また、採用時期も、免許がある方であれば直ちに採用してもいいわけでございますけれども、それは、逆に言えば、そういう他の病院に勤めている看護師さんをいきなり抜かれますと、そういう数は少ないんですが、他の病院の方は困ってしまいますので、3カ月とか4カ月とか、新しい看護師さんの補充に時間的な余裕ができるように、そういった採用の時期に関しても最大限配慮しているところでございます。

 

 

◯高橋委員

 はい、理解いたしました。県内の民間の医療機関も、やっぱり非常に看護師の確保という点では頭を悩ませているものと思います。今後とも計画的な採用に努めていただきたいと思います。

 それから最後ですけれども、平成22年度の採用見込みがどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。

 

 

◯村上病院局運営部経営企画室長

 22年度の採用見込みということでございますが、平成22年度の採用見込みにつきましては、定年退職者、勧奨退職者、私事都合による退職者など、毎年度退職が出てまいりますので、現時点では、その平成22年度を予測するということは非常に困難ではございますが、基本的なスタンスとしては、今後新たな事情がない限り、病院局としては、平成21年度中の定年・勧奨・自己都合等による退職者の欠員補充を基本として行うという、ほぼこれまで、ここ近年を除きましたほぼ例年どおりの採用形態になるものと考えてございます。

 いずれにいたしましても、年度年度精査をしながら、必要な看護師の適切な採用を行ってまいりたいというふうに考えているところであります。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 例年どおりと。7対1看護による補充というのは終わったと理解してよろしいんでしょうか。

 

 

◯村上病院局運営部経営企画室長

 当県立中央病院の7対1看護体制は、平成21年4月、来年度から実施することになります。そのため、その必要な要員につきましては、今年度の採用までにきっちり確保をしてまいると、そういう形で今進めているところでございます。

 以上でございます。

 

 

◯高橋委員

 はい、わかりました。先ほどと全く逆のことを言うようですけども、一気に今度下がると。これで新卒の、例えば、県立の保健大学の看護学科を卒業する今の4年生になるんですか、3年生ですか(「3年生ですね」と呼ぶ者あり)3年生ですね、県立病院で働きたいとしても、それがすごく狭い門になるんでしょうね。そういう影響もあろうかと思いますので、ほかの医療機関にその方々は流れざるを得ないという点もあろうかと思いますけれども、今後とも、やっぱりその点も含めて計画的な採用というのは必要であろうかと思います。

 それから、これは質問はいたしませんけれども、事前に聞いたところによれば、弘前であるとか八戸であるとか看護師の養成施設が、学校が、青森も大学・短大等で新規でかなりふえてきていると。そういった看護師の人材育成という観点からいけば、近年かなり青森県は重視されてきているというふうに思います。

 今、景気が非常に悪い中にあって、製造業も悪いし、それから公共事業もかなり少なくなっている中にあって、建設業も雇用が見込める分野ではないと。そういう意味から行けば、保健・医療・福祉、これらの分野は今後着実に雇用が見込める分野であろうかと思いますので、雇用対策という意味からも、こういった人材の養成という部分は、ぜひとも県として力を入れていってほしいなというふうに思います。

 以上で終わります。